スーパーヒーロー作戦CS   作:ライフォギア

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第9話 マジでありえない出会い……なの?

 ウィザードは『ウィザーソードガン』のソードモードを、ビーストは『ダイスサーベル』を取り出し、ファントムに斬りかかっていく。

 ウィザードはメデューサに、ビーストはアルゴスに。

 

 剣と蹴りによる攻撃はファントム達に確実にヒットしていくが、油断はならない。

 アルゴスに対してのビーストの攻撃は効いていないように見えた。

 その石像を思わせる固い皮膚は伊達ではないという事だろう。

 そしてメデューサ相手ではウィザードは一瞬の油断もできない。

 

 メデューサは強敵である。

 それは何度か戦った事のあるウィザードが一番良く知っている。

 実際、剣はメデューサの持つ杖に止められ、蹴りも上手くいなされる事が多い。

 

 

「この程度か指輪の魔法使い!」

 

 

 隙を見せたウィザードにメデューサの杖による突きが炸裂する。

 よろめきながらも体勢を立て直した後、くるりと回転してウィザードは左手の指輪を付け替えた。

 先程まで嵌めていた赤い指輪に似ているが、微妙に装飾が違う。

 

 

「全く、お前相手だと余裕ないぜ……!」

 

 

 ────FLAME! DRAGON────

 

 ────ボー! ボー! ボーボーボー!!────

 

 

 炎のドラゴンがウィザードの周りを一周し、まるでウィザードの体内に宿っていくかのように炎のドラゴンがウィザードの背中に吸い込まれていく。

 瞬間、一際大きな炎が発生し、弾けたかと思うと、ウィザードは先程までの『フレイムスタイル』とは少し異なる『フレイムドラゴン』へと姿を変えた。

 この姿は晴人の体内のファントム、『ウィザードラゴン』の力を宿した姿だ。

 当然、その力は大きく上がっている。

 

 さらに続けて、今度は右手の指輪を付け替えた。

 ウィザーソードガンの手を握ったような形の手形を、手を広げた状態にして、そこに自分の指輪を付け替えた右手を重ねた。

 

 

 ────COPY Please────

 

 

 『コピー』の魔法は、その名の通り複製の魔法。

 それによりウィザーソードガンは2つに増え、ウィザードは二刀流を構えた。

 

 気合を入れるように息を吐き、流れるような動きで2つの刀でメデューサに斬りかかる。

 手数が増えたのは単純に強力だ。

 メデューサも先程より余裕がなくなっている。

 ただ、比較対象は『余裕綽々だった先程よりも』、だが。

 

 

「無駄だ!」

 

 

 攻撃を全て受け流し、頭髪の蛇を伸ばしてウィザードに攻撃を仕掛けた。

 メデューサの頭髪は本物の蛇のように、しかし尋常ならざる速度で蛇行し、ウィザードの胸を穿った。

 胸の宝石のような装甲で守られているウィザードは貫かれる事こそなかったが、その一撃に大きなダメージを受け、数m吹き飛んでしまう。

 

 メデューサはファントムの中でも実力者の部類に入る。

 如何に強化されたウィザードでも今日まで倒し切れなかった事実がそれを物語っていた。

 

 

「フン。アルゴス、『グール』を置いていく。後は任せたぞ」

 

 

 自分と相対する魔法使いの有様に呆れたような、くだらないかのような一瞥を送りながらメデューサは小さな石を数十個ばら撒いた。

 石は徐々に大きく膨れ上がり、やがて人間大の怪人の姿へと変貌していく。

 石が罅割れたような表皮と二本の角。

 怪人の名は『グール』。力は並のファントム以下だが、誕生にゲートを必要としない、いわば量産品だ。

 

 この場を去ろうとするメデューサに対し、ビーストを相手にしながらアルゴスが怒鳴る。

 

 

「あァ!? メデューサ! 何処へ行く気だ!」

 

「私が相手をするまでもない。それに、この町にはまだまだゲートがいそうだからな……」

 

 

 それだけ言って、メデューサは公園の奥へと姿を消していく。

 恐らく人間には追えぬスピードで逃げたのだろう。

 

 

「待てッ!!」

 

 

 追おうとするウィザードだが、グール達がそこに割って入る。

 追うのは無理かと頭を切り替え、目の前のグール殲滅の為、二刀のウィザーソードガンを構える。

 

 グール自体は強くはない。

 フレイムドラゴンとなっているウィザードにとっては何の苦も無く相手にできる。

 しかし、アルゴスと戦うビーストは苦戦していた。

 

 

「クソッ! かってぇなコイツ!!」

 

 

 斬ろうと蹴ろうと、アルゴスはダメージを受けている様子が全くない。

 怯む事はあるが、明確な苦しみを見せたのは皆無に近い。

 

 

「フンッ、温い!!」

 

 

 アルゴスは体中の『目』を大量に飛ばした。

 分離した数多の目はたちまちビーストを囲った。

 いや、ビーストだけではない、グールと戦うウィザードまでも目の包囲網に捕らわれた。

 そして空中の目が光ったと思えば、ウィザードとビースト、ついでに巻き込まれたグール達が一斉に火花を散らした。

 

 

「フハハハハ!!」

 

 

 その光景がよほど愉快なのか、高笑いをするアルゴス。

 分離し、辺り一面に散らばった目は全て、光線を発射することが出来る。

 ほぼ囲まれているような状況下の中でこの光線をかわす事は難しい。

 

 

「晴人! 結構強いぜ!!」

 

「ああ、グールはともかく、メデューサを追うためにもこっちを何とかしないと……」

 

 

 そんな様子を木の陰からなのはが見ていた。

 隠れてて、という晴人の言葉を守っていたのだが、既に彼女の手はレイジングハートを握っていた。

 

 

(私にもできる事があるなら、魔法使いさん達を……)

 

 

 彼女もまた、魔法を使える人間だ。

 出来る事は十分にあるだろう。

 驕るわけでも、調子に乗っているわけでもない。

 彼女はただ、目の前で自分を助けるために傷ついている魔法使いを放っておけなかった。

 

 

『マスター』

 

 

 迷うなのはに、レイジングハートが呼びかけた。

 

 

『練習した事が役に立つかもしれません』

 

 

 その言葉になのはは今の状況と、今までの練習を照らし合わせる。

 空中に浮かぶ目。空き缶に一発の弾丸を当て続ける練習。

 今のウィザードとビーストは目からの光線だけでなく、アルゴスやグールの相手もしながらという状況だ。

 アルゴスに気を取られればグールが、グールに気を取られれば空中の目が、空中の目に気を取られればアルゴスが。

 

 分担するにも、あと1人足りない。

 その1人に、私ならなれるかもしれない。

 

 自分を助けてくれた魔法使い達のピンチを前に、なのはは決心した。

 

 

「行こう! レイジングハート!!」

 

『了解』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その程度か魔法使い」

 

 

 アルゴスの攻撃、空中の目の攻撃、そしてグールに2人の魔法使いは苦戦していた。

 まず目の包囲網が厄介なのと、アルゴスの強靭な体。

 

 さらにグール達だが、メデューサがかなりの数を置いていったのとアルゴスがグールの生まれる小石を持っているせいでなかなか減らない。

 とは言え最初よりは減っているし、目による攻撃はグールもお構いなしで巻き込んでくる。

 つまり、最大の問題はグールやアルゴスではなく、この目の包囲網だ。

 

 

「クッ!!」

 

 

 ウィザーソードガンをガンモードにし、空中の目に向けて発砲しようとする。

 しかし引き金を引くよりも早く、アルゴス本体からの光線がウィザードに直撃する。

 

 

「チッ、あちらを立てればこちらが立たずってか……!!」

 

 

 ダメージ自体は戦闘不能に追い込まれるほどの物じゃない。

 だが、塵も積もれば山となるように、確実にダメージは蓄積している。

 早めに打開しなければ不味い。

 

 

「魔法使いさん!!」

 

 

 思案するウィザードの耳に少女の声が跳び込んできた。

 振り向くと、目の包囲網の外、木の陰から先程の少女が顔を出していた。

 

 

「ほう、ゲートが自らノコノコ出てくるとはな。グール!!」

 

 

 アルゴスはグールに手で指示を出す。

 勿論、その目標はゲートである少女だ。

 如何にウィザード達にとっては取るに足らない相手でも、少女にとっては脅威だ。

 

 

「おいやべぇぞ晴人!!」

 

「クッ……!!」

 

 

 ウィザード、ビーストが共に新たな指輪を取り出し、右手の指輪と付け替えた。

 ウィザードは『コネクト』の指輪、ビーストは『カメレオ』の指輪。

 まだウィザードには切り札があった。

 それを離れた場所を繋げるコネクトの魔法で取り出そうとした。

 魔力の消耗が激しいからあまり使いたくはなかったが、ゲートの命には代えられない。

 

 ビーストの指輪は使うと右肩にマントが装備されるのだが、そのマントには指輪に対応する動物の頭が装飾されている。

 カメレオマントは舌を伸ばし、遠くのものを攻撃することもできるから、空中の目も撃ち落とせるかもしれない。

 もう1つの理由として、ビーストのカメレオは姿を消せる。

 それならば包囲網の突破もできるかもしれない。

 

 そう考えた上での指輪の選択。

 だが、2人の魔法使いは知らなかった。

 この場にもう1人、魔法使いがいる事を。

 

 

「レイジングハート! セーットアップ!!」

 

 

 ────Stand by ready,setup.────

 

 

 少女は赤い球体を天に掲げ、叫ぶ。

 同時に赤い球体から英語が発声された。

 次の瞬間、少女には今まで着ていた服とは別の服が装着されていく。

 白い制服のような姿だ。

 さらに赤い球体もまた、それと同時に姿を変えていく。

 杖のような形をとり、杖の先端には先程までの赤い球体が取り付けられている。

 それをぐるりと覆う様に金色の装飾が三日月のように施されている。

 それはまるで、魔法の杖。

 

 突如姿を変えた少女にウィザードもビーストも、敵であるアルゴスやグールまでも動きを止めてしまう。

 

 

「……マジか」

 

 

 ウィザードの声。

 何とか出せた一声がそれだった。

 

 

「お、おいおい! あれなんだよ、え!?」

 

「俺が知るかァ!?」

 

 

 ビーストの叫びに、ウィザードも困惑気味に叫び返す。

 普通ならばファントムはその隙をついてきそうなものだが、アルゴスもこの事態が想定外すぎて固まってしまっている。

 

 驚きを隠せない一同を余所に、なのはは空中に飛び上がった後、桃色の小さな球体を幾つか作り出した。

 

 

「ディバインシューター……シュート!!」

 

 

 桃色の球体は一斉に飛び出した。

 それらは全て、まるで生きているかのように空中を飛び回っている。

 そして、その進路上にある空中に浮かぶ目を撃墜していった。

 桃色の球体は生きる弾丸とでも言えばいいのか、空中を駆け抜けて全ての目を撃墜した後、消えた。

 

 

「ふぅー……」

 

『見事です、マスター』

 

 

 疲れたように息を吐くなのはにレイジングハートが優しく声をかける。

 空き缶に攻撃を当て続けるあの特訓、その練習の成果という事だろう。

 疲れてはいるが、油断はできない。

 飛行はできるが下にはアルゴスとグールが未だに残っている。

 

 

「魔法使いさん! 今です!!」

 

 

 あまりの事態に呆気にとられていたウィザードとビーストはその言葉で我に返った。

 自分達を包囲していた目を全て片付けてくれた。

 彼女が何者にせよ、ファントムに狙われたゲートであり、助けてくれた人であることは事実。

 そして目の前にいるのは、敵。

 ならばやることは1つだ。

 

 

「何だか知らないけど、助かったよお嬢ちゃん。

 仁藤、まずはグール食っとけ、あいつは下拵えしといてやる」

 

「へっ、そうさせてもうぜ。此処からが本当のランチタイムだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、メップル、本当にいるの?」

 

「間違いないメポ! 変な気配がしたメポ!!」

 

 

 なぎさ、ほのか、ひかりは翠屋を飛び出したあと、公園の辺りに来ていた。

 彼女達にはそれぞれ、パートナーとなる『妖精』がいる。

 なぎさには『メップル』、ほのかには『ミップル』、ひかりには『ポルン』。

 3匹はそれぞれ日常生活で他の人に見つからないように擬態をしている。

 メップルとミップルは携帯電話のような『ハートフルコミューン』に、ポルンはメールボードのような姿に。

 

 そしてこの3匹には『邪悪』を感知する能力がある。

 それは基本的にドツクゾーン出現の際に発揮されており、今回もそれを感じ取って翠屋を飛び出したのだ。

 

 

「なんだか普段と違う感じミポ……」

 

 

 ミップルの言葉にメップル、ポルンが頷く。

 ドツクゾーンの気配なら、ドツクゾーンであると断言できるのだが、今回の『邪悪』は何かが違った。

 邪悪であることに違いはない、が、種類が違うような。

 故にメップルも先程から『邪悪な気配』ではなく『変な気配』と表現している。

 3匹は今回、そんな気配を感じ取っていた。

 

 

「……? 公園の方から声が聞こえるわ」

 

 

 ほのかが耳を澄ませ、その音の正体を探ろうとしてみる。

 距離があってよくは聞こえないが、何か、爆音に近い音が聞こえた。

 ほのかに言われてなぎさとひかりも耳を澄ませてみると、確かにそれが聞こえた。

 

 

「変な気配はそっちからするメポ!」

 

 

 メップルの言葉に3人はこれがその『気配』の正体であると確信する。

 顔をお互いに見やって頷き、3人は公園に向けて走り出した。

 

 

 

 

 

 アルゴスは一転劣勢の状況に立たされていた。

 ウィザード、ビーストの猛攻。

 最初はウィザード1人だったが、ビーストがグールを全滅させた後、その加勢に入ってきた。

 さらに先程のゲートである少女による度々の援護攻撃。

 如何に体が硬いとはいえ、こう立て続けに攻撃を喰らえば堪ったものではなかった。

 

 

(クソッ! 退くか……!!)

 

 

 この場は不利、このままでは確実に負ける。

 そう考えて、頭から光弾を発射した。

 ウィザードとビーストに当てる事が目的ではない。

 土煙を巻き上げ、逃げるためだった。

 

 

 しかし──────

 

 

「使えそうだな、貴様」

 

 

 

 

 

 

 

 土煙が晴れた後、アルゴスは未だにそこに存在していた。

 というよりも、立ち尽くしているという方が正しい。

 

 

「……誰だアレ?」

 

 

 ウィザードの言葉への回答は誰も持ち合わせていなかった。

 長髪の、かなり長身の男。

 マントを羽織り、黒い体をしているそれは人間のようではあったが、人間ではないように見えた。

 

 

「……知り合い?」

 

「全然、知らないです……」

 

 

 ウィザードに聞かれたなのはは首を横に振った。

 想定外の存在であったなのはなら今現れた想定外の事も何か知っているのでは、と思ったのだがどうやら見当違いだったようだ。

 

 長身の男はウィザード達に背を向けたまま、ニヤリと狡猾な笑みを浮かべている。

 

 

「『ザケンナー』!!」

 

 

 長身の男がそう言うと、辺りから黒い泥のような物が現れ、アルゴスに次々と取り付いていく。

 取り付かれたアルゴスは苦しみだし、呻きだした。

 

 

「おいおい……」

 

 

 ウィザーソードガンを構え直すウィザード。

 明らかにおかしな事態が発生している。

 警戒するに越したことはないし、何より今、アルゴスに『何か』を取り付かせた長身の男も何か油断ならない気配がする。

 

 だが、さすがのウィザードもさらなる乱入者までは予測できなかった。

 

 

「貴方は!!」

 

 

 女性の声、活発そうで、何処かで聞いた声だ。

 その声は長身の男に向けられているようで、声と共に3人の女子中学生が走り込んできた。

 

 

「あの子達は……!」

 

 

 ウィザードは翠屋での事を思い出す。

 入店したとき「ありえないぐらい美味しい!」とケーキを食べて絶賛していた少女。

 だから今の声は聞いた事があったのだ。

 その少女の隣にいる2人も店の中でその少女と同じ席に座っていた子達だった。

 

 

「……って、なに、この状況!!?」

 

 

 突然の乱入者に驚くウィザード、ビースト、なのはではあるが、それはなぎさ達3人にとっても同じだ。

 いつものように邪悪な気配を追っていたら、何やら変な格好の2人と、コスプレでもしているような少女が1人。

 ついでに見た事も無い化け物が一匹。

 それこそ、なぎさ達の方が困惑していた。

 

 

「あいつメポ! あの変な怪物から気配がしていたメポ!!」

 

「さっきまで闇の気配はしてなかったから間違いないミポ」

 

 

 メップルが示したのはアルゴス。

 つまり先程まで長身の男────『サーキュラス』の邪悪な気配はしておらず、この怪物の気配を感じ取ったという事らしい。

 

 

「来たかプリキュア。お前達を倒すため、強力なザケンナーになりそうなのを見つけたところだ」

 

 

 苦しみ続けるアルゴスを指さしながら語るサーキュラス。

 そしてついに、アルゴスはその姿を変貌させた。

 より巨大に、より禍々しく、『巨人』と表現するのに差し支えのない姿となった。

 およそ10数mの巨人になったアルゴスはウィザード、ビースト、なのは、そしてなぎさ達3人を狙うように動き出した。

 

 

「ハハハ! プリキュア諸共、そこにいる妙な連中も叩き潰せ!!」

 

 

 ウィザードもビーストも、勿論なのはも『プリキュア』という存在の事は知らない。

 3人ともそれが何なのか疑問に思いつつも、巨人アルゴスが踏みつけようとしてきたのを避ける。

 なのはは上空に上がり、ウィザードとビーストは一旦距離を取って構えた。

 

 

「どうなってやがんだ!? あんなデカいファントム、アンダーワールドでしか見た事ねぇよ!」

 

「俺だってそうだっつの……何なんだよ次から次に!」

 

 

 困惑と焦りの中、2人はまたしても信じられないものも目撃する。

 

 なぎさとほのかはハートフルコミューンを操作した後、お互いの手をなぎさは左手、ほのかは右手で繋ぎ、繋いでいない方の手を上空に向け、同時に叫んだ。

 

 

「「『デュアル・オーロラ・ウェーブ』!!」」

 

 

 ひかりはタッチコミューンに手をかざし、こちらもまた、叫ぶ、

 

 

「『ルミナス! シャイニング・ストリーム』!!」

 

 

 3人の少女は光に包まれた。

 そして先程とは異なる衣服を纏った。

 なぎさは黒を基調とした姿。

 ほのかは正反対の、白を基調とした姿。

 ひかりはピンクを基調とした姿へと変身した。

 

 姿を変えたなぎさ────即ち、『キュアブラック』。

 

 

「光の使者、キュアブラック!」

 

 

 姿を変えたほのか────即ち、『キュアホワイト』。

 

 

「光の使者、キュアホワイト!」

 

 

 そして2人は同時に、自分達が何者なのか、名乗りを上げる。

 

 

「『ふたりはプリキュア!!』」

 

 

 ホワイトが巨人アルゴスに、宣戦布告かのように指を向ける。

 

 

「闇の力の僕達よ!!」

 

 

 それに続いてブラックもまた、巨人アルゴスに鋭く指を向けた。

 

 

「とっととおうちに、帰りなさい!!」

 

 

 同じく、変身を完了したひかり────即ち、『シャイニールミナス』も名乗りを上げる。

 

 

「輝く命、シャイニールミナス! 光の心と光の意思、全てを1つにするために!」

 

 

 神々しささえ感じる3人の少女の今の姿。

 それこそが伝説の戦士、『プリキュア』の姿であり、同じく光の体現とも言うべき『シャイニールミナス』なのである。

 その光景を見たウィザードもビーストもなのはも、最早大騒ぎを通り越してポカンと間抜けな空気を醸し出している。

 

 

「……マジで?」

 

 

 その光景は、マジであった。




────次回予告────
魔法使いさん、プリキュアさん、そして私…。
魔法少女になった時もだけど、信じられないことばっかりです。
初めてであった私達だけど、目的は一緒みたい。
なら、一緒に戦いましょう!
でも、敵さんも強くて大変です……。
次回、スーパーヒーロー作戦CS、第10話『それは、不思議な出会いなの』。
リリカルマジカルがんばります。

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