Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
少年がライモンと出会ってから3日・・・
「で、できたぁ・・・!」
すでに自宅が完成していたのだった。
「うむ・・・なかなかの出来だ。豆腐ハウスじゃないし。」
「作るって楽しいな!」
「ああ・・・俺もこの体になる前までいろいろ作ってきたな・・・」
少年と狼はずっと家を見つめていた。
「・・・ところで次はどうすればいいかな?」
「お前本当に何も知らないんだな・・・」
「だって入門書までなくなってたんだぜ?」
「まあ・・・次にするとすれば洞窟探索だな、まずは木炭をもっとつくらなきゃな。」
「松明は必要だしね。」
少年は森でたくさんの木を刈り取り、焼いて、松明を3スタックほど用意した。
「あそこに洞窟があるぞ。行ってみよう!」
「ちょっと待った。お前・・・」
「剣・・・持ってるか?」
「剣?」
「お前素手で戦おうとしてたの!?馬鹿なの!?」
「俺のパンチはピストルのように・・・」
「某大海賊時代をモチーフにしたコミックの序盤の主人公の真似しなくていいから!」
「いいか、洞窟は暗いだけじゃない、モンスターがうじゃうじゃいるんだ。
だからこそ万全の準備で行かなければ鉱石なんて絶対に取れないぞ。」
「へえ・・・てことは・・・食料も必要ってことか!」
「お前ってやつぁ・・・」
ライモンはため息をついた。
「いざ!リベンジ!」
「いやお前さっき洞窟の前しか来なかっただろう。」
「よし・・・入るぞ!」
少年と狼は奥へと進んでいった。
松明をおきながら進んでいくこと半日。
集まった鉱石は鉄と石炭のみ。
「なかなか見つからないな・・・」
「この洞窟はもしやはずれだったのか?」
「!?なんかくるぞ!?」
カラン・・・コロン・・・
「この足音は・・・スケルトンだ!」
スケルトン。
遠距離まで攻撃の出来る弓矢を持っている。
その命中率はほぼ90%といっても過言ではないだろう。
「くそ・・・こいつが出てくるとは・・・」
「どうする?」
「・・・とりあえず剣で攻撃だ!」
「うぉぉぉおおおお!」
カラン!・・・カラッ!
ビュッ!
「ぐほ!」
「大丈夫か?」
「・・・大丈夫だ、問題ない。」
某ゲームの真似をしながら少年は2回、モンスターに剣を振り下ろした。
カラッ・・・!
「やった!倒した!」
「おお!骨骨!」
ライモンは骨にかぶりついた。
「お前・・・ほんと犬だな・・・」
「しょ・・・しょうがねぇだろ!本能的に動いちゃうんだよ!」
その後。
奥地からは数々の種類の鉱石。
ラピスラズリ、レッドストーン、金・・・
ダイヤも6つ、見つかった。
モンスターも次々と倒し、
黒曜石も手に入れた。
洞窟はまだ続いていたが、少年は洞窟を後にした。
ここはとある廃坑。
チェストの中をモンスター達が整理しながら、
雑談していた。
「おい、このごろ、新しい気候帯が地殻変動で出来たんだってさ。」
「へえ、どんな気候帯だい?」
「なにしろ天までそびえたつ樹が生えて、新種の生物も出始めたらしいぜ?」
「へえ・・・今度いってみようや。」
「ああ!・・・ところで、この廃坑の北にある洞窟、犬を連れた人間がほぼ制覇しちゃったらしいぜ」
「まじで!?あんな広い洞窟も明るく照らされちゃったのか・・・」
「あそこのモンスターがほとんど倒されたらしい・・・」
ガヤガヤ・・・ガヤガヤ・・・
その中で一人、黙り込んでいるスケルトン。
帽子を被っている。
「・・・ほう・・・人間か・・・懐かしい・・・」
そのスケルトンから独り言がこぼれた。