Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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38:魔法世界の冒険(前編)

~~~~ジャックの冒険~~~~

 

大蛇がジャックに迫る。

 

 

ジャックが間一髪で避けた。

 

 

「うわああああん!!」

 

ドォォオン!!

 

柱を揺らす。

 

 

ジャックも揺れた。

 

 

「なんてパワーだ…!」

 

「うわああああああん!!」

 

 

ドォォオン!!

 

 

ジャックに大蛇が突撃した。

 

 

「いて!!」

 

 

ジャックは吹っ飛ばされる。

 

 

 

ジャックはゆっくり起き上がる。

 

「くっそ…いて…怒ったぞ!!」

 

ジャックから湯気が出る。

 

 

「くらええ!!」

 

ジャックが勢い良くハンマーを振った。

 

 

ボン!!

 

 

 

ドドドドドド…!!

 

衝撃波が大蛇を襲う。

 

 

大蛇がひっくり返された。

 

 

大蛇の腹から葉っぱが落ちた。

 

 

ドォン…

 

 

 

 

 

大蛇はゆっくりと起き上がる。

 

そしてカッと目を吊り上げる。

 

「怒ったぶーん!!」

 

 

ジャックと大蛇の子供のようなけんかが始まった。

 

ジャックがハンマーで大蛇の腹を叩き。

 

大蛇がジャックを体当たりで吹っ飛ばす。

 

「痛いじゃないかぶーん!」

 

「それはこっちの台詞だ!この蛇!」

 

「蛇と呼ぶなぶーん!僕はいちおう蛇神なんだぶーん!!」

 

 

 

途中で大蛇の体当たりが止まる。

 

 

「あ」

 

 

「?」

 

 

「治ってる…」

 

 

 

 

 

大蛇が謝る。

 

「すまなかったぶーん。腹の痛みで巻き添えにしてしまったぶーん…」

 

「なんだ、ただ腹にこの…硬い葉っぱが刺さってただけだったんだね。」

 

 

「僕はナーガっていうんだぶーん。この世界の蛇神とは僕のことだぶーん。」

 

「僕はジャックだよ。旅人だよ!」

 

「『タビビト』…君は平凡世界から来たのかぶーん!」

 

「『平凡世界』?」

 

ルーフスが聞いた説明をジャックにする。

 

「そうなんだ…僕は今、異世界にいるのか…

でも、その王様は異世界にこの国を転移させるのに成功させたんでしょ?

なんでこんなに、人がいないの?」

 

 

ナーガは悲しい表情をした。

 

 

~~~~ルーフスの冒険~~~~

 

ロリエが続ける。

 

「王様は国をこの世界に転移させることに成功した。

それから人々は昔の平和な生活を取り戻したんだ。

…でも王様は城を固く閉ざしてしまった。

少し前まで王様はいつも元気で、毎日外に出て国民達に挨拶をしていたのに…

 

ついに国民達は心配して、城の前で声をかけ始めた。」

 

 

 

 

 

「…そのときだったんだ。

城からとてつもなく大きな魔力の波が拡がった。

その波に触れた人間達は全て植物に変わっていった。

やがてその魔力は世界を包み、世界の有する時間も止まってしまった。

動物と僕達、師匠のような強力な守る魔術を知っていた者だけが残ったんだ。…

これが、人間がいない理由だよ。」

 

 

~~~~ジャックの冒険~~~~

 

ナーガが続ける。

 

「…植物にされた国民達も悲しいだろうけど、

僕が思うに国民を大切に思っていた王様が誰よりも悲しんでいると思うぶん…」

 

~~~~ルーフスの冒険~~~~

 

「…そうだったのか…」

 

「…実は王様が生きているかどうかも、僕達には分からないんだ。

城からは普通の人間には感じない強い魔力が出ているんだけど、王様自身の魔力かどうかは分からない…

僕達も、城へ行って確かめたいんだよ。

…でもその強い魔力が僕達を拒んで近づけないんだ。」

 

「…じゃあさ。」

 

ルーフスが笑って言う。

 

「俺が確かめてくるよ!」

 

3人は驚く。

 

「行っては駄目だ!君だってどうなるか、分からないよ!」

 

「でも、誰が他に行くんだ?」

 

「えっと…」

 

「ロリエ、行かせてあげよう。」

 

「シナモ…」

 

「彼の言っている事もその通りだ。誰かが往かないと解らずじまいさ。」

 

「僕も賛成だ。」

 

「サフラ…」

 

ロリエは考える。

 

 

「…分かった。ルーフスさん。ご無事を祈ります。」

 

「ああ、行ってくる!!」

 

ルーフスは高くそびえたつ城へ駆けていった。

 

 

~~~~チェリーの冒険~~~~

 

青と緑の草の上をリスとウサギが跳ね回っている。

 

歩くチェリーの周りをウサギ達がついてきている。

 

「あはは♪あはは♪うさぎさん♪こっちこっち♪」

 

ウサギはぴょこぴょことついていく。

 

「かわいい子~!!」

 

 

なんて素敵な所なのかしら~♪

 

もしかして私…死んでて天国にいるのかも~♪

 

でもこれなら悔いは無いわ~♪

 

 

 

 

シュゥゥウウウ…

 

 

 

目の前には黒く焼けたバイオーム。

 

地面から煙が出ている。

 

 

(ここって…!まさか地獄…!?)

 

チェリーは口を広く開ける。

 

 

 

チェリーは二つの風景の境を見る。

 

(な…なんでこんな夢のある場所からいきなり地獄みたいな場所に…)

 

 

チェリーは気になって黒い土を踏み歩いていく。

 

 

「なんて暑いの…!」

 

チェリーはメイド服の襟をぱたぱたさせる。

 

 

 

歩いていくと円形の巨大な何かがあった。

 

大きな切れ目がある。

 

 

 

「…?…何かしら…」

 

 

グゥゥゥゥゥウウウウ…

 

 

「え?…何?何?」

 

 

円形の何かの中から聞こえる…!

 

 

『グルオオオオオオ!!』

 

中から3つ首の竜が現われた。

 

「竜!?」

 

左の頭が話す。

 

「おいおい!2番目!獲物見つけたな!見つけたな!見つけたんだな!」

 

中央の頭が話す。

 

「ああ、分かっている…分かっているから黙れ。」

 

右の頭があくびをして言う。

 

「早くしとめて、ディナーにしようぜ…」

 

 

チェリーが厳しい顔をする。

 

チェリーが日本刀を取り出した。

 

「…戦うしかないようね!」

 

 

~~~~ステーラの冒険~~~~

「ガウガウ!ガウガー!」

(訳:へえ、おまえ彼女いたの!)

 

「ワオ!ワンワン!!…クゥ…バウ!ワウ!」

(訳:ああ、そうだよ。…でも僕は旅があったから…)

 

「ワオーン!ガウガウ!ガオ!!ガウ!!」

(訳:クーーー!!いいないいな!俺もそんな出会いないかな!)

 

「ガウ、ガウガウ、ガウガウガー」

(訳:お前はまずそのどてっ腹をどうにかしようぜ。)

 

「ガウガウ、ガウガウ。ガウガウガウ。」

(訳:そういえばお前のいってたあのコ。あのガーブとくっついたらしいぜ。)

 

「グル!ガウガウ!グルルルルルガウガウ!!」

(訳:何!?許せんガーブ…噛み付いてやらあ!)

 

「ワオーン!ガウガウ!!ガウガウ!」

(訳:あっはっはっは!やめとけよ、お前じゃ無理だ。)

 

 

…なにか…すごく打ち解けていた。

 

ガサガサ…

 

暗い森をルーフスが横切る。

 

「…お!ステーラ…ってうわ!」

 

ルーフスが驚く。

 

 

ステーラが遠吠えをした。

 

「ワオーーーーーン!」

 

続けて5匹も遠吠えをする。

 

   「ワオーーーーーン!」

      「ワオーーーーーン!」

         「ワオーーーーーン!」

            「ワオーーーーーン!」

               「ワオーーーーーン!」

 

「…なんで打ち解けてんだよ…」

 

 

「でもちょうどいい。お前達、ちょっとジャックとチェリーを探してきてくれ。

で、池の前に集合するように誘導してくれないか?

俺は今からちょっとあの城に行ってくる。」

 

「ワン!」「「「「「ガウ!」」」」」

 

 

「よし、頼んだぞ!」

 

ルーフスは走っていった…

 

 

 

「ガウガウ…ガウガウ…」

(訳:王様か…今どうしているのかな…)

 

「クゥン?」

 

 

~~~~チェリーの冒険~~~~

左の頭が言う。

「はーっはっは!ようこそ俺達の巣へぇ!!」

 

中央の頭が言う。

「そしてどうぞいらっしゃい俺達、ヒドラの腹の中へ。」

 

右の頭が言う。

「2番目…そんなにうまくねぇよぉ…それより早く食べちゃおうぜ…」

 

 

中央の頭が言った。

「では、まずは軽く火通しといこうか…」

 

中央の頭から火炎放射が放たれた。

 

 

ボォォオオ!!

 

 

チェリーは慌てて避ける…!

 

 

チェリーの袖が燃えた。

 

 

「熱ッ…!!」

 

 

チェリーは腕に点いた炎をバケツの水で消した。

 

チェリーの右腕の袖はほとんどがこげてなくなっていた。

 

「強い…!」

 

 

 

左の頭から火の玉が出た。

 

 

 

ボォオオン!!

 

火の玉はチェリーのすぐ左で爆発する。

 

 

チェリーは走り、高く飛び、中央の頭に刀を振りかぶる。

 

 

「1番目!」

 

 

「あいよ!」

 

左の頭が一瞬縮むのが尻目に見えた。

 

 

 

次の瞬間、チェリーは歯に押しつぶされる。

 

 

「かはっ…」

 

チェリーは血を吐く。

 

 

 

 

中央と右の頭が笑う。

 

「いいぞ1番目!」

 

「あーでもそのまま食うんじゃねえぞー。俺達の口にも分けろよ…」

 

 

 

 

チェリーは地面に落とされる。

 

 

 

 

…もう…駄目…

 

 

ルーフスさん…

 

 

 

ジャックくん…

 

 

 

チェリーの視界は閉じていった―――

     

 


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