Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
少年と狼はストート村の村長とゴーレム、村民に挨拶をし、去っていくところであった。
「ありがとう、あなたのおかげでゴーレムはあのことを覚えていた
ことが分かりました。本当に、ありがとう。」
「いえ、・・・俺なんかよりも感謝すべきなのは
ゴーレムに向けてだと思います。
彼は記憶の壊れた片隅から、
精一杯、あなたとの思い出を思い出したんですから。」
「・・・そうですね。」
村長はしわのある手で涙をぬぐった。
「何か足りない資材があれば、言って下さい。」
「わたくしにおまかせを。」
といって、村民をかき分けながら前に出てきたのは、
めがねをかけた一人の少年であった。
少年とライモンは心の中でこう思っていた。
(うわぁ~ついに出ちゃったよべたなガリベンキャラ・・・)
(まさか本当にいるとはな~べたなキャラは後でつまずく原因に・・・)
「だ、だれがべたなキャラですか!」
「あ、あれ?口に出してたの?」
「僕たちが今ほしいのは砂や砂岩なんだ。砂漠ってこの近くにある?」
「はい、ここですね。」
めがねは地図の中心を指差した。
「ふむふむここから北の方に・・・・・・大きな砂漠があります!」
「本当だ。ここにいけばたくさん手に入りそうだ。・・・ありがとう!」
「はい、あなたもたくさんの色の世界、見られるといいですね!」
「ああ!・・・そういえばライモンは・・・?」
「ライモン?」
「ああ、犬・・・いや狼の名前だよ。どこだ?」
扉をあけてライモンを呼んだ。
バタン!
「おーい、ライ・・・!!」
「はっ!?」
ライモンは犬用のエサをがつがつ食べていた。
「だっておいしかったんだもんよ~!」
「うるせーよ!今日でどんだけ食べてんだよ!
朝と昼もあわせて4回じゃねーか!健康にわるいぞ!」
「じゃあもっとおいしく肉を焼いてくれよ・・・てかこのごろ
は生肉じゃねーか!なんでだよ!」
「だってめんど・・・石炭の節約だよ。」
「おい!さっき何か言おうと・・・「あ、見えてきたぞ!」・・・おいー!」
目の前には肌色のキャンパスの続く景色だった。
「よし!掘れ掘れ!」
「掘れ掘れ♂」
(・・・こいつパンツレスリングとか見てんのかよ!)
少年は心の中で叫びつつ、砂を掘り始めた。
「あれ!?あっちに何かあるぞ?」
「ああ、サボテンだな。砂漠にしか生えてない植物だ。」
「ふーん・・・」
少年は近づいてみようとする。
「おい!そんなに近づいたら・・・!」
「痛ててててててててててててててててててて!」
「言わんこっちゃないぜ!」
「ふぅ、痛かったぁ~」
「サボテンは触れると傷ついてしまうんだよ・・・」
「・・・気をつけないとな。」
「!・・・あっちにあるのは?」
「またサボテン?」
「違う・・・家だ・・・」
「・・・家?ここは砂漠の中心だぞ!?」
「・・・とにかく行ってみるか。」
少年と狼は家に向けて夕暮れのなかを進んだ。
「・・・ここだ・・・」
石で単調に作られた家である。そばには沢山の水がたまっているオアシスだ。
木も育てられ、りんごが実っている。
「なんなんだ・・・」
少年がチャイムと呼ばれるボタンを押す・・・
バタン!
「・・・え?」
砂を踏む感触がなくなった。
歩けないし、走れない。
なんなんだ?
と思い、下を見ると・・・
下の砂がなくなっていた。
「うわぁぁあああああ!」
「今俺も行く!」
犬と少年は暗い穴へと落ちていった。