Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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12:砂嵐の男(後編)

ムフェックリーはその後も一人、研究に明け暮れていた。

 

研究を進めてくうちに、いろいろなことが分かったのだ。

 

宇宙人は水を嫌うこと、宇宙人は資源を別の空間に運んでいくこと。

 

遺跡の絵画にそっくりな炎の粉が雪国で発見されたこと。

 

その炎の粉と水晶を練り合わせることで、特有の光をもつ物質になること。

 

 

 

沢山の人からの証言を元に、宇宙人の出現場所を記していた。

 

 

「こ、これは・・・!」

 

 

 

 

 

 

宇宙人の出現場所が、砂嵐の中のあの村に日に日に近づいてきている。

 

 

―――住人達が危ない・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

科学者はどうするか考えた。

 

屁理屈ばかりを述べる科学者に頼んでも意味はない。

 

・・・強硬手段だ。

 

 

 

 

 

ムフェックリー博士は村人を先の見えない岩盤付近に住まわせた。

 

 

 

 

「だからって!お前はやりすぎだ!」

 

 

「分かってる!」

科学者は叫ぶ。

 

 

 

「分かっているんだ・・・私は嫌われている・・・嫌われ者なんだ・・・でも・・・」

 

 

 

 

 

「たとえ嫌われても!自分の恩人達を死なせたくはないんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

「住人達には今日・・・話してみるさ・・・いつかいつかと待っていたら時が過ぎてしまった・・・」

 

 

 

ムフェックリー博士は地下へ降りていった。

 

「はあ・・・これだからまじめな奴は・・・」

「・・・」

ライモンは皮肉を言ったが、少年はただ黙っていた。

 

 

 

 

 

 

科学者は淡々と話していた。

 

宇宙人のことを。

 

信じてもらえない宇宙人の話を。

 

 

 

 

今話は終わった。

 

皆は沈黙していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途端に、一人の男性が笑い出した。

 

「ハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

やはり信じてもらえなかったのだ・・・

 

 

 

 

 

「宇宙人がなんだ!」

 

 

 

科学者は驚き、顔を上げる。

 

 

「そうだよ!あんた。宇宙人なんて来たところでなんだい!

ただ小麦を荒らしにきた豚を追い払うもんじゃないか!」

 

 

    「全くだな!」       

                「ぼく強いんだかんな!」

       「宇宙人?俺の汗がしみこんで作られたソードで一発だ!てやんでい!」

「戦おう!共に!」

              「ハハハハハ!」

 

 

皆は笑った。

 

 

 

科学者とは違う、優しい笑い方だった。

 

 

 

科学者は泣いた。

 

 

 

信じてくれるものがいたのだ。

 

 

 

 

 

 

砂嵐が通る。

 

その過ぎた後には無数の芽が生えた。

 

重い砂を掻き分けて育ったその芽は・・・

 

 

とても、強かった。

 

 

砂嵐の男と、無数の芽の住人達である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄のドアの前の少年と狼は言う。

「よかったね!」

「ふぅ・・・まぁな!」

 

 

 

 

ここは地上。

 

村人は防具とソードをもっている。

 

ある村人は赤い粉をばら撒いている。

 

ムフェックリー博士は戦うことにしたのだ。

 

 

 

 

 

「俺はこの人たちと一緒に戦い続けるよ。」

 

「がんばれよ!」

 

 

「・・・ああ!」

 

 

 

 

 

 

少年と狼はその砂漠を後にした。

 

 

 

 


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