Plongez dans le "IS" monde.

ACX/Flash-back.4

「ガーリートーク！　そっちに二機！」

　尾翼を、もぐ！

　さらにもいだ破片をもう一機に投げつけて、やはり尾翼を破壊します。

　尾翼を破壊すればいきなり墜落することはなく、でもバランスは保てなくなるのでベイルアウトするほかありません。

　エンジンが爆発したりはしないのでギリギリまで高度を低くしてからのベイルアウトになるので、生き残る可能性も最も高いです。

　ハリスさんをはじめとする兵士の皆さんは私を否定しますけど……自分の命が懸かっていても……人を殺すなんて。

『ラストサン隊、南から戦闘機二十四機が接近している』

「了解。皆、行くぞ！」

　ハリスさんの号令に応えてついていきます。

　……私がこの世界にくる必要はあったのでしょうか？

　誰よりも戦果を挙げるわけでもなく、かといって不殺を貫いているわけでもないのに……

「ガーリートーク。殺せないのはしょうがないと思うけど戦闘中に考え事はダメよ」

「ミシェルさん……その、分かりますか？」

「コールネームで呼びなさい。あなたの機体はふらつきが分かりやすいわ。そろそろ敵さんとぶつかるわよー」

　敵機までは残り二マイル。

　数秒でまた交戦状態に入ります……いまさら嫌だ、なんて言い訳はできません。

　皆さんのように守りたいものがあれば、私も人を殺す覚悟が出来るのでしょうか？