Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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57:ミュータントモンスターズ

 

ここはバッダボーナ火山。

 

今、世界中の戦士たちが集結した。

 

人々の色に、顔立ちに、服装。

 

どれも多種多様だ。

 

その戦士たちは巨大なモンスター達の前に立っていた。

 

ゾンビにクリーパー、エンダ―マンだ。

 

 

世界中は沈黙する。

 

 

各国の長達も黙って立っていた。

 

 

敵が迫ってくるのをひたすら待っていた。

 

 

 

 

 

 

ガピー…

 

 

 

音声が流れる。

 

 

「諸君…よくぞウィザーを殲滅してくれた。

だが、最終局面はここからさ…

はたしてこいつらに勝てるかな…?」

 

 

 

ルーフス達は気付く。

 

 

あの巨大な体躯をしたゾンビ…

 

 

メットとそっくりであったことを。

 

 

 

「…なんとなくそんな感じはしてたんだ…」

 

ジャックは歯を食いしばる。

 

 

「メット…力をくれ…!!」

 

 

ハンマーは青く光った。

 

 

 

 

 

 

「行け。」

 

 

 

 

Mr.Fの合図とともにミュータントモンスターズは咆哮を上げる。

 

「ヴァァアアアアアァアァアアオ!!」

 

「シュゥウウオオオオオオ!!」

 

「ヒュゥゥウウウウ!!」

 

 

 

「「「「おおおおおおおおおお!!」」」」

 

戦士たちはモンスターへ向かう。

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

 

悲劇は始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミュータントゾンビは10人を一気に薙ぎ倒す。

 

 

「「「「「うわあああああ!!!」」」」」

 

 

ミュータントクリーパーは高々とジャンプをし…

 

一気に地上に爆風を落とした。

 

 

 

ボォオオオオオオン!!

 

 

「「「ああああああ!!!」」」

 

 

 

ミュータントエンダ―マンは地上の岩石を4つ持ち上げた。

 

 

ザザッ…!!

 

 

4つの岩石は紫色の光とともに浮き上がる。

 

 

「コァアアアアアアアアオオ!!」

 

 

岩石は一斉に戦士たちへと向かっていく。

 

 

 

戦士たちは血を流す。

 

 

 

「くそおおおおお!!」

 

 

空からはウィザーの爆撃。

 

 

戦士たちは次々に倒れていった。

 

 

 

ルーフスとチェリーとステーラも一斉にゾンビにとびかかる。

 

 

2つの斬撃と一つの牙がゾンビに命中した。

 

 

 

巨大な男がさらに追撃を加える。

 

 

 

ドゴッ!!

 

 

 

ゾンビは倒れない。

 

 

 

「へへ…楽しませてくれんじゃねぇか…!!」

 

 

 

マンティースの連撃はクリーパーを刺す…刺す!!

 

 

しかしミニクリーパーの爆撃に押し流される…!

 

 

ジャックはココアの前でハンマーで殴る。

 

 

エンダ―マンの岩石がジャックに命中した。

 

 

「ぐっ…!!」「大丈夫!?」

 

 

「うん…まだまだ!!」

 

ジャックは上からの閃光に気付く。

 

 

 

バン!!

 

 

 

ココアを力強く押した。

 

 

 

 

「きゃああ!」

 

 

ココアは後ろへと倒れる。

 

 

 

ドゴオオオオオン!!

 

 

 

ジャックの上に爆撃が落ちた。

 

 

 

 

「ジャックくん!!」

 

 

 

 

ジャックは真っ黒になりながらゆったりと立ち上がる。

 

 

「よかった…当たらなくて…!!」

 

 

ジャックは回復ポーションを飲む。

 

 

(まだ戦える…!!彼女を必ず守るんだ…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信じられない出来事が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

30分で既に1000人が戦闘不能となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

苦しめているのは、自らの技術で作り出したしまった屈強なモンスターたち。

 

 

 

 

 

 

 

私たちは…自分の作ったものに世界で戦っても倒せないものをつくってしまったのだ…

 

 

 

 

 

「ハハハハハ!!素晴らしい!まさに世界の終焉にふさわしい!」

 

Mr.Fは火山のふもとに転がった人々の山を見て叫ぶ。

 

 

 

「平和な日常を送っているお前らの傍らで!!

 

俺はある人のために計画を準備してきたのだ!!

 

俺は…世界に勝った!!ハハハハハ!!」

 

火山にMr.Fの笑い声が響く。

 

 

 

 

「それはとんだ勘違いだ。」

 

 

火山に別の音声が響き渡る。

 

 

Mr.Fは真顔になった。

 

 

「なんだと…!?」

 

 

 

 

「まだ世界中の人々は…」

 

 

 

「全員そろっていなかったんだよ!!」

 

 

そこにあったのはルーフスの父の姿。

 

 

ルーフスは気が付く。

 

「親父…!!」

 

その背後にはたくさんの戦士たちがいた。

 

魔法世界より…

 

 

王様、魔女の弟子3人組…

 

ナーガにヒドラ…

 

黒い狼達に…赤い牛男…?

 

 

 

さらにはエンド世界の住人達にエンダ―ドラゴン、

 

クレイソルジャーズに巨人、さらに狼男のビスト!

 

スターク海賊団に、エミリア率いる恐竜軍団…!!

 

ジョーに、アイアンゴーレム…!!

 

そしてかつて別れたライモンもいるではないか!!!

 

なんと頼もしい援軍であろうか…!!

 

 

 

魔法世界の王様は黄金の羽をかざす。

 

 

「…まずは戦士たちを戻さねばなるまい…!!」

 

 

ピィー――――…!!

 

 

黄金の羽は光る。

 

 

人々の流れる血は止まり、

 

人々の傷はなくなっていく。

 

 

 

「…!!」

 

     「なんだ…!!」

 

「うわ!なんかいっぱいいるぞ!」

 

 

人々は次々に立ち上がる。

 

 

 

 

「馬鹿な…!!最悪だ…!世界にはこんな奴らがいるのか…!?」

 

Mr.Fの瞳は恐怖の色に染まった。

 

 

「ミュータントモンスターズ!!何をしている!!早くやってしまえ!!

 

チェリー!アーティクル!お前らも戦うんだ!!早く!!」

 

「はいはいー。」「了解だ。」

 

 

チェリーとアーティクルは飛行艇の外へと飛び出していった。

 

 

Mr.Fは本棚をあさりある本を手に取る。

 

「…なぁに…大丈夫さ…俺にはまだ…この魔法がある…!!」

 

 

本には「Morph」と記されていた…

 

 

 

 

 

 

 

バッダボーナ火山には世界中の戦士たちが集まっていた。

 

皆が皆、目的は一つ…!!

 

 

((((((Mr.Fを倒す!!)))))

 

 

 

 

~~~~宇宙より~~~~

 

「フェッタ…ベガ…リゲルバ…サウァ…」

(太陽光エネルギー再充填完了。)

 

「ドク!!」

(撃て!!)

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

ビュゥウウウウウン!!

 

 

ミュータントモンスターズ達にまた雷が降り注ぐ。

 

 

「よし…謎の攻撃が効いた!!」

 

「われらも続くぞ!!」

 

 

「「「「おおおおおおお!!!」」」」

 

 

 

~~~~ステーラの戦闘~~~~

 

ステーラがミュータントエンダ―マンに噛みつく。

 

ただし振り落とされた。

 

 

 

そこにライモンが現れる。

 

「よう、お前がルーフスの新しい相棒なんだってな…!!」

 

「クゥン?」

 

 

「…俺も昔は、お前と同じだったんだぜ…

 

ま、説明は後だ、一緒に闘おうぜ。」

 

 

 

 

「おいおい、俺も外してもらっちゃ困るぜ!!」

 

巨大な狼男が現れる。

 

 

「ガウ!!ガウ!!」

(訳:待たせたな!ステーラ!)

 

黒い狼たちも。

 

「ほう…面白いな…ここに狼たちが揃ったってことか…」

 

 

 

 

 

「名付けて…『狼軍団』…だ!!」

 

 

 

狼たちに沈黙が訪れる。

 

 

「もっとマシなネーミングはないのかよ…」

 

「行くぞおおおお!!」

 

 

 

「「「「ガウ!ガウ!!」」」」

               「バウ!!」

   「へへ!!」

 

狼たちはミュータントモンスターを襲う。

 

 

ズシャ!!

         バシュ!!

    ガブチュ!!

 

 

 

牙や爪、剣はエンダ―マンに深く突き刺さる。

 

 

エンダ―マンは消えていった。

 

 

 

 

「ワン!!」「ガウ!!」「やったな!」「ああ!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~~~~ルーフスの戦闘~~~~

 

 

ルーフスと父はミュータントクリーパーに剣を浴びせる。

 

「ルーフス…強くなったな…」

 

「親父の血を引いたからな!!」

 

 

ビュン!!

 

 

ミュータントクリーパーは飛び上がる。

 

 

 

「やべえ!!」「逃げ…おわぁ!!」

 

 

 

シュッ…

 

 

 

ドォオオオオオオン!!

 

 

クリーパーが着地したところには誰もいない。

 

 

 

黒いドラゴンがルーフスと親父、周りの戦士たちを胴に乗せる。

 

 

「うわあああ!!」

          「なんだこの竜は…」

     「でも助かった…」

 

 

竜はルーフスに話す。

 

「父がお世話になりました…」

 

「お前…あいつの子供なのか!?」

 

「はい!…私は父が死んだとき、卵から孵ったのです。

暴君である父を倒していただき、本当にありがとうございます!」

 

「いや、そんな…こっちこそ助けてくれてありがとよ!」

 

「では、片づけてしまいましょう!!

みなさん、しっかりつかまっていてください!!」

 

 

エンダ―ドラゴンは高速に移動し、炎のブレスをミュータントクリーパーに浴びせる。

 

 

「シュウウウウウウ!!」

 

 

ミュータントクリーパーは卵を残して消えた。

 

エンダ―ドラゴンは背中から戦士たちを降ろした。

 

「ありがとよ!」

          「サンキュー!」

 

戦士たちはお礼を言って次のモンスターへと向かっていく。

 

     ドォオオオン!!

 

「ぎゃああああ!!」

 

           「うわああああ!!」

 

人々が次々に吹っ飛ばされていく。

 

「雑魚には何の用もない!!」

 

ルーフスに向かって突撃してくる影が見えた…!!

 

 

 

ルーフスはあわてて剣で受け身をとる。

 

 

 

ガキィイイイン…

 

 

 

ズザザザ…

 

 

ルーフスの体は5m程吹っ飛ばされた。

 

 

そこには装備に身を包んだ大男がいた。

 

 

「俺はお前と戦いに来たのだよ…!!」

 

「アーティクル…!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~~~~~チェリーの戦闘~~~~~

 

 

ドシャァ!!

 

 

チェリーとマンティースと戦士達は見事ミュータントゾンビを倒した。

 

 

「腕を上げたな、チェリーよ…」

 

「マンティースさんも強くなりましたよ!」

 

 

 

ヒュゥウウ…

 

 

「!!」

 

チェリーは咄嗟に弾を斬る。

 

 

 

バシャン!!

 

 

「きゃぁ!!」

 

「これは…負傷のポーション!!」

 

 

「ふふふ…バカねぇ…投げられたものはちゃんと見ないと…」

 

 

「…あなたは…?」

 

「私はチェリー…純血の魔女よ…」

 

「…奇遇ね、私もチェリー。」

 

 

魔女はあざ笑うような笑みで言った。

 

「あなたここで何してるの?せっかく綺麗なお顔が汚くなっちゃうわよ?」

 

「私はあなたたちの侵攻を終わらせにきたの…ここの皆とね…!」

 

「へえ…あなたには何ができるのかしら!」

 

 

魔女とチェリーはにらみ合う。

 

 

マンティースと他の戦士はとても介入できなかった。

 

「…チェリー、健闘を祈るぞ。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

~~~~列車の中より~~~~

 

車内に少女の声が流れる。

 

「次は、サクラノ国、サクラノ国、お出口は左側です…」

 

小さなロボットは尋ねる。

 

「セカイ…オワル…?」

 

「大丈夫だよ、世界中の戦士達が今戦っているんだ。きっと救ってくれるさ。」

 

メディウス・ライブラリーに向かう避難列車の中で、クラバは考えていた。

 

(さっきのウォーカーの挙動はなんだったのだろう…)

(一定時間経ってすっかり元通りだ。)

 

クラバには何か悪い予感がした。

 

 

もしかして、ウォーカーが来た宇宙から何かあったのだろうか。

 

ウォーカーは星へ返され―――もう2度と会えなくなってしまうんじゃないかと。

 

 

地上を走っていく列車を、昇りはじめた月は冷ややかに見ていた。

 


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