Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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6:クールスナイパー

「資源はだいたいそろった。次は食糧を簡単に手に入れるようにするぞ!」

「どゆこと?」

「・・・農耕だ!」

「・・・の、のうこう!?・・・なにが濃いの?」

「そっちの濃厚じゃない、農耕だ!」

 

 

「えぇ~?農耕ってあの無精ひげと麦藁帽のおじさんが

『今年はキャベツがよくとれる年だっぺ!』

『んだ、んだ、んだす!』

とかやってるあれでしょ!なんか格好悪いよ・・・」

※Minecraftにキャベツはありません

 

「えっと・・・とりあえず田舎の人たちに謝れ。そして農耕は以外に楽しいぞ!

・・・さあさあ、百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず。やってみるぞ!」

 

「おー・・・」

 

はじめは気に乗らなかった少年も、日がたっていくうちに農業の

面白さにのめりこんでいった。

 

水をやり、骨粉をまき、収穫し・・・

 

 

 

10日がたったある日・・・

 

「あはははははは!あはははははは!農業っていいねー!」

「そうだなー!俺たちのおかげでこの世界が救われているって感じだなー!」

「「 あははははははははははは! 」」

 

 

 

 

 

ビュッ!    バスッ!

「あぁん!!」

ライモンは[お察しください]のような叫び声で叫んだ。

 

「どうした!?セクスィーな声でさけんで!?」

「俺のケツ♂に・・・」

「!!・・・これは・・・スケルトンの矢だ!」

 

「やっと見つけたよ~君が隣の洞窟を制覇した勇者かい?」

やや皮肉そうな口調で近づいてきたのは一匹のスケルトンだった。

 

 

「農業ごくろう!いい小麦じゃないか~おいしいパンが焼けそうだ~

でも自分の仲間の粉を使って育てるなんて、許せなく思うな~」

「「ごめんなさい。」」

 

「いいっていいって!Don't worry!自然の摂理だからね~」

 

 

 

 

「でも、僕が君と勝負して、勝ったらその小麦を全て僕が貰うよ~」

ライモンはワン、ワンとほえながら、

「ほほう・・・いい度胸じゃねぇか・・・うちの相棒をなめるなよ!」

「ぼくが思うに、君のほうがその子の相棒だと思うな~・・・飼う方向性で。」

「ムキキーーー!こいつむかつく!おい!やっちまえ!」

「ま、まじで!?俺、絶対無理だよ~!!」

「大丈夫だ、」

 

 

 

「俺はおまえを信じてる。」

 

 

 

少年はハッとした。

ライモンはあっちから俺のことを「相棒」と呼んでくれた・・・

俺は信頼されている、信じられているんだ!

 

「・・・よし!」少年はソードを構えた。

「やるのかい?君はソードで戦うんだねぇ・・・ただし」

スケルトンは鋭い目を見せた。

「・・・手加減はないからねぇ!」

ビュビュビュビュ!!

次々と矢が少年に向かってくる。

「ぐっ!!」

少年は肩に2本矢を受けた。

「ハハハハ!それで終わるなんて、つまらないね~

よくそんなんで冒険家になろうと思ったねぇ!」

 

 

「ここで終わる?」

ザザザザッ!

「おおっあれは・・・!」

「何!?2本の矢を受けてあんなに走れるはずはない!倒れるぞ!」

 

ザクッ!シャッ!

「ぐっ!」

スケルトンの体は後ろに飛ばされた。そして倒れた。

それと同時に、少年も倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまえもThe Endにいったのか!?」

ライモンは驚きの声をあげる。

「・・・ああ、俺は昔、村では名高い、弓の名手だったんだ・・・

異名もつくほどだった。狙ったものは逃さない、『蜜蜂のジョー』ってな。」

「でもさぁ、なんでスケルトンと仲良くしてんだよ。」

「自然の摂理、だ。廃坑のなかではモンスターに従うしかない体だ。」

スケルトンは涙をこぼした。

「・・・自分の冒険家という信念を馬鹿にしてもな・・・!」

 

犬もつられて涙が出た。

 

信念を捻じ曲げられたものたちは泣く。

 

少年はいい言葉が見つからず、黙り込むだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、スケルトンは廃坑に帰っていった。

ライモンももう涙を流していない。

帰り際のジョーの言葉が聞こえてくる。

 

「よし・・・充分ないた。・・・今日はありがとよ!」

「・・・ああ、いいんだ。俺も話し合える仲間と出会えて嬉しい。」

ライモンは涙を拭いた。

「君も本当にありがとう。俺を倒してくれた。こんな奴は初めてだ!」

「ああ、もうお別れだね。」

「俺は口下手でね・・・自分の気持ちが言えないんだ・・・最後は嘘で別れよう・・・」

 

 

「もう絶対!絶対こねぇからな!」

 

「ああくんな!絶対何回もくるな!」

 

ジョーは愛情のたくさんこもった嘘で別れた。

 

「お前らなんて!大嫌いだぁあああ!」

 

少年とライモンはこれに答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「俺もだぁああ!」」

 


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