主人公たちへの挨拶も済んだからさっさと帰って、暫く契約のためのチラシ配りをしていたのだが、ここで問題が発生した。
「お嬢ちゃん。お母さんかお父さんはどこかな?」
話しかけてくるのは青い制服を着たお兄さん。つまり警察である。しゃがんで俺の目線に合わせて、飴をさしだすその姿は好青年って感じである。……そりゃあロリっ娘が『願い叶えます』とかいうチラシ配ってたらこうなるよね。明らかにあれだもんね。危ないにおいがするもんね。
どうしようか。ここで正直に両親は名前も知りませんみたいなことを言ったら確実にアウトだし、逃げるにしても顔は覚えられるから面倒だし……。うーん。警察のお兄さん殺せば万事解決かと思いきやこれ絶対主人公たちにバレるだろうしなあ……。というか人通り的に無理だし。
気絶させるにしても人間相手だから下手すりゃ大変なことになるし、さてどうしようとお兄さんに貰った飴を舐めながら考える。オレンジ味だった。
と、ここで俺が黙っていることで警戒されていると思ったのか、お兄さんはにっこりと笑って
「お嬢ちゃんが迷子なら、おまわりさんのお兄さんがお母さんを見つけてあげるからね。大丈夫だよ」
性欲が迷子なので
「ああ、そうだ。お嬢ちゃん。お名前はなんていうのかな?」
名前を聞くのは普通……だよね? うん。多分。ていうか名前。そういえば俺の名前ってなんなんだろう。本名じゃなくて登録されているほうの。多分姓はフェニックスだと思うんだよね。身寄りないし。
フェニックス姓……悪くない。何がいいってライザーと一緒ってことだよね。これってセック●し放題じゃん。多分ユーベルーナとかもフェニックスだろうし、ってことは同姓だから手を出すって可能性もあるなあ……。
……ってあれ? そういえば身分証って渡されてたっけ? 適当にポッケを探るが、しかしない。まあそうだよね。余計な荷物家に置いてるもん。めんどいし。
そういえばそろそろ卵の置き場所がなくなってきた。単純に一日に一つ、ダチョウの卵かそれ以上の大きさの卵を生んでるわけで、まあお陰で決まった時間に快楽で目覚めるという朝フェ●みたいなことになって嬉しいんだけど、いかんせん卵が大きすぎる。床に置くには危険な代物だし、まあ皮膚に触れるだけで効果あるかは分かんないけど流石にもう発情したくないしなあ。念には念を入れないと。
そうだなあ、できればライザーに食べさせたいんだけど、消費期限とか怖いからなあ。もしそれでライザーがお腹壊したら意味ないし、やっぱり食べさせるなら出来たてほやほやなのがいいよね。ってことはどうにか卵を処分しなきゃならないのだ。食べるのは当然却下、でも捨てるにしてもあんなエロ同人誌の媚薬みたいなのをほいほいと気軽に捨てるのはダメだろうし……。
あれ? これ契約で処分できるんじゃね? エロ同人誌的な媚薬の元ありますよみたいな。ぶっちゃけロリの産んだ卵ってだけで人気はうなぎのぼりな気がする。うん。しかも媚薬効果付き。今なら大特価、お値段寿命20日分! ……あ、対価には個人差があるのか。まあいいや。
しかし俺頭いいな。これならもし卵が普通のゴミとかに出されても俺は悪くない。ゴミに出した契約者が悪いのだ。俺は責任を一切負いません。いつか俺の卵も止まる日が来るかもしれないけど、まあその時はその時で考えよう。
と言うわけで卵問題は解決……っていうか契約を取らなきゃ意味がないんだった。面倒だなあ。なんか無人販売みたいなことできないかな。それなら楽なのに。ついでに俺があんまり喋れないのも問題ないのに。
小さくなった飴を噛み砕きながらそう思っていると、
「えー、っと、
という声。見てみれば主人公がそこにいた。どうやらハーレムメンバーもイケメンくんも一緒じゃないみたいだ。珍しいな。ハーレム主人公って常にハーレム引き連れてるもんじゃねえの?
「ん? 君はこの子のお兄さんかな?」
警察のお兄さんがいたことをすっかり忘れていた。ていうかどっか行っててよかったのに。やはりロリコンか。やっぱり人は外見じゃないんだなあ。ライザーもあんな見た目で一向に俺に手を出さないヘタレだし。
もっとガツガツくればいいのに。ガツガツ突いてくれればいいのに。
「え、いや、俺は違……」
「どうしてこんな小さい子にこんなの配らせるなんてしてるの? 幸い今回は――」
と、何やら主人公がお兄さんに詰め寄られている。これはなんだ。ホモか。まさかの展開である。ハーレム作り上げておきながら男もいけるくちなのか。イケメン逃げて! ……いや、もう手遅れか。
まあとはいえこんなチャンスを逃すのもあれだし、二人の邪魔するのもなんだし、というか男と男の交わりなんて見たくないし。ということで移動する。ありがとう主人公。お前が変態で助かったよ。
★
さて、主人公とお兄さんのハッテン♂を見そうになってから何日かたった。その間、俺はチラシをポストに突っ込むという画期的な方法を思いつくことにより、契約を結ぶことに成功している。流石俺。
ちなみに『だっこさせて』などのお願いが多いが、これは子供可愛いの気持ちではなく、あくまで抱っこを装うことで偶発的におっぱい触ろうとか考えるむっつりどもが多いからである。そのぐらい分かってんだよ。もし立場が同じなら俺だってそうするからな。
というかライザーそれすらできないヘタレだからなあ……。もうラッキースケベでいいから俺にチン●ぶちこまないかなあ。うわあ、足が滑った! ずぶぅっ! みたいな。……いや、これだと濡れてないから痛いか。
まあ契約はほどほど取れてるからいいんだけど、卵が売れない。よく考えたら悪魔呼び出すのって大抵が彼女とかいないやつだからなあ。まあこの間リア充っぽいのに冗談で呼ばれた時はめっちゃ写真撮られたしむかついたから携帯ぶっ壊したけど。あれ絶対ツイートするつもりだったよね。謝ってないけどお金置いてきたし大丈夫だろ。十万もあれば多分大抵のものは買えるだろうし。
そんなことより卵だ卵。どうしようか。このままじゃレイヴェルが来る頃には卵屋敷になってしまう。ていうか絶対怒られる。どうしよう。胎内回帰とか考えたけどそれして発情したら嫌だしなあ……。
面倒だしまた明日考えよう。コンビニに今日のご飯買いに行こう。見ると、どうやらドラクソボールとコラボしているようだ。キャンペーンでなんかあるらしい。……ドラゴンボー●じゃなかったっけ? あれ?
まあいいや。規定金額超えたとかでくじをひいたけど見事にはずれだった。いや、いらないけど。商品がバイ●とかなら気合入れたんだけどなあ。
でも今日はいつも人気で品薄の幕の内弁当が買えたからちょっとテンション上がってたりする。まあライザーが犯してくれるならこんなもの微々たる喜びだけどね。でも人間界のご飯は美味しいからいいのである。
そういえば人気といえばおっぱいドラゴンって面白いんだろうか。ちょっといろいろ余裕ないときに始まったものだから全然みてないんだけど、途中から見ても大丈夫かな……って冥界の番組だった。仕方ない。気になっただけだし、見れないなら見れないでいいや。
そういえば俺って成人してるんだし、レンタルショップでAVでも借りて帰ろうかな。身分証はちゃんと持ってるし、入ったことないから凄い気になってたんだよね。酒も飲まないし煙草も吸わないけどやっぱり成人している以上、AVの一つや二つくらい借りてるのが健全じゃないだろうか。決してライザー似の男優を探すとかそういうわけではなく。そうして自分を投影するとかするわけじゃなく。
……うん。行こう。
そうして足を向けた途端、視界が斜めに傾く。
えーと? これ斬られてるよね。誰だおい。目を向けると知らない人。本当に誰だお前。なんか転移してきてるし、これはあれか。エクソシストか。あたり見回しても一般人らしい人は見えないし、これは殺してもいいんだよね。
狭い路地にうじゃうじゃわくエクソシストたちに
逃げられそうになったら引き寄せて、近づいて殴るを繰り返してたら全員死んでた。問題はめっちゃ血が壁とかについてることだが、そこらへんは主人公たちにがんばってもらおう。俺にはどうしようもできない。
さてレンタルビデオ屋行こうと思ったが、弁当がない。どうやら斬られたときに落としたようだ。運が悪かったのか蓋が空いて……ってか斬られてる。ついでに俺が殺したエクソシストの血に汚れている。……流石にこれを食べるのはなあ。お腹壊しそうだ。
さてどうしようと考えてると、ピチピチとなにやら音がする。生き残りだろうか。近くに行って見ると、なんか小さくて黒い……とかげ? いや、へび? かなんかが動いてた。つまみ上げる。……ふむ。
これ、尿道に入るかな……。
ちょっと太いかもしれないが、なんかイケる気がする。いや流石に尿道はアブノーマルすぎるかな……? うん。あ、肛門はいけるかな。ほら、ライザーに要求されたときに狭すぎて入らないみたいなことになって萎えられたら困るし、気持ちいいかもしれないし。
育てばバイ●の代わりになるかもしれないし、生きてる分不規則な動きをするだろうから気持ちいいかもしれないし。うん。こいつを飼おう。そしていつか使い魔の森にいる触手とかスライムみたいな存在になってほしいものだ。
へびらしき黒いの――めんどいからへびでいいや――の頭を撫でながら帰り道につく。そういえばレイヴェルってへび大丈夫なんだろうか。爬虫類苦手な人って多いだろうからなあ。俺は全然平気なんだけど。
まあ無理なら無理でこっそり飼うなりすればいいんだけどね。あれでレイヴェル抜けてるところあるから多分ばれないだろうし。問題は護衛とかで他の下僕悪魔が来ないかってことなんだけど……っていうかたぶんイザベラ来るよね。やばいな……。いやその前に卵どうにかしないと……。
……あれ? そういえばへびって卵食べるよね? サイズが全然違うけど詰め込んだら食べるんじゃないだろうか。いや物理的に無理だろうけど普通の卵じゃないんだし可能性はあるんじゃないだろうか。うん。
家につき、適当に見えた卵を手に取る。……サイズの違いが酷いな。でも取り敢えずへびの口元に卵を寄せる。口を開かない。ちょっと乱暴に押し付ける。開かない。……へびって卵食うんじゃないの? 大きすぎて認識されてないのかな……。
それにしてもつついても押しても口を開かない。なんだこのへび。強情だな。俺はお前を太らせなきゃいけないんだよ。いやまあはじめは細いほうがいいんだけど、前の方に入れるのには太い方が気持ちいいしね。うん。
とはいっても流石に明らかにへびよりも体積が大きい卵なんて無理だよなあ。喉詰まらせるとかそれ以前に口に入らないだろうし。……もしかして小さくすれば食うんじゃね?
卵をボールに落とし、ついでに殻を細かく砕く。そしてへびをボールに入れる。殻を口元に持っていくが、それでも口を開かない。なんだこの強情ぶりは。……ってあれ? なんかぐんぐん卵が減っていってる。なんだこれ。皮膚で食ってんの? すげえな最近のへびは。新種か?
できそうな気になったんで殻を蛇の体に振り落とすと、なんと殻まで吸収されていっている。なんだこれ。そしてこのへびに発情している様子はみられない。うーん。一体なにがどうなってんだろうか。いやまあ卵がなくなるのは助かるけどなあ。
そのあと、へびは二つ目も三つ目もぐんぐん吸い取ってくれた。しかしそれでも体積が全然変わってない。一体どこにしまってんだ。胃下垂か? いやそれにしたって限度があるだろ。体積の何十倍食ってると思ってんだよ。下手すりゃ百倍いくぞ。
そうして気がつけばへびは家にあった卵を全て食べ終えていた。食べるっていう言い方でいいのか分かんないけどまあそこはどうでもいいや。ていうか本当にすごいな。発情もせず十数個あった卵を全て食いやがったぞこいつ。便利っていうかある意味化物だな。
しかしこれでもサイズ変わらないのか。量的にめっちゃでかくなってもおかしくないと思うんだけど……。人間界のへびもここまで進化したのか……すごいな。なんでも吸収して無毒にするへびってところかな。ごみ箱いらずまではいかないだろうけど、生ゴミはなくなってそうだなあ。夏に虫がわくことはないわけだ。ほんと便利。
……さて。成長しなかったのは残念だけど仕方ない。そんなことよりへびをお尻に……そういえば浣腸とかしたほうがいいんだろうか。したほうがいいよね? あ、いやそれ以前に浣腸セットとか家にあるわけがなかった。だめだった。うん。まあ仕方ない。アナ●の開発はあきらめよう。スカト●の趣味はないからな。時代は尿道開発だ。
服を脱ぐ。脱衣ってなんか響きがエロいよね。ライザーもそのエロさに当てられて脱ぎだしてしまうと俺を押し倒したぎらせた熱い肉●をゆっくりと蜜●へと突き刺せばいいのに。期待に染まり赤くなる肌をなぞりながら自己主張を始める山頂の実を口に含み、転がし、吸い付くとなおよし。……ライザーいつ帰ってくるのかな。
おっと。ライザーのことを考えるとつい時間が過ぎてしまう。欲求不満だから仕方ないね。そんなことよりへびを手に持って、尿道の穴へとへびの頭を導く。ぬるぬるとなかなか入らない蛇の感触が気持ちいい。でもはよ入れや。少しして、ようやく入ったと思ったら尿道ではなくいつものところ――!!?
目の前がばちばちと爆ぜる。いつもはほとんど反応しないはずの身体がのけぞり、足がぴんと伸びる。出ないはずの声を出そうと何度も息を吐き、びくびくと震える身体が、どうにか熱を逃がそうとうっすらと汗をかかせる。手は股を押さえ、少しでも快楽を抑えようとするが、しかしそれより先に身体が求めるままに手をうごかしてしまう。
なんだこれ。――なんだ、これ。快楽で意識が白く濁る。肌が床にすれるだけでぞくぞくと背筋に電流が走る。胸を押さえていた手も、いつの間にかその指をいやらしくくねらせている。気持ちいい。身体すべてが快楽を発生する器官へとなってしまったかのような、それほどの濁流。しかし。それでもなお――足りない。
足りない。足りないのだ。これほどの快楽にさらされながら、何度も何十度も高みに昇りつめながら、しかし決して満ちることのない飢餓感。分かっている。ライザーが足りない。この飢餓感は、ライザーが俺に精を吐き出すまで決して解消されない。
どうにかライザーの代わりの何かを埋めようと酸素を吸う。ふっと視界がクリアになった。同時に、異様なほどの脱力感。手にはへび。どうやら抜けたら元に戻るようだった。助かった。というかなんだこのへび。なんて恐ろしい能力もってんだおい。たぶん発情とかは俺の卵のせいだけど、これ絶対効果濃縮してるよね。発情状態でもあんなんなかったからね? 数日はどうにか我慢できたからね?
手に持ったへびの頭をつつく。ちょっとやばいな。虫かごかなにか買っとけば良かったかもしれない。こいつが偶然でも寝ているときとか入ってきたらこれ絶対大変なことになるよね。ライザーが近くにいるならまだしもいないからなあ。早く帰ってきて俺を犯さないかなあ。ていうかこいつ本当にへびか? なんかへびっていうよりふぐみたいな能力もってんだけど。ふぐの能力を持ったへびってなんだよ。まず種族が違うわ。
しかし手で触っても大丈夫なんだなこいつ。粘膜がアウトなのかな。ていうかそういえばご飯食べてない。弁当落としたまま帰ったし、AVも借りれてない。ついでに今いろんな液まみれなわけだけど腰抜けて立てないから掃除もできない。家が雌の匂いしてそうだな。……レイヴェルいなくて良かった。
なんか身体がべたべたする。というかだるい。たるい。お風呂入ってさっぱりしたいけど立てないし眠いし明日やろう。……風邪とかひかないよね?
★
――凄惨。彼の眼前の光景はその一言に尽きた。
倒れている遺体は例外なく一撃で殺されている。頭蓋をえぐりとられたもの、胴を貫かれたもの、四肢をもがれたもの。首はねじ切れ、目玉は飛び出し、骨は砕かれ皮膚を突き破り、あるいはただ単に内臓の全てを破裂されている。あたりにはところかまわず血糊が張り付き、異様な鉄のにおいを振りまいている。
「……恐ろしいな」
立っているのは、その男ただ一人。学生服の上から漢服を着た黒髪の男。神滅具、
「赤龍帝たちとのついでにあわよくばと思ったが……」
曹操はあたりを一瞥すると、クッと笑う。
「我々人間からしてみると恐ろしいものだな。質量を上げる。ただそれだけの神器がここまで厄介だとは」
一撃を受ければ倒される。それだけであるなら、かわすなり防御するなり対処法はある。しかし、
悪魔では耐えられるような衝撃に、人間では耐えられないのである。ゆえに近づけない。遠くから攻撃をしたところで彼女には引力を操る術がある。よほどの存在でない限り、その
はっきり言えば、
「可能性があるとするなら
その場合、神器持ちに無理やり経験を積ませ
何より彼らは例外なく強く、神器を持っている者全員が
「ここで彼女を殺しておくべきかもしれないが……」
ぐるり。曹操は
「今は忙しいことだし、とりあえずオーフィスの『蛇』を……うん?」
曹操はあたりを見回す。しかし彼の目的である『蛇』はどこにも見当たらない。
「おかしいな。一人実験のためにつけておいたんだが……奪われたか?」
曹操はふむ、と呟く。その顔に焦りはなく、僅かに残念そうな声色以外変化はない。曹操にとって、オーフィスの『蛇』一匹とはその程度であった。
「『蛇』を奪われたのは痛いが所詮一匹。計画に問題はないはずだ」
誰が奪ったかなんてわからないからな、と続けて、曹操は姿を消した。
主人公 は エロ同人誌の触手 を 手に入れた!
もうそろそろ彼が復活します。