Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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最終回:The beginning.

 

 

 

「やったああああああ!!」

            「勝ったぞぉおお!!!」

 

   「世界の勝利だ!!」

          「ヒュゥウウ!!!」

 

 

戦士たちは騒ぎ始める。

 

 

 

 

我々は世界の危機を見事脱して見せたのだ。

 

 

 

 

世界中の。

 

 

 

いろんな肌の色の。

 

 

 

いろんな瞳の色の。

 

 

 

小さい者、大きい者。

 

 

 

さらに恐竜やモンスターまで。

 

 

 

全員が喜びを分かち合ったのだ。

 

 

 

ルーフスは巨人の肩から降りて火山を見た。

 

 

 

そして火山に背を向け、悲しみを含め笑ったのだ。

 

 

 

「ルーフスさん!」

 

       「あんちゃん!」

 

「ルーフスさん!!」

       

         「ワオン!!」

 

 

4人が飛びついてきた。

 

 

「おっと、ははは、お前ら…」

 

ルーフスは笑う。

 

 

チェリーが泣きながら笑う。

 

 

 

「よかった…誰も…失わなかった…!!」

 

 

「全員が無事でよかったよ!」

 

 

「私も…とっってもうれしいな!!」

 

 

「ワン!ワン!!」

 

 

 

ルーフスは幸せそうに笑った。

 

 

「本当によかった…!」

 

 

 

シャッシャッシャッシャッシャ…

 

 

 

ポー…!!

 

 

 

 

見れば草原を走る長い機関車には大勢の人が乗っていた。

 

 

さらに巨大な軍艦に飛行艇も泊まる。

 

 

 

「ありがとおおおおお!!」

 

           「かっこよかったぞぉおお!!」

 

  「お疲れ様~!!」

 

 

 

戦士達に避難していた人々がお土産を持って駆け寄ってくる。

 

 

戦士たちは力強く手を振った。

 

 

 

 

 

 

 

火山はすぐに人でいっぱいになった。

 

 

 

人々は互いにハグをし合った。

 

 

 

世界は一つに集まっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

「世界の人民たちよ!!」

 

 

スターク船長は船の上から大きな声で叫ぶ。

 

 

 

世界中の人たちがスタークに注目する。

 

 

 

 

「ここに、世界の人々が集まった!一部ではない、全員だ!!

 

これから私たちは、復興などいろいろあるかもしれん。

 

しかしこの時を見過ごすわけにはいかないだろう!

 

 

 

 

皆で宴を!始めようではないか!!」

 

 

 

 

 

『ワアアアアアアアアアアアアア…』

 

 

 

 

 

 

全世界の人々が賛成する。

 

 

 

さっそく準備が始まった。

 

 

 

舞台は火山近くの真っ平らな草原の上。

 

 

世界中の大工たちが屋台やステージを建て。

 

世界中のシェフ達が腕によりをかけ料理を作る。

 

世界中の大道芸人たちは自らの芸を練習し。

 

世界中の医療関係者たちは道具を揃えていた。

 

世界中の一般市民たちは飾り付けを手伝い。

 

世界中の戦士たちは力仕事を手伝った。

 

 

 

 

これは『世界』が主催する、『世界』の宴である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全てのセッティングが終わった。

 

 

いよいよ宴が始まるのだ。

 

 

 

司会がマイクのテストをしてから、

 

 

 

 

「全世界のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、

おねぇちゃんお兄ちゃんに妹さんに弟さん、戦士達もモンスターも恐竜も!!

 

ただいまより「世界の宴」が始まるよー!!」

 

 

 

 

『ヒュー―――――――――!!』

 

       『ワァアアアアアアア!!』

 

 

どっと歓声があがる。

 

 

「この中央のステージでは、世界中の芸人たちが自分の芸を見せてくれるぞ!

有名なアーティストも出演しちゃうだろうな!!

 

さらにここでは世界中のいろんな屋台も食べられるぞ!!

 

体調悪けりゃ救護テントへ急ぐんだ!それだけ!

 

さあ、じゃあみんな、めいっぱい楽しんで行けよー!!」

 

 

 

『ワ―――――――――!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんちゃん、僕たちはどうする?」

 

「そうだな、みんないろんな人に会いたいだろう。

 

ここは各自解散ってことで!…でもそうだな、時間経ったらまた集まろう!」

 

 

「はい!!」「うんわかった!」

 

「ワオン!!」「了解!!」

 

 

ルーフス達は各自散って行った。

 

 

 

 

 

 

~~~~~ココアの冒険~~~~~

 

 

私はチェリーさんの後をついていく。

 

 

「チェリーさん!」

 

「あら、ココアちゃん。」

 

「私、チェリーさんと一緒に歩きたいな!」

 

 

チェリーさんはほほえんでくれた。

 

 

「私もよ。ココアちゃん!」

 

 

 

 

 

「チェリーさんは誰に会うつもりなの?」

 

 

「そうね…まずはヴァイオレットかな?」

 

 

「ヴァイオレットさん?」

 

 

「うん、私の親友なの!」

 

 

 

 

「チェリー!!」

 

 

噂をすればスーツ姿の女の人が涙ながらに駆け寄ってきた。

 

 

その女の人はチェリーさんに抱き着いた。

 

 

 

「よかった!チェリーが無事で!」

 

 

「えー?まさかヴァイオレット、私が死んじゃうって思ってたの?ふふ!」

 

 

「そうよね!チェリーなら死ぬはずもないわ!」

 

 

チェリーが抱き着き返した。

 

 

「私も、あなたが生きてて本当によかった…!」

 

 

チェリーさんの瞳がすこしうるんだ気がした。

 

 

「ヴァイオレットさんー速いですよー…」

 

 

後ろからとことこと私と同じくらいの女の子が近寄ってきた。

 

女の子はチェリーさんを見かけるとぺこりと挨拶する。

 

「こんにちは!」

 

チェリーさんは笑って答えた。

 

「こんにちは!」

 

 

 

 

「?」 「?」

 

 

目が合う。

 

 

 

私は恥ずかしながらに咄嗟に目を地面にそらしてしまった。

 

 

顔があつくなる。

 

 

私は同年代の女の子とは話したことがないのだ。

 

 

 

「わたしはリサっていうんだ!あなたは?」

 

女の子は元気に話してくれた。

 

 

「…わ、私はココアっていうんだ…よろしく…!」

 

恥ずかしながら話す私とは対照的に女の子は笑顔で答える。

 

 

「一緒にまわろ!」

 

「!…うん!」

 

 

でも私は、この時初めて友達ができたと分かったのでした。

 

 

「チェリーさん、ごめん、リサと遊んでくる!」

 

チェリーとヴァイオレットさんは笑顔で送ってくれた。

 

 

「「いってらっしゃい!」」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

~~~~チェリーの冒険~~~~

 

 

 

「いやーあの子かわいいねー。新しい仲間?」

 

 

「うん!最近であった仲間なんだけど。

 

…あの子はね、私と同じ境遇なんだ…」

 

 

「…両親がいないの?」

 

 

チェリーはうなずく。

 

 

「だから私は、あの子の気持ちがわかるんだ。

 

自分は独りなんだってさびしい気持ちがね。

 

 

 

だから私は、あの子の母親の存在になりたいって、

あの子を守りたいって思ってる。」

 

 

「…偶然だね。私も同じ。」

 

「え?リサとヴァイオレットも?」

 

「そう。私はね、昔っから勉強熱心で、学校の休み時間でも勉強してたんだ。

 

それで、ほかの女の子たちは私に近寄りづらくなっちゃって、友達なんてできなかった。

 

彼女はね、まだ10歳なのに私の秘書さんなんだよ。」

 

「そうなんだ!…」

 

 

「そして、彼女も同じだったんだ。だから私も、彼女を守りたいってそう思っちゃうの。」

 

「ふふ…お互い、頑張らないとね。」

 

「そうだね。」

 

 

私とヴァイオレットは微笑みながらリサとココアを見つめていた。

 

 

 

 

~~~~ジャックの冒険~~~~

 

ジャックは両親とともに行動していた。

 

 

「ジャック、何が食べたい?」

 

「うーん…そうだな…ハンバーガー食べたいな!」

 

「よし、じゃあハンバーガーの屋台へ行こう!…

 

えーっと…あれ…これは…こっちかな?こっちか…」

 

 

「お父さん、貸してみて。」

 

 

ジャックは父から地図を受け取る。

 

 

「こっちの方角だね!」

 

「まあ!」

 

 

お母さんは僕の成長に驚いたようだった。

 

僕は少しうれしくなる。

 

 

 

ハンバーガーの屋台のとなり。

 

「グラッソ・ガビアーノ・レストラン」と書いてあった。

 

「あ、アルミロさんのレストランだ!ごめん、母さん、父さん、こっちに変更するよ!」

 

 

「いらっじゃいまぜ~」

 

 

このしゃがれた独特の声は…!!

 

 

あの『ネズミのお助け屋』のデブではないか!

 

「ああ!!ネズミ男!!」

 

「げ!?あんさん私だぢのごど知っでんのかいな!?」

 

「今度は騙されないぞ~」

 

ジャックは鞄を警戒する。

 

店内からアルミロさんが出てきた。

 

 

「久しぶりだね、ジャックくん。」

 

「あ!お久しぶりです!…何でこいつらここにいるんですか!?」

 

 

「ああ、それはね。

 

彼らはやっと改心したそうなんだ。2週間前にこのレストランに弟子入りを求められてね。

 

料理を教えながら、ウェイターとして雇っているんだ。」

 

「!…へぇ~…そうだったのか~」

 

細いネズミ二人も駆けつけて3人で照れた。

 

 

「さっきはごめんね、疑っちゃって。」

 

細いネズミが答える。

 

「いやいや、元は俺たちがしっかりしてなかっただけですから。

 

俺たちはこのレストランで皆に罪滅ぼしをして、同時にシェフになる夢をかなえたいと思ってるんです。

 

 

 

ネズミは食べ物が好物ですからね!!」

 

 

アルミロは自慢の弟子だといわんばかりにうなずく。

 

 

「おお!応援するよ!3人とも!」

 

「へへへ…ありがとうございます。…おおっと、そうだ、ご注文をどうぞ!」

 

 

「じゃ、ハンバーガーセット3つで!!」

 

 

「かしこまりました!!」「お手拭きおもぢじまず~」

 

ネズミたちは元気よく駆けていく。

 

 

泥棒の時よりも目が一段と輝いていた。

 

 

僕には、分かったのだ。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

~~~~ステーラの冒険~~~~

 

 

 

「狼軍団!バンザーイ!!」

 

 

狼達は互いの皿やグラスをぶつけ合う。

 

 

 

ビストは元の人間の姿に戻っていた。

 

 

「「がっはっはっはっは!」」

 

 

ビストとライモンは互いに酔いながら笑いあう。

 

 

「いやー!あっぱれだ!こんなたくさんの仲間と話し合えるなんてな!!」

 

「ワオン!!」

 

「ガウ!!」「バウ!!」

 

「…?…ところでお前はどこが狼なんだ?」「ガウ。」(訳:そうだよ)

 

ビストはライモンに尋ねる。

 

 

 

 

ライモンは少し考えた。

 

「う~ん…どこから話そう…ん?」

 

 

 

ライモンが遠くに見える狼を見つけた。

 

 

 

ステーラ達も見る。

 

 

 

みると頭にゆずのワンポイントをつけたかわいい狼だ。

 

サクラノ国のミネゴロウの家に住む狼、ユズだ。

 

 

「「ガウ!?」」

 

魔法の森の狼達とビスト率いる狼たちはハート眼になった。

 

 

「ワン!!」

 

 

ステーラが近づく。

 

 

「キャン!!」

 

 

 

ユズとステーラはうれしそうに回る。

 

 

ビストとライモンは互いに笑う。

 

 

「おう!嬢ちゃんもこっち来て話し合おうじゃねぇか!」

 

 

「「ガウガウ!ガウガウ!」」(訳:こっちだ!こっちだ!)

 

 

「ワン!!」

 

ステーラは「行こう!」と誘う。

 

「…キャン!」

 

ユズは少し赤くなって「うん!」と答えたのだった。

 

 

~~~~ルーフスの冒険~~~~

 

ルーフスは人ごみをかき分けて探す。

 

 

どこだろう。

 

 

無事なのだろうか?

 

 

無事でいてくれ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこにもいなかった。

 

 

 

お母さんならこの場所に来てくれるはず。

 

そう思っていた。

 

 

 

「おう、ルーフス。」

 

「親父…」

 

なにやら父も形相を変えて走ってくる。

 

「お母さんみたか?」

 

「いや、見てないよ。」

 

 

「…どこにいるんだ…」

 

 

 

 

 

 

ぐぎゅるるるるる…

 

 

 

 

二人の腹が同時に鳴った。

 

 

 

「…なんか食うか…」

 

「そうだね…」

 

 

 

ルーフス達は屋台を歩く。

 

 

「…久しぶりだな。こうやって親子で平和に歩くのも。」

 

「だね。確かに、前に会ったときもごちゃごちゃした最中だったからね。」

 

「こうやって…確か昔は、ホットドッグを丸かじりしてたっけな。」

 

「はは、懐かしいや!…そうだ!ホットドッグ食おうぜ!」

 

 

「お、いいな。じゃあそこの屋台にしよう。」

 

 

 

 

見るとエプロンと三角巾をつけた女性がソーセージを焼いていた。

 

 

「すみません!」

 

 

「はい、何個にしましょう…」

 

 

 

父と子はぽかんとした表情になった。

 

 

 

 

なんと。

 

 

 

 

お母さんではないか。

 

 

 

 

「!!!…」

 

お母さんはびっくりしたようだ。

 

顔に手を重ねて声もなく驚いた。

 

 

ルーフスと父は先に、仲良く吹き出してしまった。

 

 

「はははははは!!そりゃ見つからないわけだ!!」「はははは!!」

 

母はきょとんとしていたままだった。

 

 

 

 

 

 

店の番を近所のおばさんに代わってもらって。

 

 

 

ルーフスは親子三人で仲良く話をした。

 

 

 

「ルーフス…本当におっきくなったね。」

 

「はは、まあ食って寝てうごいてりゃそのうちね。」

 

「いや、外見だけじゃないぞ。最初は弱弱しいヒヨっこだったのが、

いまじゃ力強い獅子のようだ。」

 

「…それは俺だけで成長したわけじゃないよ…

旅で、いろんな仲間と出会った結果が、今の自分になっていると思うんだ。」

 

母と父は互いに顔を見合わせて笑う。

 

「はっはっは!!」「ふふふ!!」

 

 

「?…なんかおかしいこと言ったか?」

 

「その言葉、俺も昔に言ったことがあるんだよ。」

 

「お父さんにそっくりなんだから!」

 

 

 

ルーフスは照れてきた。

 

 

 

「ルーフスさん!!」「あんちゃん!」「ルーフスさん!」「ワン!」

 

チェリーとジャック、ココアにステーラが走ってくる。

 

皆もう個人でいっぱい遊んできたようだ。

 

 

 

「お、母さん、親父、俺の大切な仲間達だよ。」

 

 

チェリー達はルーフスの父と母の前に立って挨拶する。

 

 

「はじめまして!チェリーと申します!」

 

「ジャックです!」「ココアです!」「ワオン!」

 

「こいつは、ステーラっていうんだ。」

 

 

「まあ!ルーフスがお世話になってます!」

 

 

「いえ!私達のほうがお世話になっていますから!」

 

 

「すまねぇなーこいつ俺に似てバカだから!!」

 

「う、うるせぇ親父!!」

 

 

「ハハハハ!!」

 

 

「よっしゃ!君たち、これから私たちといっぱい話そうじゃないか!」

 

「はい!」「俺たちの旅の話聞いたらびっくりするだろうな!」

 

「ふふ!そうですね!」「あっちのテーブル空いてるよ!」

 

「ワオン!!」

 

 

 

ルーフス達と父と母は楽しく、夕方まで話したのだった。

 

 

 

 

ルーフス達だけが楽しんでいたのではなく。

 

他の場所でもいろいろな出会いがあったのだ。

 

 

~~~~桜ノ道常の冒険~~~~

 

 

「道常様、お体は大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だ。

私はヘマをして戦士としてほとんど戦いには出られなかったからな。

せめて戦士達をたたえる宴には参加したいのだよ。」

 

「承知しました。」

 

 

 

「おおおお道常様!!」

 

 

見ると小さな老人が手を握りに来た。

 

 

ハヤブサだ。

 

 

「おお!よかった…よかった…!!道常様!

桜ノ国の戦況で道常様の負いた傷を聞いたとき、じいやはもう心配で心配で!!」

 

「はっはっは…心配をかけたのう。だが大丈夫だ。傷は浅かったからな。」

 

 

「ふん、天下の桜を治める国の長なるものが、なんというざまだ。」

 

 

そこにはわが宿敵、松原郷玄がいた。

 

ハヤブサは激昂する。

 

 

「郷玄!お前はまた道常様の悪口を!!このじじいの拳で成敗してくれよう!!」

 

「待て待て待て、抑えるのじゃ。今回は全く、おぬしの言う通りじゃ。

私は少々油断していたのだよ。」

 

「そんなお主に、今日はいいものを持ってきてやったぞ。ほれ。差しだせぃ!」

 

「はは!!」

 

侍は私に皿に乗ったお揚げを渡した。

 

 

「ザラメユキ国名物、お揚げじゃ、侍たちはみんな、これを食べ戦へと向かう。

いわば戦のために作られた料理というわけじゃのう!わっはっはっは!!」

 

「郷玄…!」

 

ハヤブサは驚く。

 

私はお揚げをもらうと郷玄に背をむける。

 

 

そして一生懸命に涙をこらえた。

 

 

なんという情けじゃ…!!

 

 

憎いぞ郷玄よ…なぜ面と向かって渡すのか!!

 

 

お主はそこまで私の泣き顔を見たいというのか!!

 

 

ここで退いてはならぬ…!!退いたら男がすたるというものよ!!

 

 

 

「おぬしは…敵に塩を送ったというわけだな!!!なんたる侮辱!!

これは宣戦布告とみた!!次の召し物祭ではサクラノ国が見事!一位の旗を取ってやろう!!」

 

「がっはっはっは!!無駄にあがくがいい!!」

 

郷玄は道常の芝居に乗って去っていった。

 

 

 

ハヤブサはボソッと話す。

 

「ずっとこの関係で、やっていければいいものですな。」

 

 

 

 

 

「ああ!全くじゃ!!あっぱれ!今日は誠に天晴れであるぞ!!」

 

 

 

 

道常はお揚げをかじる。

 

 

その味は、雪に似合わず温かい味であった。

 

 

 

 

~~~~クラバの冒険~~~~

 

 

僕はワーカーと共に屋台を歩く。

 

やっぱり、世界が集まるとここまで活気に満ち溢れるものなんだな。

 

 

 

 

シュゥウウ…

 

 

 

 

…!?

 

 

 

 

 

周りの世界が止まっている?

 

 

 

 

 

気付けば皆がみんな動かないのだ。

 

 

 

「クラバ、クラバ、ミナ、ドウシタ?」

 

「…わからない…一体何が!?」

 

 

 

 

そのとき。

 

 

 

 

 

上空にUFOらしきものを見た。

 

 

 

 

 

「なんだと…」

 

 

 

 

UFOの中から宇宙人が舞い降りる。

 

まさか…世界が救われたと思っていれば…今度は宇宙人だと…!?

 

自分の足が勝手に揺れるのがわかった。

 

 

怖い。

 

 

この宇宙人はいったい何をしでかすのだろう。

 

 

「…No.002647。やっと見つけたぞ。」

 

 

 

僕はワーカーを見ていることを知り、自分の胸にぎゅっと締め付ける。

 

頬に汗が流れる。

 

 

「クラバ、クルシイ、クルシイ…」

 

宇宙人はこちらによって来る。

 

「さあ、私の星に帰ろう。No.002647。」

 

踏み出さなきゃ。

 

ここで踏み出さなきゃ。

 

ワーカーとは永遠に離れ離れになる気がする。

 

そして、ワーカーはまた同じ恐怖を味わうことになるんだ。

 

そんなの、絶対にごめんだ。

 

「教えてください。」

 

 

 

「…?」

 

 

「教えてください!!ワーカーをあなたに渡したら、どうなるのですか!?」

 

「…それは我々ンラール星人の役に立つロボットとして…」

 

 

「…それを強要して、また捨てるつもりなのですか?

 

…彼のログを見ました。彼の映像には悪口しかありませんでしたよ。

 

…そのログを見る限り。僕はあなたたちを信用なりません。」

 

 

「………」

 

 

「僕なら、あなたたちよりワーカーを大切にできる自信がある。」

 

 

 

 

 

 

「ボク、ココ、イル」

 

「…!!」

 

 

 

ワーカーが自分の感情を言った。

 

 

「クラバ、イッショ、イチバン」

 

僕はワーカーを強く抱きしめた。

 

よかった。

 

ワーカーも同じことを言ってくれた。

 

僕と戦ってくれた。

 

 

「…だめだ。私はこの地球上のロボットをすべて回収するためにここにきたのだ。

聞き分けるわけにはいかない。」

 

 

 

僕は悟った。

 

 

 

やっぱりだめなのかな…

 

 

 

 

「クラバ、アンシンシテ。」

 

 

ワーカーが自分の手を振り上げる。

 

 

 

カン!!カン!!

 

 

自分の頭を殴り始めたのだ。

 

 

 

「!?…No.002647!?何をしている!しっかりしろ!!」

 

「ワーカー!?」

 

 

ガン!!ガン!!

 

 

ワーカーの画面表示がゆがむ。

 

 

 

「やめろ!!私はお前の傷つく姿を見に来たのではない!No.002647!No.002647!」

 

 

私は呼んだ。

 

 

 

 

彼の『名前』を。

 

 

 

「ワーカー!やめるんだ!!」

 

 

 

ぴたっ!

 

 

 

ワーカーは止めた。

 

 

 

宇宙人は打ちのめされたみたいだ。

 

 

 

「ボク、キク、クラバダケ。」

 

 

 

 

「…分かった。命令の聞かないロボットなど、いても仕方がない。好きにするがいい。」

 

 

宇宙人は怒ってUFOに乗る。

 

 

 

「最後に一つ。私たちの話をしたとき。その時は君達の地球によからぬことが起こるであろう。」

 

 

バシュゥウウウウウウ…

 

 

宇宙人はそう言うとすぐに上昇して消えて行った。

 

 

 

ガヤガヤ…

 

 

 

周りの景色は動き出す。

 

 

 

「…どうやら戻ったようだね。ワーカー。」

 

「クラバ、クラバ。」

 

 

 

見るといつのまにやらケーキを持っていた。

 

 

「ケーキ、ケーキ!!」

 

 

「…ははは、いっしょに食べよっか。」

 

 

一件落着…か…

 

またワーカーと一緒に、仲良く暮らせるんだな。

 

 

 

ワーカー。これからも、よろしく頼むよ。

 

 

 

~~~~ルーフスの冒険~~~~

 

 

ルーフス達を含む戦士達は大きな町で休息を取るために寝台特急を手配された。

 

部屋は4人ずつの一室で、ルーフス達は別れることなく座ることができたのだ。

 

 

ココアとジャックとステーラははしゃぎ疲れたのか、もう寝てしまったようだ。

 

 

ルーフスとチェリーは窓の外の夜景を見ていた。

 

 

 

チェリーが話し始める。

 

 

「ルーフスさん。」

 

「ん?」

 

「最初のルーフスさんが私にかけてくれた言葉、覚えてますか?」

 

「ん?…なんだっけ?」

 

 

「えー?忘れちゃったんですか!?」

 

「あははは…ごめん…」

 

 

チェリーはぶすっとしながら言った。

 

 

「ルーフスさん、私に『お前の太陽が見たい』って言ってくれたじゃありませんか!」

 

「あ、そういやそうだったな…」

 

 

チェリーは首をかしげて確認する。

 

「私は、ココアちゃんにジャックくん、ステーラにヴァイオレット…

今までの皆の太陽になっているでしょうか?」

 

 

ルーフスは笑って言った。

 

「叶えられてるよ。みんな、チェリーのことが好きなんだ。

 

太陽を嫌いな奴なんて、この世界にはいないだろう?」

 

 

 

チェリーは笑う。

 

 

 

 

そしてからかった。

 

 

 

 

「ルーフスさんは、私の事()()ですか?」

 

 

 

ルーフスは赤くなってから笑った。

 

 

「大好きだよ。」

 

 

 

チェリーとルーフスの唇が触れ合った。

 

 

 

 

チェリーの顔が一気に赤くなる。

 

 

ぷはっ…

 

 

ルーフスは唇を離す。

 

 

 

 

「へへ!からかい返し!」

 

と言ってチェリーに笑った。

 

 

 

 

チェリーも笑う。

 

 

 

「わぁー…」

 

 

 

 

びくぅ!!

 

 

 

見ればココアだけ起きていた。

 

 

ココアはどきどきしているようだ。

 

 

 

「ココココココアちゃん?こここここれはね?」

 

「そそそそそそうだ、ココア、ここここここれはだな」

 

 

 

「ルーフスさん、チェリーさん、…ラブラブだね!」

 

 

 

「「はうう!!」」

 

 

ルーフスとチェリーは汗を垂れ流す。

 

「でも…」

 

ココアは続けた。

 

「私、ルーフスさんとチェリーさん、

 

とっても似合ってると思うよ!!

 

だってルーフスさんとチェリーさん、

 

私のお父さんとお母さんみたいなものだもん!!」

 

ココアはえへへと笑った。

 

 

チェリーは涙を流す。

 

ルーフスもなんとか涙をこらえていた。

 

 

 

チェリーはココアを抱きしめる。

 

「…ありがとう…ココアちゃん!!!」

 

 

 

ココアは幸せそうに笑い続ける。

 

 

 

ルーフス達を、満月は温かく見守っていた。

 

 

 

翌朝。

 

目覚ましを止める。

 

 

服を着替える。

 

 

ご飯をかきいれる。

 

 

荷物を詰める。

 

 

カバンのチャックを閉める。

 

 

 

そして、ルーフス達は外へ飛び出した。

 

 

 

 

 

 

「よっしゃ!!次の場所!行こうぜ!」

 

「はい!」「行くぞー!!」「うん!」「ワオン!」

 

 

5人の元気な声が、街の中に響き渡る。

 

 

 

ここで5人の旅を語るのはおしまい。

 

 

しかし、彼らの旅はまた、『始まり』なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――終わり――――――

 

 

 




ついに第二章、終わりました!

ここまで続けられたのも、たくさんのお気に入り、感想があったからこそです。

Minecraftも、始めたころよりも格段に進化していきました。

そんなMinecraftの『進化』と『自由』を、表現できたなら幸いです。

第三章は今のところ予定はしておりません。

もしやるとすれば、残りの世界を回るといったかんじですかね。

では、私も含め、みんなでご挨拶。

ルーフス&チェリー&ジャック&ココア&ステーラ「ご愛読!」

全員「ありがとうございました!!」




And Thank Mojang for making "Minecraft"!!

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