Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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番外編7:恐怖の館

 

 

 

ザーーー……

 

 

ゴローン!!

 

 

 

ピシャァン!!

 

天気は嵐。

 

 

「クゥン!」

 

「きゃぁ!…すごい雷!」

 

「あんちゃん…今日すごく寒いよ!」

 

「くっそ…こんな草原の中心で雨に会うなんてな…

 

…お!」

 

みると松の林の中に黒い屋根が飛び出して見えた。

 

 

「あっちになんか家あるぞ家!」

 

「泊めさせてもらいましょう!ルーフスさん!」

 

「行こう!あんちゃん!」

 

「そうだな…」

 

「ワオン!」

 

 

ルーフス達は屋根の見えるほうに走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

目の前には黒くて大きい洋館。

 

とっても不気味なオーラが漂っている。

 

 

 

「うそ……」

 

チェリーの瞳孔が白く染まっている。

 

その目からだらだらと涙が垂れていた。

 

 

「チェリーさん!しっかり!」

 

「でもこのままじゃ風邪引いちまうぜ。覚悟決めるんだ!チェリー!」

 

「ひぃん!ルーフスさんのバカぁ!!」」

 

「大丈夫だって!お前の剣術ありゃ幽霊も逃げるって!」

 

チェリーはルーフスに引きずられながら入っていった。

 

ステーラとジャックも後に続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

中はきらびやかにカーペットが敷かれ、豪華なシャンデリアまで点いている。

 

「な?家は見かけによらねぇだろ?」

 

チェリーはほっとした。

 

 

「誰も住んでいないのかな?」

 

「でも電気が点いているってことは誰かいるだろ?」

 

「あ!あの!」

 

 

チェリーは二階に見えた男に尋ねた。

 

「私達、旅の者なんですけど、道中に雨に降られてしまって…」

 

「おお、そうか。じゃあ…1、2、3…、よし、こっちの3部屋が空いてるぜ。」

 

「ありがとうございます!」

 

チェリーは2階へ登っていく。

 

「おじゃまします。」

 

他も後に続いた。

 

チェリーが最後の段を上って男を見ると、視線が下に集中する。

 

チェリーがピタッと止まる。

 

 

「ん?チェリー、どうした?」

 

「ああ…ああ!…あああ!!」

 

チェリーが震えて声を出す。

 

ジャックが前を覗く。

 

「前に何かあるの…!!!!!!!!!!」

 

 

ルーフス達は一階から、男の上半身しか見えていなかった。

 

しかし…その男の下半身が…

 

 

 

 

 

蜘蛛であった―――!!

 

 

 

 

「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

ステーラにいたっては放心中。

 

ルーフス達はステーラを引っ張って男の案内する方向とは逆の廊下を走って行った。

 

 

「あららら…そっちは我々の部屋なのに…」

 

 

 

 

「やっぱりお化け屋敷じゃないですかーー!やだぁぁ!!!」

 

チェリーが号泣する。

 

「だってあんなに普通に案内されちゃ誰だってついていくだろー!?」

 

「今日僕夢で見ちゃいそうだよー!!」

 

「…」

 

 

「おやおや、雨に降られたんですか、びしょぬれじゃないですか。」

 

 

前には足が見えた。

 

視線を上げると…

 

 

 

顔が鶏であった…

 

 

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「もうやだ…」

 

「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「…」

 

 

ルーフス達は右へ曲がる。

 

 

「まあ、早く着替えたほうが…」

 

と言っているのは体から下が骨の夫人。

 

                 「君達。廊下は静かに歩きなさ…」

 

 と言っているのは頭が豚で腕が腐っている男。

 

「兄ちゃん達、リンゴ食べる?」

 

と言っているのは体から下が鶏の子供。

 

 

「いやああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「クッキーが一枚♪お花が一輪♪」

 

「おわああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「…」

 

チェリーはもはや諦めたようだ。(何かを)

 

 

 

「チェリー!気をしっかりもてぇ!」

 

「もうどうにでもならないじゃないですか!もうやだぁ!」

 

「なんだよ~!ここはぁあああ!!」

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは2階のとある広い部屋。

 

一人の黒髪ボブショートの女性が人の顔を縫っている。

 

こちらは茶髪のぼさぼさで黒いマント、瓶底めがねの男が狂ったように何かを作っている。

 

台にはイカ足にクリーパーの体、豚の頭。

 

「ひひひひ…亡者の血と魂、それに移す体があれば…はははは!

奇怪な生物などいくらでも作ることが出来る!

楽し~な!ったら楽しいなー!」

 

「正直趣味悪いよー。ネクロー。」

 

ネクロは驚いて言う。

 

「君もだよ!?ビアンカ!?なんで人なの!?普通テディベアとかでしょ!?」

 

一度落ち着いてネクロは言った。

 

「まあ君がいてこそ、この悪趣味がはかどるってもんだ。サンキューよ。」

 

「はいはーい。」

 

 

ドーン!

 

ガラガシャン!!

 

 

丸石で閉ざされた部屋が壊され、ネクロの前を3人と1匹が通り過ぎる。

 

 

 

「ごめんなさ~い!…」

 

 

ネクロは目を丸くしてそれを見つめていた。

 

子供と目が合った。

 

ビアンカはそのまま縫い続けている。

 

 

「なんだったんだ、一体…さてと、続きを…あれ。」

 

拾い集めたパーツにはイカ足が足りなかった。

 

 

 

 

 

 

「あんちゃん、」

 

「なんだ!ジャックどうした!」

 

走りながらルーフスが喋る。

 

 

「さっき普通の人いなかった?」

 

「さあな!とりあえず一階に続く階段見つけて逃げるぞ!」

 

「さんせいで~す…」

 

「…」

 

チェリーはもう泣きつかれたようだ。

 

 

 

「ところでチェリーさん、」

 

「え?」

 

 

 

 

「その手に掴んでるの、何?」

 

 

チェリーは左手を見る。

 

 

イカ足がうにょうにょと動いていた。

 

 

 

「きゃああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

チェリーの速度が一気に上がる。

 

 

「あ、おい!待てチェリー!!」

 

「チェリーさぁん!!」

 

「…」

 

投げられたイカ足は地面でもがいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか。

 

 

 

3人と1匹、外へ出ることが出来た。

 

気づくうちに外は晴天。

 

「はあ…怖かった…」

 

「まあいいじゃねぇか。旅にはこれくらいの刺激もなくちゃな!」

 

「…まあ、そうだね、あんちゃん…」

 

「…ワオ!?」

 

ステーラがやっと起きた。

 

ステーラが草露を飛ばしながら走りまわる。

 

晴天だったことに大喜びのようだ。

 

 

「よし、行くか!」

 

「うん!」「はい!」「ワオン!」

 

 

 

いきなり2階の部屋の全部の窓が開く。

 

「「「「「「「「まったきってね~!!」」」」」」」」

 

ルーフス達は微笑む…

 

 

 

 

そして一気に吐き出した。

 

「「「二度と来るかぁ!!!」」」

 

「ワオーン!!」

 

その怒声は林中に響いたのだった…


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