スーパーヒーロー作戦CS   作:ライフォギア

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第26話 過去からの帰還

 ゴーバスターズ達の目の前に現れた謎の戦士と銀色のバディロイドはソウジキロイドと戦っていた。

 夜の明かりに照らされる金色と銀色が非常に目立つ。

 ソウジキロイドはノズルを剣に付け替えて武装し、斬りかかった。

 

 

「っと!」

 

 

 しかしビートバスターは幾度もの斬撃を全て軽くいなし、軽めの拳をしっかりと当てていく。

 戦い方に余裕を感じる。

 一方の銀色のバディロイドは敵の攻撃を受け止め、力強く攻撃を当てている。

 

 2対1というのもあるが、存在を知らされていない新たな2人にソウジキロイドの動揺は少なからずこの戦況に影響していた。

 ソウジキロイドの攻撃は全て受け止められるかかわされてしまっていた。

 攻防を繰り広げる中、道の向こうでトラックが走り去るのが見える。

 荷台にはダストカップが何十個も積まれ、恐らくそれの全てにエネトロンが詰まっている。

 

 

「あれか……」

 

 

 戦いながらもそれを視界に収め、呟きながらハイキックを放ってソウジキロイドを吹き飛ばすビートバスター。

 と、視界の中のトラックは急にブレーキをかけて動きを止めた。

 ビートバスターの視界からでは道の両脇の建物のせいで、運転席から先が見えない。

 後輪と荷台の一部だけが見えている状態だ。

 さらに少しすると運転席にいたはずのバグラーが吹き飛んでいるのが見えた。

 

 道の向こうから鎧を纏った青い剣士がバグラーを切り裂く。

 特徴的な大きな剣を持った剣士はバグラーを全て切り倒した後、見得を切るように名乗りを上げた。

 

 

「リュウケンドー! ライジン!!」

 

 

 あけぼの町にいる筈の剣士が突如、運ばれるエネトロンのトラックの前に立ち塞がり、それを止めて見せたのだ。

 辺り一帯のバグラーを掃討したバスターズの3人がリュウケンドーに駆け寄った。

 エネトロンが無事である事を確認すると、レッドバスターはリュウケンドーに質問した。

 

 

「剣二、どうしてここに?」

 

「S.H.O.Tにも応援要請がきたんだ。ヒーローは遅れてくるってな!」

 

 

 得意気に答えるリュウケンドーだが、ジャマンガに狙われるあけぼの町を空けてしまって大丈夫なのか。

 イエローバスターがそれを尋ねる。

 

 

「でも、あけぼの町は大丈夫なの?」

 

「おう。不動のおっさんが残ってるから大丈夫だぜ」

 

 

 剣二がリュウケンドーになったのはつい最近の話だ。

 今のように魔弾戦士が2人態勢だったわけではなく、銃四郎ことリュウガンオーがたった1人で戦ってきた。

 だが2人になった今だからこそ、1人を遠征させ1人をあけぼの町防衛に置いておくという事ができるようになったのだ。

 それに組織の合併によりゴーバスターズやシンフォギア装者もあけぼの町防衛の為に動く事ができる。

 そういう意味でも心配はなかった。

 

 

「ん? 新入りかぁ?」

 

 

 リュウケンドーがビートバスターと銀色のバディロイドを交互に見る。

 ビートバスターは「ちっちっちっ」と人差し指を振りながら、その言葉に奇妙な答えを返した。

 

 

「いやいや、むしろ……」

 

 

 言いかけているビートバスターの目の前に銀色のバディロイドがすかさず立ち、ずいっとリュウケンドーに詰め寄った。

 

 

「俺は新品だ」

 

「また被ってるっつの!」

 

 

 再び頭を小突かれる銀色のバディロイド。

 ついでに頭を鷲掴みにして放るように自分の後ろに銀色のバディロイドを追いやる。

 目立ちたがり屋がお互いに出番を奪い合っているような光景だ。

 

 

「ハァ、やれやれ。面倒ですねぇ」

 

 

 声の主はソウジキロイド。

 吹き飛ばされたソウジキロイドは立ち上がるどころか、いつの間にか建物の高所にいた。

 顔面の縦に4つ付いたランプからは表情は読み取れないが、言葉の言い方には心底面倒そうな感情が乗っている事は分かる。

 

 

「此処は引かせてもらいますよ」

 

 

 ソウジキロイドが高所から飛び降りた先は、先程とは別のトラックの荷台。

 なんとあの短時間にトラック2台分のエネトロンを奪っていたというのだ。

 恐らく、ノイズの混乱に乗じて行ったからスムーズにエネトロンを集めることができたのだろう。

 運転席には既にバグラーが座っており、ソウジキロイドの着地音を聞いたのと同時にトラックを走らせた。

 

 

「あっ、おい! なんだよ、エネトロンそっちにもあったのかよ!!」

 

 

 大袈裟な手振りで悔しがるビートバスター。

 既にトラックは走り去ってしまい、追う事は出来ない。

 仮にレッドバスターの超高速でも、何処かの曲がり角を曲がるなりで視認できない位置にいるのなら追跡のしようもない。

 レッドバスターは急ぎ司令室に連絡を入れた。

 

 

「司令室、メタロイドは!?」

 

 

 直後、特命部からモーフィンブレスに森下から『周囲の監視カメラをチェックします』の通信が来た事で、ゴーバスターズ達は一旦追うのをやめた。

 無暗に走り回っても効率が悪いと判断したからだ。

 辺りの安全を確認した後、バスターズの3人はヘルメットを脱いで脇に抱えた。

 

 

「くっそー、もう1つの方にも気づいていれば……」

 

 

 変身を解除しつつ剣二は悔しがるが、リュウジは優しく声をかけた。

 

 

「1つ守ってくれただけでもありがたいですよ。むしろすみません、助けてもらって」

 

「いやいや、良いって事よ」

 

 

 トラック1台分のエネトロンはリュウケンドーのお陰で無事だった事は事実だ。

 被害は抑えられたと言える。

 そんな中で大型の剣からモバイルモードに戻ったゲキリュウケンが声を発した。

 

 

『それより、メタロイドを取り逃がした方が問題だ』

 

 

 ソウジキロイドがいる限り、何処かのエネトロンが吸われ、奪われるのは目に見えている。

 今後の被害を最小限に抑える為にもメタロイドは完全に仕留めておきたかったところだ。

 ヒロムもゲキリュウケンの言葉に頷く。

 

 

「ゲキリュウケンの言う通りだ、早く見つけないと……」

 

 

 全員が同意する言葉ではある。

 だが、同時に全員が気になっている事があった。

 リュウジはトラックをじっと見つめるビートバスターに目をやる。

 視線に気づいたビートバスターがリュウジの方に大袈裟に振り向いた。

 

 

「おっ? なんだよ? 何か聞きたい事でもあるのか?」

 

「ずっと気になってた。貴方の声が……」

 

 

 リュウジがビートバスターの声を聞いてから、ずっと思っていた事。

 それは彼の声がリュウジの知るある人物に非常によく似ていた事だ。

 

 だが、リュウジはビートバスターの正体がその人であるとは断言できない。

 いや、断言できるはずがなく、むしろ勘違いであると思っていた。

 そんなはずはない、その人がビートバスターであるはずが、この場にいるはずがないからだ。

 一度発生した拭えない疑問を口にしたとき、ビートバスターはこれまた大袈裟に反応を示した。

 

 

「おっ! 鋭いッ!! それじゃあワン、ツー、スリーで御開帳と行くか!」

 

 

 調子に乗った言い方かつ勿体付けるビートバスターは言葉通りカウントを始めた。

 

 

「ワン、ツー、ス……」

 

「俺は、ビート・J・スタ……」

 

「被るなっつってんだろ!?」

 

 

 ゴーバスターズが変身を解くのと同じように、徐々にビートバスターの変身が解け、顔が見えそうな段階で銀色のバディロイドが再び割り込む。

 変身を解除してしまったビートバスターだった人間は勢いに任せて銀色のバディロイドにプロレス技による報復を下した。

 仏の顔も三度まで、というか三度とも腹を立てているが。

 一見、真面目な空気が皆無なこの状況。

 しかしその顔とその声はリュウジの顔を驚愕の色に染め上げるには十分すぎた。

 

 

「……『先輩』……!?」

 

 

 先輩と呼ばれたビートバスターだった人間は銀色のバディロイドを離してやり、リュウジ達の方に向き直った。

 

 

「ひっさしぶりだな、リュウジ」

 

 

 手を軽く上げる仕草は若々しい挨拶のように感じられる。

 外見も20代後半くらいだ。

 先輩と呼ぶからには当然、リュウジは彼の素性を知っている事になる。

 ヒロムはそれを尋ねた。

 

 

「リュウさん、この人は?」

 

「あれっ、俺の事知らない!? マジかよ……」

 

 

 リュウジの返答よりも早くビートバスターだった人間は大袈裟な身振り手振りで驚いて見せた。

 そして一度咳ばらいをした後、ニヤリと笑いながら自分の名を告げた。

 

 

「俺は陣マサト」

 

 

 もう1つ、何処から来たのかも。

 同時にその言葉はヒロムやヨーコ、そしてリュウジにも信じがたい言葉だった。

 

 

「13年ぶりに亜空間から来た男だよ」

 

 

 バスターズの3人の顔が驚愕と同時に険しいものに変化した。

 

 13年ぶりに亜空間から来た────。

 

 誰1人帰ってこなかった亜空間から帰ってきた。

 13年前の転送研究センターの事件でヒロムとヨーコの両親、そしてセンターの人間はセンターごと亜空間に捕らわれている。

 彼はそこから帰って来た、そう言っている。

 

 

「嘘だろ……?」

 

 

 ヒロムの呟きには誰も答えなかった。

 マサトは不敵な笑みを崩さぬまま、その場からトラックに向かった。

 銀色のバディロイドもその後に続く。

 トラックとはリュウケンドーが防衛したエネトロン入りのダストカップが大量に積まれたトラックの事だ。

 マサトは荷台のエネトロンを確認、銀色のバディロイドは運転席に入る。

 

 

「エネトロンはちゃんとあるな……うっし」

 

 

 マサトはエネトロンがダストカップの全てに入っている事を確認すると、荷台に腰かけてバスターズとリュウケンドーに手を振った。

 

 

「悪ィな! エネトロン貰ってくわ!」

 

「は!? え、ちょ、先輩ッ!?」

 

 

 叫ぶリュウジだが、トラックはエンジンをかけて走り出した。

 驚きに間髪入れない突然の事態に反応が遅れたバスターズ達も我に返って追おうとするが、既に警戒を解いていたのもあってかトラックには追いつけない。

 無論、変身を解いていた剣二も同様だ。

 

 

「事情は今度話すからよー!!」

 

 

 去り際にそんな言葉を残して、トラックは何処かへと去って行った。

 呆然とする4人。

 13年前の事件に巻き込まれた人間が亜空間から帰って来た。

 もしこれが事実ならヒロムやヨーコにとっては見過ごせない事態である。

 何故なら、彼らは亜空間内部の両親の安否が分かっていない。

 陣マサトなる人物はそれを知っているかもしれないというのだから。

 

 

「あーっ、くそっ! 俺の苦労返せよ!!」

 

 

 剣二が飛び跳ねながらトラックが去って行った道に叫ぶが、虚しく声が響くだけだ。

 混乱に次ぐ混乱の中、モーフィンブレスに通信が入った。

 メタロイドの位置が分かったのか、メガゾードの転送完了時間か?

 そう考えながら通信に応答するバスターズの3人。

 聞こえてきたのは仲村の声だった。

 

 

『メガゾード転送完了まで、あと10分です』

 

 

 陣マサトを名乗る人物の事も気がかりだが、今は目の前の脅威を取り除く事が先である事をプロである3人は知っている。

 特命部の司令室もゴーバスターズ達と同じく驚愕と呆然の気持ちが渦巻いてはいるが、自らの仕事を果たす為にあくまでも冷静な声色だった。

 

 一先ず思考をメガゾード戦の事に切り替えた。

 10分というとそこまでではないが時間がある。

 素体はγ、という事は初めからゴーバスターオーで行くのが吉だろう。

 ヒロムは3人を代表してそれに応答した。

 

 

「了解。予めゴーバスターオーに合体しておきます。バスターマシンの発進を」

 

 

 通信は仲村の『了解』という声で切れた。

 数分待てばバスターマシンも到着するだろう。

 バスターズは再びモーフィンブレスを操作して一度外したメットを被りなおした。

 その横にいる剣二も頬を自分で何度か叩き、気持ちを切り替えてやる気を捻りだす。

 

 

「うーっし! おっしゃ、もう一仕事行くぜゲキリュウケン!」

 

『ああ!』

 

 

 剣二は再びリュウケンドーへと変身した。

 メガゾードはタイプγとはいえ1体。

 ゴーバスターオーとリュウケンドーが力を合わせれば容易く撃破することができるだろう。

 前回の戦いの経験から言って、巨大な敵に対してはその全身を冷気で攻撃できるアクアリュウケンドーが有効なのも分かっている。

 バスターズはバスターマシンの到着を待ち、リュウケンドーはアクアリュウケンドーに姿を変えてその場で待機した。

 

 しかしながら10分という、待つにはそれなりな時間。

 レッドバスターはふと、ブルーバスターに尋ねた。

 

 

「そう言えばリュウさん、さっきの『先輩』って、あれどういう意味なんですか?」

 

 

 リュウジは先程、陣マサトを名乗る人物に対して『先輩』という言葉を用いた。

 先輩、というからにはリュウジは後輩であるとか、何らかの関わりがあるとみていい。

 ブルーバスターは思い出したようにバスターズの2人とアクアリュウケンドーに語りだした。

 

 

「俺の憧れてた天才エンジニア……。13年前の転送研究センターの事件で亜空間に飛ばされたはずの、ね」

 

 

 懐かしむように語るブルーバスターにイエローバスターが質問する。

 

 

「じゃあ、さっきの人ってホントに亜空間から? リュウさんの事も分かってたみたいだし……」

 

 

 だが、その言葉にブルーバスターは首を横に振って否定した。

 

 

「決定的におかしな事が1つ。俺、昔ロボットコンテストで準優勝した事があるんだけど、その時の審査員が先輩でね。その頃と全く同じ顔だったんだよ」

 

 

 その言葉に3人と1本の剣の全員が驚きを示した。

 全く同じ顔、そう言われれば一瞬当たり前のことに聞こえる。

 だが、リュウジがロボットコンテストで準優勝したのは陣マサトが転送研究センターの事件に巻き込まれる前、即ち最低でも13年前だ。

 13年間、老けない人物なんているだろうか?

 そう考えれば自ずとその不自然さが分かる。

 全員を代表してかアクアリュウケンドーが驚きの声を上げた。

 

 

「なんだそりゃ!? 亜空間ってのは竜宮城かなんかか!?」

 

「そう、だから偽物って考えるのが普通だよ。エンターの罠とか……」

 

 

 かつての知り合いの姿を使って、なんて作戦はエンターが仕向けてきそうではある。

 陣マサト、そしてその相棒のようなバディロイド。

 ブルーバスターの発言は謎を一層深めるばかりであった。

 と、此処でイエローバスターが関係のない事に食いついた。

 

 

「そういえばリュウさん、ロボットコンテストの準優勝って凄いよね!」

 

 

 他の面々も「確かに」と同意するが、ブルーバスターは「素人の大会だよ」と自分のかつての功績を否定した。

 ブルーバスター、リュウジはマシンエンジニア志望の人間で、13年前まではその夢を追う為にひたすらに努力を続けてきた。

 そんな彼だからこそ天才エンジニアである陣マサトを心から尊敬していた。

 

 

「1位じゃなかったの、凄い悔しかったんだよなぁ。先輩の言葉もあんまり納得できなかったし」

 

「なんて言われたんですか?」

 

 

 レッドバスターの言葉にブルーバスターはかつてを回想しながら、今でも胸に残っている言葉を口にした。

 

 

「『完璧を求めるだけじゃ面白くない』……ってね」

 

 

 ブルーバスターの口から出た陣マサトの言葉に全員が疑問を抱いた。

 

 

「なんですかそれ、ロボットなら完璧を求めて当たり前じゃないんですか?」

 

 

 自分のバディロイド、チダ・ニックを思い浮かべながら言うレッドバスター。

 ニックはCB-01を動かすために必要だし、バイクに変形して足にもなるし、何よりもヒロムの良き相棒だ。

 だが、彼には機械なのに方向音痴という欠点が存在している。

 そんな彼を思い返せばそう思うのも当然、そもそも殆どの人間が機械には完璧を求めるだろう。

 

 リュウジもそうだった。

 しかし他の審査員やエンジニアなら言わないであろうその言葉がリュウジは酷く心に残っていた。

 先程現れた陣マサト。

 彼は本当に、リュウジの知る陣マサトなのであろうか?

 

 

 

 

 

 なんだかんだと話を繰り広げても陣マサトに関しての考察は終わらない。

 正体がはっきりせずにヒントも少ないのだから当たり前で、いつしか話題がループしかかっていた。

 そんな時バスターマシンが到着し、メガゾード転送完了まであと1分を切った。

 全員、陣マサトの事から戦闘に頭を切り替えてバスターマシンに乗り込む。

 その様子を見送ったアクアリュウケンドーも1本のマダンキーを取り出した。

 

 

「うっし……シャークキー! 召喚!!」

 

 

 ────アクアシャーク────

 

 

「いでよ、アクアシャーク!」

 

 

 青い魔方陣から鮫型獣王アクアシャークが現れる。

 まるで海の中を泳ぐかのように空を舞うアクアシャークは空の青も合わさってなかなか絵になる。

 アクアリュウケンドーはアクアシャークに命令した。

 

 

「アクアボード!」

 

 

 アクアシャークはその命令に素直かつ従順に従い、自分の体をボードモードへと変化させた。

 ボードに飛び乗るアクアリュウケンドーはサーファーのように見えなくもない。

 実際、アクアボードを操る時はサーフィンのボードに近い感覚だ。

 冷気を操る姿だが、アクアの名を冠しているだけあり、水場での戦いにも適しているのがアクアリュウケンドーであり、アクアシャークなのだ。

 

 一方、ゴーバスターズもそれぞれのバスターマシンに飛び乗って早速合体に移っていた。

 

 

「特命合体!」

 

 

 レッドバスターの号令と共にバスターマシンがゴーバスターエースを中心に合体を果たす。

 3つの力が1つとなった、ゴーバスターオーの完成だ。

 

 

「「「ゴーバスターオー、レディ……ゴー!!」」」

 

 

 3人の叫びと共に合体は完了した。

 ゴーバスターオーは現状でも最強のメガゾードと言われている。

 何せ、相手方の最強であるγを倒せるのだから。

 問題があるとすれば物量で攻められるとやや脆い所だろうが、それを差し引いてもゴーバスターオーは強い。

 

 何より今回はゴーバスターオーとアクアリュウケンドーの共同戦線でγ1体を相手にするのだから気持ちも少しは楽というものだ。

 勿論、誰1人として緊張感を持っていない人間はいないが。

 レッドバスターはメインカメラをあちこちに回して何かを探すように辺りを見渡した。

 メガゾード転送完了まであと約30秒。

 しかし探しているのはメガゾードではない。

 

 

(ダンクーガは出てこないか……?)

 

 

 前回の戦いでメガゾード戦に介入してきたダンクーガ、レッドバスターはそれを警戒していた。

 一度は共に戦い、ヴァグラスを敵視するような発言をしたダンクーガに対して警戒。

 これはダンクーガに信用できる要素が少なすぎる事に起因している。

 陣マサトを名乗る人物を全く信用できないのと同じだ。

 いくらヴァグラスと敵対していたとしても、都合よく味方、とはいかないかもしれない。

 

 辺りを警戒しているうちにあっという間に数十秒は経過する。

 モーフィンブレスに仲村の通信が入った。

 

 

『3、2、1……来ます!』

 

 

 空間が歪み、歪みの中心からメガゾードタイプγが地上に土煙を上げて降り立つ。

 右腕にはソウジキロイドのように掃除機のノズルがついている。

 メタロイドのデータが転送され、強化されていることの証だ。

 タイプγ、ソウジキゾードは目の前のゴーバスターオーとアクアリュウケンドーを無視して最寄りのエネトロンタンクへと向かっていく。

 

 メガゾードは無人機であるが故に特定のプログラムを忠実に実行する。

 通常、命令は1つ。

 エネトロンを奪取する、もしもその邪魔をする存在がいればその排除。

 ヴァグラス側がエネトロンを優先している限り無暗に暴れる事はない。

 今回もその例に漏れないが、エネトロンはこの世界のライフラインであり、ゴーバスターズが守る対象だ。

 

 

「待て!」

 

 

 レッドバスターが操縦桿を操作してゴーバスターオーをソウジキゾードに向ける。

 そしてブーストバスターソードで一閃、ソウジキゾードは火花を散らせてぐらついた。

 態勢を立て直したソウジキゾードはゴーバスターオーを敵と認識し、掃除機のノズルを向け、本物の掃除機のように吸引を始めた。

 吸引の力は半端ではなく、ゴーバスターオーですらその威力にバランスが崩れる。

 

 

「うおおおおおッ!!?」

 

 

 より大変なのはゴーバスターオーの近くにいたアクアリュウケンドーだろう。

 アクアボードを吸引とは逆方向に向けて必死に抵抗しているが、だんだん吸い込まれていっている。

 ゴーバスターオーの質量は3700t。

 この凄まじい重量の機体が揺らされるほどの吸引なのだから当然である。

 むしろ今、ほんの少しでも耐えられている事が凄まじいのだ。

 

 

「吸い込まれるー!! あの掃除機ヤロー、何とかできねぇのかよ!?」

 

 

 アクアリュウケンドーの嘆きも虚しく、ソウジキゾードは極めて無感情にノズルを向けて全力吸引を続けるだけだ。

 辺りのビルや民家も吸い込まれることはなくとも嫌な音を立て、車や外灯は地面から引っぺがされてノズルに吸い込まれていく。

 ゴーバスターオーも吸引の風に煽られてまともに直立できていない。

 余裕の勝負かと思いきや日用品が巨大化するとこんなにも強力なものになるのかと、戦場のヒーロー達は思った。

 そんな時、ゲキリュウケンは1つの方策を閃く。

 

 

『剣二』

 

「なんだよッ!?」

 

『いっそ吸い込まれろ』

 

「はあァッ!? お前何てこと言ってんだよ!?」

 

 

 無慈悲な相棒の言葉に全力でツッコむアクアリュウケンドー。

 しかし、ゲキリュウケンがそう提案せずともアクアボードはぐんぐんソウジキゾードに引き寄せられている。

 吸い込まれるのは時間の問題だろう。

 

 

『話は最後まで聞け。あのノズルを壊せばいいんだろう?』

 

「できりゃ苦労はしねぇよ!」

 

『なら、氷で詰まらせてやればいい』

 

 

 そこでアクアリュウケンドーも気づいた。

 ノズルの内部が詰まれば吸引は出来ない。

 そうすれば奴を倒す事は簡単な事。

 

 

「……! そうか!! 一寸法師ってわけだな!?」

 

『少し違う気もするが、そういう事だ』

 

「そうと決まりゃ、行くぜ!!」

 

 

 アクアリュウケンドーはアクアボードを反転させ、ソウジキゾードに向けて加速した。

 吸引の力も相まってノズルに吸い込まれていく速度は生半可ではない。

 ゴーバスターオーの中のバスターズがそれを視認できたのは、ほんの一瞬だった。

 

 

「ッ!? あいつ、何を……」

 

 

 レッドバスターの不安の声を余所に、アクアリュウケンドーを飲み込んだソウジキゾードに異変が起きた。

 突如、ゴーバスターオーの揺れが収まったのだ。

 ソウジキゾードもAIとは思えぬ挙動で困惑している。

 ゴーバスターオーの揺れの原因である吸引。その風が、ノズルから出てこなくなったのだ。

 そして次の瞬間には、ノズルの表面のあちこちに氷ができ始めた。

 氷がノズルを蝕んでいくように徐々に、徐々に凍り始める。

 最後にはノズル部分全体が粉々に砕け、内部からアクアボードで宙を舞うアクアリュウケンドーがゲキリュウケンを振り上げて出現した。

 

 

「今だァッ!!」

 

 

 アクアリュウケンドーの叫びが止めの一撃を求めているものだと察した3人は、急ぎ操縦席の機械を操作した。

 ブーストバスターソードにエネトロンがチャージされ、脚部と足のタイヤパーツから発せられた疑似亜空間フィールドで相手を捕らえる。

 ノズルそのものが右腕であったソウジキゾードはバランスを崩しており、狙うのは容易かった。

 アクアリュウケンドーの離脱を確認し、モーフィンブレスを操作しながらレッドバスターは叫ぶ。

 

 

「ディメンションクラッシュ!」

 

 ────It's time for buster!────

 

 

 ブーストバスターソードの強烈な一閃はソウジキゾードを斜めに切り裂く。

 疑似亜空間フィールドによって身動きの取れないソウジキゾードはその一撃を抵抗せずに貰う他なく、その躯体はダメージの限界量を突破して爆散した。

 

 

「シャットダウン、完了!」

 

 

 レッドバスターの宣言により、この場は一旦の平和を見る事となった。

 勝利に喜ぶ戦士達。

 そんな中、モーフィンブレスに通信が入った。

 魔弾戦士達はその鎧の内側に通信機があるので、それで通信を行う。

 バスターズの3人とリュウケンドーは通信に応答した。

 聞こえてきたのは焦る仲村の声だった。

 

 

『大変です! 翼さんが……』

 

 

 翼はノイズ殲滅に向かっていると聞いていた。

 そして、仲村は躊躇するように間を置いて、ゆっくりと状況を告げた。

 

 

『……重傷で、病院に搬送されました』

 

 

 勝利の余韻には、浸れそうにない。

 

 

 

 

 

 エンターは上機嫌だった。

 大ショッカーとの協力関係、ジャマンガとの共闘、これらは全て仮面ライダーや魔弾戦士、シンフォギア装者と結託したゴーバスターズに対抗する為の措置だ。

 エンター、引いてはヴァグラスの目的はエネトロンの奪取にある。

 決して正義の戦士とあの手この手でやり合う事が目的ではない。

 

 さらに言えばメタロイドやメガゾードにもエネトロンは使うわけで、効率を本気で重視するならこれらもあまり使いたくはない。

 つまり、ヴァグラスがエネトロンを奪いやすい環境を整えるには他組織と結託して怪人達を差し向けさせるのが一番手っ取り早かった。

 そういう意味で仮面ライダーを倒すという事に傾倒する大ショッカーや、マイナスエネルギー回収の中で何だかんだと言いつつ対魔弾戦士を想定しているジャマンガは扱いやすかった。

 

 だが、此処で油断せずにもうひと押しするのがエンターだ。

 

 そこでエンターが目に付けたのがノイズという存在だった。

 ノイズの事は勿論エンターも知っていたし、足りない知識も全て現実世界において仕入れてある。

 そして最近、この辺りでのノイズ発生がおかしなほど頻発している事に着目した。

 ノイズの異常発生に対してエンターが出した結論は特異災害対策機動部二課が出した結論と同一。

 何者かの手によるものである。

 で、あるならばノイズの発生に立ち会えればその『何者か』が現れる筈。

 その考えが正しかったからエンターは今、非常に機嫌が良いのだ。

 

 エンターがノイズに着目したのには理由がある。

 まず、『シンフォギアとディケイド以外では触れられない』という点。

 ゴーバスターズ、リュウケンドー、リュウガンオーはノイズに触れても炭化はしない。

 が、積極的な殲滅となるとシンフォギアかディケイドに頼らざるを得ないのだ。

 実際の所、ノイズ出現の際に出動した時に前衛に出るのはいつも響と翼と士。

 それ以外は基本的に後衛に回るか、避難誘導をしているかのどちらか。

 炭化能力が無効化できてもノイズが厄介である事は変わらないのだ。

 

 その厄介さがエンターは欲しかった。

 エンターの目的はエネトロン奪取への時間稼ぎに他ならない。

 つまり、例え弱くても『倒しにくい存在』がヴァグラスにはうってつけなのだ。

 ノイズがいるだけでシンフォギア装者とディケイドはそこにいざるを得なくなり、他の戦士も市民の防衛に回らなければならなくなる。

 これに怪人までプラスされたらエンターの動向を気にはできても止められる者はいない。

 ノイズを操れる力を手にできればヴァグラスのエネトロン回収はより確実になる。

 エンターの目的はそういう事であった。

 

 ネフシュタンの少女をひっそりと追っていくと、山奥の非常に大きな屋敷に辿り着いた。

 崖の下まで屋敷の造りは広がっており、中々凄い形状をした屋敷だ。

 さらに言えば崖とは逆に位置する湖畔にまでそれは広がっており、エンターも此処までの豪邸を見た事は無かった。

 

 

(フランスにも行きましたが、此処まで大きい屋敷は初めてですね……)

 

 

 大ショッカーとの接触はヨーロッパに怪人が現れ、インターポールが動いているという話を聞きつけたのが始まりだった。

 エンターはコンピュータから生まれたメサイアの、言わば一部だ。

 その程度の情報収集は簡単だし、怪人出現の噂はネットで流れていた。

 例え情報封鎖をしたとしても口に戸は立てられず、どうしたって噂は広がる。

 怪人や怪物と言った単語からヴァグラスに協力できそうな組織を探す中で、大ショッカーの怪人の噂を聞きつけた為にフランスに飛んだのだ。

 

 似非のようなフランス語を使うエンターだけあってフランスには興味があったのか、大ショッカーとの協定後、実は少しだけフランスを見て回ったりしていたのだ。

 マジェスティがまた何というか、と考えて利口なエンターは早々に観光を切り上げたが。

 

 

「……フム、では早速入ってみるとしましょうか」

 

 

 

 

 

 

 屋敷に入って一番大きな部屋、大ホールのような恐らくはリビングに相当する場所でエンターが目にしたのは銀髪の少女が苦しむ姿だった。

 派手にぶっ倒れて右に左に転がっている。

 それが先程の鎧の少女だと気付いたのはすぐだった。

 

 

(オーララ、これはまた……)

 

 

 悲鳴を上げ、痛がり、苦しんでいるがそれを見てもエンターは何も感じない。

 人間に対しての感情などエンターは持ち合わせていないからだ。

 

 

「随分苦しそうですね、マドモアゼル?」

 

 

 一先ず少女に話しかけるエンター。

 交渉にせよ何にせよ、まずは口を開かなければ始まらない。

 銀髪の少女は痛む箇所を押さえ、ふらつきながら立ち上がった。

 しかし猫背になってしまっている辺りかなりの痛みが走っている事が伺える。

 

 

「ンだ、テメェは……!」

 

「私はエンター。以後、お見知りおきを」

 

 

 深々と仰々しく、そして演技のようなお辞儀は銀髪の少女からすれば何一つ信頼できない。

 エンターはゆっくりと顔を上げた。

 

 

「大変苦しそうですが、いかがしましたか?」

 

「るっせぇ、テメェには関係ねぇ! こっからでてけぇ!!」

 

 

 銀髪の少女は置かれていた杖、そう、ノイズを発生させる杖を手にしてノイズをエンターの周りに発生させた。

 エンターは動じない。

 むしろ、喜びの笑みを浮かべた。

 

 

「トレビアン! やはり、その杖にこそ秘密が……」

 

 

 一方の銀髪の少女は杖を構えて臨戦態勢を崩さない。

 

 

「おどけてんじゃねぇぞ、こいつ等がどれだけ危険か知らねぇわけねぇだろ?」

 

 

 ノイズは一度触れれば人間が即死する。

 それがどれだけ鍛えた人間だろうが、例え地上最強の生物であったとしても『人間』であれば一瞬で炭にすることができる正しく人間の天敵だ。

 並の人間ならこれを出すだけで脅しになる。

 これでこのエンターという人物も撤退するだろうと銀髪の少女は考えていた。

 だが、エンターは銀髪の少女の目の前でとんでもない行動に出た。

 

 

「ええ、よく知ってます」

 

 

 言いつつ、手近なノイズに片手を突っ込んだ。

 制御されているノイズは一切動かない。

 銀髪の少女は目を見開いた。

 

 

「馬鹿ッ!? 本気で死……!?」

 

 

 死ぬぞ、そう言おうとしたがエンターが全く平然としているのを見てさらに驚愕した。

 ノイズに触れて平気な人間とは、即ち人間ではないという事とイコールである。

 それが例えばシンフォギア装者やゴーバスターズのように鎧を纏っているならいい。

 が、目の前のエンターなる人物は見るからに生身だ。

 

 

「お、前、人間じゃねぇな……?」

 

「はい。私はアバター、いわばデータです」

 

 

 言葉通り、エンターはアバター、つまりデータの塊である。

 ノイズに触れられようが炭化はしない。

 アバターの転送元である亜空間を攻略されない限り、例え攻撃を食らってデータが砕けてもすぐにデータを復元し再起動できる。

 実質、エンターはノイズに対して無敵なのだ。

 

 

「今日は少々お話ししたい事がありまして」

 

 

 エンターの言葉に警戒が一切抜けない銀髪の少女。

 むしろエンターが人間であれば少しは気が抜けたというものだ。

 ネフシュタンの鎧に身を食われそうな状況で鎧は纏えない。

 さらにノイズによる脅しまで通用しないとなると銀髪の少女としては本気で手詰まりだ。

 

 

「目的は……何だよ」

 

「協力関係を結ぶ事。それだけです」

 

 

 協力関係を結ぶ。

 そうは言っても、実は銀髪の少女に命令を与えている人物がいる。

 銀髪の少女の独断で決められるような事ではない。

 何よりも手も足も出ないこの状況で人外を相手にしたくはない。

 

 

「あたしに決定権はない。悪いが後にするんだな」

 

「……そうですか、分かりました。では時間を置いて出直します」

 

 

 エンターはくるりと踵を返してその場を去った。

 銀髪の少女は意外そうにその光景を見つめた。

 しばらく待っても、エンターが戻ってくる気配はしない。

 辺りを見渡しても姿は見当たらないし、既に誰かの気配もない。

 驚くほど呆気なく、エンターはその場を後にした。

 

 

「なん、だったんだよ……ッ」

 

 

 自分で放ったノイズを杖の力で消し、苦しそうに呟く。

 気合で持たせていたがいい加減に鎧に蝕まれる痛みと苦しみが限界に達した銀髪の少女はその場に倒れ伏せた。

 死ぬ事こそ今のところ無いものの、痛みと苦しみは確実に銀髪の少女を蝕んでいた。

 

 

 

 

 

 一方、潔く引いたエンターにもわけがあった。

 屋敷を出て、後ろを振り返る。

 じっと屋敷を見つめながらエンターは考えた。

 

 

(あの少女単独ではないという事は、我々で言うマジェスティに相当する人物がいる……)

 

 

 はっきり言って、欲しいのはノイズの力のみ。

 杖にその力が秘められているのなら奪っても良かった。

 だが、それをしないのには幾つか理由があった。

 

 1つに杖の使い方。

 杖が特定の誰かしか使えないだとか、何かしらの特殊な力がいるだとか。

 とにかくそういう類の物であった場合に無理矢理奪っても意味はなくなる。

 

 2つに無駄に敵を増やす。

 杖でノイズを出現させて立ち回っている銀髪の少女達にとってあの杖は大切なものだろう。

 それを奪う事は敵対する事に他ならない。

 そうなれば、当然銀髪の少女の言う決定権を持つ人物も敵に回す事になる。

 もしも杖の使い方が特殊な場合、敵対までされるとさらに厄介な事になるからだ。

 

 それに大ショッカーやジャマンガは敵対組織が同じという共通点があったが、銀髪の少女はどうもシンフォギア装者の1人を攫おうとしていると先程の戦闘で言ったのをエンターも聞いている。

 だが、それが目的の為に必要なだけで、敵対する意思はあまりないという可能性も捨てきれない。

 相手を倒す事が目的でないのはヴァグラスも同じだからこそ、そう考えた。

 元々他の組織の力が必要なのはヴァグラスがエネトロンを効率よく奪取する為。

 決してゴーバスターズを積極的に倒すという目的ではないのだ。

 

 

(そうなるとすぐに協力を、というわけにはいきませんね)

 

 

 そのタイプの組織は実は協力関係を結ぶのが一番厄介なのだ。

 大ショッカーやジャマンガなら「お互いの敵が手を組んだからいるから共に戦おう」で済む。

 だが、敵を倒す事が目的で無い組織は相手の目的を聞いたうえで利害の一致を確かめる必要がある。

 そして、敵対するかもしれない組織にそれを簡単に話すかどうかは分からない。

 仮に話したとしても利害が一致しなければ交渉決裂待ったなしだ。

 

 

(……相手方の目的にもよりますか)

 

 

 ヴァグラス側としてはエネトロンを狙っての行動は世界中に流れている事なので今更隠すような事でもない。

 問題は、銀髪の少女の組織が目的を話してくれるか。

 話したうえで、協力関係に持ち込めるかだ。

 少々面倒な交渉になるかもしれないな、と考えてエンターはフッと笑った。

 

 

「まっ、そうでなければ別の手を考えるだけです」

 

 

 エンターは頭が良く、作戦立案も得意だ。

 そして何よりも切り替えが早い。

 ポジティブと言い換えてもいいだろう。

 目的の為に様々な策や保険を巡らせる用意周到な男。

 それがエンターという人物なのだ。




────次回予告────
Super Hero Operation!Next Mission!

「翼の容体は?」
「貴女が気に病む必要はありませんよ」
「自分を殺して戦うと、碌な事にならないな」
「……妙な事ばかり起きますねぇ」
バスターズ、レディ……ゴー!

Mission27、疑念と決意

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