ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 久しぶりに変態的なプレイを描きたいなぁと思ったらこうなっていましたね……


エッチな子になりたいです!!

 今日も今日とてアイツらの指導役として虹ヶ咲に来ていた。何度も来ているせいか私服で女子高を歩くのにも慣れ、学校の人たちも俺の存在を認知しているようだ。そのせいかこの学校に入る時は顔パスであり、校内を歩いているだけで女の子たちに話しかけられる。やっぱり女子高の子たちって男に飢えてんのかな? この学校って先生も女性ばかりだし、若い男を喉から手が出るほど欲しているのかもしれない。それに高校だから思春期の子たちばかりだもんな、そりゃカッコいい男に惚れるのも無理はないか。

 

 思ったけど、この学校の生徒も先生もみんな美女美少女揃いだ。この学校に男子がいたら常日頃から性欲が滾って仕方がなかっただろう。

 それにしても俺好みの容姿を持った女性しかいないので、もしかしたら何か仕組まれているのか? これほどまでお目に敵う女性ばかりで、俺を受け入れてくれるような都合のいいことが――――いや、アホらし。マンモス校なのに俺好みの生徒と先生をここまで集められるわけねぇか普通。くだらないことを考えていないでさっさとアイツらのところに行こう。

 

 と、その前に、俺は会いに行かなければならない子がいる。昨日『相談したいことがあります』とメッセージを受け取ったので、練習の前にその相談に乗ってやる予定だ。

 待ち合わせ場所は何故か教室棟のどこかの教室。来客があまり立ち寄ることがないためか男の俺がウロウロすると余計に目立つ。それでも明るく話しかけてくれる子ばかりなのでよっぽど俺に恋焦がれているのか、それとも物珍しさなのか……。

 

 相談相手の待ち合わせ場所の前に到着した。したのだが……ここって空き教室じゃないか? 教室の扉の上のプレートには何も書かれていないので素通りしてしまいそうだったが、窓から相談相手が見えたから辛うじて踏みとどまれた。こんな人の影も形もないところで何をしようってんだ……?

 

 

「待たせたな、エマ」

「零さん! わざわざ来てくださりありがとうございます!」

 

 

 待ち合わせの相手はエマだ。俺の顔を見た瞬間に明るい表情になり、こちらに駆け寄ってきて頭を下げる。

 こうして見るとやっぱり虹ヶ咲の中でもとびきりの純粋っ子だな。歩夢やしずくもその部類と言えばそうだけど、片や煩悩に支配されつつあり、片やヤンデレ気質を持っているため純粋と言うにはやや疑問が残る。となるとコイツが虹ヶ咲最後の良心かもしれないぞ……。

 

 

「それにしても、どうしてこんな人気がないところに呼び出したんだ?」

「少し相談事があるんですけど、あまり人には聞かれたくないことなので……」

「早速顔が赤くなってるぞ。らしくもなく緊張してんのか?」

「わ、私だって緊張したりしますよ! 零さんの前だと特に……」

 

 

 エマはほんわかとした雰囲気とは裏腹に堂々としてるから、こうして頬を染めてもじもじとしている様が意外と珍しかったりもする。みんなのお姉さんポジションを確立してるってのもあるだろうし、甘やかし上手なママ属性をも備えているから年相応の女の子の反応を見るのは新鮮だ。他の奴らに見せないその姿を俺の前で披露してくれるんだから、ちょっと優越感を感じちゃうな。

 

 それにしても俺たち2人しかいない空き教室。そして目の前にスタイル抜群で緊張をしている美少女。エロ同人だったらここからどうなるかは明白で、想像すればするほど期待してしまう。さっきコイツをとびきりの純粋っ子と言ったが、もしかして悪い子になっちゃうのか? シチュエーションだけ見れば男女の情事にはピッタリだからコイツもそれを狙って――――

 

 いや、それはねぇか。エマに限って自らエロいこと懇願するなんて妄想もできない。それにほら、聖母でありママだしな。

 

 

「で? 相談事ってのは?」

「そ、その……わ、私に――――エッチなことを教えてください!!」

「な゛ぁっ……!?」

 

 

 最速フラグ回収。毎回そうだが、今回こそは大丈夫だろうと思った直後に想定が現実になってしまう現象に陥っている。これが主人公属性ってやつなのか……。

 俺のことはともかく、エマの口から放たれたのは衝撃の言葉。穏やかな風貌とあまりにも不釣り合いなその言葉に俺は一瞬何を言っているのか理解できなかった。聞き間違いと思ったらどうやらそうではなく、嘗てないほど緊張している様を見るに本気なのだろう。一体なにがどうなってそれを相談しようってなったんだ……?

 

 

「どうしていきなりそんなことを? 言っておくけど正気の沙汰じゃねぇぞ……」

「私、零さんともっと仲良くなりたくて……。だとしたら零さんが好きなエッチな子になるしかないと思ったんです!」

「おいそれ誰からの入れ知恵だ!? お前がそう考えたわけじゃねぇだろ??」

「かすみちゃんが『零さんと仲良くなるならエッチなことを覚えればいいですよ♪ 零さんそういうの大好きですから!』と。でも私、エッチなことの知識は全くないので……」

「それで俺に聞こうってことか。ロクでもないこと教えてんなアイツ……」

 

 

 エッチな知識がないのは分かるが、だからって俺に直接性的好みを聞こうとする度胸がすげぇよ。それがエマの純粋さなんだろうけどさ……。

 それよりもねじ伏せるべきはかすみだ。純粋っ子に性的な種を植え付けるのはこの世で重罪に値する。俺がμ'sの一部の連中にそうさせてしまったからこそ被害がどれだけ深刻なものになるかよく分かっているからな。アイツは後でお尻ぺんぺんの刑に処そう。

 

 

「エロい知識って言ったってなぁ……。こう言っちゃアレだけど無数にあるっつうか、ソフトなものからハードなものまであるっつうか……」

「零さんが好きなことでいいんです! 私がしてあげられることがあれば何でもします!」

「な、何でも……?」

「はいっ! 私は本気です!!」

 

 

 女が男に『なんでも』発言は迂闊にしない方がいい。この世にはそれだけで興奮して襲ってしまう性欲魔人がいるくらいだから。ちなみに俺は違うよ? いやホントに。

 でもエマは言葉通り本気らしい。コイツの意志は自分の中でしっかりと芯が通っておりブレることがない。あれこれ悩んで優柔不断になるよりもまず行動をするタイプだ。そうでなければ好きな男に対して性知識を求めたりはしないだろう。

 

 それにしても『なんでも』かぁ……。下心丸出しになるが、コイツに相手をしてもらえるとなるとまず胸に目が行ってしまう。明らかに高校生離れしたB92の胸は男にとって眼福過ぎる。その豊満な双丘で色々なところを挟んで欲しい、顔を埋めたい、揉みしだきたいetc……妄想は無限大だ。だからこそそれを好きにしていいと言われたら逆に困っちまうよ。それにやっぱほら、エマにそういうのを教え込むのは罪悪感があるというか……。まあお前が今更何を言ってんだって話だけど。

 

 

「やって欲しいことが決まらないのであれば、私からいいですか?」

「お前から? 俺にやって欲しいことがあるのか?」

「はい。ちょっと待ってください……あった、これです!」

「なんだそれ? コンデンスミルク……?」

 

 

 エマはカバンからコンデンスミルクを取り出して俺に見せつける。この流れでどうしてそんなものを取り出したのか全くもって意味不明だ。お菓子作りが得意なのは知っているが、まさか俺と一緒に料理でもしようって魂胆か……?

 

 

「残念ながら俺は料理ができない。どう作っても男飯になって見た目最悪になっちまうからな」

「そうじゃないです! これを零さんにお渡ししますので、自分の身体のどこでもいいのでミルクを付けてください。そうしたらそ、その……私が舐め取りますから!!」

「は、はぁ!? それまた誰の入れ知恵だ!?」

「愛ちゃんが『零さんは女の子の誘惑に弱いから、攻め続けたらいつか理性が崩壊して襲ってくれるよ! 零さんに襲われたら女の子として一人前だから♪』と……」

「どうしようもねぇなアイツも……」

 

 

 確かにそんな危ないことを思いつきそうなのは愛くらいしかいねぇよな……。つうかあまりにもプレイがマニアック過ぎる。一体どこで仕入れてきたネタなのやら……。

 だけどちょっぴり興奮してしまったからあまり強くは言えない。ミルクをかけた場所を舐め取ってくれる、それつまり俺の身体のあらゆる場所をエマに綺麗にしてもらえるってことだ。女の子で身体を洗うといった背徳的満足感に浸ることができる。そう考えると男の性として期待せざるを得ないだろう。もう一度言う、身体のどこでも舐め取ってくれるんだ。そう、どこでも……。

 

 エマからコンデンスミルクのチューブを渡される。何の躊躇いもなく受け取ってしまったから、俺自身も今から行われる情事に否定的ではないらしい。

 そうだよ、コイツがやる気なんだったら応えてやるのが男ってもんだろ? こんなマニアックなプレイに誘ってくるくらいだ、本気以外の何物でもない。いつも女の子たちに変態変態と罵られているけど何だかんだみんな俺を受け入れてくれているから、俺も変態プレイを仕掛けてくる子をしっかりと受け止めてやるよ。

 

 俺は自分の右手の指にミルクをかけエマの前に差し出す。するとエマはゆっくりと膝立ちになり、目を瞑って俺の指を――――パクっと咥えた

 

 

「んっ……ちゅっ……」

 

 

 冷静にならなくても俺たちは今とんでもなく偏ったプレイをしていることが分かる。指を舐められているだけなのにここまでアダルティックな雰囲気になるとは……。

 エマは顔を前後に動かして俺の指を舐める。その動きはまるで()()()()を想像させる。唾液音が艶めかしく響き、口から零れ出るミルクは()()にしか思えない。遠目でこの光景を見た人は確実に男女の情事に浸っていると勘違いするだろう。

 

 

「ちゅっ……あ、んっ……」

 

 

 息継ぎをしながらも俺の指から唇を離さないエマ。ママ属性のコイツに指をしゃぶらせるなんて、なんだか人妻を従えているみたいでやや興奮する。俺は至ってノーマル趣味なのだが背徳感情もそれなりに好きだ。だからこういった変態的なプレイも悪くないと思ってしまう。

 

 それにエマのこういう姿、意外と似合っていてアリだ。多分虹ヶ咲の誰にやらせてもそう思うのだろうが、女子高校生が自ら跪いてしゃぶってくれる快感は計り知れない。こういったプレイを繰り返すことで人は偏屈趣味趣向を持っていくのだろう。俺は別にいいのだが、思春期で多感な時期の女の子にそれを教え込むのは犯罪臭がプンプンするよ。それはそれでまた背徳感があっていいのかもしれないけど……。

 

 エマの唇と舌に包まれた指はまるで抱きしめられているかのように暖かい。彼女が顔を前後に動かすたびに唾液でぬるぬるになっている俺の指が唇と舌で綺麗にされ、その後すぐさま分泌された唾液によって濡らされる無限ループ。肉厚の唇、ねっとりと絡みつく舌によって、俺の人差し指は極上のご奉仕を受けている。ただしゃぶりついているだけじゃなく、相手を気持ちよくさせたいというエマの真心も興奮の相乗効果となっているのだろう。ご奉仕の丁寧さといい、やはりみんなのお姉さんやママと言われるわけだ。

 

 妖艶な雰囲気に、俺も徐々に飲み込まれていく。そしていつの間にか、彼女からの奉仕をぼ~っと受け止めていた。

 

 お互いに黙ったまま現状が続き、しばらくしてエマが俺の指から唇を離す。

 俺の指と彼女の口に唾液が付着しているのがプレイの生々しさを語っている。エマは顔を紅潮させたまま小さい吐息を吐き続け、ハンカチを取り出し自分の口元、そして俺の指を拭う。その姿は上品だがあまりにも淫猥で事後処理、つまりお掃除〇〇〇と思われても仕方がない。そんなエマを見て俺も正常な思考回路ではいられなくなっていた。

 

 

「あ、あの、私……エッチな子になれてますか?」

「あ、あぁ、エロくて猥褻物そのものだ……」

「零さんが悦んでくださったのなら嬉しいです……♪」

 

 

 とんでもないことを言ってしまった気がするが、俺もエマも正常ではないためお互い気にも留めなかった。

 小さく微笑んで嬉しそうにしている彼女の頭を撫でてやると、目を瞑って気持ちよさそうな反応をした。俺も彼女も場の雰囲気に飲まれ、もうお互いがお互いしか見えていない状況だ。もはやお互い何をされても抵抗せず、何を言われても肯定し、何をされても純粋な反応を見せるだけ。それくらいに思考が妖艶な雰囲気に支配されていた。

 

 そして俺は、またエマに舐めてもらいたいという淫らな欲求がある。

 再びコンデンスミルクのチューブを取り出し、今度は自分の右耳にミルクをかけた。

 

 するとエマは膝立ち状態から立ち上がり、俺の身体の右側に移動すると、背伸びをして白い液体が滴る耳を――――はむっと咥えた。

 

 耳を甘噛みされるなんて人生初体験なのだが、これはこれで悪くない。なんせ密着しなければできないプレイだし、お互いに顔を近付けなければならないので相手の存在を思う存分に感じられる。それに顔やその周辺パーツは神経も敏感なので、彼女の唇の柔らかさや暖かさが鮮明に伝わってくる。エマのほんわかとした心地よい香り、空き教室でこんな変態プレイをやっているという背徳的な雰囲気も相まって、より一層2人だけの空間が作り出されていた。

 

 

「はむ……んっ……ちゅっ……」

 

 

 エマは卑しく甘噛みする音を立てながら、俺の耳に付着したミルクを舐め取る。そこまでの量をかけていないのでもうとっくにミルクは拭きとられていると思うが、彼女の唇は俺の耳を離さない。それだけ夢中になっているということだろう。エッチな子になりたいという話だったが、これだけ色っぽく男の指や耳をしゃぶれるんだから相当エッチで変態になっていると思うぞ。身長差を埋めるために健気に背伸びをしているところもポイントが高い。俺も変な性癖に目覚めてしまいそうだ。

 

 

「はぁ……零さん……」

 

 

 耳元で名前を囁かれ、俺の身体にゾクゾクとした震えが走る。エマは特に意識して俺の名前を呟いたのではなく、どうやら俺と同様に気持ちが高ぶり過ぎて思わず囁いてしまったのだろう。そうやって自然と耳をくすぐられたせいか、幼い頃に母さんに優しく名前を呼んでもらった時のことを思い出す。こんな変態プレイをしているのに妙な安心感を持っていたのはコイツが母性を持っているからに違いない。エッチなことをしているはずなのに癒される謎の矛盾。そんな味を出せるのも彼女だからこそだろう。

 

 しばらく彼女の暖かさに浸る。更にしばらくして、エマは背伸びの体勢がキツくなってきたのか俺の耳から唇を離す。

 そして俺の顔を覗き込むようにこちらを上目づかいで見つめた。

 

 

「そ、その……他のところはどうですか……?」

「どこでも……いいんだよな?」

「はい。零さんのお身体、綺麗にしてあげたいです……」

 

 

 汚しているのは俺自身なんだけどな……。そう言いながらも次はどこにミルクをかけようかと悩んでいるあたり、俺も相当このプレイが板に付いてきたらしい。俺もエマも雰囲気に飲み込まれまともな思考をしていないのは同じで、お互いにもっと相手と密着したい、身体で感じたいと思っている。淫猥なムードのせいでお互いに小さな依存関係にありつつあった。

 

 いつもみんなのお姉さんやママとしてのポジションであるコイツにこうして求められる快感は堪らない。もっとコイツの恥ずかしい姿を見たいという欲望ばかりが渦巻く。

 そこで俺は妙案を思いついた。

 

 

「なぁ、今度はお前がこれをかけろ」

「えっ、私がですか……?」

「あぁ、立場逆転だ。お前がこのミルクを自分の好きなところに塗れ。そうしたら俺が舐め取ってやる」

「そ、そんな、零さんに綺麗にしてもらえるなんて……」

 

 

 相変わらず変態的なことはすぐに思いつく。だがここまで形容し難いプレイに没頭するくらいのめり込んだから、この後にいかなる変態プレイが待ち受けようとも動揺しない精神が作られた。エマも恥ずかしがってはいるが否定的ではないため、コイツも相当思考回路がバグっているのだろう。

 

 俺はエマにコンデンスミルクを渡そうとする。しかし、彼女はそれを受け取らなかった。

 

 

「どうした?」

「私ではなく、零さんが好きに私に塗ってください……。そ、その、どこに塗られても受け入れますから!!」

「本当にいいのか? 俺は優しくないぞ?」

「大丈夫です。むしろ乱暴にしてくださった方が嬉しいです。そっちの方が零さんに求められている気がして……♪」

 

 

 ここで小さくはにかむとは中々の度胸だな。それか俺がどれだけ女の子のカラダに詳しいかを知らず、ただただ欲望だけで俺に身を委ねようとしているのか。どちらにせよ俺にとって好都合だ。女の子の『すべて受け入れる』『好きにしていい』ほど嗜虐心を満たされるセリフはない。

 

 改めてエマの全身を眺めてみると、本当に高校生離れした健康的過ぎるカラダをしている。胸は規格外の大きさで、抱き着くだけで暖かそうな肉付きの良いスタイル、思わず鷲掴みにしたくなる太ももやヒップなど、もう俺に侵略されるためだけに生まれてきたようなカラダだ。スイスの大自然で育まれたであろうそのワガママボディを、都会育ちの穢れた手で浸食しようとする征服欲を今まさに味わおうとしている。

 

 故郷の親御さんが大切に育て上げたこの子は、俺がいただく。思春期という最も多感な時期の女の子に、男を刻み込む。もう俺の欲望は世界一黒くなっていた。

 

 そして――――

 

 

「きゃぁっ!?」

 

 

 俺はコンデンスミルクのチューブをエマに向けると、チューブの腹を思いっきり押し込んだ。

 そうすればもちろん中に入っているミルクが勢いよく噴射され、目の前にいたエマの全身に降りかかる。エマはその場で女座りになりながら自らに降りかかってきたミルクに戸惑っていた。彼女の全身に白い液体。そう、事情を知らない奴が見たら()()がぶっ掛けられたようにしか思えない。いや、事情を知っていたとしてもこの光景は非常に扇情的だ。いわゆる顔射、胸射、その他諸々、滴り落ちるミルクがとてつもなく卑しい。

 

 

「どこでも、受け入れるんだったよな?」

「は、はい! これで零さんの好みのエッチな子に、なれますよね……?」

「あぁ、とても興奮してる。完璧だよ」

「えへへ……♪」

 

 

 白い液体をかけられているのに笑顔になるとは、どこまでも俺のことを想う純情な奴だ。俺のためにここまで穢れてくれるなんて、そんな姿を見たらもう我慢できるはずがない。

 俺は一歩、二歩、徐々に彼女に近づく。エマも心の準備はできているようで、目を瞑って受け入れ態勢は万全のようだ。

 

 

 もうすぐ、もうすぐこのカラダを俺が――――――

 

 

 その時、空き教室であるはずのこの部屋のドアが開いた。

 

 

「全く、臨時でこんなところを掃除するなんて先生も無茶言うよ。今日は歩夢の練習を見てあげる予定――――え゛っ!?」

「仕方ないよ。この教室は来週から改修工事って、どうしたの侑ちゃん――――ふえっ!? えぇええええっ!?!?」

 

 

 教室に入って来たのは掃除用具を持った侑と歩夢。

 この瞬間、さっきまで変態プレイに興じてバグっていた思考回路が正常に戻った。

 

 

 そして俺は思った。

 また、お預けオチかと……。

 

 

「お、おおおおおおおお兄さん!? そ、そそそそそそその白いのって……!?」

「零さんとエマさんいつからそんな関係に!? が、学校でやるなんてはしたないですよ……!!」

「ち、違うの2人共!! これは2人が考えているようなことじゃなくって!!」

「れ、零さんってたくさん出すんですね!? ビックリしました!!」

「驚くところそこかよお前……」

 

 

 歩夢の驚くベクトルがおかしいが、今は触れないでおいてやろう。

 

 結局エマとの一件はこれで終わってしまった。女の子といい感じになったら別の女の子が乱入してくる子の展開、そろそろ断ち切りたいんだけど……。これも主人公としての運命なのかもしれないが、こうも寸止めをされると欲求不満になっちゃうぞ……?

 

 ちなみに今回は状況が異常すぎたためか、侑に怒られなかった。

 これでホッとする俺も俺だよな……。

 




 ハーメルンにエマがメインの小説がないので『この小説では大活躍させて可愛いところを見せてあげるぞ!』って思ってたら、いつの間にかこんなことになってました(笑)
でも純粋っ子だからこそこういったプレイが似合うと思うので後悔はありません!





【告知】
 前々から告知していた作家勢が集まって投稿する企画小説ですが、2/7(日)より始動します。投稿された際は是非ご覧ください!

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