Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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今回の話には、未成年の飲酒の描写が書かれています。
この小説は、あくまで法律を持たない、一旅人達の自由な旅路を描いています。
現実では未成年の飲酒は法律で禁止されています。

お酒は二十歳(はたち)になってから!!



番外編4:Tropical Heat!!

 

セコイアの森が遠くなっていく。

 

ルーフス達はツンドラを寒そうに歩いていた。

 

「うぅぅぅぅぅ…さぶ…」

 

「ここここんなことになるなら布団を作っていればよかったですね…」

 

「さささささすがのぼぼぼくでも寒すぎるよ…」

 

雪原に住んでいたジャックさえも凍えている。

 

いつもは元気よく吠えているステーラも無口だ。

 

 

 

 

 

 

「Welcome!南国へ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「…??????」」」

 

3人は場所の通り凍えるような目で目の前の男を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前には厚く服を着た、サングラスの黒人男性。

 

なんともミスマッチだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男は冷たい視線も気にせず挨拶する。

 

「Meはミラーボ。南国の管理人Sa!!」

 

 

ルーフスは言っている意味も分からず答える。

 

「えっと、俺はルーフス、ジャック、チェリー、狼のステーラだ。」

 

「…よろしく。」

 

「…お願いします。」

 

「………」

 

 

 

 

チェリーは呆れるように言う。

 

「えっと…もっと服を着たほうがよろしいのでは?」

 

「そうだよ。あんた。寒さで頭がどうかしちゃったのか?」

 

「温かい飲み物でも飲んだら?」

 

 

 

 

「Ha,Ha,Ha!!You達、言葉がきついねぇ。

 

これを見てくれYo!」

 

 

 

男の後ろには…温泉だ!!

 

 

 

「あ、ありがてぇ!!」

 

「え…入っていいんですか!?」

 

「ラッキー!!」

 

「ワン!!」

 

サングラスの男はキレのいいダンスを踊りながら話す。

 

「OK、OK!、このTropical Jacuzzi(トロピカル・ジャグジー)に入れば、

 

一瞬のうちにYou達は南国に飛ばされるのSa!」

 

「HaHaHa…全く、Youは冗談きついねぇ!」

 

ルーフスはすっかり口調が映っている。

 

 

「What? MeはJokeは言ってないYo!」

 

ルーフスは服を着たままジャグジーに飛び込む。

 

ジャボーン!!

 

「おお!!温けぇ!!」

 

「僕も!」「ワン!!」

 

ドボーン!! ジャボン!

 

チェリーは迷いながら、寒さに負けて飛び込んだ。

 

ドバーン!

 

 

 

「あ~温かいです~♪」

 

「泡が気持ちいい~♪」

 

「いい湯だ~♪」

 

「わお~ん♪」

 

「おうっと、もうすぐだYo!!」

 

ルーフス達はジャグジーの気持ちよさにへろへろになっている。

 

「なにがだYo~…」

 

「くぅ~…」

 

「ふぅ~…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サァァァ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日差しが強い。

 

 

 

 

 

 

 

 

心地よい風が吹いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

「日差しぃ!?」

 

「そよ風ぇ!?」

 

 

ルーフスとジャックが目覚める。

 

そこには砂浜にやしの木がいくつも生えている光景。

 

「むにゃむにゃ…ピナコラーダおいしいよぉ…」

 

チェリーは南国の夢を見ているらしい。

 

 

「おい、チェリー、おい!」

 

「むにゃ…!!!!!???」

 

 

 

 

「あれ!?まだ私、夢見てる!?」

 

「夢じゃねぇよ、現実だよ!これは!」

 

「Boyの言うとおりだZe、Girl!!」

 

 

 

ジャグジーの底から、アロハスタイルに衣装をチェンジした

 

ミラーボが出てきた。

 

 

 

「ここはMeが発見した南国の世界なのSa!」

 

「元の世界には戻れるんですよね?」

 

ジャックが冷静な質問を投げかける。

 

「もちろんSa!あのColdな雪も忘れてこの一瞬を心ゆくまで

 

楽しんでいってくれYo!!」

 

「「「Yeah!!」」」

 

「ワオーン!!」

 

3人と1匹はノリノリになる。

 

 

「まずはこれを飲むといいYo!!」

 

「ピナコラーダですね!」

 

「ピナコラーダ?寝言でも聞いたけどなんだ?」

 

「え!?寝言言ってました!?」

 

 

チェリーは咳払いをして答える。

 

「ピナコラーダとは、パイナップルとココナッツミルクを加えた、

 

カクテルですよ!」

 

「へぇそうなのかー!」

 

「さすがチェリーさんだなぁ!!」

 

 

 

 

3人は竹のマグカップを受け取る。

 

 

 

 

ゴクゴクゴク…

 

 

 

 

ほわぁ~…

 

 

 

「くぅ~!!うめぇ!!」

 

「この味!この味ですぅ~!!」

 

「甘くてうまいなぁ!!」

 

「Ha,Ha,Ha!!そのVeryGoodな気分で、もっと楽しんでいってくれYo!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チェリーは水着に着替え、ビーチチェアでのんびり日光浴をしていた。

 

 

 

サングラスから、海で遊ぶルーフス達を見ていた。

 

 

 

 

 

「本当に、いい気分…」

 

 

 

 

ルーフス達も短パン一丁の水着姿だ。

 

 

ミラーボから借りた水鉄砲で撃ち合っている。

 

「それ!!」

 

 

「うわ!!」

 

 

ジャックの腰に水が当たる。

 

 

「ははは!また俺の勝ちだな!…」

 

 

 

ビーチの方を見ると、ビキニ姿のチェリーが椅子に座っている。

 

 

 

 

ルーフスがボーっとする。

 

 

 

顔が赤くなる。

 

 

 

 

ビシャァー!!

 

 

 

「ぐほぁ!!」

 

 

 

 

 

ルーフスは頭から浅い海に倒れる。

 

 

 

バシャーン!!

 

 

 

 

 

「いっぽーん!!」

 

ジャックがガッツポーズを取る。

 

 

 

 

ルーフスは笑って仕返しをする。

 

「やったな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「キキ!!」

 

「クゥン?」

 

 

ステーラに一匹の猿が話しかける。

 

「キィ!キィ、キィ!!」

 

おどけた踊りで挑発する。

 

 

 

カチン!

 

 

「ウ~バウワウ!!」

 

「キィ?キキキィ!!」

 

 

ボコスカボコスカ。

 

まさしく犬猿の仲だ。

 

 

 

 

 

 

 

3人と1匹は夕日を眺める。

 

 

「…もう夕方だね、あんちゃん、チェリーさん、ステーラ。」

 

「…もう終わっちまったか…」

 

「ツンドラに戻るのが心惜しいです…」

 

「クゥン…」

 

ミラーボが楽しげに声をかける。

 

「Hey,You!!何を言っているんだい?夜がまだあるじゃねぇかYo!!」

 

 

 

 

 

 

夕飯は砂浜でバーベキューだ。

 

 

「…おい、ミラーボ、明かりつけとかなきゃやべぇんじゃ…」

 

「Never Mind!ルーフス!スゥ…」

 

ミラーボが息を大きく吸う。

 

 

 

 

「カロロロロロロロ!!」

 

「!?」「どうしたの!?」

 

「何しているのですか?」

 

「クゥン?」

 

「カロン…」「カロン…」

 

 

 

見ると腰に美濃をつけたスケルトンがうじゃうじゃ出てきた。

 

 

「ガルルルルルル…」

 

「やべ!スケルトンだ!」

 

「No,No.」

 

ミラーボはサウンドブロックを様々なブロックの上に置く。

 

 

 

「Let's Dancing!!」

 

 

ドンッタドドンッタッドドンッドタッ♪

 

 

 

スケルトンは踊りだす。

 

 

「おお!いいな!」

 

「僕も踊るぞー!!」

 

「楽しい夜になりそうですね!!」

 

「ワンワン!!」

 

 

ドォオン…

 

 

 

 

今、南国の世界で火山が噴火した。

 

 

 

まるでにぎやかな客人をさらにもてなすかのように。

 

 

 

それはまさに一瞬の思い出。

 

 

 

しかしそれは、ルーフス達の心の中に、

深く、確実に刻まれる思い出であった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

南国の朝。

 

 

セミの鳴く中、ルーフスはジャグジーの前にいた。

 

 

「ありがとう、ミラーボ。本当に楽しい1日だったよ。」

 

「お礼を言いたいのはこっちもSa!!楽しく遊んでくれて、VeryThanksだYo!!

 

もし良かったら、Meの生まれた街にも行ってみてくれYo!!」

 

「キキキッ!!」

 

ミラーボの頭の上から笑った猿が出てくる。

 

 

 

カチン!

 

 

 

ステーラは猿を追っかけまわしはじめる。

 

「分かった。確か…『ディスコ・マウンテン』とかいう場所だったな!」

 

「「ありがとうございました!!」」

 

 

 

 

猿がいきなり止まる。

 

 

ステーラは首を傾げる。

 

 

猿はステーラを抱く。

 

 

背中に回した手をポンポン、と叩く。

 

 

そして腕をほどいて笑った。

 

 

 

 

ステーラも笑って返す。

 

「…ワン!!」

 

 

 

 

 

「それじゃ、See You Next Time!!Yoooo!!」

 

「さようなら!!」「また会う日まで!!」

 

「またピナコラーダ、作ってくれよなぁ!」

 

「OK!、OK!」

 

「ワン!!」

 

 

 

 

 

ルーフス達はジャグジーから消えていった。

 

 

「Thanks,Very Good Time...」

 

ミラーボは小さくお礼を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――番外編 4:終―――――――

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

ガチガチガチガチガチガチガチガチ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人と1匹は声を揃えて言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「…さむ!!!!!!!」」」

 

 

「ワオン!!」

 


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