ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は花丸とルビィ回です。健全ではない皆さんなら、サブタイトルの意味がもうわかっているはず!


こけし型マッサージ器は未来ずら!!

 

「それで? その桜内さんとは仲良くなれたの?」

「あぁ。途中から一緒に作業してたし、心は開いてくれたと思うよ」

 

 

 俺は秋葉と食卓を囲みながら、Aqoursのみんなとの出会いの経緯や梨子との出来事について話している。どうやら秋葉には俺が女の子を引っ掛けることは読めていたみたいで、痴漢やセクハラをしてしまったことをぶちまけても何食わぬ顔で話を聞いていた。むしろコイツは俺が新しい女の子と仲良くなったことに興味津々みたいだ。

 

 

「それにしても彼女が20人以上になるのかぁ~。そこまで来たら流石の私でも面倒見切れないからね」

「いやいや。Aqoursのみんなとはそんな関係じゃねぇから」

「でも手を出したんでしょ? 話を聞く限りではいつもの零君と全く変わらないじゃん」

「この歳になるとな、女子高校生が恋しくなるものなんだよ。高校時代は毎日腐るほど見てたってのにな……」

 

 

 高校を卒業して制服姿の女の子を見られなくなった後に分かる、JKの希少さと尊さ。もうこれからの人生で制服姿の女の子と絡むことはないと思ってたから、梨子と2人きりになった時は妙なテンションになってしまった。今学生の人は後悔しないよう、しっかり制服女子と遊んでおくんだぞ。ピチピチのJKなんて中々誘いに引っ掛けられないんだから。

 

 

「浦の星の生徒は脳内お花畑が多いけど、Aqoursは純粋な子たちばかりだから下手に手を出せねぇんだよな。梨子の時みたいにムードが伴わないととてもじゃないけど無理だ」

「純粋……純粋ねぇ……♪」

「おい、俺の評判を落とすような真似はやめてくれよ……」

「えぇ~どうしてそう思うのぉ~??」

「お前が変なぶりっ子口調になった時は、大抵ロクなこと考えてないことくらいお見通しなんだよ!!」

 

 

 あからさまに何かを仕掛けようと企んでいる顔をしているので、もう今から警戒せざるを得ない。いくらコイツが家庭的になって一般淑女に近づいたと言っても、根の部分の腹黒さは何一つ変わっていない。むしろ俺や穂乃果たちが同じ大学へ入学したことが嬉しかったのか、高校時代以上に絡んでくる始末。やはりコイツと一緒に内浦へ来たのは間違いだったかも……。

 

 

「安心して。零君の教師生活を脅かすようなことはしないからさ!」

「これほどまでに信用できない言葉を俺は聞いたことがない……」

「弟にここまで侮蔑されるなんて、お姉ちゃん悲しいよーえーんえーん」

「いい歳してどんな演技してんだよ」

「あ?」

「いや、なんでも……」

 

 

 悪戯好きで子供っぽい縁起もお手の物。もう20代も後半だっていうのにここまで遊び心が富んでいるのは、やはり女性だからこそ許された特権だろう。綺麗で容姿が整っている女性がやるからウケるのであって、ちょっとでも俺の気に入らない容姿だったら今頃コイツをブッ飛ばしているところだ。何故神様はコイツに頭脳明晰、容姿端麗、スタイル抜群の男が惹かれる3要素を全てブチ込んだのだろうか……。

 

 

「とにかく、私からは何もしないから安心して! 私からは……ね♪」

「お前の言葉がいちいち不穏すぎて怖いんだけど……」

 

 

 俺の日常って、平穏が訪れている日の方が少ないような気がする……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「お~っす」

「あっ、こんにちは神崎先生!」

「こ、こんにちは……」

 

 

 翌日、部室へ訪れると花丸とルビィの2人がいた。

 教育実習初日で2人とは壮大な出会いを果たしたのだが、あれから少し話し合った結果、善子のマントのせいだという結論に至りあの時のセクハラ行為はお咎めなしにしてもらった。お咎めなしにならなくても普通は男に下着を脱がされたり胸に顔を押し付けられた経験などないはずなので、もし実際にそんなことをされたとなると恥ずかしくて周りには言い出せないだろう。

 

 しかし善子のマントのせいだとはいえ、俺が2人にセクハラをしてしまったことは事実。いつでも死の導火線に火を点けられてしまうことを忘れてはいけない。

 

 

「他のみんなはどうした?」

「今日も練習があるので、後から来ると思うずら」

「なら掃除当番とか何かか……って、お前らさっきから何を見てるんだ?」

「こ、これ、机の上に置いてあったんです。ルビィたちが来た時には既に……」

「ん……?」

 

 

 ルビィが手に取ったのはこけしのような形状をした電気器具だ。胴体はそこそこ長く、側面にはスイッチが付いている。そして先端はこけしの顔のように丸みを帯びており、まるで電マのような――――いや、ようなじゃねぇな。これはれっきとした電動マッサージ器、いわゆる"電マ"だ。健全ではない男子諸君には"バイブ"と言った方が馴染みは深いか。

 

 どうしてこんなものが部室に置いてあるんだよ……。

 

 

「誰のものなんだろう、忘れ物?」

「でも今日は誰もここには来てないって言ってたし……先生は知ってますか?」

「えっ? い、いや……」

 

 

 もしかしたらAqoursの中で相当激しいオナニーを好んでいる奴がいるのかも? それとも百合シチュエーション好きな梨子(アイツ)の仕業か。まあ一番の可能性として考えられるのは、昨日不穏な言葉を残していったあの秋葉(あくま)だ。全く、今度は何を企んでいるのやら……。

 

 

「それにしても変な形ずら。どうやって使うんだろう?」

「とりあえず、スイッチを押してみたら分かるんじゃないかな」

「そうだね。それじゃあポチッとな――――――きゃっ!!」

「わっ!? 先端がブルブルって震えた!?」

 

 

 なんだろう、なんか微笑ましいなこの光景。本来なら教師としてすぐ止めさせるべきなのだが、今後花丸とルビィがバイブに対してどのような反応をするのか気になって見守りたくなる。純情な子が何も知らぬまま試行錯誤して性具を弄る姿、いいと思います!!

 

 

「わわわっ!? 震える勢いが強くなったずら!!」

「花丸ちゃん見て、スイッチの他に『強・中・弱』ってスイッチもあるよ」

「だったらこれを変えれば弱まるかも――――――あっ、振動が優しくなった!」

「本当にビックリしたよぉ~。あんなに激しく震えるなんて……」

「でも今はぷるぷると小さく震えていて可愛いずら♪」

 

 

 か、可愛い!? バイブのことを可愛いって言う奴なんて初めて見たんだけど……花丸の感性が疑われる。そんな純粋な反応をしてしまうのも、この器具が性的なプレイで使われることを知らないからだろうけど。

 

 それにしても、傍から見たらまた俺がセクハラしてるように勘違いされる気がする。何も知らない少女2人に性具を触らせ、それをニヤけ面で眺めているんだから反論のしようもない。

 

 

「でもこれってどうやって使うんだろう? 変な形してるし、おもちゃには見えないよね?」

「あっ、もしかしたら!!」

「えっ、花丸ちゃん分かったの!?」

「多分! ルビィちゃん、ちょっと後ろ向いてくれる?」

「う、うん……」

「よ~し、それじゃあいくよ!」

「へ……?」

「それっ!!」

「ピギャァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 花丸はルビィの脇腹に、バイブの強さを"強"にしたバイブを当てた。対してルビィは唐突な振動にその場で軽く飛び上がり、よろけて俺の元へと倒れ込んでくる。いきなり前触れもなく脇腹にバイブを押し当て、しかもパワーは"強"に設定するとは花丸の奴、中々にドSな精神をお持ちで。ゆるふわな見かけによらず案外黒い面があったりするのかも……。現に今も申し訳なさそうにしながらも笑ってるし、案外黒いのかコイツ。

 

 

「おい、大丈夫か?」

「は、はい、ありがとうございます。もう、花丸ちゃんヒドイよぉ~」

「アハハ! でもルビィちゃんいい反応で、マルの予想は多分当たってるずら!」

「予想……?」

「これはさっきやったみたいに、人を驚かせるためのモノなんだよ! ほら、イタズラグッズみたいなモノも最近流行ってるし、その一種じゃないかな」

「そ、それはいいんだけどソレを震わせたままこっちに向けないでよぉ~!!」

「あっ、ゴメンゴメン」

 

 

 花丸のイタズラのせいで、一瞬でルビィにトラウマが植えつけられてるじゃねぇか。ルビィは"強"のパワーで振動するバイブに恐れをなしているせいか、ずっと俺に張り付いたまま離れようとしない。セクハラされた相手にしがみつくほど怯えるって相当だぞ。

 

 それにしても、バイブをイタズラグッズだと思い込んでいること自体が既に可愛い。脇腹なんかよりも女の子はもっと敏感な部分があるのだが、この子たちはまだ弄ったこともない新品のままなんだろうなぁ。そう考えると花丸がバイブを持って嬉しそうにしている姿は何とも滑稽であり面白い。その性具は君が操っているんじゃない、君を虜にするために作られているんだ。

 

 よし! それじゃあここらで2人がより性具に興味を持つよう、正解のヒントぐらいは与えてやるか。これでもっと可愛い反応を見せてくれ。

 

 

「一応言っておくとだな、それはイタズラグッズではないぞ」

「え? だったら一体何に使うずら……?」

「それはマッサージ器だ。ハンディタイプで手軽に身体を気持ちよくできるモノなんだよ」

「これがあれば手軽にマッサージ!? 未来ずらぁ~!!」

「み、未来??」

「あっ、花丸ちゃんは電化製品に弱くて……。パソコンを見ただけでもああなっちゃうんです」

 

 

 語尾からして地方の人間丸出しだと思ったのだが、まさかここまで現代離れが深刻化しているとは……。だから今もバイブを見つめながら目を輝かせているのだろうが、どこからどう見ても性具に興味津々な危ない女の子にしか見えない。

 

 

「スイッチを押すと先っぽだけ振動するってことは……あぁっ!! 分かったずら!!」

「こ、今度はなに……?」

「これはきっと正解だと思うよ! ルビィちゃん、確かめたいからここに座って!」

「えぇっ!? またさっきみたいにいきなり押し付けるんじゃないのぉ~!?」

「しないしない。今度はマッサージ器を当てる前に声を掛けるから安心して。それに先生が言っていた通り、今回は気持ちよくなれると思うずら」

「気持ちよく……?」

「心配しないで! この近代科学研究家のマルにお任せずら!」

「花丸ちゃんが機械触ってる時点で心配な要素しかないよぉ~!!」

 

 

 近代科学って言うけど、バイブの歴史は何気に100年くらい遡れるほど古かったりする。まあ花丸が楽しんでいるようで何よりだから敢えて口は挟まないでおこう。

 

 花丸はルビィを半ば無理矢理椅子に座らせると、椅子の後ろへ回って強さのスイッチを"弱"に設定する。流石に心配しないでと言っておきながら"強"で押し当てるような黒い真似はしないか。だけどルビィはその可能性を懸念しているようで、座りながら後ろでブルブルと卑しく音を立てるバイブに恐れをなしている。1本のバイブのせいで2人の友情が破壊されかねないけど大丈夫か……?

 

 それ以前に花丸はバイブの使い方が分かったと言っていたのだが、本当に分かったのだろうか。もしここで彼女がルビィの股にバイブを押し当てほくそ笑むなんて展開になったら、俺は彼女を純粋という仮面を被った隠れ痴女淫乱だと認定して周りに言いふらしてやる。見た目も性格も純情ガールなのに裏では卑猥なことばかり妄想しているなんて、そんな奴はどこぞの淫乱バードだけで十分だ。

 

 

「じゃあいくよルビィちゃん」

「う、うん、優しくね……」

「ゆっくりと、軽く当てるだけだから大丈夫だよ」

 

 

 なんかエロいなさっきのセリフ。これで男女の営みが妄想できちゃう人は、俺と同じ変態だから誇っていいぞ。

 

 花丸は震えるバイブをゆっくりとルビィに近付ける。

 遂に来てしまうのか!? 女の子同士で股にバイブを押し付け合い、この部室が恥辱と淫声に満ちたピンク色の空間となってしまうのか!? しかもこんなロリっ子体型の2人が乱れ合うなんて、その手の属性が好きな男だったら卒倒してしまいそうだな。俺は特別百合が好きなわけではないのだが、女の子が欲望と性欲に捕われる様は見ているだけでも大好きだ。

 

 

「当てるよ、ルビィちゃん」

「う、うん!」

「いくよ……えいっ!!」

「あっ、あぁ……ふぁ……」

 

 

「あ、あれ……?」

 

 

 次の瞬間にはルビィの生々しい淫猥な声が聞けると思ってたのに、彼女の口から漏れ出したのは安堵混じりの気持ちよさそうな声だった。それもそのはず、花丸が持つバイブはルビィの股――――ではなく、彼女の肩に当たられていたのだ。

 

 

「どうルビィちゃん?」

「うん、振動がいい感じに強くて気持ちいいよ~」

「ルビィちゃん最近衣装作りで忙しいって言ってたから、肩凝ってると思って」

「曜さんが奇抜なアイデアを次から次へと出すから、手直しするのが大変で……」

「それは災難ずら……。でもこれがあればもう平気! この肩凝り解消マッサージ器があれば!!」

 

 

 あぁ、肩叩き器と勘違いしてたのか。さっきまでコイツらのことを散々脳内ピンク色女と馬鹿にしていたが、本当にピンク色だったのは俺の方だったらしい。もしかしたら俺が思った以上にこの2人って純情ガールなのかも。バイブの存在すらも知らないくらいだし、これはマジで性知識が一ミリもない、富士山の天然水よりも天然で純粋な心をお持ちになっていらっしゃるのか。そう思うと、白は黒に穢したくなる俺の欲望に火が点きそうだ。

 

 

「先生! 使い方これであってるずら??」

「ま、まぁ間違っちゃいないかな」

「ということは、また別の用途があるんですか?」

「あるっちゃあるんだけど、お前たちにはまだ早い」

「そんなぁ~どうして!?」

「この世にはな、知らない方が幸せになれることだってあるんだよ。知識は何でもかんでも詰め込めばいいってものじゃないんだ。だからお前らはそうやっていつまでもぼけぇ~っとした顔でほのぼのしていてくれ」

「なんか馬鹿にされてる気がするずら……」

 

 

 俺が懸念しているのは純情なコイツらに性知識を教え込むことではない。むしろ俺は白いキャンパスを黒でぐちゃぐちゃに塗り潰したいタイプだ。

 だったら何故正解を教えないか、それは黒澤家の長女であるあの堅物生徒会長:黒澤ダイヤの存在だ。あの超絶シスコンのダイヤが溺愛しているルビィの口からバイブなんて言葉を聞いた暁には、狂獣のごとく発狂して俺の元へ殴り込んでくるに違いない。それも理由もなく俺を疑い掛かってくる形で……。そんな理不尽な展開にならないためにも、ここは頑なになっても本来の使い道を教えてはならない。

 

 

 だがしかし、俺は1つ重要なことを見落としていた。

 このバイブを置いた犯人は誰だということだ。レズの趣味がある梨子の線が濃厚だと言っても、部室の机に見せびらかすようにバイブを置いて、自ら自分の趣味を暴露するような真似は絶対にしないはず。だったら犯人は当初の予想通りただ1人。

 

 そう、秋葉(アイツ)が置いたとなれば、アレがただのバイブであるはずがない。

 それに気付いた時には、既に遅かった。

 

 

「あ、あれ!? マッサージ器の強さが急に"強"に!?」

「あ゛ぁぁああああああああああああっ!?は、花丸ちゃん早くルビィの肩から離して振動が強すぎてぇあ゛ぁぁああああああああ!!」

「ご、ゴメン!! でもさっきからこのマッサージ器が勝手に動いて――――ああっ!?」

 

 

 花丸の持っていたバイブの強弱スイッチがいきなり"強"で固定され、しかも手の拘束から抜け出して自律で動き始めた。そしてそのバイブは男の欲望を兼ね備えた知能を持っているのか、花丸の手から離れた直後にルビィの股の部分へ吸い込まれるように落ちていった。

 

 

「ふぁっ、あ、あ゛ぁあああああああああああっ!!」

 

 

 バイブの先端がルビィのスカート越しに股を刺激した。"強"のパワーで震えるこけし型の先端は、ルビィの大切な部分を容赦なく攻め上げる。まだ自分でも触れたことのない割れ目に電流を流し込まれたかのような刺激を受け、ルビィは淫声混じりの奇声を上げた。

 

 

「あっ、あ゛ぁああああ、んっっ、あ、んっ!!」

 

 

 今まで生きてきた中で一度も感じたことのない刺激なのだろう。ルビィの顔は真っ赤に紅潮し、頬も緩んでいる。自分でバイブを取ろうとするも、バイブ側は彼女の股で執拗に振動し続け抵抗されないようにすることで対抗する。大人のおもちゃに負けてしまったルビィは、ただバイブの振動に身体を震わせ強制的に与え続けられる快感に身を任せるしかないようだ。

 

 

「ルビィちゃん大丈夫!? 今マッサージ器取るから!!」

「は、早くぅ……あっ、あ゛ぁああああああっ、んっ、あっ!!」

「よーしよーしマッサージ器さん、いい子だから少しおとなしくしててね……あっ、こ、こっちにきた――――んっ、あ゛ぁああああああああああ!!」

「は、花丸ちゃんっ!?」

 

 

 ルビィのイキ狂う声を聞き飽きたのか、バイブさんは次なる狙いを花丸に絞った。どういう原理かは知らないがバイブはルビィの股から離れ、"強"のパワーのままその先端を今度は花丸の胸へと押し当てる。

 

 

「あ゛ぁあああああああっ!! つ、強い……そんなに強くしないで……あっ、あああああああっ!!」

 

 

 花丸はその場で尻餅を付いてしまうが、バイブさんにとっては関係ないらしい。バイブさんは彼女の胸の先端部分に自らの先端を押し付け、グリグリと胴体ごと回り始めた。ただでさえ最強のパワーで振動しているのに、そこに捻れ運動まで加わったらどうなるのかはもうお察しのこと。花丸ははぁはぁと激しい吐息を漏らしながら、卑猥な声を吐き出し続ける。表情もトロトロに溶けるように歪んでおり、今まで感じたことのない未知の快楽に襲われているようだ。

 

 

「そこ、ダメ! あっ、はぁんっ、ふぁ……あ゛ぁああああああっん!!」

 

 

 変態と化したバイブさんは、女性を攻めるお手本のような巧みな技術で花丸を堕としにかかっている。胸を強く刺激されているせいか、彼女のおっぱいがぶるぶると震える様は非常に艶かしい。こんなに小さな身体なのに、男を虜にする凶悪な双丘を持っているだなんてけしからん。いいぞバイブさんもっとやれ!! 花丸は俺を見つめて助けを求めているのだが、俺は純粋な彼女が乱れている姿に釘付けで助けるどころか見捨てている。バイブが勝手に動いているためか、花丸がオナニーをしているように見えてこっちも少し興奮してんだよ。

 

 

 その時、携帯から通知音がしたので覗いてみた。

 まあ予想通り秋葉(アイツ)からだったので、特に驚くこともない。

 

 

『今頃私の開発した自動型ストーカーバイブレータでお楽しみだったり? 自動型バイブレータは文字通り自動で女の子をストーカーのように付け狙い、その子の一番敏感な部分を察知して襲う機能が付いてるんだよ♪ これなら零君が自ら手を出さなくても女の子のあ~んな姿やこ~んな姿を見られるでしょ? 超天才な私に感謝しなよ!!』

 

 

 自動で女の子のGスポットを検索できるって、それどんな神機能!? ていうかこのバイブが世に出回ったら、もうエッチに男なんていらないと言われる時代になっちまうかもな……。アイツもうAV会社に就職したらいいと思うよ。あっ、でも秋葉は何気にウブだった。

 

 そんなことより、このバイブさんの暴走をどうやって止めるんだろうと俺は焦り始めていた。何故ならもう少しで他のAqoursのメンバーが来てしまう。花丸とルビィが涎を垂らして快楽の余韻に浸っている現場に男が1人。そんなの確実に勘違いされるに決まってるだろ早く止まってくれ!!

 

 

 ――――と思っていた矢先、バイブさんの暴走は鎮静化した。

 床に転がっているバイブを拾い上げよく見てみると、充電ゲージが0になっていたのでどうやらこの暴走は異常なまでに充電を喰うらしい。あとは快感に導かれてぼぉ~っとしている2人の目を覚まさせ、何事もなかったかのように部室を片付けなければならない。そうだバイブも隠さないと……。どうして秋葉のイタズラの事後処理を俺がしなくちゃならねぇんだよ!! しかも全責任が俺に伸し掛ってくるオマケ付き!! 何もかもが理不尽だわ!!

 

 

「おい花丸、そろそろ目を覚ませ」

「んっ、はぁ……」

「ほらルビィも早く」

「ひゃっ、あ、ん……」

「コイツら、完璧に浸ってやがるな……」

 

 

 2人の頬を軽くペチペチと叩くと、それぞれ身体をピクンと反応させた。息遣いも少々エロティックなので、夢へと昇天したまままだ現実に戻ってこられていないようだ。おいおい早く目覚めてくれよ。このままだと俺にあらぬ疑いどころか制裁まで下ってしまうんだって。こんな様子を誰かに見られでもしたら――――――

 

 

「なにを、やっているんですの……?」

「あっ…………」

 

 

 不幸というのは連鎖するもの。これ、教育実習初日から続く俺の厄災な。

 人を貫き殺せそうな冷徹な声で全身が凍りそうになりながら、ゆっくりと背後を振り返る。俺の後ろで仁王立ちで立っていたのは黒澤姉こと黒澤ダイヤ。結局、高校時代であろうが教師であろうがこのようなオチに落ち着いちゃうのね。もう慣れたよクソ野郎!! 慣れたけど納得はいかないけどね……。

 

 

「先生、次の生徒会会議にご参加を。これは強制です」

 

 

 俺の教師生活は、未だ転落の道を辿っているのであった……。

 




 やっぱり初物はいいですね(黒笑)


 次回はお題は多分善子回になるかも。投稿日はポケモンのせいで先になる可能性があります。


新たに☆10評価を下さった

打壱さん

ありがとうございます!

Twitter始めてみた。
https://twitter.com/CamelliaDahlia

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