Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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作品の力抜きに、番外編を設けました。

さすがに説教ばかりでは読む気もなくしますね…(;_ _)

では、ゆるゆるの雑談をどうぞ。


番外編3:深夜のロングトーク

 

 

 

 

 

 

険しい山の山腹で、牛が群れている。

 

 

ルーフス達は花が寂しげに咲いた山を下りていた。

 

 

 

目の前に遠く広がるのは広大な草原。

 

 

 

豚や鳥、羊の鳴き声が麓から聞こえてくる。

 

 

 

 

「あんちゃん、もう夕方になっちゃったよ?」

 

 

 

「うー…ん…早く村を見つけないと野宿することになるぞ…」

 

 

 

「さすがにそれは怖いですね…」

 

 

 

「ワン!!ワン!!」

 

 

 

「…よし、ひとまず走るぞ。

 

みんな、置いてけぼりになるなよ!!」

 

 

「「おお!!」」

 

「ワン!!」

 

 

 

 

ルーフス達は麓から、草原へ向けて走って行った。

 

 

 

 

 

 

月が少し昇り、モンスターが出現する。

 

ルーフス達はあわてて見つけた村の小屋に避難した。

 

 

 

「ジャック!ドアをふさいでくれ!!」

 

「うん!」

 

ジャックは丸石を二つ、ドアの前に置いた。

 

 

嗅ぎつけたゾンビがドアを叩く。

 

 

三人は深呼吸をする。

 

 

 

 

「良かった…間一髪だ…」

 

 

「でもはっきり言って、僕たちって不法侵入だよね…」

 

 

「ん…ああ…そうだな、ははは…」

 

 

「朝になったら、この村の人たちに挨拶しましょうか。」

 

 

「そうだな。」 「ワオン!」

 

 

ルーフス達は窮屈な部屋にベッドを敷いた。

 

 

 

 

「さあて、寝るぞー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴォ―… カラン…コロン…

  ギシャシャ…

 ヴォ―… コロン… カランコロン…

ヴォ―… カラン… ヴォ―…

ギシュ!…    ヴォ―…

   ヴォ―…   ギシャシャ…

 

 

 

「「「うるせー!!!!」」」 「ガオゥ!!」

 

三人と一匹は一喝した。

 

 

 

 

 

 

「…と…いうわけで……」

 

 

 

 

 

「眠れないので。雑談でも、しましょー。」

 

「「イェーイ!!」」「ワン!!ワン!!」

 

 

「えーと…何かネタ無いか?」

 

「そういえば近年、ゾンビが少し賢くなったみたいだよ。」

 

「どういうことですか?」

 

 

「探検家から学んだのか、装備を付けるようになったり、

 

一人が傷ついたら集団で逆襲したり…」

 

 

「おえぇ?まじかよ…あの見かけたらスルーするぐらい弱いゾンビまで

 

強くなってるなぁ…」

 

 

 

窓の外のゾンビは膝に顔をうずめて落ち込んでいた。

 

 

「スケルトンもエンチャントの武器を使うようになったり、

 

遠くまで矢が届くようになったり。」

 

 

「…なんか知らないうちにすごいことになってるな…」

 

「それだけ手ごたえが生まれたっていう感じですね…へへへ」

 

 

 

 

 

「「チェリーさん!?」」

 

ルーフスとジャックは驚きを隠せなかった。

 

 

 

狼はおねだりした豚肉をおいしそうに食っていた。

 

 

 

「パンプキンパイが焼けましたよ!」

 

チェリーは4つのパンプキンパイを手渡す。

 

「うーん…いい香りだぁ…!…うまい!」

 

「うんめぇ!!…最高だ!!」

 

「良かった!…メディウス・ライブラリーの料理本から教わったんです。

 

また逢えたら、アルガちゃんとヴァイオレットと一緒に料理作ってみたいなぁ。」

 

「お?そん時は何を作るんだ?ゆでたまごか?ずんだもちか?楽しみだなー!!」

 

「もう、ルーフスさんたら、料理のことばっかりなんだから…」

 

 

深夜に笑い声が響く。

 

 

 

 

 

 

月は明かりのついた小屋を真上から照らしていた。

 

「ステーラ、お手!」

 

「ワオン?」

 

 

「ほら、『お手』って言ったらこうだよ、ステーラ。」

 

ジャックが狼の前足をルーフスの手の上に乗せた。

 

 

「ワン!」

 

 

「お手!」

 

「ワン!」

 

ポテッ。

 

「「「おおおおおおお!!」」」

 

「おかわり!」

 

ポテッ。

 

「かわいい~!!」

 

チェリーはハートの目になっている。

 

ルーフスは鶏肉をステーラにあげ、頭をなでる。

 

「お前賢いなー。」

 

「やっぱり、ペットって和むよねぇ…」

 

「ステーラァ!!あなたって最高よ!!」

 

 

鶏肉を口にくわえたままのステーラをチェリーが抱きしめた。

 

「ワン!ワン!」

 

狼は幸せそうに尻尾をふる。

 

 

 

「どこかにキノコしか生えないバイオームがあるらしいよ。」

 

ジャックは辞書を見ながら言う。

 

 

「「え…!?」」

 

 

 

「マジで!?そこに行けばキノコシチュー飲み放題じゃん…!」

 

「でもキノコしか生えないってなにか寂しいような…」

 

「ここに書いてあるには、巨大なキノコも生えてるらしい。」

 

「まあ、面白いですね。」

 

チェリーは笑う。

 

「行ってみてぇなぁ…ほかにもなんか珍しいバイオームはないのか?」

 

ルーフスは完全に目が冒険モードだ。

 

「えーと…どこかに巨大な花の生えるバイオームもあるらしいよ。」

 

「すげぇ!!行きてぇ!!」

 

「私も行ってみたいです!!」

 

ステーラはさすがに眠ってしまったようだ…

 

 

 

 

 

 

月がもうすぐ沈む。

 

 

 

気が付くとルーフス達は眠っていた。

 

 

 

時間が楽しくて、疲れてしまったのだ。

 

 

 

ルーフス達は仲良く地面に寝転がっていた。

 

 

 

「ふわぁぁ…」

 

ルーフスの欠伸でチェリーも起きる。

 

 

「眠ってしまいましたぁ…」

 

「やっぱねむらねぇと駄目だな…

 

楽しかったけどよ!」

 

ルーフスは笑顔で言った。

 

 

「私も楽しかったです!」

 

チェリーも笑顔で応える。

 

 

 

 

「…お…朝日が昇るぞ…」

 

 

 

 

 

 

朝日が窓から差し込む。

 

それはジャックと狼の上に落ち、目覚めさせた。

 

 

「もう朝かぁ…」

 

「クゥン…」

 

 

「よし、みんな起きたな、あいさつに行くぞ。」

 

「はい!」「うん!」「ワン!!」

 

 

 

ルーフス達の一日が、また始まろうとしていた。

 

 

 

 


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