Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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52:賽はなげられた

~~~~セルバースタウンのホテルより~~~~

 

ルーフスはベッドから起きた。

 

 

いつもとは違う、すっきりした寝覚め。

 

 

チェリーはもうすでに起きていた。

 

 

「おはようございます。」

 

「ああ、おはよう。」

 

 

 

 

2人は隣の部屋の3人を誘う。

 

「おはよう!」「おはよー!」「ワオン!」

 

「おはようございます!」「おはよう!」

 

 

5人はロビーのレストランへと向かった。

 

 

コトッ!

 

 

チェリーはコーヒーに、ハンバーガーにフライドポテト、そしてクッキーを自分の前に置く。

 

 

「今日は、ガッツリと食べないと!」

 

チェリーは元気よく言う。

 

ルーフスも皿にめいっぱいの料理を載せて机に置いた。

 

「そうだ!今日から暴れることになるぞ~!

皆、いっぱい食べておけよ!」

 

「もちろんだよ!」「はーい!」「ワオン!」

 

 

5人はがつがつと料理を食べる。

 

 

5人にはもはや怯えた顔は無かった。

 

 

「この世界を壊させはしない。」この思いで満ち溢れていた。

 

5人の戦士達は、臨戦態勢に入っていたのだった…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~~~~秘密国際会議部屋より~~~~

 

「…ではまとまった結果を発表します。

 

まずは先程の区画で分けた地域を各国が守っていただき、

敵の勢力が収まったところで敵の本拠地だと推定される、

『バッダボーナ火山』のふもとへと集結し、

首謀者達を捕える。…これで大丈夫ですかな。」

 

各国は拍手を送る。

 

ロックベースシティのマック市長は腑に落ちない顔で微妙な拍手を送った。

 

 

グレートスライヴシティ市長、ヴァイオレット・カーライルは時計を見て言った。

 

「…あと6時間…みなさん、早速私たちの仕事に移りましょう。

 

この世界を…守ろうではありませんか!」

 

 

各国の首長はうなずいた。

 

 

 

各国は白いマントをまとい、それぞれエレベーターに乗る。

 

 

 

ヴァイオレットは立ち止まった。

 

 

ヴァイオレットは唇を震わせる。

 

 

「ジャックくん…ステーラ、ルーフスさん…チェリー…!…

どうか無事でいてね…」

 

 

ヴァイオレットはエレベーターに乗った。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

~~~~とある飛行艇より~~~~

 

Mr.Fは台座に座っている。

 

 

 

Mr.Fは2人に呼びかける。

 

「チェリー…アーティクル…

 

ついに私たちの世界を作る時が来たのだ…!」

 

チェリーとアーティクルは立って聴く。

 

 

ランプスは両手を後ろに縄で縛られていた。

 

ランプスは顔を真っ赤にしてガラガラ声で叫ぶ。

 

「騙したのだな!お前たち…許さないぞ!我が財力と兵で消し去ってやるわ!」

 

Mr.Fはランプスの顔に自らの靴を乗せた。

 

Mr.Fの後ろにはランプスの兵達が。

 

「私が欲しかったのは兵と武器…

 

お前などいなくても別に良かったのさ。」

 

ランプスは更に怒る。

 

「おい、お前ら。」

 

「「「「「「「はっ!」」」」」」」

 

Mr.Fは兵達に命令する。

 

 

「この豚を殺せ。」

 

 

 

カチャ…

 

 

 

ランプスに銃が一斉に向けられる。

 

ランプスの顔は真っ青になった。

 

 

「おい…お前達…お前達にはできないよな…な!?」

 

 

「まだ気づかないようだな。」

 

Mr.Fは言った。

 

 

「この兵士たちは、お前に『雇われた』からやっただけなのだよ。

 

私が買ってしまったなら…お前は『雇い主』じゃなく『ただの豚』だ。」

 

 

ランプスは目を見開いて涙を流した。

 

 

涙が床に落ちた瞬間、銃の引き金は握られた。

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダダダダダ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ…

 

 

 

 

 

 

 

太った男は血まみれで床に倒れた。

 

 

 

 

 

 

「おい、早く片付けろ。」

 

「「「「「はっ!」」」」」

 

兵士たちは袋に男を詰める。

 

 

 

「あっはっはっは!!やっと逝ったわね!あの豚!」

 

「本当に、馬鹿な奴だ…」

 

チェリーとアーティクルは嘲笑する。

 

 

 

Mr.Fは呼びかける。

 

「さあ、お前たちもショーの準備を始めろ…」

 

 

「はいはーい。」「了解だ。」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

時刻は迫る。

 

バッダボーナ火山の上空には無数のウィザー達。

 

地上にもミュータントモンスター達が集まっている。

 

バッダボーナ火山には各国から人々が集まっていた。

 

怯えた者…家族を持つ者…

 

様々な人々が飛行艇のバルコニーに集結した。

 

チェリーは人を数えていく。

 

 

 

「ありゃーもう400万人かー…こりゃ500万人超えちゃうなー…」

 

 

 

 

 

 

あと30分…

 

 

 

 

今の人数、499万人程度…あと1000人というところだろうか。

 

 

富裕層の民は騒ぎ立てる。

 

「さあ、あと1000人…!早く来るのだ!」

 

 

「お!!」

 

 

 

遠くに茶色い肌をした人の群れが来る。

 

 

 

 

バッダボーナ火山の近くの村に住む原住民族…ボルム族だ。

 

 

 

「おお!この人数ならば1000などとうに超えよう!

そこの貧しい平民どもよ!さっさとこの飛行艇に乗るのだ!」

 

 

 

 

 

原住民族は大きな声で言った。

 

 

「各国の首長から1通の手紙が届いている!Mr.Fを呼んでくれ!」

 

 

 

アーティクルは飛行艇の中へと入りMr.Fを連れてきた。

 

 

 

Mr.Fは何も持たずに原住民族へと近づく。

 

 

 

 

 

ボルム族の一人が手紙を渡した。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

Mr.Fに告ぐ

 

 

我々各国家は君の計画に対し尾を巻いて逃げないことを決めた。

 

この世界の人民達、古代の遺産、建造物など、全てを守る覚悟だ。

 

向かう敵は出迎える。君に宣戦布告を申し上げよう。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

下には各国の長の指名と指紋が載せられていた。

 

 

 

Mr.Fは歯を強く噛む。

 

「なぜだ…なぜ皆恐れない…」

 

 

Mr.Fは激昂した。

 

「世界が崩壊するのだぞ!?それなのに逃げないだと!?なぜそんなことができる!?」

 

 

 

ボルム族の一人は口を開く。

 

「各国の長の意図は私達にはわからない。

 

だが、私達が思うのは、

『壊されるなら、精一杯守り、また再生すればいい』ということだ。

 

今まで人に作られたものが作れないわけがないだろう。

 

私たちも、各国と同じように宣戦布告をするつもりで来たのだよ。」

 

 

 

ボルム族は槍を構える。

 

 

 

 

 

 

「…勝手にしろ…さっさと滅びてしまえばいいのだ…!!」

 

Mr.Fは飛行艇へと駆けていく。

 

 

ガコン…

 

 

飛行艇のバルコニーが傾いて柵が沈んでいった。

 

 

人々は地上へと流されていく。

 

 

「ああ!ああ!!」

 

 

人々は火山岩の上へ落ちていった。

 

 

 

 

 

ドサッ…

 

  ドサッ…

 

ドサッ…

 

 

 

 

「君たちには失望したよ。…もうこの世界は滅亡しか道がないようだな…

 

 

…これより世界を壊滅させる!!!行け!ウィザー!!」

 

 

 

「「「「「「キシャァァアウ!!」」」」」」

 

 

ウィザー達は各方面へと拡散していった。

 

 

人々は叫ぶ。

 

「なぜ逃げさせてくれないんだぁ!!」

 

            「俺たちを殺す気かー!!」

 

「ママー!!」

 

 

ドォオオオン!!

 

 

叫び声の中に爆弾は発射される。

 

 

 「もうこの世界は終わりだー!!」

 

 

 

 

 

 

人々が叫ぶ中、

 

 

 

 

 

また一つ、大きな飛行艇が地面に降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~ディラベル王国正門にて~~~~

 

ディラベル国王は武装をして待ち構える。

 

 

(…逃げたい民にはわがままのようで申し訳ないが…

 

避難場所は世界の各地で用意されている。

 

この惑星(ほし)の未来を…守って見せようではないか…!)

 

 

そう思うディラベルの前の地平線の彼方に

 

 

 

多くのウィザーが迫っていたのだった。

 

 

 

 

 

~~~~セルバースタウン東門~~~~

 

ルーフス達はセルバースタウンの東門で待機していた。

 

チェリーも日本刀『閻火』を構える。

 

ジャックもハンマーを手入れする。

 

ルーフスはおにぎりを食べてさらに腹を満たす。

 

ステーラも歯を鳴らして待ち構えていた。

 

ココアも息を飲んですぐ後ろで見守る。

 

 

大男、バンプは真剣に言う。

 

「そこのガキども。無理はすんじゃねぇぞ。

 

逃げたいならさっさと逃げろ!」

 

 

 

ルーフスは言い返した。

 

「ガキだって戦えるってことを見せてやるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂漠の地平線に見える黒い点。

 

 

ウィザーが10体ほど、こちらへ向かってくる。

 

 

 

バンプは叫ぶ。

 

「おめぇらぁ!いっちょ暴れんぞぉ!」

 

 

『『『『おおおおおぉおおおおおおお!!』』』』

 

人々の闘志は地上をも揺らしていた。

 

 

 

 

 

~~~~サクラノ国にて~~~~

 

バシュゥ!!バシュゥ!!

 

ドォオオオン!!

 

ウィザーの攻撃がついに始まった。

 

大勢の兵士たちはウィザーと交戦する。

 

武装した道常が叫ぶ。

 

「兵士たちよ!爆発にひるむな!受ける思いで戦えぃ!!」

 

 

ウィザーに矢と槍が刺さり、刀の斬り傷が入っていく。

 

 

ウィザーは攻撃の間もなく、ぼろぼろになっていくのであった…

 

 

 

 

~~~~

 

 

~~~~機械バイオームにて~~~~

 

「ウォーカー!しっかりしろ!どうしたんだ!…ウォーカー!」

 

クラバは小さなロボットを揺さぶって問いかける。

 

 

ロボットは無言でぐったりと倒れていた。

 

 

顔の画面には、謎の文字列が次々と書き換わっていたのだった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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