ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 合同合宿編、9話目
 合宿も2日目に入りましたが、周りの女の子が多いとこんなことも相変わらずで……


巨乳すぎて困ります!

 μ'sとAqoursの合同合宿、2日目。

 今日も練習日和の快晴で、女の子たちの汗水垂らす姿を見られる絶好の日だ。ちなみに今日は昨日とは違って遊びの時間は一切ない。そのため穂乃果たち一部の奴らからは批判の声が上がったものの、そもそも合宿の目的が練習なので彼女たちの意見はあっさり却下された。しかもAqoursのみんなはこの合宿が終わったら内浦へ帰ってしまうため、μ'sと練習できるまとまった時間は今回くらいしかない。多少ハードスケジュールになろうとも、スクフェスにコラボ枠として参戦するからには気張って欲しいもんだ。ま、ただ練習の様子を眺めている俺が言えた義理でもないけどさ。

 

 そんな感じで2日目が始まった訳だが、現時刻は誰もまだ起きていないであろう朝6時前である。朝の旅館をウロウロしているけど、宿泊客どころか従業員の人もほとんどいない。朝の薄明るい静けさって、なんか好きなんだよな俺。特に普段賑やかなところが無音だと新鮮さがあるって言うか、雰囲気のギャップで異世界にいるような感覚になるのが好きだ。いつも女の子たちの騒ぎに巻き込まれる体質だから、余計に物静かな場所で落ち着いてしまうのかもしれない。

 

 ちなみに基本楓に起こされないと起きない俺がどうしてこんな朝早くに起きているのかについてだが、それは暑苦しくて寝苦しかったの一言に尽きる。なんせ身体の両方を秋葉と楓に占拠されていたんだ、そりゃ暑苦しいに決まってるだろ。しかも海沿いの涼しい場所の旅館とは言えども季節は夏。朝は蒸し暑く、軽く冷房をかけて寝ていたとしても2人に寄り添われていたらほぼ効果はない。つまり、あまりの寝苦しさに目が覚めちまったって訳だ。しかも俺に蒸し暑さを提供してきた張本人たちは酒の飲み過ぎと練習疲れで、今もぐっすりと就寝中である。ただでさえ1日目は波乱で事あるごとに騒ぎに巻き込まれていたのに、満足に寝かせてすらももらえないとかどこの拷問ですかねぇ……。

 

 

 部屋にいても仕方ないので旅館内を散策していると、中庭に見知った小柄の女の子がベンチに座っていることに気が付く。

 俺は中庭に出ると、何やら惚けている女の子の隣に腰を下ろした。

 

 

「随分と早起きだな」

「ずらっ!? な、なんだ先生かぁ~……」

 

 

 俺が中庭に来たことにも気付かないって、相当考え事してたんだな……。

 中庭でぼぉ~っとしていたのは花丸だ。浴衣姿のままちょこんと座っている姿は小動物のようで愛らしいが、こんなところで一体何をしてたんだコイツ?

 

 

「練習の開始時間的に、まだ1時間以上も寝られるだろ? こんな早起きでいいのか?」

「マルはいつもこのくらいの時間に起きているので、目が覚めちゃったんですよ。ほら、マルの家ってお寺だから、その辺の生活習慣は徹底されているんです」

「あぁそういえばそうだったっけ。誰かから時間管理されるのって、気楽な時もあるけど大変なこともあるよな。ぐっすり寝たいのに、決まった時間に起こされる鬱陶しさと来たら……」

「それはもう慣れですね。1回体内時計を作ってしまうと、こうして外泊の時でも決まった時間に目が覚めちゃいます」

「そりゃ健康的で良いことで。休みの日なんて楓に起こされないと昼まで寝ちゃうよ」

「妹さんに起こされるとか、先生もまだまだ子供ずら」

「い、言い返せない……」

 

 

 花丸に早起きの生活習慣があるとしたら、俺は楓に起こされる生活習慣が身に着いてしまっている。今日みたいに寝苦しくて目が覚めるとか特殊な状況なら話は別だが、基本的には誰かに起こしてもらうまで死んだようにぐっすりと眠ってしまうのが俺の体質だ。しかし俺が起こされ体質になったのは、楓が俺を朝起こしてあげたいという彼女の母性的ワガママも入っているので、一概に俺が怠けている訳じゃないぞ? それに用事がある日は携帯の目覚ましで起きるようにはしているし、花丸が言うほど子供じゃないと思う……多分。

 

 つうか、教え子に子供って言われるのって結構恥なんじゃないか……? まあ花丸は意外とSっ気があったりするので、心にもない軽い罵倒を受けるのはもう慣れてるけどね。いや、罵倒に慣れるってのもそれはそれで問題かも……。

 

 

「で? どうして中庭にいるんだ? なんかぼぉ~っとしてたけど」

「ま、まぁちょっと色々と……」

「俺たち2人しかいないんだし、悩み事があるなら遠慮せずに話せよ。一応ほら、2か月前はお前の教師だったしな」

「先生だからこそ言いにくいことなんですけど……」

 

 

 俺に言いにくいってことは、まさか恋愛絡みのことか? 確かに想い人に自分の恋愛相談をするのは気が引けるか。

 でも、花丸の様子を見ているとどうやら恋愛絡みではないらしい。さっきから自分の浴衣を気にしていると言うか、特に胸元に手を当ててそわそわしている。浴衣って身体のラインはそれほど出ないけど、胸の大きさがモロに分かるからコンプレックスな人は浴衣を着ない人もいるらしい。

 

 ん? 胸……?

 

 

「お前、自分のおっぱい気にしてんの?」

「お、おっぱ……!?!?」

「図星か。お前のおっぱいはコンプレックスになるどころか、女の子たちから羨ましがられるくらいデカいだろ」

「それが気になってるんです!!」

「はぁ? 大きいことが?」

 

 

 花丸は小さく頷く。

 でも驚いた。まさか胸が大きいことに悩んでる女の子がいるなんて。胸で悩む女の子って大抵貧乳で、大きくしたいと夢を見る子たちばかりだからだ。例えば凄い爆乳の子があまりにも胸が邪魔だから小さくしたいと言うのであれば分からなくはない。花丸の胸は確かに年相応以上であり、小柄な身体と不釣り合いだけど、特段気になるほどめちゃくちゃ爆乳って訳でもない。まあ悩みの種はその人の考え次第なので、そこに他人がとやかく言う権利はないけどね。

 

 しかし、聞く人が聞けば怒り狂いそうな悩みだよな。特に胸の大きさを気にしているにこや海未からすれば、花丸の悩みがとても贅沢に思えてならないだろう。特ににこは胸に超絶なるコンプレックスを抱いているから、大きい胸を小さくしたいと漏らしたら最後、怒りと嫉妬で気が狂っちまうかもしれない。このことは絶対ににこに内緒にしよう……。

 

 

「別にそこまで深刻ではないんです! ただ、同じ部屋のみんなの浴衣姿を見ていると、マルだけ大きいのが目立つから気になっただけで……」

「ちなみに、お前と同じ部屋の人は?」

「にこさんと海未さん、そしてルビィちゃんです」

「見事に貧乳メンバーが集まってんな……」

 

 

 さっき俺が言ったメンバーがちゃっかり部屋のメンツに入っているあたり、何かの因果というか運命の悪戯を感じる。その4人が浴衣を着て並べば、そりゃ花丸だけ胸の膨らみが目立っちゃうのは仕方がない。これは俺が黙っていなくても、にこや海未だったら花丸の胸の膨らみを見て勝手にショックを受けてそうだな……。

 

 そういや花丸って、海未による地獄のようなダイエットを受けたことがあったっけ。あの時の海未は自分との胸の差に軽く絶望していた記憶がある。あの時の彼女の暴走を見るに、花丸と海未が同じ部屋なのはマズいのでは……?? 花丸の巨乳を見て改めて絶望を悟り発狂。そして今日の練習は頭に血が上ったせいでより過酷になる未来が……。

 

 

「海未とのダイエットの時も言ったけど、そこまで気にすることか? むしろ誇っていいんだぞ」

「マル、身体は小さいのに胸がとても大きくて、クラスの中でも一番大きいんです。あっ、別にそれでイジメられているとか、そんなことはないので安心してください!」

「なるほど、コンプレックスではないにしろ気になってはいると」

「はい……」

 

 

 これは俺が解決できるような悩みじゃない気がする。もちろん秋葉に頼めば胸を大きくしたり小さくしたりする程度なら余裕だろうが、できれば頼りたくないというのが俺のプライドだ。アイツのことだから、何を仕込んでいるのか分かったもんじゃねぇからな。

 

 女の子が胸のことで悩んでいるのなら、同じ境遇を持っていそうな女の子に悩みを聞いてもらうのが一番だろう。ロリ巨乳キャラはμ'sとAqoursを含めても花丸しかいないが、高校時代から男子生徒の欲情を煽っていた奴らならいる。コイツが練習中に胸のことを気にして集中できなくなっても困るし、アイツらが起きてきたら何か助言を貰うとするか。

 

 

「あれ? 零君に花丸ちゃんやない?」

「だいぶ早起きね2人共」

「希!? 絵里!? お前ら狙って登場するとかニチアサのヒーローか何か……?」

「「はぁ?」」

 

 

 俺が花丸を差し向けようとしていた2人が、ここでまさかのご登場だ。

 絵里と希。μ'sとAqoursの中でも胸の大きさはトップ2を誇り、それも高校時代から子供らしからぬ胸のデカさで思春期男子の興奮を促していた張本人たちである。しかも生徒会役員で生徒の目の前に立つことの多かった2人だから、音ノ木坂の男子生徒はその姿を見て何度も自分磨きのネタにしたことだろう。絢瀬絵里と東條希との3Pは誰しもが憧れたシチュエーションだ。

 

 そんな下品な話はともかくとして、本筋の話を進めるとすっか。

 

 

「お前らこそ早いじゃねぇか。どうしたんだ?」

「希と朝風呂に行こうって昨日から約束してたのよ。夜空を見ながらの入浴もいいけど、朝日を眺めながらの温泉もまた乙なものでしょ?」

「それにこの旅館は色んな種類の温泉があるから、せっかくだし全部堪能しようと思ってね。仕事の疲れも癒したいし♪」

「お前ら、発言がおばさん臭くなってるぞ……」

「「え゛っ……!?」」

 

 

 コイツらももう22歳と23歳だ。20代のどこから若くてどこから三十路扱いされるのかは人それぞれだが、やはり本人たちもそれを気にしていたらしい。見た目は10代後半と思われてもおかしくないほどに若々しいけど、発言がババクサいとそれだけで精神年齢の老化を感じる。元々大人っぽいと言われてきた2人だからこそおばさんと言われることにショックを受けるのだろう。でも、まさか顔面蒼白になるくらいに驚くとは思ってなかったけど……。

 

 

「先生、本当にデリカシーって言葉を知らないんですね……」

「ネタのつもりだったんだけど、まさか使い物にならくなるほどとは……」

「おばさん……」

「ババクサい……」

「口から魂抜けそうですけど!? お二人とも大丈夫ずら!?」

「おばさんって呼ばれてそうなるってことは、思い当たる節があるのか」

「「うぐっ……!!」」

「先生!!」

「ゴメンゴメン! あまりに反応が面白くてさ」

 

 

 絵里や希に対して完全にマウントを取れるなんて早々訪れる機会じゃない。しかも『おばさん』の一発で2人同時にKOなんて、これからコイツらを弄って遊ぶ時のパワーワードにしてやろう。ちなみにだけど、俺はコイツらのことをおばさんなんて思ったことはないからな? むしろコイツらが老けて婆さんになる姿が想像できないほど、2人の見た目は若々しい。見た目はね?

 

 話が脱線してしまったが、この2人に花丸の胸のことについて相談するつもりだった。絵里も希も小柄ではないものの、巨乳ならではのコンプレックスを抱いていた時期もあったから相談相手としてはうってつけだ。

 

 その前に、未だに放心状態の2人を正気に戻すところから始めないといけないけど……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「胸が大きいことに違和感……? 珍しい悩みやね」

「そうね。胸を大きくしたいと思ってる女の子は多いけど」

 

 

 やっぱり同じ反応か……。

 現実に返ってきた2人も俺と同様の考えのようで、花丸の悩みに疑問を抱いていた。ということは、コイツらは自分の胸が邪魔だとは思ったことはないのか? 俺的には、あんなデカいモノをぶら下げていると日常生活に支障をきたすんじゃないかと地味に懸念している。俺はブラジャーなんて着けたことはないけど、やっぱ下着を装着することで幾分かは胸の重みが緩和されるのかな? 楓は着けない方が圧迫感がなくて楽だと言ってたけど、それも人によるのかもしれない。

 

 ていうか、どうして俺はクソ真面目に胸と下着の考察をしてるんだ……? まるで変態さんみたいじゃねぇか。

 

 ちなみに絵里と希を正気に戻した方法は簡単。2人のおっぱいを手のひら一杯に鷲掴みにしただけだ。一発指に力を入れてやっただけで放心状態の魂が現実に戻ってきたので、天に召されなったことに感謝をして欲しいもんだよ。もちろん現実に引き戻されたのと同時に、ただならぬ羞恥心に苛まれた訳だが……。久々に見たな、コイツらのウブっぽい顔。やはりお姉さんキャラを気取ってる女の子を恥辱の底に沈めてやる快感は、何度見ても飽きねぇな。とんだクズ発言だけど、恋人なんだから許してくれ。

 

 そんなこんなで正常状態に戻った2人に事のあらましを説明し、現在に至る。

 

 

「鬱陶しいと思ったことはないけど、たまに肩凝りが酷くなる時があるのよね。胸のせいだけじゃなくて仕事のせいでもあるって分かっているんだけど、胸が小さかったらこの肩凝りも少しは和らぐのになぁと考えることはあるわ」

「それマルもです! マルは本を読むのが好きなんですけど、座って本を読んでいると肩凝りが起こることが多くて……。座り方や姿勢が悪いのかと思って色々試しているんですけど、それでも治らないんですよね……」

「2人の言ってること分かるわぁ~。ちょっと重みを感じるのはもちろんやけど、それでも形を崩したくないから下着選びをしっかりして、機能性が優れたモノを買わないといけないところがね。胸が大きいと、下着選びを間違うだけで身体の負担が大きくなるから」

「贅沢な悩み語ってんなお前ら……」

 

 

 コイツらの会話を聞く人が聞いたら発狂して、世界から巨乳を根絶する旅に出てもおかしくない。3人の悩みは悉く貧乳ちゃんには当てはまらないものばかりなので、この場ににこたち貧乳組がいなくて本当に良かったと思う。昨日と同じくまた朝から騒動に巻き込まれたくないからな。

 

 

「絵里さんと希さんは、そんな悩みを持っていながら胸を小さくしたいと思ったことはないんですか?」

「そうねぇ、高校生の頃はちょっと気になってたかな。ほら、男子の視線を感じちゃうから」

「セクハラ被害に遭ったことはないけどね。誰かさんと知り合うまでは」

「おい、どうしてこっちを見る……?」

「マル、絶対に忘れないずら。子犬になった先生がマルの胸を弄り倒してきたこと……」

「あら、生徒相手に随分とお楽しみだったみたいじゃない、神崎先生?」

「そういや、ウチらもスポンジに変身した零君に全身を洗われたことがあったなぁ。胸を重点的にこねくり回された記憶が今でも思い出せるよ」

「それはお前が俺を勝手に使っただけだろうが」

「先生って、知り合った女の子全員の胸を触らないと死んじゃう病気なんですか……? おっぱい魔人って言うんでしたっけ?」

「犬になったのもスポンジになったのも、全部秋葉のせいだから! 子犬だったから力も入らなかったし、スポンジに至っては動けすらしかなったからな!? つまり不可抗力なんだよ!」

 

 

 とは言うものの、取り乱しつつもその状況に甘んじて女の子たちのおっぱいを堪能していたのは事実だ。どうせ足掻いても元には戻れないので、そこに無駄な体力を使うくらいなら女の子たちの身体をちょっとでも長く堪能した方がいい。もちろんできるなら自分の生身の手でおっぱいを堪能したいから、状態変化モノのエロ同人のような異質な展開はやめてもらいたいけどね。

 

 生身の手……か。

 そういや、花丸の胸ってこの手で触ったことがあまりない気がする。それはAqoursのほとんどのメンバーにも言えることだが、目の前にロリ巨乳がいるのに手を出さずしておくべきか。しかも俺たちはただの教師生徒の関係ではなく、これまた教師生徒間の恋愛という近親愛と同等の背徳恋愛を築き上げようとしている。そんな中で、俺に好意を抱いている花丸ならちょっとくらい不祥事を働いても許してくれそうな気がする……多分。彼女の好意を利用していると言われたら聞こえは悪いが、欲を出しても許されるのが今の俺の立場だ。ヤバい、そんなことを考えていたら良からぬ欲求が湧きたって来やがった……!!

 

 

 いや落ち着け。ここでいつも暴走しがちになるから、みんなからやれ見境がないだの、やれ変質者だの罵倒されるんだ。もう立派な大人なんだし、これくらいの欲求は抑えなければならん。ただでさえ果南と裸で抱き合った時や曜との一件では我慢できなかったので、今回こそは絶対に抑えてみせる。いつもオークに敗北する女騎士のように、俺も性欲にいつも負けている節があるから今こそ成長しないと。

 

 

「悩みを漏らしただけで力になれずゴメンなさい」

「いえいえ! 同じ悩みを共有できて、気持ちも少し軽くなったずら!」

「ウチらも色々対策を考えてみるから、花丸ちゃんも頑張って」

「はいっ、ありがとうございます!」

 

 

 悩みの解決にはならなかったが、花丸の不安は払拭できたようだ。どうせなら絵里と希の朝風呂に付き合って、巨乳ちゃん同士でもっと交流を深めれば自分の胸が大きいことなんて気にならないんじゃないかな。

 

 よしっ、こうなったら俺も自分なりの方法で花丸の悩みを解決してやるか。正当な方法だとは言い難いけど、迷いの女の子を慰める方法はこれが一番いい。

 

 

「ちなみに俺は、お前のおっぱい好きだよ」

「ふえぇええっ!?!?」

 

 

 思わずポロっと本音が漏れてしまった。

 花丸は自分の胸を抑えながら、俺と若干距離を置く。女の子が身体で悩んでいる時は、敢えて悩みの部分を褒めてあげることでいい効果が得られると思ったんだが……しくじったか? いや、以前のダイエットの時も同じ方法で花丸にやる気を出させたんだ。もっと押しを強くしないと!

 

 

「お前にとってはコンプレックスかもしれないけどさ、男にとっては揉み心地がいいとそれだけで興奮するんだよ」

「そ、そんな慰められ方をしても……。本当に心配してくれてます?」

「してるよ。だっていずれは俺のモノになるおっぱいなんだから、気にせずにはいられないだろ」

「お、俺の!? マルが、先生の……。そ、それってこ、ここここ告白!?」

「流石に告白するならもっとロマンチックにするって。何が悲しくておっぱいについて言及しながら告白しなきゃならねぇんだよ」

 

 

 お前のおっぱいは俺のモノって、今更ながらに独占欲丸出しなことを口走っちゃったと思ってしまう。でもいずれ恋人同士になるんだったら、今からそのおっぱいを予約しておいてもなんら間違いではない。どうせ俺以外の人には見せない胸だったら、俺のためだけの、俺の理想のおっぱいに育ってもらった方がおっぱいも嬉しいだろう。さっきから触りたくてウズウズしてるのに必死に我慢してんだ、俺の理想になってくれるご褒美くらいはあっていいじゃん?

 

 

 すると、花丸は頬を染めながら自分の胸元を弄り始めた。いきなりオナニーでもし始めるのかと驚いたが、俺の様子を伺っているのを見るにそうではないらしい。なんか妙にそわそわしてるし、急にどうしたんだ……?

 

 

「あ、あの!!」

「ん?」

「マ、マルが先生のモノだって言うのなら、逃げないようにちゃんと掴み取っておかないといけないですよね……?」

「え……?」

「こんなにエッチなことを考えちゃうようになったのは、先生のせいずら……」

 

 

 花丸の顔は火山が噴火したかのような煙が出そうなくらい真っ赤だった。

 性的なことに関してはほぼ無縁だった彼女の口から、まさかそんな言葉が出てくるなんて……。これもある意味で大人に成長したと喜ぶべきなのか、それとも純粋な彼女が穢れたと落胆すべきなのか……?

 

 

「先生が喜んでくれるのなら、このままでもいいかも……」

「だから前もそう言っただろ? まあ俺自身がおっぱい好きなのは確かだけど、その巨乳の持ち主が花丸だってことが何より重要なんだよ。大きい胸だから触りたくなるんじゃない。お前のおっぱいだから触りたくなるんだ」

「それ、褒められてるのかなぁ……」

「褒めてる褒めてる。なんなら、ちょっと確かめてみてもいいんだぞ?」

「ずらっ!?」

 

 

 俺は花丸の両肩を掴むと、彼女の身体を背もたれにベッタリ張り付くくらいに追い込んだ。花丸はいきなり手を出されるとは思ってなかったためか、瞳孔が定まらず息も絶え絶えとなっている。かくいう俺も、もう本能的に身体が動いているのでこの行動に特に理由はなかった。ただただ花丸ともっとお近づきになりたいという、穢れた期待と想いだけだ。

 

 

 すると、少し落ち着きを取り戻したのか、花丸は小さく口を開いた。

 

 

「た、確かめるんだったら、マルの胸のこと、ちゃんと知っておかないといけないですよね……?」

「あぁ。だからどうされたいんだ?」

「うぅ……。だ、だから……マルの胸を実際に確認……う、うぅううううううううううううううううううううう!!」

「は、花丸?」

「あ゛ぁあああああああああああああああああああ!! もう耐えられないずらぁああああああああああああああああああああああああ!!」

「お、おいっ!?」

 

 

 花丸はあまりの羞恥心に耐えきれなくなったのか、俺の拘束を振りほどき小走りで旅館の中に戻ってしまった。

 さすがに純粋ちゃんには刺激が強かったのかも。でも彼女が自ら自分のおっぱいを晒そうとしたなんて、出会った頃と比べたら成長したよなアイツ。それに俺を意識しっぱなしだったので、μ'sのようにどっぷり堕ちるのも時間の問題かもしれない……。

 




 花丸の個人回をどうするかと考えた時に、真っ先に思い浮かんだのがおっぱいネタでした(笑) なので果南や曜の個人回と比べると、淫猥な密度が増し増しになっちゃう事態に……。
でも最後の方ではエロいことにドギマギする可愛い花丸を描けたので、恋愛方面の話としても完成できたかなぁと思います。(本当にできたのか……?)



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