Plongez dans le "IS" monde.   作:まーながるむ

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ACX/Flash-back.9

「グレイプニル、ですか?」

「レサスの超大型航空要塞グレイプニル。これを落とさないことには我々の苦戦は免れない」

 

 私は今、作戦本部に呼び出されています。

 どうやらこのグレイプニルを落として欲しいというのが呼び出された理由のようですね。

 グレイプニルの巨体は多数のエンジンと一体化した高翼配置の巨大な主翼と水平尾翼上に配置された四枚の垂直尾翼によって支えられています。

 イメージ的には飛行船の気球部分に翼を縦に二枚重ねるように付けたもの、とでも言えばいいでしょうか。

 寸胴な本体には遠距離空域制圧用衝撃波弾道弾や衝撃波砲を装備していますが、それよりも存在感があるのは光学迷彩などを駆使して作り上げられた高度なステルスシステムだとか。

 それこそ弾道弾と衝撃波砲を使用する一分間以外は目視すら難しいようです。

 少なくともビデオカメラなどの電子機器には全く写っていません。空に急に現れる、という表現がぴったりですね。そしてグレイプニルが飛行している高度の関係で影も出来にくいので位置の把握は難しいです。

 ……装備されている衝撃波砲も数マイル下の艦船団を一瞬で破壊したようですし、そうなると威力は私の白狼の咆号(ウルフズロアー)と同等、範囲はそれより上だと考えて良いでしょう。

 ISコアもないのにどうやってそこまでのエネルギーを供給しているんでしょうね……だからこそ光学迷彩が電力不足で解除されてしまうのでしょうが。

 予想乗組員は千人強……重いですね。

 

「了解しました。装甲の堅さはそれほどでもないでしょうし、白狼の咆号(ウルフズロアー)一発で墜とせると思います」

「頼もしいことだ」

 

 ミシェルさんとハリスさんも隊から外れていただきましたし、私が好きに動いても平気ですよね。


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