なので今回は300話記念回をお送りするのですが、どこぞのアニメとは全く関連性はありませんとだけ()
自分の人生が日常的だとは今まで一度も思ったことがない。同時に何人もの女の子と恋愛をしたり、ヤンデレになった女の子たちに襲われたり、RPGの世界に拉致られ冒険させられたり、教育実習生なのに生徒と恋愛をしたり――――列挙したらきりがないのだ。それくらい俺の人生は波乱万丈に満ち溢れていて、楽しくもありデンジャラスな毎日を送っている。
その中でも今起きている出来事は、これまでの如何なる経験よりもヤバいと身体の芯から悟っていた。朝起きたら非日常の世界だったってことは数あれど、ここまで目の前の世界が改変されているのは初めてだ。いや、改変されているってのは少し語弊があるか。恐らく世界が変わっているのではなく、俺自身が変わっているのだろう。そう、例の
具体的には、視界がギャルゲーの画面っぽくなっていることだ。画面の端にスキップやセーブ、ロードやらのボタンがあり、ご丁寧に左上に現在の日付と曜日、天気まで映し出されている。最近流行りのVR機器が俺の目元に取り付けられているのかと思ったが、そんな機械はもちろんメガネなどの装備品もない。つまり肉眼で直接見える光景が既にギャルゲ風の画面なので、映し出されているというよりかは自身の目がゲーム画面となっている言った方が意味合いは正しいか。しかしどちらにせよ、秋葉による悪戯でまた身体を弄られたと見て間違いないだろう。相変わらず何でもできるなアイツ……いや、褒めちゃいないけどね。
ちなみに俺の意識でカーソルを移動できるのだが、スキップやセーブ、ロードのボタンは悉く反応しない。多分まだ開発中の試作であり、それらの機能は未実装なんだろう。最初は目に見えている世界は仮想現実かと思ったのだが、頬を抓って痛みを感じたり俺の布団から暖かさが伝わってくることから、ここは現実なのだと思い知らされる。こんな状況でもこうして冷静に現状を分析できるあたり、俺も相当調教されてるな……。
どうにかしようにも現状打破の方法なんて全く思いつかないので、とりあえず朝飯を食ってから今後のことをゆっくり考えよう。
そう思ってベッドから出ようとした時、俺の部屋のドアが開いて妹の楓が顔を覗かせた。
「あっ、お兄ちゃんおはよう!」
「あ、あぁ、おはよう……」
楓の声はちゃんと俺の耳に届いているのだが、視界がギャルゲ風なためかご丁寧にメッセージウィンドウに楓の言葉が表示されている。正直な話、俺の視界をギャルゲ化するより耳が悪い人や老人の身体を改造した方がよっぽど世間のためになると思うぞ? このメッセージウィンドウのおかげで耳が遠くても声が聞き取れるようになるしな。まあ秋葉のことだから、俺以外を改造の対象にすることはないと思うけど。
「お兄ちゃんどうしたの? なんか元気なくない?」
「いや、別になんでもねぇよ……」
「まさか、朝勃ちしちゃってベッドから抜け出せないとか?? もう水臭いなぁ、言ってくれれば私が処理してあげるのに♪」
「馬鹿野郎。朝からやったらどれだけ体力を持ってかれるか――――」
このやり取りは日々のことなので軽く流すつもりだったのだが、今回ばかりはそうもいかなかった。
俺の視界にはまさにギャルゲーのような選択肢が3つ表示されており、カーソルを移動できることからどうやら選択しなければ次の会話に進めないみたいだ。ちなみの選択肢を選ぶまでは身体は一切動かせず、そもそも楓の動きも止まっていることから世界の時間が停止しているのだろう。妙にリアリティ溢れるというか、こんなことまでできる秋葉って本当に人間なのか……。
俺の視界に表示されている選択肢は、次の3つだ。
1.「マジで!? お願いするよ!」
2.「寝起きで敏感だから、優しく頼むな?」
3.「妹が兄の性欲処理をするのは当たり前だろ! 分かってんのならとっとと股開けオラ!!」
改めてみるとヒドイ選択肢しかねぇなオイ。
無難な選択肢が一切なく、どれを選んでも近親相姦ルートが確定となってしまう。楓の性格から俺の頼みを断るとは考えにくいので、このままではゲーム開始直後から妹との濃厚Hシーンが流れる羽目になるぞ……。何の脈略もなくいきなり近親相姦の場面を見せつけられるって、斬新なゲームにも程がある。口を開けば即Hなんて売れないエロゲーの鉄板だぞ分かってんのか。
しかし、どれか1つを選ばないと世界は静止したままだ。サラッと言っているが、何もしなければ世界が止まったままって何気に恐ろしい世界に足を踏み入れてるよな俺……。
途中で変なバグが起きないことを祈りつつ、偏屈な選択肢の中でも温和そうな2番を選ぶことにした。1番はこっちからガッツいているようで癪だし、3番は論外だ。
――――――と思って2番を選択しようとしたのだが、何故だ……2番の選択肢が反応しない。
2番目の選択肢にカーソルを合わせて決定しようとしても、目の前の静止した世界はうんともすんとも言わない。仕方ないので1番の選択肢を選んでみても反応は全く同じだった。
と、言うことは……3番目を選ばないといけないの!?
つうかこれ最初から選択権ねぇじゃん!! そうだよな、秋葉の作ったゲームなんだから普通であるはずがないよな……。納得してしまう自分が情けねぇ。
それにしても、3番の選択肢なんてどこの妹調教モノだって話だ。シチュエーション的には引き籠りだったりいじめられっ子である兄が、容姿も良く成績優秀な妹にゴミ扱いされることに怒りを覚え、ベッドに縛ってレイプしたり催眠術を使って凌辱する――――みたいなシチュがよくありがちである。俺が選ばされる選択肢の内容は、まさにその兄キャラが妹キャラを犯す時に使用するセリフそのものだ。しかも俺は楓にいじめられている訳でもゴミ扱いされている訳でもなく、むしろ神扱いされているのでこのセリフを選択するのに物凄く抵抗がある。まあゴミ扱いされていたとしても、このセリフを発言するのは相当勇気がいると思うが……。
うだうだ考えいても、これしか選択できないんだったら仕方ない。弁解なんてあとで何とでもできるし、早くこのゲームを終わらせるためにも先へ進もう。
俺は深呼吸をして気を落ち着け、覚悟の下で3番目の選択肢を押す。
すると、静止していた世界が動き出すと共に俺の口が自分の意思関係なく強制的に開いた。
「妹が兄の性欲処理をするのは当たり前だろ! 分かってんのならとっとと股開けオラ!!」
「お、お兄ちゃん……」
「ち、違うんだ! 天がこう言えって囁いてきてだな……」
「妹を肉便器にしたいだなんて、相変わらず変態さんだね♪ でも私はお兄ちゃんの言うことなら何でも聞くよ? どういう体勢でお股を開いたらいい?」
「服脱がなくてもいいから!! とりあえず朝飯にしよう! なっ!?」
「えっ、お兄ちゃんの朝ごはんは私でしょ?」
「俺は腹を満たしたいの!!」
「そ、そんな、私のおっぱいはまだ出ないよ!」
「何を飲ませる気だ……」
弁解なんていくらでもできると思い込んでいたのだが、楓の食いつきが想像以上に激しいことからそう簡単にはいかない。もはや兄に対するセクハラなんじゃないかってくらい痴女発言を連発し、楓は自分自身を俺に食べてもらう気が満々らしい。最近はその手の行為についてかなりご無沙汰だったので期待する気持ちは分からなくもないが、いつ選択肢が現れるか分からない都合上、こんなところで性交なんてできるはずがない。だってもしヤってる最中に選択肢が表示されたら、今度はどんな選択肢を強制的に選ばされるか分かったものじゃねぇからな。
「いいから、普通に朝飯を作ってくれ。今日は出掛けるから」
「えぇ~家にいてくれないのぉ?」
「ちょっと用事がな……」
不満そうな顔をする楓だが許してくれ。このままお前と一緒にいたら、今日一日で近親相姦を何度行えばいいのか分かったものじゃない。そしてその事実はμ's全員に言いふらされしまい、他の子たちからのバッシングと身体を求められる展開に……。もしそんな事態に陥ったら、テクノブレイクどころか身体までブレイクしてしまいそうだから。
~※~
「これ、SAN値が保てるかどうか心配だな……」
なんとか朝の修羅場を乗り越え、朝飯を音速で済ませ外へ出た。
問題の脳内選択肢は朝飯の時も現れ、楓が作ってくれた甘いフレンチトーストの感想を言っている時に次の選択肢が出てきて相当焦った。
1.お前の下の蜜の方が甘いんだろうなぁ
えっ、1つしかないじゃないかって? そうだよ1つしかなかったんだよ。
選択肢を選ばないと世界の時間が動かない都合上、俺は罠だと分かっていてもそこに踏み込まざるを得なかった。そのせいでまた楓が興奮し、満足に食事が取れなかったのがさっきまでの出来事である。
このままこんな選択肢が続き、いちいち弁解をしないといけないこの状況はマズい。何がマズいって女の子に出会った時点で身構えてしまうので、そこで精神力を浪費するのが何よりも辛い。だから俺は考えた。今日は漫画喫茶など、個室に籠れる場所でずっと1人でいようと。このギャルゲ現象が1日で解消されるのかは怪しいが、秋葉の発明品の効力が2日に渡ったことはないので多分大丈夫だろう。大丈夫……だよね?
とにかく、誰かにエンカウントしないよう早急に漫画喫茶へ転がり込むとするか。
「あら、零ではありませんか」
「海未……マジかよ」
希望が打ち砕かれる瞬間ってのはまさにこのことか……。
不運にも道端でばったり海未と遭遇してしまった。決してフラグを立てた訳じゃないのだが、どうして俺の日常は自分の思い通りに進行しないかねぇ……。なんか泣けてきたよ。
「人の顔を見るなり、マジかよとか泣き顔になるとか失礼すぎません……?」
「いやね、俺の人生ってイバラしかねぇなぁと思ってさ」
「それ12人と付き合っている人が言うセリフじゃありませんよね……。自らが選んだ道じゃないですか」
それはそれ、これはこれだ。俺が言いたいのは脳内選択肢のことなのだが、あらかじめ言葉がブロックされているのか誰かに選択肢のことをバラそうとしてもできない仕様となっている。バラそうと思ったその瞬間に口だけでなく身体も動かなくなるので、ボディランゲージも不可能という徹底っぷり。あらかじめこんな設定を仕込むとか、相変わらず努力の方向を間違えすぎだろアイツ……。
とにかくこのまま海未と対峙しているとまた理不尽な選択肢が出現しかねないので、とっととこの場を立ち去らないと。これは女の子を無下に扱っているのではない、俺の意図しないセクハラ発言で女の子を恥辱の底に鎮めるのを回避するためだから!!
そして海未の隣を通り抜けて立ち去ろうとした――――その時だった。
1.暇なら一緒に散歩しないか? いい散歩コースを知ってるからさ。
2.どこへ行く予定なんだ? 俺も付き添っていいかな?
3.俺、用事あるから。それじゃあな。
あ、あれ? 案外普通の選択肢で拍子抜けだ。もしかしたら楓があんな性格だから選択肢が汚染されていただけで、海未のような普通の子が相手だったら選択肢もまともになるのかも。最初が最初だけにインパクトが大きかったのだが、思ったより普通のギャルゲーっぽくて安心したよ。俺はてっきり淫乱属性を兼ね備えた選択肢ばかり選ばされると思ってたから、これならわざわざ3番の選択肢を選んで危機回避する必要はないかな。
1番でも2番でも選択するならどっちでもいいんだけど、ここは相手の予定に合わせて動く紳士的な姿を見せつけてやろう。
「どこへ行く予定なんだ? 俺も付き添っていいかな?」
「いいですよ。今日はことりと出掛ける予定だったので」
「え゛っ……!?」
や、やべっ、失敗した!? このままではことりとエンカウントする羽目になっちまう!!
楓を目の前にあんな選択肢が出たってことは、ことりと対面した時はどんなセクハラ選択肢がでるか分かったもんじゃない。しかも海未まで一緒にいるとなれば、セクハラ発言をした瞬間にことりの暴走と海未の鉄拳制裁までの流れが容易に想像できる。やっぱり安直に選んだのが間違いだったか……!!
一度選んだ選択肢を元に戻すことはもちろんできないので、ここは己の話術で巧みにお出かけの同行を断らないと。自分から付き添うと言っておきながら断るなんて変な話だが、セクハラ選択肢を回避して海未を守るためだ仕方がない。
「そ、そうだ! 海未と2人きりで行きたいところがあったんだ、時間も取らせないしどうかな?」
「わ、私と2人きりですか……? ことりとの約束までまだ時間もありますし、遠くないところであればご一緒します」
よしいい調子だ。海未は純情だから、2人きりのデートを持ち掛ければ必ず釣れると思っていた。彼女の純粋な心を弄ぶようで心苦しいのだが、現在進行形で秋葉の実験台にされている可哀想な俺を助けると思って許してくれ。
会話をこっちのペースに引き込むことができたので、あとは適当な場所を2人でぶらついて、程よく時間が経過したところで俺はとんずらすればいい。我ながら完璧な計画すぎて思わず笑みが零れちまうよ。海未と2人きりならセクハラ選択肢が出ることもないだろうし、いっそのことVR版のギャルゲーとして楽しむ余裕すらあるかもしれない。もう秋葉の発明品に怯える日々は終わった。これからは殺人兵器並みの発明品も、スリルを感じられる楽しい発明品に変えてやるよ。
そんな余裕ぶっていたその時だった。
俺の視界に再び選択肢が出てくる。出てきたのだが――――――
Q.海未とどこへ行く?
1.ホテル
2.公園の公衆トイレ
3.裏路地の奥の奥
ちょっ、ちょっと待ってくれ!! どうして言葉の響きからして如何わしい場所しか選択肢にねぇんだよ!? しかも裏路地の奥じゃなくて奥の奥って、麻薬の取引現場か何か!? どこもかしこも朝から行くデートスポットじゃねぇだろこれ!! そうは言うものの、夜だったらいいのはホテルくらいだけどさ……。
相変わらず世界が静止したまま時が進まないので、この中から1つ選ぶ必要があるのだが、どれを選んでも鉄拳制裁ENDでバッドエンドルート直行な気がするんだけど。強いてあげるなら公園の公衆トイレかな? 他の2つは散歩コースには適さないが、公衆トイレなら公園を散歩する流れに持っていくことができる。正直そんな上手く事が運ぶとは思えないが、ここは腹を括るしかない。
「公園の公衆トイレ……とか」
「は、はぁ!? あ、ああああなたは一体何を言っているのですか?!」
「ち、違う!! あまりにもトイレに行きたくてつい口に出してしまったんだ!!」
「そ、それならそうと早く言ってくださいよ……。また淫らなことをするのかと……」
あ、あぶねぇ……!! 咄嗟にさっきの言い訳を思いつかなかったら、怒り狂った海未によって地獄に叩き落されていただろう。
つうか選択肢が出るたびに毎回こんな弁解を考えないといけないなんて、危惧していたことだけど正気を失ってしまいそうだ……。しかも不幸なことにまだ朝、これから1日この選択肢と付き合っていくと考えると精神病むぞこれ。しかも淫乱な子には淫乱な選択肢、普通の子には普通の選択肢が出るといった俺の予想も大きく外れていたため、これは本格的に1人になった方が良さそうだ。
「わ、悪い海未! 今物凄くトイレに行きたいから、デートはまた今度な!」
「えっ、トイレなら待ちますよ」
「女の子を待たせるなんてできる訳ないだろ?? それじゃ、この埋め合わせは絶対にするから! じゃあな!」
「は、はい。相変わらず、慌ただしい人ですね……」
俺は半ば逃げる形で海未と別れた。
このゲームを楽しむと言ったが前言撤回。選択肢の尻拭いをしたりデートしようと言ったのに速攻で破棄したり、こんな苦しく過酷なゲームがかつてあっただろうか? いや、ない。
でも、ことりと対面するという最大の危機を回避できたのは良かったかな……?
そうやってちょっとでもプラス思考を持たないと、この先やっていけないぞこのゲーム……。
~※~
とりあえず街中にダイブし、適当な漫画喫茶を探しながら練り歩く。歩を進めるたびに女性とすれ違うことに恐怖を覚えそうになるが、今のところは俺にとってモブキャラ同然の人とのイベントは発生しないみたいだ。もしそこら辺の女性に対してさっきのセクハラ選択肢が表示された場合、逮捕エンドという鉄拳制裁よりも遥かに恐ろしい結末が待ち構えている。そのもしもの事態を避けるためにも、今日は誰の目にも触れないところでぼっちを極めなければ!
そんな時だった。人混みを避けることに集中してしまい、大きい紙袋を両手に持った女の子にぶつかってしまう。
「あっ、ゴ、ゴメンなさい!」
「いやこっちこそ……あ゛ぁっ!?」
「せ、先生!? って、どうしてこの世の終わりみたいな顔してるんですか……」
俺とぶつかったのは、キャップに短パンとやけにボーイッシュな格好をしている曜だった。曜は俺の表情を見て不満気な様子を浮かべるが、俺の身に降りかかっている状況を考えればこの出会いがこの世の終わりだとしてもおかしくないから。
それにしても、どうして今日に限って知り合いの女の子に連続で出会っちまうんだか……。この奇跡を出会いのない男の子諸君に分けてあげたいよ。
とにかく、当たり障りのない会話でエロい選択肢が出るのを阻止してみるか。無駄な気はするけどせめてもの足掻きってことで。
「お前、その荷物どうしたんだ?」
「これですか? 可愛いコスプレ衣装がたくさんあったから、つい買っちゃったんです! いやぁ大人買いを経験すると癖になっちゃいますねぇ~」
「お前ってバイトで金貯めてもすぐ散財しそうな性格だよな……あっ」
せめてもの足掻きはここで踏みにじられる。
俺の世間話は無慈悲にも脳内選択肢によって封じられてしまった。
1.俺が本当の大人にしてやろうか? さぁ、そこのホテルへ行こう。
2.パンツを盗もうとしていた奴が大人ねぇ……。
相変わらずまともな選択肢がねぇなこれ、慣れたけどさ。
正直どっちもどっちなのだが、人通りが多いこの道で女子高生をホテルに連れ込もうとしたら、何十何百の人に見られるか分かったもんじゃない。そしてその事実がμ'sやAqoursに伝わった暁には目も当てられない事態になるので、この選択肢は確実に地雷だ。地雷と決めつける以前に字面で既にヤバいんだけどね……。
だったら選ぶべきは2番なのだが、これもこれで過去の古傷を舐めるようでそこまで快くはない。しかし選択肢が2つしかない都合上、消去法でこちらを選ばないといけないのがもどかしい。エロゲーでもこんなダイレクトな選択肢はないから、秋葉の奴もしかしてエロゲーやったことねぇな? ああ見えて純粋だから、アイツ。
超妥協になるが、渋々2番の選択肢にカーソルを合わせて決定する。
「パンツを盗もうとしていた奴が大人ねぇ……」
「ぱ、ぱぱパン……!! 何言ってるんですかこんなところで!!」
「俺だって言いたくねぇよ!! 世界のシステムによって操られてんだ!!」
「なにそれ中二病ですか……? 善子ちゃんの病気が感染しちゃったとか」
「いや、俺はもう卒業してるから」
「じゃあ女の子のパンツを見たいとか……ま、まさか私のを見せろと!?」
「んな訳ねぇだろ! 本当にお前って淫乱になったよな……って、えっ!?」
会話の途中だが、ここで突如また世界が静止した。
だが今回は選択肢ではない。たった1行の文章が俺の視界にでかでかと表示されている。
その文章とは――――――
『ミッション:
6時間以内に女の子のパンツを覗け!!
報酬:パンツを見た女の子の好感度+100』
はぁ……?
はぁあああああああああああああああああああああああああああああ!?!?
To Be Continued……
改めまして、『新日常』の話数が300話を突破しました! ここまで続けてこられたのも読者の皆様のおかげです、本当にありがとうございます!
200話が丁度μ's編の最終回だったので、思い返せば結構前のお話だなぁと感傷に浸っちゃいます。200話からはAqours編の始動と完結、そしてスクフェス編をスタートして40話以上と、直近100話の内容も過去の200話と引けを取らないくらい濃かったと思います。
正直な話、300話も執筆しているとどんな話を描いてきたのか忘れることがあり、読者の方に「こんなお話がありましたよね?」と言われても「それどんな話だったっけ……?」と忘却の彼方なことが多々あったりします(笑) 逆に言えば読者の方にこの小説のお話を強く印象付けられているので、私としては大満足ですね!
300話という膨大な話数になりましたが、物語的にはスクフェス編はまだ中盤くらいです。Aqoursとの恋愛模様だったり、虹ヶ咲メンバーの謎、秋葉の動向など様々な要素はまだまだこれからです。これ400話達成までに完結するのかと若干危惧しながらも楽しく執筆していきますので、皆様も飽きずに最後までご一緒してくださると嬉しいです!
次回は引き続き脳内選択肢回の後編です。
本日中に誰かのパンツを見なきゃいけない羽目になった零君の運命は……? そして見事ハッピーエンドに辿り着けるのか?? 乞うご期待です!()
mokkeさん、殺戮天使の僕さん
ありがとうございます!
まだ評価をつけてくださっていない方は、この300話記念を機に是非とも評価を残していってください!