ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 ようやく遥ちゃん登場回。
 ちなみに自分は妹キャラが好きなので遥ちゃんは問答無用で好きになりました(笑)


近江姉妹の秘密特訓!

 虹ヶ咲学園への訪問から数日が経過した。久々の再会や歓迎会を経て歩夢たちとの仲もより一層深まり、高咲侑といった新たな女の子の出会いもあったりと非常に内容の濃い一日だった。歓迎会の最後はみんなが酔っ払ってしまい流れで解散になったものの、過ぎてしまえばあのどんちゃん騒ぎもいい思い出だ。あとからみんなに一斉に謝られはしたが、元を辿れば秋葉が元凶なのでむしろ謝らなければならないのは俺の方なんだよな……。

 

 ちなみにその日以降、俺のごく普通の日常にも少し変化が出てきた。歩夢たちとの仲が深まったおかげかアイツら(侑以外)から割と頻繁に連絡が来るようになり、メッセージで他愛もない話をするのが日常となっている。スクールアイドルのことはもちろん、こんなお菓子作りに挑戦してみたから今度試食して欲しいやら、みんなでここへ遊びに行ったから次は俺と行きたいやら、俺の家に訪問して秋葉や楓とお話したいといった自ら地獄へ飛び込む無茶話やら何でもありだ。もちろんアイツらとそういった話をするのは苦ではなく楽しんでいるから困ってなどいない。まぁ普段からμ'sやAqoursの相手もしているから、今更何人か増えたところで手間は変わらないからな。

 

 そんなわけで親睦を深め合いつつ数日が経過したある日、同好会メンバーの1人である彼方から連絡があった。どうやら男性が苦手な妹のために特訓をしてやって欲しいとのこと。その救援要請を受けて虹ヶ咲近くの公園へとやって来たのだが――――――

 

 

「なんでお前がいるんだよ……」

「お兄さんが遥ちゃんに何かしないように見張り役が必要だと思いまして」

「彼方がいるだろ」

「彼方さんはその……色々と甘いので」

 

 

 公園には近江彼方とその妹の遥、そして何故か侑までいた。どうやら俺の監視のために同行したらしいのだが、俺ってどれだけ信用ないんだよ……。流石の俺でも出会って1日目の女の子に対して何かしでかすはずが――――と思ったけど、そういえば侑に対しては名も知らない時に痴漢プレイしちゃってるな。なるほどそれを警戒しての監視ってわけか、中々に堅実なことしてんじゃねぇか。

 

 そして初対面になるのが彼方の妹であるこの子。以前彼方の夢に入った時に姿は見たことがあるのだが、リアルで会うのはこれが初めてだ。明るい茶髪のツインテール。ヘアピンは彼方とは反対の右に付けており、目は綺麗な水色。そして超絶美少女なコイツは――――

 

 

「は、初めまして、近江遥です! そ、その、お噂はかねがね姉から聞いています! 今日はよろしくお願いします!」

「神崎零だ。いきなり緊張しまくってるけど大丈夫か……?」

「は、はいっ、大丈夫でしゅ! あっ……!?」

「大丈夫ではなさそうだな……」

 

 

 早速噛んでしまうあたりガチガチに緊張してんなコイツ……。まだ出会って数秒なのにも関わらず既に表情にも身体にも焦りが現れており、常にマイペースな姉とは性格がかなり違うらしい。そう考えると容姿は彼方は大人っぽいけど遥は童顔でロリっぽく、胸の大きさは遥の方が控えめで背も一回り低いから姉妹でも如実に違う。μ'sの絢瀬姉妹と似たような関係性だな。

 

 

「どう零さん? 我が妹の遥ちゃん、とっても可愛いでしょ~?」

「お、お姉ちゃん!? そんな恥ずかしいよぉ……」

「知ってる。事前に東雲学院のライブ映像を見てきたから。お前がセンターの動画な」

「私の!? そ、その……どうでしたか?」

「可愛かったよ。幾多のスクールアイドルを見てきた俺が思わず見入っちまったくらいだ」

「か、可愛いって、恐れ多いです!」

「いや事実だろ」

「ふぇっ!? そ、そんな、えっと……あ、ありがとうございます」

 

 

 遥は頬を紅潮させて俺に頭を下げる。

 俺は別に感謝されるようなことは言っておらず、ただ単に自分の感想を述べただけだ。可愛い女の子に対して素直に可愛いと伝えるのが俺の中での鉄則。それに贔屓目で見なくても遥のパフォーマンスは素晴らしく、可愛い女の子を見続けて肥えている俺の目を惹きつける魅力があった。

 

 

「お兄さん……」

「何故睨む。何も悪いことやってねぇだろ」

「そうやって女の子の心を軽々しく乱すようなことをするのは罪です。お兄さんはいつもそうなんですから……」

「罪って……。つうかまるで経験してきたような口振りだな」

「は、はぁ!? そんなことあるわけないじゃないですか自惚れないでください変態!!」

「急に暴言の嵐かよどうしたいきなり!?」

 

 

 侑の顔色が一気に赤くなる。突然声を荒げて暴言を投げつけてきたから驚いたけど、もしかして俺が無理矢理魔法少女コスを着させて可愛いと煽ったり、倒れそうになったところを抱きしめて助けたりしたことの尾がまだ引いているのかもしれない。そうなるとお手本のようなツンデレを披露しているなコイツ。本人にそれを言ったらまた暴言の雨を降らされるのでやらないけども。

 

 

「私のことはどうでもいいんです。今日は遥ちゃんの特訓なんですよね、彼方さん?」

「うん。男の人に不慣れな遥ちゃんのために零さんに人肌脱いでもらいたいんだ~」

「男が苦手なのかお前?」

「はい……。スクールアイドルをやっているので男性ファンの方も多く、最近有名になったおかげで握手会とかも開催されたりするんですけど……そのぉ、男性を前にすると緊張して上手く喋れなかったり手が震えたりしちゃうんです。それだとファンの皆さんに失礼ですよね……」

「それで俺が呼ばれたのか……」

 

 

 スクールアイドルは今や男女問わず人気のコンテンツだが、アマチュアでもアイドルの名を冠している以上男のファンは当然多くなる。ファンあってこそのアイドルなのでよほどの厄介オタクでない限り蔑ろにするわけにもいかず、ひたすら笑顔でファンサービスしなければならない。だから男に不慣れなのはアイドルとしてはそれなりに致命的だ。遥のその苦手意識を改善するために今回俺が呼ばれたのだろう。

 

 

「目的は分かった。それで? 俺は何をすればいいんだ?」

「…………」

「彼方?」

「あぁ~そこまで考えてなかったよ~うっかりうっかり~」

「おい……」

「彼方さん……」

「お姉ちゃん……」

 

 

 彼方が黙った瞬間から薄々勘付いてはいたけど、やっぱり俺に丸投げなのかよ……。確かに俺の女性経験は無数だが、男不慣れを矯正してやったことは一度もない。侑のようなツンツンした奴や栞子のように最初から嫌悪感MAXの奴の相手なら慣れてるけど、奥手の女の子ってどうも距離感を掴みづらいんだよな。かといって有効的な作戦も思いつかないので、とりあえず俺のやりたいようにやってみるか。よく考えてみれば遥というロリ系美少女と合法的に戯れることができるチャンスだしな。意外と役得なのかもしれない。

 

 

「よし、まずは手でも繋いでみるか」

「ふぇっ!?!?」

「えっ、俺変なこと言ったか?」

「お兄さん、初対面の女の子といきなり手を繋ぐなんて……。相変わらずヤり手ですね……」

「おい誤解を招くような発言すんな!」

「いやぁ流石は零さん、ウブな女の子が相手でも容赦なく身体に触ろうとする。そこに痺れる憧れるってやつだよねぇ~」

「いやいや握手会をするって言ってたから、まずは男との握手に慣れるところからだろ!? なんで俺がウブな子に手を出す鬼畜野郎みたいに言われてんだ!?」

「まぁ実際そうだしねぇ~」

「電車の中で私の身体も触ってきたし……」

 

 

 彼方も侑も遥の弱点克服に貢献する気あんのかよ……。俺が危険人物だって情報を発信したら遥が余計に怖がるだろうが。いや全然危険でも何でもないけど!!

 遥は既に緊張しまくっており、手を繋ぐ宣言をしただけでこの様子だ。実際に繋いでいるわけでもないのにここまで赤面するとなると、これまでの握手会をどうやって切り抜けてきたのか気になるところだな。本人としてはあまり思い出したくないだろうから敢えて聞かないけど。

 

 

「遥」

「ひゃ、ひゃい!!」

「……てかさ、いちいち叫びながら返事するのどうにかならねぇか……?」

「す、すみません! 急に名前を呼ばれたので……」

「そりゃ苗字だと彼方と被るから仕方のないことだ。それに名前呼びの方が親近感が湧いていいだろ? 俺と手を繋ぐんだったらまず俺に慣れておけ」

「神崎さん……いや、零さんに慣れる……ですか?」

「そうだ、それでいい。ちょっとは緊張解けたか? 強張った顔をしてるより笑顔の方が断然可愛いぞ」

「は、はいっ! 零さん……えへへ♪」

 

「なんか既にいい雰囲気になってる!? お兄さん、やっぱり女の子を垂らし込むのが上手い……」

「遥ちゃんの目線に合わせて会話をして、自分の胸を借りるように仕向けながら甘い言葉を投げかける。零さんが女の子を落とすときの常套手段だね~」

 

「聞こえてるからなお前ら。もっと素直に褒められねぇのかよ……」

 

 

 今の俺、めちゃくちゃいいことしてるよな?? なのにコイツらと来たらどこかにマイナス要素をぶち込む褒め方しかできねぇのか?? まぁ遥みたいな可愛い子が相手だから俺もそれなりに欲を持ってるってのもあるが、下心があっても彼女の弱点を克服できればそれで結果オーライだろう。それにこっちだってタダで依頼を引き受けるわけにはいかないから、ここからは俺のやり方で俺にも得があるようにやらせてもらうぞ。

 

 いきなり握手はハードルが高いらしいので、まずは肩に触れてみた。

 

 

「ふにゅっ!?」

「なんだよその声……。いいか、まずはリラックスだリラックス。深呼吸してみろ」

「はいっ! すぅ~~はぁ~~」

「手を握るぞ? いいか?」

「ど、どうぞ!」

「ほい」

「ひゃあんっ!?」

 

「至極真っ当な方法で男性慣れさせようとしているのは分かっているんですけど、遥ちゃんの声だけ聞いたらお兄さんがセクハラしてるみたいですね……。いやもうしてるんじゃないかな……?」

「零さんセクハラ慣れしてるから、どうすれば女の子を恥ずかしくできるか熟知してるんだよねぇ~。お~怖い怖い」

 

「なぁ、そろそろ普通に褒めてくれないと俺帰っちゃうぞ??」

 

 

 わざわざ呼び出されて来てやったのに、何をしても難癖を付けてくるとは何事か。遥の反応が可愛いから彼女に免じて許してやるが、これで俺の目に敵わない容姿をしていたら間違いなく帰宅して昼寝をしていたところだ。それに男性恐怖症を治すのであればまずは気持ちから改善する必要がある。つまり優しい言葉を投げかけてるのも治療の一貫なんだよ。

 

 

「さっきからずっと震えてるけど大丈夫か?」

「はいっ! そ、そのぉ……零さんの手が暖かいので安心できます……」

「そりゃよかった。だけど俯いてばかりじゃダメだ。ほら、こっち向いて」

「あっ……」

 

 

 俺は遥の顎を親指と人差し指で摘まみ、俺と目を合わせるように彼女の顔の角度を上げさせた。

 こうして見ると美少女がとても際立っている。緊張からかやや涙目になりながらも、頬を赤く染めているその様は絵にしたいくらいの可愛さだ。それにいつでも抵抗したり逃げ出したりできるのに、今は俺の目をしっかりと見つめている。男が苦手なのに目線すらも逸らさないそのやる気のある姿勢、気に入ったよ。それにこの純粋っ子をもっと俺の色に染め上げたいと思ってしまうのは、やっぱりサディストが故の性なのか……。

 

 俺と遥の体勢が完全に少女漫画のイケメンが主人公の女の子に迫るシーンを彷彿とさせており、現に今もそれなりのムードが漂っている。お互いにお互いを見つめ続け、遥は恍惚とした表情を浮かべている。あまりにもいい雰囲気なのでこのままキスをしても許されるのではないかと思ってしまうくらいだ。出会って数分の女の子と愛を交わすなんて超絶背徳的だが、そのやってはいけないことに手を染めるのが素晴らしい快感なんだよな。恐らく俺が何をしても遥は受け入れるだろう。桃色でぷりっとした唇が僅かに開いているので、まるでこっちを待っているかのような……そんな錯覚に陥ってしまう。

 

 

「ちょっとストップ! ストーーーープ!! 2人共怪しい雰囲気を醸し出してませんか!?」

「なんだよいいところだったのに。もしかして嫉妬か?」

「は、はぁああああああああっ!? あ、相変わらず自意識過剰すぎますよ!! 私のことはどうでもよくて、さっきから遥ちゃんフリーズしてますけど!?」

「…………」

「蕩けた顔のまま止まってるな。無意識でこの表情をしているのであれば男を誑かす才能があるぞ。思わず飛びつきそうだった」

「やっぱり!? 私が止めてなかったら今頃マウスtoマウスになってましたよね!? いいんですか彼方さん、この人に妹さんを任せちゃって!?」

「う~ん、そうだねぇ……可愛い遥ちゃんが見られるならOK~」

「えっ、私がおかしいの!? 私真っ当なことしか言ってないよね!?」

 

 

 確かに侑の言っていることは正しいが、この世には同調圧力ってものがある。いくら正論を掲げても大衆の意見によりそれが捻じ曲げられることがあり、今がまさにそんな状態だ。俺は遥の『女』を見たい、彼方も遥の可愛い姿を見たい、遥も(多分)俺を受け入れている。つまり俺が遥を好きにしてもいいってことだ。違う??

 

 

「とにかく、必要以上の接触は禁止です!」

「ごちゃごちゃとうるさい奴だな。だったらお前が男との付き合い方の手本を見せてくれんのか?」

「へ……? え゛っ、ど、どうしてそうなるんですか!?」

「侑ちゃんは同好会のまとめ役で、スクフェスを成功に導いてプロデュース力もあるから、男性との正しい付き合いの方も良く知ってるかもねぇ~」

「意味分からないですよそれ!? 彼方さんなにを根も葉もないことを!?」

「侑さん……男性への心得も持ち合わせているなんて凄いです! 是非ご教授をお願いします!!」

「遥ちゃんいつの間にか復活してる!? そ、そんなことを言われても……」

 

 

 さっきまでただの傍観者だったのに、何故か自分へ矛先が向いて焦る侑。そりゃ代替案を出さずに文句ばかり言ってたらそうなるだろうよ。

 侑は自分が標的になった途端に遥と同じく、いや遥以上に動揺している。目も泳いでおりそわそわとした様子で落ち着きがない。どうせなら遥だけじゃなくて侑の特訓もしてやろうか? その前にコイツがどれだけ男慣れしているのかはっきりさせておかないとな。さっきから散々横槍ばかり入れてきたからそれなりに耐性はあるのか……? 

 

 

「手、握るぞ?」

「て、手だけですからね? 他のところは触らないでくださいよ?」

「分かってる分かってる。行くぞ?」

「どうぞ……」

「はい、握った」

「ひっ……!?」

「えっ?」

「「へ……?」」

 

 

 俺も彼方も遥も目を丸くして驚く。そりゃそうだ、手を握った瞬間に侑はすぐに解いて後退りして俺と距離を取ったんだから。顔は燃え上がるように赤くなっており、手もぷるぷると小刻みに震えていた。あの遥ですら耐えていたのに、まさかここまでウブだとは……。もはや見た目から緊張と恥ずかしさを隠しきれてないぞ。

 

 

「なるほどなるほど、とんだピエロだったんだな。なるほどなるほど……」

「侑ちゃんの新しい可愛いを見られて、彼方ちゃん満足だよ~」

「恥ずかしくて思わず逃げてしまう侑さん、とっても可愛いです……♪」

 

「やめてやめて!! その微笑みやめてぇええええええええええええええ!!」

 

 

 侑は叫びながら手で自分の顔を覆って表情を隠す。これまでの人生で男付き合いがないのはコイツの言動を見ていれば分かるが、この前抱きしめた時はここまであからさまな反応はしていなかった気がする。もしかしてあの時から今日までに心境の変化でもあったのだろうか。今日の侑は初日に出会ったときよりもチョロ……いや、恋する乙女のような反応になっていた。

 

 

「まあ今日は遥の特訓だからお前の特訓はまた今度な。でも遥、お前もう俺に慣れてないか?」

「そういえば緊張は結構解けているような……」

「あのとき俺と目を逸らさず頑張って見つめ合ったおかげだな」

「ひゃッ!? そ、そんないきなり頭を撫でるなんて……♪」

 

 

 とか言いながら嬉しそうな笑みを浮かべる遥。顔の前で両手の指と指を重ね合わせたり離したりしながらうっとりとした表情をしている。これは彼方がコイツを溺愛する気持ちが分かる。彼方が許可してくれたら是非とも俺の妹コレクションに加えたいところだ。俺の妹(実妹1人、妹扱い4人)はたくさんいるけど、妹キャラ好きの俺からしてみたら遥みたいな純粋な美少女妹は何人でも歓迎するぞ。

 

 そうやって遥とじゃれていると、それを見ていた彼方が俺たちに近づいてきた。

 

 

「もう2人だけでズル~い! 彼方ちゃんも混ぜて混ぜて~」

「えっ、お姉ちゃん!?」

「おい急に抱き着いてくんなあぶねぇだろ」

「ほらほら~彼方ちゃんの頭も撫でてよ~零さ~ん」

「ったく……」

「あぁ~これこれ~。このまま眠っちゃいそう……ぐぅ~」

「お姉ちゃんこんなところで寝たらダメだよ!!」

 

 

 急に抱き着いてきたと思ったら、俺に頭を撫でるようおねだりをする。仕方ないから撫でてやるとものの数秒で夢見心地となっていた。流石は虹ヶ咲の眠り姫と言ったところか。

 彼方の髪はゆるふわウェーブなので撫でているこちらも気持ちよくなってくる。この2人はどちらも緩い雰囲気でほのぼのとしているため俺まで眠気に誘われそうだ。それでいて2人に抱き着かれている形だから女体の布団に包まれているようで、近江姉妹のほんのりとした温かさに現を抜かしてしまう。しかもこうして自分の腕で姉妹を囲っていると自分のモノにした征服感もあっていいな。

 

 そして、この状況に困惑している奴が1人――――

 

 

「お兄さんここ公園ですよ!? 周りに人もいるしこんなところを見られたら……!!」

「だったら侑ちゃんもこっちに来る~? 零さんと遥ちゃん、とっても暖かいんだよ~」

「い……行きません!!」

「素直じゃないねぇ~」

「うぐっ……」

 

 

 なんか図星みたいな反応をしているが、俺の気のせいだよな……?

 

 こうして紆余曲折ありながらも遥の男性克服特訓は幕を閉じた。ぶっちゃけこれだけの特訓で男に慣れるとは思えないが、少なくとも握手会くらいは普通にできるようになっただろう。あと何回かは特訓に付き合ってやってもいいかもしれない。どちらかと言えば遥より侑の方が慣れていない感じがしたので、いずれコイツも特訓してやるか。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 その数日後、彼方から電話があった。

 

 

「まだ男に慣れてないのかアイツ? あれから何回か特訓してやっただろ??」

『そうなんけどねぇ~。多分その特訓で零さんに惹かれちゃって、零さん以外の男の人に慣れたくないらしいんだよ~。最近ずっと零さんに抱きしめられたいとか、頭を撫でられたいって呟いてるからね~』

「まさか依存されてる!?」

 

 

 数回の特訓でスキンシップが多かったせいで神崎零依存症になったらしい。

 懐いてくれて嬉しいと思うべきか、事態が余計にややこしくなって申し訳ないと思うべきか……。とりあえずは結果オーライ……かな?

 




 遥の回にしようと思ったらいつの間にか総受けっぽくなっているのは私の性格なので許してください(笑)


 最近虹ヶ咲のアニメが終わった影響からかハーメルンでも虹ヶ咲の小説が増えましたね。自分は全然読めていないのですが、この小説並にハーレムしている作品ってあるのかな……? ラブライブ小説って意外とハーレムモノ少ないんですよね。




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 今後の小説執筆の糧となります!

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