Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
番外編が多い気がしますが、まあ食間のおやつのドーナツ
のような、軽い感じでお楽しみ頂ければと。
勿論、飛ばしてもらっても本編には全く問題ありません。
それではどうぞ。
少年達はタイガの山岳の壁に、石を採りに来ていたのだった。
その時、ジャックの目の前に、ちらちらと白い何かが降ってきた。
その白い何かは、止め処なく、降りしきる。
「雪だ!!」
「なるほど、今日はクリスマスでしたね!!とてもきれいです・・・」
「あ~うずうずするぞぉ~!!雪をみると~!!」
「ワン!!ワン!!ワン!!」
狼は雪を捕まえようとあちらこちらへとさまよっている。
少年は木をすり抜け、拠点へ戻っていく。
「ジャックくんは、確か雪国出身でしたよね?」
「うん、本当に長い間、冬には雪を見てたよ。
やっぱり、雪を見てると落ち着くなぁ・・・」
「ふるさとのものって、何か落ち着くものがありますよね・・・」
「やっぱり、おいらはまだ子供なんだな・・・」
「・・・?」
チェリーはジャックの言い出したことに疑問を抱いた。
ジャックとチェリーに、いきなり何かがぶつかる。
冷たい。
「きゃっ!」「うわ!」
「ハハハハハハ・・・!!」
見れば少年が雪を投げている。
「もう!ルーフスさんの頭の中には風情というものがないんですか!」
「このう!!村の雪合戦で一位になったおいらをなめるなよ!!」
ジャックは雪を集めて投げ返す。
「こっちだこっち!!」
少年も逃げる。
「待てー!!」
「・・・もう・・・」
チェリーは少し笑った。
そしてはしゃぐジャックを見てチェリーは考えていた。
さっきの言葉の意味だ。
もしかしてジャックくんは、プレゼントが欲しいのじゃないかしら・・・
無理も無いわ。まだ11歳ですもの・・・
・・・!そうだわ!
チェリーは手を一回叩いた。
「ふう・・・遊んだな~!!」
ジャックがリビングに寝転がる。
横では狼が眠っている。
「ジャックくん、疲れてるでしょう、部屋でゆっくり寝たらどうですか?」
「うん、そうするよ。ありがとう、チェリーさん。」
「俺も、そうしようかな!」
「あ・・・ちょっと!」
チェリーはルーフスが立ち上がったと同時に呼び止める。
「・・・ちょっと、手伝ってもらえませんか。」
ジャックは暗い自室で考えていた。
ついつい、クリスマスプレゼントを欲しがってしまう自分。
冒険に出た者として、こんな甘い考えでいていいのかな・・・
もっと、自分は大人になれるのかな。
まだ、自分は子供なんだ。
ふとドアの外を見た。
もう深夜だ。
なのに明かりが点いている。
「あれ・・・まだあんちゃん達寝てないのかな・・・」
ジャックは部屋から出て、一階へ降りた。
やっぱりまだ寝てないんだ。
ジャックはドアを開けた。
キィ・・・
「メリー!クリスマス!!」
「ワン!!」
そこに居たのは赤いサンタの服に身を包んだメイドと少年。
狼までもサンタの服を着ている。
子供は一瞬、ポカンとした。
だが、その次に沸きあげてきたのは
嬉しさだった。
「さあ、ジャックくん、今日は夜更かしして楽しみましょう!」
「ほらほら!ご馳走もいーっぱい!作ったぞ!!」
「ワン!!ワン!!」
狼はチキンの骨を咥えていた。
「あんちゃん!チェリーさん!ありがとう!・・・ごめんね手伝わなくって。」
「気にすんなって!
お前は俺達にとって、大切な弟みたいなもんなんだからよ!!」
ジャックは涙が出てしまった。
この二人が、自分にとってもっと近くにいたことを感じたのだ。
もはや、『家族』。
「・・・おいらも・・・あんちゃんやチェリーさんみたいな
お兄さん、お姉さんができて嬉しいよ!!」
ルーフスとチェリーは笑う。
「さあ!今夜は楽しむぞ!!」
「「おー!!」」
「ワン!!」
大人になったら、こんなことも素直に歓べなくなるのかな?
なら
僕は。
まだ、子供でいても、いいかも知れないな!!
―――――――番外編 2:終―――――――
ここは地の果て。
鬼と守護神は地上の雪をみていた。
「なあ、ピッグマンよ・・・」
「どうしたのだ?」
「俺も、雪国。いきたいなぁ・・・」
「・・・自分の体、見てから言えよ。」
ブレイズは頭を下げた。
「・・・だよな。」