Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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10:砂嵐の男(前編)

少年と狼はストート村の村長とゴーレム、村民に挨拶をし、去っていくところであった。

「ありがとう、あなたのおかげでゴーレムはあのことを覚えていた

ことが分かりました。本当に、ありがとう。」

「いえ、・・・俺なんかよりも感謝すべきなのは

ゴーレムに向けてだと思います。

 

彼は記憶の壊れた片隅から、

精一杯、あなたとの思い出を思い出したんですから。」

 

「・・・そうですね。」

村長はしわのある手で涙をぬぐった。

 

 

 

 

「何か足りない資材があれば、言って下さい。」

「わたくしにおまかせを。」

といって、村民をかき分けながら前に出てきたのは、

めがねをかけた一人の少年であった。

 

少年とライモンは心の中でこう思っていた。

 

(うわぁ~ついに出ちゃったよべたなガリベンキャラ・・・)

(まさか本当にいるとはな~べたなキャラは後でつまずく原因に・・・)

「だ、だれがべたなキャラですか!」

「あ、あれ?口に出してたの?」

 

 

 

「僕たちが今ほしいのは砂や砂岩なんだ。砂漠ってこの近くにある?」

「はい、ここですね。」

めがねは地図の中心を指差した。

「ふむふむここから北の方に・・・・・・大きな砂漠があります!」

「本当だ。ここにいけばたくさん手に入りそうだ。・・・ありがとう!」

「はい、あなたもたくさんの色の世界、見られるといいですね!」

「ああ!・・・そういえばライモンは・・・?」

「ライモン?」

「ああ、犬・・・いや狼の名前だよ。どこだ?」

扉をあけてライモンを呼んだ。

バタン!

 

「おーい、ライ・・・!!」

「はっ!?」

ライモンは犬用のエサをがつがつ食べていた。

 

 

 

 

「だっておいしかったんだもんよ~!」

「うるせーよ!今日でどんだけ食べてんだよ!

朝と昼もあわせて4回じゃねーか!健康にわるいぞ!」

「じゃあもっとおいしく肉を焼いてくれよ・・・てかこのごろ

は生肉じゃねーか!なんでだよ!」

「だってめんど・・・石炭の節約だよ。」

「おい!さっき何か言おうと・・・「あ、見えてきたぞ!」・・・おいー!」

 

目の前には肌色のキャンパスの続く景色だった。

 

「よし!掘れ掘れ!」

「掘れ掘れ♂」

 

(・・・こいつパンツレスリングとか見てんのかよ!)

少年は心の中で叫びつつ、砂を掘り始めた。

 

 

「あれ!?あっちに何かあるぞ?」

「ああ、サボテンだな。砂漠にしか生えてない植物だ。」

「ふーん・・・」

少年は近づいてみようとする。

「おい!そんなに近づいたら・・・!」

「痛ててててててててててててててててててて!」

「言わんこっちゃないぜ!」

 

 

「ふぅ、痛かったぁ~」

「サボテンは触れると傷ついてしまうんだよ・・・」

「・・・気をつけないとな。」

「!・・・あっちにあるのは?」

「またサボテン?」

 

 

 

 

 

「違う・・・家だ・・・」

「・・・家?ここは砂漠の中心だぞ!?」

「・・・とにかく行ってみるか。」

少年と狼は家に向けて夕暮れのなかを進んだ。

 

 

 

 

 

 

「・・・ここだ・・・」

石で単調に作られた家である。そばには沢山の水がたまっているオアシスだ。

木も育てられ、りんごが実っている。

 

「なんなんだ・・・」

少年がチャイムと呼ばれるボタンを押す・・・

 

 

 

 

バタン!

「・・・え?」

 

砂を踏む感触がなくなった。

 

歩けないし、走れない。

 

なんなんだ?

 

と思い、下を見ると・・・

 

 

 

 

 

 

下の砂がなくなっていた。

 

「うわぁぁあああああ!」

「今俺も行く!」

 

犬と少年は暗い穴へと落ちていった。

 


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