Plongez dans le "IS" monde. 作:まーながるむ
お久しぶりの方がどれほどいるのか分かりませんが小説の引っ越し作業再開しました。
というかこの割といらなかった神様転生設定どうにかして消したかったなぁ(遠い目
0. Bienvenu à la compagnie de la vie de prêt de dieux.
「ようこそいらっしゃいました。相談係のタサキです。本日は融資の相談ということでよろしいでしょうか?」
「え、なんのことだ? 学校に行く途中? 次の遅刻で進学がやばくなる? 問題ありません」
「お客様、もう亡くなってらっしゃいますから」
「説明しろと言われましても……今朝、お客様は家を出た直後にトラックに轢かれたようですよ? ほら、この映像の通りに」
「うわー、グロいですねー。こんな死に方なかなかないですよー。少なくとも早起きは三文の得なんてのは嘘ですね」
「好きで轢かれた訳じゃない? そうでしょう、そうでしょう。そこで私たちの出番ですよ」
「そうです。最初の融資のことです。いやー頭の回転が速い人だと助かりますね。ここにいらっしゃるほとんどの方はまずこの時点で大泣きするんですよ。それをなだめるのがまためんどくさくて……ということで、お客様が望むのでしたら、新たな人生を提供させていただこうかと考えています」
「担保になるものはない、ですか? 問題ありません。後々お客様に払える範囲で負担していただきますから。ニコニコ借命、ニコニコ返済です」
「え? 新しい人生の中で一番大事になった人の命を奪うつもりだろう? そんなあこぎなことしませんよー。悪魔だってそんなひどいことしませんよ? 私たちが望んでいるのは戦闘力です。あと娯楽……いえ、何も言っていません」
「お客様がここに招かれたのも一定の戦闘力が認められたからです。古武術の次期継承者とかすごいですねー」
「この技術だと……此方でその武術を多少強化した上で、この世界でさらに鍛えるのがいいのではないかと思います」
「え? ライトノベルの世界じゃないか? えーとですね。なんと言えば解りやすいのかわかりませんが、お客様の世界でのフィクションは必ずしも架空の話というわけではありません」
「マンガや小説はお釈迦様の覗く池と同じ、別世界を覗くための道具です」
「というより作者さん目線での別世界が描かれた物語ですねー。作者さん本人も別世界のことを書いているとは夢にも思ってはいないでしょうがね。え? 私達が関わっているんじゃないのか? 確かに別部署の方々がそういうことをしていらっしゃいますが……私たち彼らのこと苦手なんですよねー」
「捻くれてますし演出過剰ですし、なにより私たちの真似して死んだ人を別世界に飛ばしますし……というか、商談でも何でも直接顔を合わせて遣り取りしないのは失礼だと思うんですよ。なのに彼らときたら認識阻害プログラムなんてもの使ってるんですよ? あげく無駄に分岐点増やしますし。収拾つける私やお客様達のことも考えてほしいですよね」
「なんで俺達も関係するんだ? ええ、簡単に言うとですねー。融資を受けて頂いたお客様にはその代わりに転生先とはさらに別の世界での英雄になって頂きます。何から人を守るのか? いえ、何も守るのは人だけではありませんよ。例えば人が増えすぎたために破壊されそうな生態系を守ったり……えぇ、方法はお任せしていますが大抵は間引きですね」
「まぁ存続させなければならない世界がそんなことになることはあまりないのですが……問題は分岐点の基、樹木で言う幹に当たる世界にイレギュラーが潜り込んだ場合ですね。昔、お客様の中の一人がラスボス的なのを次元の狭間に閉じ込めたことがあったのですが、その空間が幹に限りなく近い世界に繋がってしまいまして……あわや系列世界全てが壊れる大惨事になるところだったのですよ。そういう可能性を排するためにお客様に戦って頂くのです」
「別世界に転生する理由ですが、お客様の世界に存在する戦闘能力のほとんどは近代平気を下回っていますからお客様の戦闘能力を上げることが難しいんですよね。……まぁ超能力や魔法はあるようですがやはり限定的な能力ですし……え、魔法も超能力もない? ですがお客様のご友人の中には……まぁ関係ないことですね」
「そういうわけで、別世界に転生していただくほうが我々としても助かるということです」
「理解していただけましたか。あぁ融資も頼みたい、ですか。ではこちらの書類を……え、オプションを追加したい? もちろん転生先の世界で実現可能な物なら出来ますよ」
「えーと、はい。候補生は元からですね。専用機は……あー確かにこちらの世界の物は転用できそうですね。装備は……うわー男の子ですねー。え、この国なんですか? まぁ良いですけど」
「こっちの漫画の流派も使えるように? 問題ないですけどこの世界で意味あるのかなー? とりあえず名字は固定ですね。あと奥義も使えません。というか千年不敗の四文字は重たいですよー……じゃあこっち? うわ、ずる賢いですねー」
「あと、この能力はちょっとどうなんでしょうかね……ちょっと聞いてみますね。……神様命融日本支店、店員コードE666のタサキですー。実はお客様の要望で……」
「はい……はい……了解しましたー、ありがとうございますー。……えーオリジナルの一部、3分割までなら可能とのことですー」
「それで、融資の代価ですがオプションなどが多くなりましたので、転生先で死ぬまでにざっと520日間分の出張戦闘を求めることになります。あ、1日分出張すると元世界でも1時間経過するのでお気を付け下さい。身体の成長ももちろん元世界の時間で進むので周りより老けるなんてことも有りません。」
「出張戦闘に関しましては、こちらのゲームの世界の守護者のような物と思って頂いて結構です。まぁ彼らの雇用主は私たちとは業種が違うんですけどね」
「ちなみに出張戦闘の例もありますが……はいご説明いたします」
「例えば、こちらのインドの叙事詩、ラーマーヤナに登場する飛行船ヴィマナですが、過去に我々から融資を受けたお客様が超改造を施したビ○ザムです。そして、モヘンジョ・ダロの放射能反応ですがこれも……え、もう結構? そうですか」
「それでは、第二の人生をお楽しみ下さい」
「あ、出張先に忘れ物しないで下さいね? 最近オーパーツとか増えすぎて困ってるんですよ」
◇
「さて、報告書造らないとー……ん? って、あー! この二つ言い忘れてた! ……まぁ、十年遅れての人格復帰はまだしも、こっちは小さなことですよねー……やっぱ怒るかなぁ?」
「まぁいいや。城南高校の朝峰 巡くん、インフィニット・ストラトスの世界に転生ですよー。えーっと、苗字はこれできまってて……名前はランダム決定でいいかな」
要らなさそうな転生者設定そのものを消してしまおうかとも考えたのですが残しておきました。自戒的な意味で。。。はなく、後々のストーリー練り直すのに失敗したため。
きっと数十話更新したあたりで「そういえば転生者でしたね(笑)」と思う方も出てくるのでしょう(
神転は書き始めは楽で、でも失敗すると途中から足を引っ張るネ