学園黙示録:Cub of the Wolfpack   作:i-pod男

17 / 42
過去編終結です。ウルフパックも次話でセーフハウスにいるメンバーと合流します。


Ride Together, Die Together

ベルトウェイを殿に四人は集結して数を増やしつつあるSPEC-OPSの包囲網を何とか突破した。応戦しつつも逃げ回っていたレオンも銃弾が尽き、追い詰められた。

 

「随分無用な手間をかけさせてくれたな。」

 

言うが早いかルポの回し蹴りがレオンの顎に命中した。

 

「あの娘は、シェリ—・バーキンはどこにいる?」

 

後ろに仰け反った所を髪の毛を掴んで問い詰めた。

 

「クレア!シェリーを連れてここから離れろ!」

 

レオンの視線の先にはベルトウェイと分断する様に仕向けたクレア・レッドフィールドが隠れていた。彼女を見るや否や、フォーアイズは恨みの籠った視線をレオンに向け、持っていたアサルトライフルの引き金を二度引いた。

 

一発目のフルメタルジャケット弾が脇腹辺りで防弾ベストの生地を貫き、二発目が露わになったレオンの脇腹を貫いた。あまりの痛みにレオンは呻いたが、相変わらずクレアに逃げる様に促す。

 

「武器を全てそこに置いたままにして娘を連れて降りて来い。でなければこの男を苦しめてから殺す。」

 

「分かった!分かったからもう彼に手を出さないで!」

 

クレアはしかたなしにシェリーと共に梯子を下りてレオンの方へと歩かされた。

 

「何故こんな事をするんだ・・・・?アンブレラの為か?金か?」

 

ルポが手を出す前にスペクターのサブマシンガンのストックがレオンの脇腹に減り込み、再び彼を激痛に身を捩らせ、黙らせた。

 

『デルタチーム、状況を報告せよ。』

 

「標的は全員捕獲した。」

 

相も変わらず高圧的な声にルポは抑揚の無い声で奇跡的にまだ使用可能なインカムに返事を返す。

 

『始末して小娘を連れ帰れ。』

 

「悪いが断る。」

 

『何だと?』

 

「貴様らは我々がラクーンシティーにいるにも拘らずBOWを投下した。シェリー・バーキンが欲しければ、脱出用のヘリと契約金の三倍を要求する。」

 

だが司令部の男はせせら笑ってルポの要求を一蹴した。

 

『狂ったのか?お前らと交渉する事などあり得ない。さっさと任務を完了させろ。』

 

「お前達で完了させれば良い。」

 

「ああ。お前達との契約はたった今から白紙だ。」

 

フォーアイズは憎々しげにそう吐き捨て、スペクターも精一杯皮肉なトーンでそう言った。

 

『ならばラクーンシティーと共に滅び去るが良い。』

 

「我々の悪運を見縊ってもらっては困るな。今まで我々が何体お前達の操り人形を始末して来たと思っている?」

 

「何故・・・・俺達を殺さないんだ?」

 

レオンは訳が分からなかった。さっきまで自分達をしつこく追いかけて来た相手がここまで来たと言うのに今や明らかに狙いを変えている。

 

「貴様をこの場で殺した所でここから脱出は出来ないし、何も得られない。お前達を使っての取引にアンブレラは応じなかった時点で、お前には何の価値も無い事が確認出来た。」

「それに切り捨てられた以上、奴らの特になる事も何一つするつもりもないのでね。お前達を生かすのは、我々の細やかな意趣返しと言う奴だ。ちなみにもし向こうが取引に応じていたらお前達は間違い無く自分の血に咽せて死んでいる。どこにでも好きな情報を散撒け。我々はここを抜け出したらアンブレラを絞め殺しに行く。だが行く前に最後にもう一つやる事がある。」

 

フォーアイズに目配せすると、彼女はシェリーの腕を掴んだ。

 

「おい!何をするつもりだ!?」

 

だが銃を向けられているレオンは叫ぶだけで何も出来ない。

 

「心配するな、彼女の血を百ミリリットル程貰うだけの事だ。」

 

注射銃にセットされたアンプルに血液が充分入った事を確認すると、四人はその場を後にした。

 

「ベルトウェイ、シェリ—・バーキンの血を手に入れた。状況を報告しろ。」

 

だが無線からは応答が全く無かった。フォーアイズやスペクターが再三再四呼び掛けても、沈黙しか帰って来ない。

 

まさか、そんな。あり得ない。

 

フォーアイズは走った。戦闘要員ではない自分ならまだしも、あの彼が死ぬ筈が無い。息切れするのもかまわずベルトウェイの名を叫び続けた。そしてベルトウェイと最後に別れた所に辿り着く。だがそこには吹き飛ばされてバラバラになったSPEC-OPSや感染者の肉片や内蔵、そして血飛沫しか無かった。

 

「こっちだ。」

 

か細い声でコンテナの中からベルトウェイがヨロヨロと這い出て来た。割れて使い物にならなくなったヘルメット型のガスマスクを外している。顔は色濃く疲労を見せていたが、それでも目だけは生き生きと輝いていた。

 

「よう、ちゃんと生きてるぜ。」

 

「ベルト、ウェイ・・・・」

 

疲れも傷の痛みも忘れ、フォーアイズはベルトウェイにしっかりと抱きついた。心配をかけた詫びとばかりに彼女の額にキスを落とす。

 

「生きてたな、お互い。調子に乗って色々吹っ飛ばすのに気が向き過ぎて、ちと耳が遠くなっちまったんだ。すまねえ。俺の無線も多分使い物にならねえしよ。」

 

「もう必要無い。我々は今日をもってアンブレラの下から離れる。急いでこの血をヴァイパーに届けに行かなければ。ベクター、バーサ、先程のやり取りは聞こえていたな?今そちらに向かっている。」

 

『急いで頂戴!もう体温を下げられないし痙攣が始まってるわ!これ以上待てない!』

 

「フォーアイズ、スペクターと一緒にベルトウェイに可能な限り応急処置をしろ。私が血を届ける。」

 

ルポは彼女が差し出した注射銃と自分が持っていたサブマシンガンを交換し、注射銃を左手に、右手にトマホークをしっかりと握り込んで走り出した。

 

早く。早く、早く、早く、早く、早く!!!この後足が折れようが過呼吸に陥ろうが、気胸になろうが構わない。ただ今は一刻も早くこの注射銃を届けなければならない。その為の体力がいるのだ。

 

邪魔をするなとばかりに叫びながら残り少ない感染者を薙ぎ倒し、三人を残した所まで辿り着く。

 

「早く、これ、を・・・・・」

 

息も絶え絶えに注射銃を差し出した。ヴァイパーの顔歯汗で光っており、それでいて視認の様に青白く血の気が無い。バーサは注射銃からアンプルを抜き取って真新しい使い捨ての注射器で中身を吸い上げ、ヴァイパーの首筋の静脈に打ち込んだ。アンプルが空になるまでそれを続ける。

 

痙攣は更に激しくなり、カッと目を見開いたヴァイパーは獣の様に吠え、暴れ始めた。すかさずベクターが馬乗りになって押さえ付け、肉体的な変化が起これば何時でも対処出来る様にナイフを持って身構えた。数分程経過するとまた大人しくなり、ヴァイパーは気を失った。バーサは手首や首筋に指先を当てて脈に以上の有無を確認し、小さく何度か頷く。

「大丈夫よ。脈は安定してる。———え?」

 

擦り傷などの小さな傷からリッカーに飛び付かれた時についた巨大な引っ搔き傷も見る見る内に塞がって行き、細長く殆ど目立たない古傷にまで回復していた。曲がりなりにも医者であるバーサからすればとんでもない光景である。

 

「傷が・・・・」

 

「やはり出血が酷かった所為で暫くは目を覚まさないか。だがG-ウィルスの拒絶反応がなくて本当に良かった。皆と合流したら直ぐにここを出るぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

「ルポ。ルポ。おい、ルポ!」

 

ベクターに再三肩を叩かれてようやく呼ばれている事に気付いて顔を上げた。かなり長い時間過去の出来事を振り返っていたらしく、やかましいプロペラ音と飛行中に感じる浮遊感が無くなり、既に着陸している事に今気付いた。

 

「大丈夫か?」

 

「ああ、問題無い。少し昔の事を思い出していただけだ。」

 

ベクターは頷き、それ以上言及せずにヘリを降りた。ルポはプレートキャリアーの一番小さいポケットに入れてある仲間の集合写真を取り出す。手前に後ろから座っている自分に抱きついてにっこり笑う竜次が、その後ろには五人が半円を描いて笑っていた。背景にはクリミア半島の前共産党記念牌がある。別の国に行く度に写真は撮って来たが、ルポのお気に入りはこれだった。

 

最後にもう一度だけ自分に抱きついている息子の顔を指先で撫でると写真をポケットにしまってヘリを降りた。

 

「武器を調達出来たのは良かったが、弾の共有が出来ないのは痛いな。」

 

航空機で脱出する前に全員が手近にあった銃と弾薬を適当に持てるだけ持って飛び立った為、それぞれ装備している火器はメーカーも違えば口径も違う。

 

重要参考人(Person Of Interest)を捜索しに来た訳でも誰かを護送する訳でもない。見捨てれば良いだけだ。別働隊として別れる必要は無いから大して心配する事は無い気がするが?」

 

「それはそうだが、あくまで不安の種を一つでも除ければそれに越した事は無いと言うだけの事だ。」

 

ヘリから積んだ武器を下ろし、それぞれ使い慣れている形状の物、好んで使っている物を選び、プレートキャリアーのポーチにマガジンを詰められるだけ詰めると余分に残った弾は全て手持ちのリュックの中に放り込んだ。

 

「スペクター、現在地からセーフハウスへの距離は?」

 

「ここからだと北北東へ10km(クリック)前後と言った所だな。ヘリでギリギリまでショッピングモールまで飛んで距離を稼いだ甲斐が有ったよ。ちなみに現在私達が着陸したここはショッピングモールだから物資は潤沢だし、国道が近いから車にも困らない。」

 

「ショッピングモールとは、ボロ雑巾並みに使い古されたシチュエーションだな。」

 

屋上からの偵察を終えたベクターが鬱陶しそうに自分の肩を揉んだ。

 

「映画だとこう言う所は大抵良くない事が起こるのが常だ。油断は出来ん。」

 

「おいおい、何をそんなに心配してやがんだおめえは。何年組んで来たと思ってる?どんな奴だろうと俺達は最強チームだぜ。それに使い古されたシチュエーションって事は、どうすれば良いかなんて教科書を暗記してりゃ対処出来るって事だろ?アレの動きが遅くて目も見えねえってのもありがたいしな。」

 

それを励ます様にベルトウェイが豪快に笑いながら彼の背中を力強く叩いて喝を入れる。フォーアイズも相槌を打った。

 

「それにこう言う所に限ってサバイバルグッズや薬、その他の必要になる物資が見つかる。ゾンビ映画の登場人物であろうと無かろうと、ここに来ない手は無い。それに先客が障害となる可能性があるならば、相応の処置をすれば良いだけだ。医学的見地からすれば極限状態に置かれた知能ある人間とこのパンデミックを起こしたウィルス歯場合によれば感染者よりも厄介だからな。」

 

「ベクターとだったら目を合わせただけで殺されるかもしれないな。」

 

スペクターはズラして露わにした口にガムを一枚放り込み、H&K G3KA4のスコープを調整しながら喉の奥で笑ったが、背後からバーサに脇腹をブローニング・ハイパワーの銃口でつつかれた。

 

「その為に私がいるのよ、スペクター。ベクターったら敵意を向けられたら誰彼構わず殺そうとするんだから。」

 

「・・・・さっさと行くぞ。一時間もあれば目当ての物資は全て手に入る。」

 

不貞腐れたベクターはモール内へと続く屋上の非常ドアを開けて建物の中へ消えて行った。

「あーあ、怒らせちゃった。」

 

「ベクター、そうやって彼をいじるのは控えろとあれ程言っただろう。日本人は真面目だが意外と傷つき易いのだぞ?」

 

「分かってるわよ、ルポ。そう言う所が可愛いの。後で慰めてあげなくちゃね。」

 

「要するに虐め甲斐がある奴が好きって事か。ベクターも災難だな、真性Sの拷問好きドクターに見初められるなん、ってぇ!?」

 

ゴチンと言う鈍い音と共に今度はブローニング・ハイパワーのグリップがハンマーの様に彼の後頭部に振り下ろされていた。ヘルメット越しとはいえかなり強い衝撃を後頭部に感じ、ベルトウェイはつんのめった。

 

「なにしやがる、この野郎!」

 

だがバーサも無言でベクターが開けたドアを通ってモール内へと消えて行った。ルポとスペクターもそれぞれガスマスクの奥で呆れ顔を作ったり溜め息をついて後に続く。

 

「今のはベルトウェイが悪い。昔に比べれば丸くなったんだから、後でちゃんと謝るべき。バーサは根に持つタイプだから放って置くと脳の悪性腫瘍より恐い結末が待ってる。それと、残りの荷物よろしく。」

 

クリスティーンさえも今回は味方してくれない。一人取り残されたヘクターはブツブツと文句を垂れ流しながらリュック三つとダッフルバッグ一つを持って五人の後に続いた。

 

ショッピングモールはインテリアもシンプルながら凝った造りで、スーパーマーケット、ホームセンター、服屋、楽器店、雑貨店、スポーツ用品店、ドラッグストア、カフェ、ファミレス、漫画喫茶など、予想以上に多く立ち並ぶ店の数も種類も豊富だった。

 

カリーナとベクターは着替えの服にサバイバル用の道具、そして長期間日持ちする食料、ヴラディミールとヘクターは工具や花火、爆竹、アルコール等修理や爆弾を作るのに使えそうな物、そしてミカエラとクリスティーンはドラッグストアと言う具合に、それぞれの得意分野に合わせてあるので探し求めている物も比較的直ぐに見つかった。

 

使える物をカートから籠に移して何度か分けて屋上まで運んだ。

 

「この荷物の量だと少なくとも車は二台必要になるか。ベクター、お前なら一番静かに無駄無く動ける。出来れば大型車を見繕ってくれ。私も後から行く。スペクターは万が一の為にスナイパーライフルで待機。もしヤバいと感じたら遠慮はいらん。ただし———」

 

「無駄撃ちはするな、だろう?」

 

ルポの指示に二人は復唱して頷き、物資の山から登山用の丈夫なロープとハーネスを持って仕事に掛かり始めた。

 

「フォーアイズ、バーサとベルトウェイは、ダッフルバッグにここにある物を全て詰め込め。車を回して来たらそれら全てをロープで下に下ろす。」

 

頷いた三人はいつも通りなルポに思わず笑ってしまった。

 

「何だ?」

 

真面目にやっていると言うのに不謹慎だぞ、と語る視線に三人の胸中で更に笑いが込み上げる。

 

「お願いだから絶対に変わらないで。貴方のそう言う所が私達には必要なのよ。」

 

「だよなあ。やっぱ隊長いてこその俺達だもんなあ。」

 

「以下同文。ルポがいてこその、ウルフパック。」

 

「良いから早くしろ。時間はあまり無いのだぞ。」

 

真っ向からこう言われる事に弱いルポは照れ隠しにそう言い捨てて足早にロープを

結び終えたベクター達の方へ向かって行く。自分もハーネスを装着すると、ヘリに括り付けた端をカラビナに結び、そのカラビナを臍辺りにある輪に通して固定した。

 

「ベクター、ルポ、目標はあの白いシボレー・タホとその横にあるフォルクスワーゲンだ。キーは無い事を想定した方が良い。」

 

「じゃあどうするんだ?ホットワイヤーは出来なくはないが、昔と違って最近の車は厳重だ。アラームが鳴れば即、スターターがロックされて運転出来なくなるぞ。」

 

「それについては心配無用、バーサに一旦援護を任せて私が二台の電子キーをハッキングする。そうすればアラームが鳴る心配も無く大手を振って車をこちらに回せる。」

 

作戦が纏まった所でベクターとルポは降下した。静かに着地し、慎重にカラビナを外す。モールの周りは数百体以上の感染者が不明瞭なうめき声を上げながらだだっ広い駐車場を彷徨っていた。

 

しっかりとついて来いとハンドサインでルポに伝えると一歩一歩慎重に歩を進めながら細くゆっくりと息を吸ってはまた細くゆっくりと吐き出す。呼吸の音やその乱れで気配で気取られぬ様平時でも意識してその呼吸法を続ける様ハンクに叩き込まれた。勿論左腰のナイフの柄にはしっかりと手をかけたままである。

 

モールからスペクターが指定した二台の車までの距離は目算で百メートル前後だ。感染者の間を縫ってゴールまで辿り着かなければならない。何時食われるか分からないこの状況では、西方の果てにある天竺並に途方も無いの距離に感じられる。だがベクターは直ぐに頭の中で幾つかのスイッチを操作して気持ちを切り替えた。

 

落ち着け。見張りを殺さずにどこかへ潜入するのと何も変わらない。違うのは隠れる場所が無い事と相手は盲目と言う事だけだ。相手の耳を誤摩化せればこちらの物。

 

『ベクター、ルポ、もうすぐハッキングが終わる。エンジンがかかり始める音を聞いたら手を挙げて合図しえたら直ぐに車に乗り込め。荷物は殆ど下ろし終わった。』

 

暫く待つと、二台のドアロックが外れ、エンジンがかかった。即座に乗り込んでアクセルを踏む。感染者がいようとおかまい無しにはね飛ばして行く。降下地点に車を横付けすると、既に物資を下ろし終えた四人がスチール製の非難はしごを使って降り始めていた。ロープもまた別の使い道があるかもしれない為、スペクターが既に回収している。

 

「一分以内に全て積み込むぞ。」

 

トランクの中に下ろした荷物を全て押し込んで全員車に乗り込んだが、やはり車の音が大き過ぎたのか、かなりの数の感染者が立ちはだかっている。幾ら横幅が大きいSUVや重心が低く重量が車両中心に集中しているフォルクスワーゲンでも横倒しになるか感染者をタイヤの中に巻き込んで動けなくなってしまう可能性が高い。

 

「多過ぎる・・・・一周回ってやり過ごすか。」

 

「それには及ばないよ。もうすぐ陽動が発動されるからね。」

 

スペクターがそう言った直後、建物からかなり離れた車からけたたましいアラームが聞こえて来た。自分達の方に迫って来た感染者はその音に反応し、そちらに向かって移動を開始した。ベクターとルポはすかさずアクセルを吹かして出来た穴を通り抜ける。

 

ベルトウェイとバーサはそれぞれ乗っている車から無事脱出出来た事に歓声を上げた。運転している二人にも無線越しにハッキリとそれは聞こえていた。

 

『やっぱ俺らは最ッ高のチームだぜ!誰一人腕も鈍ってねえしよお。』

 

『ホント、そうね。流石はチームきっての前衛二人組、速度と度胸が違うわね。これでやっとヴァイパーに会いに行ける。』

 

ルポはハンドルを操作しながらもあの写真が入ったポケットを撫でた。

 

待っていてくれ。もうすぐだ。もうすぐそっちに向かう。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。