ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~短編劇場   作:Mr.エメト

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時期は本編第11章が始まる前。

今回は真・女神転生Ⅳ FINALに関するネタがありますので閲覧する際はご注意を。

それでも良いという方はゆっくり読んでください。


古代の絶世美女

=魔界・砂漠と荒野の世界 ピラミッド=

 

砂嵐が吹き荒れる中を歩く銀髪の男――――涼刀嶺爾。

更なる力をつけるために情報屋からピラミッドに強大なものが眠っているという情報を聞きここへたどり着いたのだ。

古の存在と戦うために。

 

「これか……」

 

ピラミッドの内部に入り踏み入れた場所は青いバラが咲いている。

だが、バラが生えているのはミイラになっている者たちからだ

 

「悪趣味だな」

 

更に進むと大きな扉があり、開ける。

広がっていたのは緑が生い茂る木々、湖だ。

外は過酷な砂漠が広がっていたが、ここは楽園と言ってもいいだろう。

嶺爾は歩み、コブラがあしらった扉の前に立ち。

 

―――ゴゴゴゴ……ガゴンッ

 

重音が響き、開けた部屋には金銀財宝の宝物庫だ。

冒険家や墓荒らし等から見れば持ち帰るほどできないほどある。

だが、嶺爾は財宝に興味が無く奥の棺を見つけ、中に入る。

 

【誰だ、私の聖域を踏み荒らそうとする賊は?】

 

目の前の棺の蓋が開かれ、出てくる。

現れたのは穢れが無い白い身軽な服を纏い、雪のように白い肌、プラチナの様な長髪、おっとりした表情。

絶世の美女。この一言でまとめるのが目の前の存在である。

人間はもちろん、悪魔も天使も魅了されるほどだ。

 

「見つけたぞ。貴様がこのピラミッドの主だな」

 

【そうよ。私は神々を束ねる最後のファラオ、女王クレオパトラ。

 永い眠りについて力を蓄えていたのにあなたが現れた。

 問おう――――何故、ここに来たのだ】

 

並外れた重圧は全身が総毛立つような感覚だ。

目の前にいる女性は数ある絶対なる存在。

だが、嶺爾は臆する様子もなく――――。

 

「ここに絶大なる王が眠っていると聞き、戦いに来た」

 

【なんと、神に近き私に戦いで挑もうとは……面白い。しばし、遊戯(あそ)んでやろうぞ】

 

クレオパトラの右腕が幾つものコブラに変化して、魔力が溢れ出す。

すると、地面から幾つものの石棺が出現し、蓋が開かれると剣を持った武装ミイラが出現する。

 

【まずは私のカワイイ神官兵と戦うがよい】

 

クレオパトラが手をかざして命令を下すと武装ミイラたちが剣を振りかざす。

嶺爾は無駄のない動きで避けて、肘鉄、裏拳、回し蹴りで次々と撃破する。

あっという間に撃破し、最後のミイラの頭を踏み砕く。

 

【素晴らしい。では、私が直接手を下そうぞ!!】

 

右腕のコブラを振りかざし、噛みつきに掛かろうとする。

嶺爾はバック転で避けて、壁を走りクレオパトラの死角に入る。

 

【甘いわ!】

 

衝撃魔法を唱えて嶺爾を吹き飛ばす。

嶺爾は両足を踏ん張り、右手を地面につけて止める。

相手は連続でマハザンダインとマハブフダインで攻め込む。

衝撃波と凍てつくツララが飛ぶが、嶺爾は避けてクレオパトラに一撃を与える。

 

【ほう……私に拳を入れたのはお前が初めてだぞ】

 

口が三日月の様に嗤い、八重歯を覗かせ両の瞳が爬虫類の目―――有鱗目となり、嶺爾を見る。

それはどう痛め付けて食い殺そうかという現れである。

 

【シャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!】

 

右腕が変異した無数のコブラを使い四方八方から攻める。

嶺爾は弧を描き、襲い来るコブラを全て弾く。

 

【我が王の光を受けるがよい――――ダズルレイ!!】

 

左腕から閃光が放たれ地面に直撃すると、眩い光の柱が部屋全体を覆う。

嶺爾の体から煙が上がり、焼け焦げた匂いが漂う。

だが、彼は―――――笑っていた。

 

「本気を出す」

 

足を強く踏み鳴らすと、幾多の魔法陣が描かれていき三つの首を持つ竜が描かれている

 

【アジ・ダハーカ!!】

 

紫位のオーロラに包まれ、姿を現すと全身紫色の甲冑を身に纏い、兜、両肩はドラゴンの頭を模している

 

【我が名は邪龍アジ・ダハーカ。この世の悪を貴様は受け止め切れるか?】

 

背中から翼が生え広げて滑空しながらクレオパトラへ向かう。

クレオパトラは殺風撃、絶対零度を交互に放つがアジ・ダハーカは避けて右爪を怪しく光らせて―――。

 

【アカシャアーツ!!】

 

鋭い手刀突きはクレオパトラに直撃し、大きく吹き飛ぶ。

壁に直撃して、ズルズルと床に着く

 

【ぐぬぅ……!!まだだ!!王は絶対に負けてはならぬ!!】

 

【来るがいい】

 

両者は魔力を貯めて、同時に放たれた

 

【【ジハード!!】】

 

万魔が放たれて均衡するが、アジ・ダハーカが放たれた魔力が押して―――。

 

【くあああああああああああああああああ!!!!】

 

直撃し、クレオパトラは倒れて起き上がろうとするが力が入らなかった。

勝負を制したのは嶺爾だ。

アジ・ダハーカの姿を解き、クレオパトラに近づく。

 

【私を止めに刺しに来たのか……貴様に殺されるぐらいならば……】

 

スッと右腕を天に掲げて――――。

 

【自決するまで!!】

 

自分の右腕を貫こうとするが、嶺爾は止めた。

 

「負けたからと言って自決の道をするのか?くだらんことだな」

 

【く、くだらないだと!?】

 

「負けたからと言って、それで自害するのか?あまりにも、愚かしい事だ。

 次は負けない様に鍛えればいい、こんな暗い石室に閉じ籠っていれば新しい発見は無い」

 

嶺爾はそう言って、この部屋を後にしようとしたが――――。

クレオパトラが制止した。

 

【お前ならば契約を結んでもいいだろう。私を使いたいのならば、悪魔が集い館で私を生み出せ】

 

クレオパトラがそう言うと徐々に体が崩れていく。

 

【お前の様な男に早く出会っていれば、ならばこの身を好きにしてもよかったのう】

 

クレオパトラが崩れ落ち灰となった。

その中から、一つの冠が出てきて拾い上げる。

金色のコブラの形をした冠だった

 

「"黄金の冠"か。いいだろう……お前を生み出し、更なる力を得よう」

 

嶺爾はピラミッドを後にして、立ち去った―――――。

 

 

◇◇◇◇

 

 

=邪教の館=

 

 

嶺爾はクレオパトラを作成する為に立ち寄った悪魔と悪魔を生み出す邪教の館へ入る。

 

「悪魔が集いし邪教の館へようこそ。ほう……お主が持っているのは古代の王が持つ冠か」

 

「ああ、これで女神を呼び出すことができるのだろう?」

 

「それがあれば特殊合体として呼び出せることができるぞ。

 直接、持っていなくても全書から引き出されば作成は可能だ」

 

「では、頼む」

 

召喚に必要なマッカを館の主に差し出す

 

「では、作成するぞ」

 

神獣アヌビス×聖獣スフィンクス×霊鳥フェニックス×女神サラスヴァティが合体装置に入れられる。

それぞれが原子分解されて古代の王冠が入っている中央のカプセルに送り込まれる。

眩い光が放たれて、その姿を現す。

 

【私の名は女神クレオパトラ。今後ともよろしくね】

 

妖艶に微笑むクレオパトラ、それに出て来たのはネラプシだった。

 

【ふん、新入りのアンタに教えておくけど嶺爾は私の物なんだからね。そこの所は解りなさい】

 

【あら?下剋上と言う言葉がありますわよ】

 

ネラプシとクレオパトラに火花が飛び散るが嶺爾はため息をつく。

なんだかんだで、賑やかになりつつあった……。




悪魔と悪魔を合体する女神転生シリーズといえばこれの邪教の館が登場。

この小説での悪魔全書は仲魔にした悪魔や出会って戦った悪魔など自由に登録できるシステムにしてます。

ちょっとしたネタバレですが、実は鋼弥がオーバードライブ化した事によって14体目の枠ができましたが、後ほどの楽しみです。
嶺爾もまた、14体目ができましたがこちらは決まっています。

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