ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

317 / 589
合同合宿編、2話目
今回は前回以上にとてつもなく賑やかで騒がしい回だったり……


愛する人は同性愛者!?

 μ'sとAqoursの合同合宿は、やはりと言うべきか波乱の幕開けとなった。たかが数時間の移動なのに俺の隣に誰が座るかで1時間以上も揉めたり、車内でも絵里が俺を膝枕したくらいで大騒ぎしたりとやたらみんなのテンションが高い。それだけ合宿を楽しみにしているのならそれはそれでいいのだが、スタートダッシュの速度を見誤って合宿の後半で失速しないかだけが心配だ。中には練習よりもみんなと一緒に遊ぶことに重きを置いている奴もいるから、そこのところはμ'sとAqoursで結託して練習時間を取ってもらいたい。逆にそこで2グループの統率が取れなければ、コラボライブでお互いの息を合わせることは到底できないだろうから。つまりあれだ、いつまでも俺を頼っていてはダメってことだよ。まぁ席順や膝枕ごときで逐一騒いでいる様子を見ると、お互いが結束する時はまだまだ遠そうだけどな……。

 

 そんな感じで波乱でもあり不安な幕開けとなった合宿だが、長かった車の旅も終わり遂に俺たちの泊まる旅館へと辿り着いた。朝っぱらから騒ぎ倒すアイツらを静めるために躍起になっていたせいか早速疲労が溜まっていたのだが、車の中で寝たのも相まって今ではかなり楽になっている。それに部屋割りは1人だけ男ってことで俺だけ豪華に1人部屋。ここへ来る前はこれだけ大人数の合宿なのに1人は寂しいだろうなぁと思っていたのだが、朝からあの騒ぎを体験した今なら分かる。1人きりでリラックスできる空間があって本当に良かったと。別にアイツらと一緒の部屋がイヤな訳じゃないけど、やっぱプライベートの時間は欲しいじゃんってことだ。

 

 

「景色も綺麗だし、奮発して高い宿を取った甲斐があったな。アイツらには頑張ってもらうとして、俺はバカンス気分で海を満喫すっか」

「だね! 早速着替えて遊びに行こうよ!」

「おい、目的が合同練習だってことを忘れんなよ――――って、ん? どうしてお前がいるんだよ千歌!?」

「えへへ、お邪魔してま~す!」

 

 

 あれ? 確か部屋の鍵をかけておいたはずなんだけど、どうして千歌がここにいるんだ……? 虹ヶ咲の近江彼方といい、俺の周りの女の子って全員ピッキング技術を身に着けてんのか?? ヤンデレちゃんじゃないんだし、そんな犯罪技術をこんな幼気な女の子たちが会得するはずが……ないよね? 真実を知るのが怖いので、ここは敢えてスルーしておこう。

 

 

「こんなところで油を売ってていいのか? 荷物の整理しないと部屋のメンバーに怒られるぞ」

「私の部屋のメンバーは善子ちゃんと凛さん、亜里沙さんなので大丈夫です!」

「子供っぽいメンツばかり集まってんな……」

「むっ、もう高校2年生で身も心も成長している乙女なんですから、子供じゃありません!」

「嘘つけ。お前が唯一大人なのは、その出るところは出てる胸だけだろ」

「も、もうっ! 何を言い出すんですか急に!!」

 

 

 千歌は腕で胸を抑え、顔を染めながら騒ぐ。先に身も心もとか言い出したのはそっちの方なんだけどなぁ……。でもこういうのってセクハラとして大抵男が罪を被せられる傾向にあるから、もう余計に会話を続けない方が無難だろう。それに自分から脱いで俺に生乳を見せつけてきた過去があるのに、今更恥ずかしがるってどういうことだよ……。やっぱり思春期女子の考えてることが世界で一番分かんねぇわ。

 

 

「そういえば、先生も練習に参加されるんですか? 先生のダンスってカッコよくてとても参考になるので、この合宿中でも披露して欲しいなぁ~って」

「残念ながらパス。ケツが痛いからな」

「お、おしり……? お怪我がでもされたんですか?」

「あぁ、おかま掘られちゃってさ」

「お、おおお……おか……!!」

「2日前なのにまだ治ってねぇんだよ。下手に刺激すると痛いのなんのって――――ん? 千歌?」

 

 

 千歌は瞳孔を不規則に揺らし、身体も小刻みに震えている。それでもなお俺を見つめたまま目を逸らさないが、顔が妙に青くなってもいた。もしかして怖がってる……? でもさっきの話の中に1つも怖い要素なんて存在してないと思うんだけど、どうして?

 

 すると千歌は勢いよく立ち上がり、前髪で表情を隠したまま俺に背を向ける。

 そして、何の言葉も発さず俺の部屋から出て行ってしまった。

 

 そんなにビビるような話だったか……? いつものナチュラルにデリカシーのないことを言う癖が発動したのかと思ったのだが、思い返してみても特にそんな発言をした記憶はない。俺に言いにくいってことはトイレか生理? どちらにせよ、部屋の扉くらいは閉めて帰って欲しいものだ。

 

 

「急に現れたと思ったら何も言わずに帰りやがって、何しに来たんだよアイツ……」

 

 

 とにかくこれから早速練習が始まるので、着替えてビーチに集合しなければならない。スクールアイドルじゃない俺は着替える必要なんてないのだが、せっかく海に来たんだったらバカンス気分を味わいたいものだ。汗水を垂らすのは女の子たちの役目だから、俺はそんな濡れ濡れの女の子たちをビーチパラソルの下で寝転がって拝むとしよう。いやぁ~我ながらいいご身分だよホントに。朝っぱらからみんなの爆上げテンションを抑え込んで疲れてるから、それくらいのご褒美があってもいいだろ?

 

 そんなこんなで適当に水着に着替えようとした瞬間、廊下を忙しなく走る足音が聞こえた。

 やがてその足音は俺の部屋の前で止まると、間髪入れずに部屋のドアが叩きつけられたかのように勢いよく開く。何事かと思い入口を見てみると、そこには息を切らして膝に手を着くことりがいた。

 

 ことりはさっきの千歌以上に表情が慌ただしく、手を震わせながらこちらに近づいてきた。

 

 

「な、なんだよ……」

「零くん……そ、そんな……そんなことないよね!?」

「は……? だからなんだよ」

「千歌ちゃんから聞いたよ!! いつの間に男の子好きになっちゃったの!?」

「はぁ?」

 

 

 俺が男の子好きだと? そんなことがあるはずないだろ。女の子の笑顔、仕草、身体、その他諸々、俺は女性の全てが大好きなのだ。それに俺がたくさんの女の子に手を出してるってコイツも分かってんのに、どこをどう見たらそんな勘違いができるんだよ……。

 

 ちなみにさっきから部屋の外で千歌がチラチラとこちらの様子を伺っているのだが、そのオドオドした様子を見ていると、どうやらこの部屋に入りたくても入れないらしい。勝手に俺を同性愛者だと思い込んで勝手にショックを受けやがって、しかもよりにもよってことりまで引っ張り出してくるなんて面倒なことをしてくれたもんだ。

 

 

「こ、こうなったら……零くんを再び女の子好きに更生させてみせます!!」

「いや、だからな……って、おい!? いきなり服を脱ぐな!!」

「零くんに女の子を教え込むためには、女の子の身体を触らせてあげるのが一番だから! ほら、いくらでも好きなように触って!!」

「マ、マジ!? い、いやだから違うって……」

 

 

 あの南ことりに身体を好きにしてもいいと言われて渋ったら、自分は同性愛者だから女に興味はありませんと言ってるようなものだ。だけどコイツの場合、安易に身体を触ってしまうと彼女の思う壺のような気がする。だって今は俺を更生させようと奮闘してくれている心優しい子にしか見えないが、その実、中身は淫乱バードと呼ばれている痴女だ。もしかして千歌の騒ぎに乗じたのも、合法的に身体を触らせるためとか普通に考えられる。それくらいコイツは策士であり腹黒いのだ。

 

 

「千歌ちゃん? 先生の部屋の前で何をしてるの……?」

「梨子ちゃん! せ、先生が……先生が……」

「もうっ、一体なんなのよ……え゛っ!? な゛っ、なにしてるんですか昼間から男女でそんな……!!」

「梨子!? これは事情があってだな――――って、どうしてお前はまだ脱ごうとしてんだよ!?」

「だって脱がないと触れないでしょ? もしかして着衣プレイが良かった?」

「どっちでもいいわ!!」

 

 

 誤解が誤解を生み、連鎖することで解消できないほどの重みとなって俺に伸し掛かってくる。千歌とことりは何故か俺を同性愛者と罵り、梨子は昼間から旅館で男女の情事に励んでいると思われている。朝から疲労が溜まっていたからようやく1人部屋で休めると思ったのに、部屋に入って数分でこの騒ぎだよ。やっぱりコイツらと一緒にいると心が休まる瞬間が全然ねぇな……。

 

 

「ねぇ千歌ちゃん、先生と南さんどうしちゃったの……?」

「どうもこうもないよ。いきなり先生が男性好きなんて言い出すんだもん、ビックリしちゃった」

「だ、男性好き!? それって本当なの……?」

「だって先生言ってたもん。オカマに掘られてお尻が痛いって」

「な゛ぁ……!? そ、それって紛うことなきBL!? ちょっといいかも……」

「えっ、今なんて?」

「うぅん! 何でもないのよ何でも! あはは……」

 

 

 何やら千歌と梨子が部屋の入り口でこそこそ喋ってるが、ことりの脱衣行為を止めるのに必死で会話が耳に入って来なかった。とりあえずあらぬ誤解が梨子にまで感染しているのは確かで、これまで以上に面倒な展開になるのも確実だ。しかも梨子の奴、またスケベな妄想してるな……。アイツが百合モノやBLモノの同人が好きだって知ってるからこそ、アイツの現を抜かしている緩んだ表情を見ると察してしまう。こんなのがAqoursの作曲担当だって信じられるか……?

 

 

「零くん! 観念してことりの身体を隅々まで触りなさい!!」

「発言が痴女すぎんだろ!? つうか何を観念すりゃいいのか分かんねぇって!!」

「そ、そこまで拒否するなんて……!? やっぱり零くんは同性好きだったんだ……!!」

「この世の終わりみたいな顔すんなよ……」

 

 

 ことりはシャツとスカートをちょい脱ぎ、つまり半裸のままショックを受け棒立ちする。勝手に人の部屋に押しかけ勝手に服を脱ぎ、勝手にショックを受けるとはもう意味分からん。そもそも何故俺が同性愛に目覚めたって噂になってんだ……? 千歌が俺の部屋を出て行った後にその噂が芽生えたから、原因は千歌にあるんだろうけど……。

 

 するとその時、あまりに騒がしくしていたためか海未が俺の部屋に顔を覗かせた。

 部屋の外には固唾を飲んで強張った顔をしてる千歌に、妙な妄想をしているだろう梨子、そして中には半裸で硬直していることり。そんな様子をド真面目な海未が見たら当然――――

 

 

「隣の部屋がやたら騒がしいと思ったら、昼間から何をしているのですかあなたは!!」

「だ~か~ら! どうしていつも俺が悪いみたいな展開になるんだよ! 勝手に乗り込んで来て勝手に脱いでんのはコイツだから!!」

「まぁことりならやり兼ねませんが……」

 

 

 あの海未ですら納得してしまうほど、如何にことりがいつも奇行に走っているのかが分かってもらえるだろう。何か騒ぎがあるといつも俺のせいにされるのは納得いかないが、ことりが絡んでいるとみんな彼女が発端だと察してくれる。俺への矛先が別方向に向いてくれるのは嬉しいが、周りの子たちが抱くことりの認識が日々酷くなっているのは気のせいじゃないだろう。しかも幼馴染の穂乃果と海未にさえ淫乱バードであると認識されてるくらいだからな、もう完治不能の病気だよ。

 

 

「ほら、ことり。このあと練習があるのですから、部屋に戻って着替えてください」

「海未ちゃん……」

「なんです?」

「零くんが男の子好きになっちゃったんだよ!? このままだとことりたち捨てられちゃうのに、よく練習なんてできるよね!?」

「れ、零が男の子好き!? なるほど、変態を拗らせ過ぎてとうとう……」

「なぁその『いつかはやると思ってました』みたいな顔。犯罪者の知人インタビューじゃねぇんだから……」

「先生が男性に攻められて、調教された……? そんな同人誌みたいな展開が本当に!?」

「梨子、お前いつにも増して妄想が激しすぎるぞ……」

 

 

 梨子と言えばAqoursの数少ない清涼剤であり、彼女が常識人から失脚したらAqoursのキチガイ度が跳ね上がってしまう。だが今の彼女を見てみると、Aqoursのキチガイ度を底上げしているのは間違いなくコイツだ。俺の周りの女の子に本当の常識人はおらず、みんな何かしら突出した性格を持っているのは間違いない。だが突出しているからと言ってキチガイな訳ではなく、その性格を制御できてさえいれば常識人の枠には留まり続けることができるんだ。つまりいつもの梨子はその枠内に留まっているが、今のアイツは自身の妄想癖に脳を支配された哀れな変態少女なのである。

 

 なんかこうして見ると、海未の次に千歌がまともな奴ってのが物凄く違和感じゃないか? Aqours内で騒ぎを起こす発端No.1の千歌がここまで霞んで見えるなんて、今回の合宿は何かが違うぞ。もしかしたらいつもとは違うみんなの一面を見られるかもしれない。まあ梨子のこんな一面を見て嬉しいかと言われたら微妙だけどさ……。

 

 

「海未ちゃんは驚かないの? 零くんが同性愛者になっちゃったんだよ!?」

「零が偏屈趣味なのは昔からですから特には。それよりも早く練習を――――」

「海未ちゃん!!」

「何ですかさっきから騒々しい!」

「こうなったら海未ちゃんも裸になって、零くんに女の子を教えてあげるしかないよ! やっぱり日本の女性と言ったら和! つまり和風女子の筆頭である海未ちゃんが肌を晒せば完璧だね♪」

「何が完璧ですか何が!! っていうか、服から手を放しなさい!!」

「これも零くんに女の子の魅力を知ってもらうため……。そうだ、千歌ちゃんと梨子ちゃんも脱いで!?」

「「はぁ!?!?」」

「和風少女もいいけど、女子高生のピチピチお肌も零くんに効果的だと思うから!」

「こ、これが話題になってる先輩からの無茶ぶりってやつかな……? 大人の社会は怖いよ……」

 

 

 ことりの暴走に巻き込まれた千歌と梨子は、淫乱鳥の恐怖におびえ自分の身体に腕回して服を死守する。その間にもことりは海未の服に手をかけ、何故か慣れた手付きで少しずつだが脱がし始めていた。そのせいで海未まで半裸状態になり、しかも暴れているせいか2人共さっきから下着がちらちらと見えている。これは止めた方がいいのか、それとも役得だと思ってこの光景を堪能した方がいいのか。

 

 

「ひ、ひとまず落ち着きましょう!! この騒動のきっかけはやはりことりですか?」

「ことりはただいつもの零くんを取り戻したかっただけで……」

「そもそも最初に騒いでたのは千歌ちゃんじゃなかったっけ?」

「そりゃ驚いちゃうよ! だって先生がオカマの人とあんなことを……」

「ちょっと待て。まずどうして俺がゲイみたいに言われてんだ……?」

 

 

 ホモネタは好きじゃないので発言自体を控えていたのだが、もしかして俺の言葉の端々にそう感じさせてしまうような発言があったのだろうか……? いや、そりゃねぇだろ。だって俺の心はいつも女の子と共にあるんだから。女の子を愛で、女の子を弄り、女の子を(性的に)食べ、女の子を愛する。ほら、これだけ女の子を大切にしている俺が男好きだなんてある訳がない。

 

 それにどうして千歌はオカマなんて根も葉もないことを――――ん? もしかして……!!

 

 

「おい千歌」

「はい?」

「お前まさか、オカマ掘るって言葉を聞いて俺をホモ野郎と思ったんじゃないか?」

「えっ……まさかの自覚アリ!? これは重傷ですよ!!」

「違うわ! おかま掘るってのは車で後ろから追突されたってことだよ!!」

「えぇっ!? だったらおしりが痛いと言っていたのは……」

「追突された衝撃でケツを痛めたんだよ察しろ」

 

 

 これでようやく、俺が同性愛者だという事実無根の謎が解けた。さっきも言った通り、『おかま掘る』とは車で追突されることである。でも確かに言葉の意味を知らなければ俺がおかまにケツを掘られたと思われても仕方がないかも。更に言ってしまえば『おかま掘る』って言葉は関西圏での方言みたいなものであり、関東圏方面の人間であるμ'sやAqoursのメンバーが知らなくても不思議ではない。関西に住んでいたことがある希がいれば、こんなに騒ぎになることなく場を終息させられただろうにな……。

 

 ちなみに俺も最近テレビでその言葉を知ったので早速使ってみたのだが、やっぱり意味が通じない言葉をそう安々と使うもんじゃねぇわ。危うく恋人や恋人候補たちの前でホモ認定されるところだった……。

 

 

「つまり、千歌ちゃんの勘違いだったってことね。全く人騒がせな……」

「し、仕方ないじゃん意味が分からなかったんだから!!」

「それもそうですね。高海さんだけを攻める訳にはいきません。零、いつも言っていますが、言動には気を付けてください」

「今回の件で身に染みて実感したよ。男にとっては一番イヤな勘違いのされ方だからな……」

 

 

 BLなどの同性愛を否定するつもりはもちろんないが、俺は至ってノーマルなので改めて誤解なさらぬよう。高校時代なんて四六時中、女の子の制服の奥を妄想し、この子はどんな下着を着けているのかなど色々妄想に耽っていたくらいだ。つまり俺の脳内妄想にはAVかの如く女の子たちの卑しい描写が流れている。まあそれはそれで同性愛関係なくヤバい奴なのかもしれないけど、それはそれこれはこれ。俺が女の子好きだと再認識してくれればそれでいい。

 

 

「でも良かったぁ~! 零くんがおしりを掘られて悦ぶ豚さんじゃなくって!」

「ひでぇ言い方だなそれも……。まあそういうことだから、もう脱がなくてもいいぞ」

「えぇっ!? だったらこの火照った身体はどうしてくれるの!?」

「知るか! 騒いでいたせいで暑くなってるだけだろ!!」

「ほら、海未ちゃんだって火照った身体に耐えきれなくなって脱いでるし!」

「あなたが脱がせたのでしょう!? どうして私が自分から脱いだことになっているのですか!?」

「いやぁ、あまりにも脱がしやすかったから、もしかして自分でもちょっと脱いだのかなぁと思って♪」

「あなたじゃあるまいし、そんな破廉恥なことはしません!!」

 

 

 誤解を解いたことで騒ぎが収まるかと思ったら、ここでまさかの延長戦。自分で脱いで勝手に身体が火照り、更には幼馴染を巻き込んでこの笑顔である。もうね、疲れたのを通り越して逆に清々しくなってきたわ。ことりの荒行には慣れっこだが、いくら慣れてもこのテンションには絶対に絡まれたくはない。千歌と梨子も何となく察しているようで、自分たちに矛先が向けられないよう存在を消していた。

 

 

「μ'sの皆さんって、キャラ濃いですよね。さすがレジェンドスクールアイドルです」

「Aqoursで集まった時も大抵騒がしいけど、これは前途多難な合宿になりそうですね……」

「分かってもらえて何よりだよ……」

 

 

 朝から続く俺の苦労を理解してもらえる子がいて、とりあえずは安心かな。

 でもお気づきだろうか? これ、まだ練習すら始まってないからまだ合宿のスタートラインなんだよ。途中で精神疲労でぶっ倒れず、生きて帰れるのか俺は……。

 

 




久々にことりと海未の絡みを書きましたが、ボケとツッコミの観点で言えばえげつないほどに完璧なコンビですね(笑) 今回はそこに千歌と梨子という新しいエッセンスも加わったのですが、皆さんはこのテンションについて行けたでしょうか? ちなみに私は執筆品がらも置いてけぼりをくらいました(笑) やっぱりこのキャラのことりが大好きなんです、私!

 次回はようやく合同練習に入る予定。
 前回と今回がμ'sメンバーがメインだったので、次はAqoursメンバーの誰かを主体にしようと思います。

まだ評価を付けてくださっていない方、是非☆10評価を付けていってください!
小説執筆のやる気と糧になります!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。