ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~短編劇場   作:Mr.エメト

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中編!!

異世界組VS嶺爾の契約仲魔!!

そして……


ザ・グレイトバトル~デッドヒート~

ザ・グレイトバトル~デッドヒート~

 

 

嶺爾の足元に召喚の陣が描かれ、黒い光が溢れ出す。

 

「―――トコヤミノスメラギ」

 

名を告げると、黒いドームに包まれて、ガラスの様に砕け散る。

 

黒い半球が左右にあり、闇でできた巨大な鉤爪状の手が生えている。

黒髪、薄黒い着物を身に纏い、顔には青い隈取がついている女性。

 

【我が名は魔王トコヤミノスメラギ。

 さぁ―――災厄に挑む者たちよ。我が夜と闇の恐怖を思い出させてやろうぞ】

 

トコヤミノスメラギから放たれる圧倒的な威圧と魔力。

並の者たちなら恐怖で凍り付き、動くことはできない。

 

「恐ろしい闇を感じるわね……」

 

リーシャは目の前の存在に冷や汗をかく。

しかし、本当に恐ろしいのはこれほどの大物悪魔と契約を交わした嶺爾の実力も高いのも解る。

 

【……凍てつけ……マハブフダイン】

 

氷の魔法を唱えると、頭上からツララの雨が降り注がれる。

リアスは消滅の魔力、朱乃とアリスは雷、ロスヴァイセは魔法攻撃で破壊する。

テレポートしたトコヤミノスメラギは祐斗の前に出現し、半球から生えている五本の鍵爪を振りかざす。

祐斗は聖魔剣で弾いて、二刀流で迎え撃つが、本体が闇の手で阻まれて当たらない!!

 

「木場、加勢するぞ!!」

 

「行くわよ!!」

 

ゼノヴィアはデュランダル、イリナはオートクレールと構えて斬りにかかるが―――。

 

【テトラカーン】

 

呪文を唱えると、赤い障壁が張り巡らせてゼノヴィアとイリナは障壁を斬ると同時にダメージが跳ね返った!!

 

「ぐあっ!!」

 

「きゃあ!!」

 

「ゼノヴィアさん!!イリナさん!!」

 

吹き飛ばされた上に、地面に叩き付けられた二人。

アーシアは神器を発動させて二人を回復させる。

 

「な、なんだ!?二人があの壁を切ったらダメージが!?」

 

「テトラカーンは物理を反射させる魔法だ。赤い障壁が張ったら、物理攻撃は反射される!!」

 

一誠が驚きつつも、動けない鋼弥がそう説明する。

 

「だったら!!」

 

「これなら、どうでしょうか!!」

 

朱乃とアリスは同時による雷撃の魔力をトコヤミノスメラギに放つ。

魔力や魔法を使った攻撃なら、物理反射の壁を張られたとしても、跳ね返せることは無い。

しかし――――。

 

【マカラカーン】

 

今度は青い障壁を張り巡らせて雷撃が接触すると、二人に跳ね返ってきた!!

 

「「きゃああああああああああ!!」」

 

まさか、雷までも跳ね返ってくるとは思わなかったのか朱乃とアリスはダメージを負った。

 

「両カーン持ち………!!詠唱も速く、どちらを先に使うか解らない!!」

 

これでは下手に攻撃をすることができない。

トコヤミノスメラギは浮遊している左右の半球をくっつけて完全球体にし、球体から怪しい緑の妖気が噴き出す。

 

【――――妖禍月球(ようかげっきゅう)】

 

モーリスに目掛けて隕石の如く勢いよく落とす。

それは、黒い月が落ちる光景―――モーリスは剣を構えて、迎え撃つようだ。

 

「フンッ!!」

 

剣と黒き月がぶつかり、モーリスの足元の地面がへこみ、亀裂が入る。

 

「おぉぉぉぉぉりゃあああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

 

黒き月を撃ち返した、その剛腕は見事というしかない。

半球となり、トコヤミノスメラギの方へと戻る。

だが、トコヤミノスメラギはあの光景を見ても焦る表情をしていない。

 

「――なら、貴女よりも速く動けば反射魔法は張れないわよね?」

 

リーシャがいつの間にか魔装銃を構えて、引き金を引く。

発砲音と同時にトコヤミノスメラギに鮮血が吹いた。

 

――――心臓を狙ったのが、身体を逸らして……左腕を吹き飛ばしたようだ

 

「あいつ、あの至近距離で避けたのか!?」

 

「……機敏な人ですね」

 

リーシャと契約を交わした妖精のサリィとフィーナも驚く。

左腕はドサリッと落ち粒子となって消えた、トコヤミノスメラギの表情はそれでも変わらなかった。

すると、姿を解いて嶺爾に戻る。

 

「―――妖魔を統率する魔王の片腕を吹き飛ばすか。もっと、俺を楽しませろ……」

 

召喚の陣が描かれて、新たな悪魔を告げる。

 

「―――ネラプシ」

 

蝙蝠に包まれ、飛び立つと水色の混じった青髪に真紅の瞳、白のナイトキャップとフリル服を身に纏っている少女が現れた。

捕食者の目となり、背中から蝙蝠の翼を生やして、ニヤリッと嗤う。

 

【さぁ、私の前に跪け。血を捧げなさい】

 

高圧的な態度、瞬間―――空が暗くなり、赤い満月が出現する。

先ほどまで、太陽が一番高い昼時だったばす、彼女が現れたのが原因なのだろうか?

彼女の右手に血のように赤い槍が生成し、それを振り回す。

 

【さぁ、串刺しにされたい奴は前に出なさい。いない人は私が自ら串刺しにしてやるわ!!】

 

ソニックブームが巻き起こるほどの速度で一誠に迫るネラプシは槍を横薙ぎしてくるが、一誠はクロスガードして防ぐ。

ガリリッと削れる音と火花が散る。

 

「オリャア!!」

 

反撃に拳撃、魔力弾を連射するが相手は踊るように回避する。

ネラプシはアギダインを連続で唱え、火炎弾を連射する。

更にはマハラギダインを唱えて、猛炎が辺りを焼き尽くしにかかる。

 

しかし、炎の耐性がある一誠にとっては大したダメージは入らない。

そう思って反撃に出ようとするが……どこから蝙蝠の大群が現れて、一誠の周りを囲み真っ暗闇となる

 

【ミッドナイト・カーニバル】

 

その言葉と共に真っ赤な目が光った瞬間――――、鋭利な刃が襲ってくる気配を感じ取る。

 

「させるかよ!!」

 

イグニスを呼び出して、襲ってくる刃を弾き、刀身から灼熱の斬撃を放つ。

蝙蝠たちが焼き払われて、ネラプシを吹き飛ばした。

ネラプシはゆっくりと立ち上がると、陶磁器の様に白い肌が焼かれており、服も所々、焦げていた。

 

【く、ククククク……まさか、私の技を見切って反撃するなんてね。――――気に入ったわ!!】

 

火傷した肌から煙が立ち上り、復元していく、再生能力を持ち合わせているようだ

 

【貴方の首を刈り取って、コレクションに加えてあげるわ!!】

 

(BGM:U.N.オーエンは彼女なのか?)

 

目の色が血の様に真っ赤に染まり、瞳が猫の様な猛獣の形になり、黄色くなる。

両の手甲から赤いオーラで形成した鍵爪が出現し、地面にまで届いている。

両手をゆっくりあげて、勢いよく下へと降ろすと、鍵爪が地面と衝突し、罅が入る。

 

【アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!】

 

一気に駆け出し、鍵爪が地面に擦れて火花が生み出されて、豪快に振るう。

間一髪避けるが、後ろの木々が次々とスライスされていた。

再び、ネラプシを見る―――。

 

吸血鬼は誇り高く貴族としてのイメージがあるが、こちらは獣如く刈り取る姿だ!!

目を離したら、確実に殺される勢いがある。

だが、その分……。

 

「その分、隙が大きい!!」

 

フック、アッパー、ストレートとコンボを決めて、ネラプシは瓦礫に埋もれる。

吸血鬼だが、女を殴るのは少し気が引けるが相手が相手だ、手加減なんかできない。

 

シュパシュパシュパシュパ―――!!

 

瓦礫が細かく切り刻まれて、ネラプシが姿を現し、鋭い牙と目をクワッと見開いて―――。

 

【ギィィィィィィルティィィィィィィィィィィィィィィ!!】

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

真紅の爪撃と赤龍帝の拳撃が激しく、ぶつかり合い衝撃波が巻き起こる。

美羽とロスヴァイセは強固な結界を張って巻き添えを喰らわない様にしている。

鋼弥は驚いていた、まさか自分以外にも嶺爾の仲魔相手にここまで渡り合えるとは……。

だが、この戦いが突如終わりが来ようとしていた。

 

 

―――とてつもなく、恐ろしい気配がする。

 

 

そんな、冷たい気配と共に暗転した。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

皆が目を覚ますと先程の場所とは大きく違っていた。

 

 

―――見渡す限り荒れ果てた荒野がどこまでもどこまでも続く。

 

「えっ!?一体どうして!?」

 

「これも嶺爾の仕業かしら……」

 

美羽とアリスは驚きつつも辺りを警戒する。

一行の視界にきらびやかな装身具を身につけ真紅のベールを纏った女が後姿でポツリッと立っていた。

 

【ホホホホホ……妾を追いかけてきた者だけではなく、強い力を持つ者たちも来たようだな】

 

透き通るような声が響き、右手には黄金の聖杯をゆっくりとまわしつつ、喋る。

ネラプシの姿を解いた、嶺爾は"見つけた"という表情をする。

 

【しかし、そこまで生きても……ここで潰えれば同じ……さあ、うんと可愛がろうぞ】

 

 

 

 

振り向いたその顔は――――死を象徴とも言える髑髏(どくろ)だ。

 

 

 

 

 

 

【死という名の最高の快楽で……な】

 

 

――――ギエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!

 

 

彼女の背後に真紅の体を持つ十角七頭の禍々しき獣が出現し、吼える。

彼女は魔力で自身、浮かせて、真紅の大魔獣の背に乗り、ケタケタとかき鳴らす。

 

「な、なんだ!?あいつは!?」

 

突然、出現した悪魔に驚く一誠たち。

なにより、鋼弥とシンディも驚愕していたのだ

 

「バカな……!?何故、あの悪魔がこの世界に!?」

 

「あの悪魔が何か知っているの!?」

 

リアスの問いに鋼弥は、緊迫した表情で答える。

 

「あれは悪魔や天使も恐れられている、死を司る者―――"魔人"

 そして、黙示録に登場する強大な魔人の一角。

 

 

 

 

 

 バビロンの大淫婦――――マザーハーロット!!」




というわけで、現れたのはメガテニストにとってはトラウマ悪魔―――魔人マザーハーロット。

どうして恐ろしいのかというと、彼女が初登場した真Ⅲマニアクスにて参照。

この強大な敵を相手にどう立ち向かうのか!?

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