Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
少年は牧場を作っている最中であった。
近くの草原から茶色や灰色、白の毛の羊、
白と黒のマーブル模様の牛や鶏を、小麦を手につれてきていた。
「ほらほらこっちこっち・・・ライモン、
お前こう観てると羊を追いかける犬みたいだな。」
「だぁから俺は犬じゃねぇ、鋭い牙持つ狼だっつーの!」
「犬」は力強くほえながら、牙を見せつけた。
「つい間違っちゃうんだよなぁ・・・まあいいか!」
「よくねぇ「じゃ、また第二軍つれてくるから!」
・・・ってかさえぎるんじゃねーよ!」
少年は草原へ走っていった・・・ッ!
と思った瞬間、興奮しながらこっちへ戻ってきた。
「おい!こっち来てみろよ!」
「おい、どうしたんだよ・・・」
少年が指差す。
そこにあったのは家であった。
もちろん少年が建てたのではないし、何軒も立ち並んでいたのだ。
「人も住んでいるみたいだぞ・・・」
「こいつは驚いた・・・まさかこんな大草原の中にポツンと・・・」
近づくとやっぱり村のようだった。
するとそこに、しゃがれた老人の声がきこえてきた。
「ようこそ旅人のお方様。」
「あ・・・どうも・・・」
「ワン!」
ライモンは驚かせてはいけないと狼のふりをしているらしい。
「みなさん、旅人のお方様がいらっしゃいましたよ!」
家の中からはたくさんの人が出てくる。
肉屋も、神官も、子供たちも・・・
「「「ようこそ!ストート村へ!」」」
「わー!ワンコだぁー!」
「すっげー!はじめてみた!」
「ほらパン、いる?」
(早く行ってくんねーかな・・・)
ライモンは子供に囲まれていた。
「お手!お手!」
「ちんちん!ちんちん!」
「ブレイクダンス!」
(おい!いくらなんでもブレイクダンスはできねぇだろ!)
「はやくやってよー!」
「ねえねえ!」
「ワンコー!」
(・・・ああもう!)
「俺はワンコ・・・モガッ!」
少年は犬の口を押さえた。
「あれ・・・?ワンコしゃべったー?」
少年はごまかした。
「お・・・俺はワンコが好きなんだー♪」
子供たちは首をかしげた。
「・・・へんなお兄ちゃん!」
「旅人のお方様!休憩の準備が整いましたぞ!」
「あ、じゃぁお言葉に甘えて・・・」
「モガガ!モガッ!」
「ストート村?」
「その名前は私が名づけたものです。この村は
ゾンビの来襲、雨風に何度も耐え抜きながら発展した村なのです。」
「なるほど・・・」
ここは鍛冶屋のバルコニー。少年と狼はくつろいでいた。
ライモンは犬のえさをがつがつ頬張っている・・・ふりをしているのだろうか?
ゴトッ・・・ゴトッ・・・ゴトッ・・・
「!?この鈍い音は!?」
ドアが勢いよく開いた。
「敵襲だ!狼、いけぇ!」
「ワワワワン!」
「待ってください!それはこの村の守護者なんです!」
「・・・守護者!?」
これは50年も昔の出来事・・・
村長はその頃10歳という村の子供であった。
そして、誰ともなじめない、臆病な子供でもあった。
しかし、それと同時に、器用な手も持っていった。
そのため、いつも一人、さびしく花を摘み、花で輪を作ったりしていたのだ。
そんなある日。村の採掘者が崖を掘っていた時・・・
「こ・・・これは・・・!鉄の人形!?」
巨大な鉄の人形。このニュースは村中に広まった。
それからまたある日、臆病な子供は母親からキノコを採ってくるようにと
命じられた。
「あかキノコかぁ・・・どこにあったかなぁ・・・」
少年が考えながら歩いていると、そこには採掘者の掘った洞窟があった。
「てつのおにんぎょうさんってどんなのかなぁ・・・?」
少年は洞窟へと歩を進めていった。
その背後からの赤い視線に気づかないまま・・・