Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
「炎の悪魔・・・・・・その名をブレイズと言う・・・」
「ブレイズ・・・?」
「奴は美しい炎を身にまとった強い悪魔なのだ・・・
だが幼い頃は、守護者という鬼の次に当たるほどの地位を持っている有能な守護霊であった・・・・・・
時というものは残酷だ・・・良き者でさえ悪魔と化してしまう。」
「そいつが・・・『裁き』をかけているというわけですね?」
少年は問う。
豚はうなずいた。
「頼む」
豚はいきなり少年に懇願した。
「奴は話を聞かないのだ。見たところお前は弓を持っている。
・・・奴を倒してはくれないか。」
少年は狼を見る。
狼はコクン・・・とうなずいた。
子供を見る。
子供はビクビクと震える足をこらえ、うなずいた。
「・・・よし!ブレイズを・・・倒しに行くぞ!」
「「「おおー!」」」
「な、なんだあれは・・・!」
少年が見たのは暗い紫色の巨大な城の残骸のようなものだった。
その紫色の外壁に、しきつめられた溶岩の光が照らしている。
「ここからは危険である。増援を呼ぼう。」
豚は口笛を吹いた。
ピィ・・・!!!
すると、2秒ほど経ったのち、豚が何匹も赤い石の陰から姿を見せた。
「「「「ゾンビピッグマン第一部隊!只今全員揃いました!」」」」
「うむ。これからブレイズの本拠地へと臨む。増援を願う。」
「「「「ははっ!!!」」」」
といって、第一部隊は一列に並んだ。
「この豚たちは・・・?」
「こやつらは私の部下、言い換えれば同士だ。
こやつらは生前、善を成して死んだ私の話を聞いて、
死ぬまで、いや、死んでからも善を成そうとしたものたちだ。
天はこやつらを私の部下として与えた。彼らがいるとさびしさも吹っ飛ぶのだ。」
「マ○オパーティ買った?」
「いやルイ○ジマンションだろJK」
「おまいらソニ○ク・ザ・ヘ○ジホッグを忘れるなよ」
「おれとしてはファイ○ル(ry」
「・・・ゲーム○ューブの話だよなあれ・・・」
「ああ、そうだね・・・」
「おいらは絶対ボン○ーマンだな!」
子供は目をきらきらさせて言うのであった。
少年たちは遺跡を行く。
松明をさしながら向かう。
ピチュン・・・ピチュン・・・
なにやら音が聞こえる。
向こうの壁際に物影が見えた。
「・・・!お前か!ブレイズは!」
ビクゥッ!!
「・・・てあれ・・・炎まとって無いじゃん・・・」
「それはマグマキューブという奴だ。・・・あ!近づくのではない!」
「え・・・?」
マグマキューブは高く飛び上がる。
そして少年の顔にひっついた。
「うわわわ!ガバゴボ・・・息が・・・」
「ワンワン!」
「それぇ!」
子供の鉄の剣と犬が舞う。
「おい!おまいら!俺にもダメージが!やめ!」
マグマキューブは倒れ、アイテムをドロップした。
「大丈夫か!」
「へへ・・・全国のマグマキューブ諸君・・・おはようごぜぇます・・・」
狼は思う。
(だめだこいつ・・・瀕死状態じゃねぇか・・・)
豚は思う。
(こやつらで本当に大丈夫なのか・・・)
「・・・とりあえず肉食え!ほら!りんごも!」
ライモンは肉とりんごを手渡す。
「はあ、ありがとう、ライモン」
「これは・・・伝説の素材じゃないか!」
「『マグマクリーム』であるな。マグマキューブを倒すと出てくるものだ。」
「わあ、すごいなあ・・・ここで手に入るんだ・・・」
子供はへろへろしている少年をよそに、わくわくしていた。
「・・・・・・少年達よ、同志達よ、気を引き締めろ・・・ついたであるぞ・・・」
そこにあるのは中央に溶岩の器がある部屋であった。
暗い部屋を溶岩が明るくしている。
「私の部屋にいる者は誰だ・・・」
ゴォッ・・・ゴォッ・・・
炎が神々しく燃える音がする。
「・・・出たな・・・ブレイズ・・・」
「またお前か。お前の醜い姿はもう見たくないといったはずであろう。」
「・・・今日こそお前を説得にきた・・・」
「ならば、私を倒すがいい・・・どんな時でも・・・美しく、強いものが勝つのだ。」
「正義を知らぬものに教えてやろう!第一部隊!出撃ぃ!」
「「「「うぉぉぉおおおお!」」」」
金の刃が舞う。
しかしその刃は軽々とかわされた。
「正義、根性・・・どれも醜い虚勢にしかすぎんのだ・・・醜い者たちよ・・・」
その言葉の終わる瞬間、ブレイズは結晶化した炎を勢いよく廻した。
火の玉が第一部隊に向かって飛ぶ。
ボォ・・・ ボォ・・・
ボォ・・・
ボォ・・・
「ウ・・・!」 「ぐはっ・・・!!」
「ぐぁ!」
「イ・・・!」
「弱い者達よ・・・」
「うぉぉおおおおおお!」
「ワンワン!」
「おりゃぁぁあああ!」
二人と一匹がブレイズに向かって突撃した。
「はぁ・・・醜い叫びだ・・・」
ボォ・・・
ボォ・・・
ボォ・・・
「おっと・・・あぶねぇ・・・」
「ワン!・・・」
「うわわわ!あちちち!」
少年と狼と子供は運よく玉をさけた。
「くらえ!」
少年は鉄の剣をブレイズに向けて振った。
「私にここまで近づいたことだけはほめてやろう・・・」
「だが甘いのだよ」
ブレイズは勢いよく炎を廻して、一つの炎の玉を出した。
「あんちゃん!」
「だめだ・・・あいつは空中だ・・・!火の玉の餌食だ・・・」
「何をのんきに会話しているのだ・・・?弱い者達よ。」
ボォッ・・・ボォッ・・・
少年は火の玉をくらった。
少年は後方へ飛ばされる。
遺跡の道の壁の上を飛ぶ。
下には、空気が広がるだけであった・・・
狼も子供も・・・後を追うように空気の底へ落ちていった。