Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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22:VS謎の影

ビュッ・・・

 

ビュッ・・・

 

 

 

「・・・くそぉ・・・なかなか姿を現さねぇ・・・」

 

まだ月が真上に昇っている夜中に

 

 

 

少年は剣を構えていた。

 

 

 

「気をつけて!そいつは・・・高速で移動して背後から襲うんだ!・・・後ろ!」

 

 

 

ビュッ・・・!

 

 

 

気がつくと背後には黒く、長身で眼が横に長い謎の生物。

 

 

 

 

 

(お父さんはな、宇宙人も見たんだぞ!こんな顔の!)

 

 

昔、自分の聞いたお父さんの話を思い出した。

 

・・・父さんは、まさしくこいつのことを言っていたのだ。

 

 

ドン!

 

 

「ぐはっ・・・!」

 

 

少年は長身の生物のパンチで倒れた。

 

「こいつ・・・高速で移動するだけじゃない・・・強い!」

 

「また来るよ!そいつに背後を取らせちゃダメだ!」

 

「そんなこと言われても・・・」

 

 

ビュッ!

 

 

バゴ・・・!

 

 

「がっ・・・!」

 

少年はまたパンチを食らってしまった。

 

だが、後ろに剣を振り回す。

 

しかし宇宙人は逃げた。

 

「後ろを取られちゃ、勝ち目がない!どうすれば・・・」

 

 

 

 

 

その時、子供は考えていた。

 

何なんだ・・・こいつは・・・

 

何も知らない・・・

 

知らないことに・・・こんなに恐怖を持つなんて・・・

 

 

 

おいらに・・・旅の選択肢は・・・当てはまらなかったのか・・・?

 

 

 

 

 

「!・・・そうだ!」

 

少年は思いついた。

 

少年は家の壁に近づいて、壁と反対の向きに立った。

 

「おい、宇宙人・・・」

 

 

 

「俺の背後、とってみろよ。」

 

 

 

 

ビュッ・・・

 

 

 

 

ギュー・・・

 

 

 

宇宙人は少年の背中と家の壁の間に

 

まるで紙のように挟まった。

 

横長の眼が縦におしつぶされている。

 

 

 

「ぷっ・・・ははははは!ばーか!」

 

 

 

「オマエハ・・・オコラセルアイテヲ・・・マチガッタ・・・!」

 

 

 

ビュッ・・・!

 

 

ドカッ!

      バキッ!

 

「ぐっ・・・!ぐはっ!」

 

「あんちゃん!」

 

宇宙人は少年にラッシュを繰り出している。

 

「ぐはっ・・・ふん!」

 

少年はがむしゃらに剣を振り回した。

 

宇宙人は逃げる。

 

 

そのとき、少年の眼が大きく開いた。

 

 

少年はパンをバッグから取り出して、食べながら言った。

 

「ジャック・・・分かったぞ、あいつの弱点。」

 

「え・・・!」

 

 

 

宇宙人はまた少年の前に移動した。

 

「かかったな!」

 

少年はすぐさまバケツの水を下にこぼした。

 

「グッ・・・」

 

 

宇宙人は逃げる。

 

「・・・なんであんちゃん・・・分かったの?」

 

「あいつが遠くへ行った時、池に入ってもがいたのを一瞬見たんだ。

 

あいつの弱点は水だ!」

 

「ごめん・・・おいら、何も分からないんだ・・・」

 

「大丈夫だ。何も心配することは無い。・・・!来たぞ。」

 

 

大丈夫――――――?

 

 

 

 

ビュッ・・・

 

 

「おりゃ!」

 

少年は出た瞬間に剣で切った。

 

見事、相手は倒れたのだった。

 

 

「あれ?なんだ・・・強いのはパワーと高速移動ぐらいなのか?」

 

 

 

 

宇宙人から、謎の玉が出た。

 

「?何だこれは・・・」

 

「ううう・・・ここは・・・」

 

「あんちゃん!宇宙人がおきた!」

 

「なんだって・・・!・・・?なんか様子がおかしいぞ・・・?」

 

「開放された!やった!自由だ!」

 

「・・・?・・・わけがわからねぇ・・・!ライモン!大丈夫か?」

 

「むにゃむにゃ・・・骨であしらった自分だけの太陽光発電ハウス・・・」

 

「こ・・・こいつ・・・のんきに寝てやがって・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、私はエンダーマンです。よろしく。」

 

「エンダーマンはなんで襲い掛かってきたんだ?そんなに友好的なのに・・・」

 

「・・・分かりました。話が長くなりますが・・・お話します。」

 

 

 

それは今から18万年前・・・

 

世界には六つの種族がいた。

 

一つ目は石、土、雪などの物質。

 

二つ目は木、草、花などの植物。

 

三つ目は犬、にわとり、猫などの動物。

 

四つ目はゾンビなどのモンスター。

 

五つ目は村人、つまり人種。

 

 

 

六つ目には――実際には四つ目に入るのだが区別されている種族。

 

だが名前は無かったのだ。

 

特徴は、長身で、横長の眼を持つ。

 

 

 

 

彼らは人間達と非常に友好的であったため、

 

モンスターという「人間と敵対するもの」という枠の中から独立された。

 

 

あるときは収穫を手伝い。

 

あるときは資源を回収する。

 

 

それと同時に人間も自分達の文化や文字を教えていた。

 

まさしく、人間にとって友のようなものだったのである。

 

 

 

だが

 

 

 

 

その5万8千年後。

 

 

 

 

 

宇宙人の住む世界・・・後のTheEndを支配する王は

 

その生涯を閉じ、自分の息子に王の権限を託した。

 

 

 

 

 

 

 

 

息子は―――王ではなく、もはや暴君であった。

 

 


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