ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
ニコニコでD×D一期のライザー戦のドライグ見て、その後自分の小説のドライグ見てたら…………ヒデェキャラ改変したなぁと思いました(笑)
ごめんな、ドライグ………ww
「本当にありがとうございました!!」
アンダーワールドでの激戦を終えた俺達は、その後現実世界へと戻り、アーシア達が手当てしていた信彦君のお母さんから礼を言われていた。
どうやら二人とも無事みたいで……本当によかった。
「良いですよ、お礼なんて」
「……ありがとう。一誠兄ちゃん、晴人兄ちゃん」
「気にすんなって。それより、もうお母さんに心配かけちゃ駄目だぜ?」
「…うん!」
それを最後に、信彦君達親子は仲睦まじく帰っていった。
「……もう、大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。信彦の中の魔力は消えたので……もう狙われる心配はないです」
「…そう」
「それにいざとなったら、ここにいるおっぱいドラゴンが守ってくれるでしょ!」
「そ、それだけは言うなよ!」
ドライグが泣いちまうだろ!?
『う、うおぉぉぉぉぉん!!』
『はぁい、坊や~良い子だねんねしや~』
『赤ん坊か』
「はは、とっても仲がいいんだね」
『『『仲良くない!!!』』』
息ピッタリじゃんか。
「ま、喧嘩するほど何とやらだよな」
「そうだな………って、晴人はこれからどうするんだ?」
俺がそう聞くと、辺りはしんと静まり返る。
「…………」
「晴人?」
だんまりになった晴人に俺が聞いてみると、晴人は、
「いや~…………どう帰ろう」
引き攣った笑みを浮かべていた。
「って、マジでどう帰るんだよ!?このままじゃ俺路上で死ぬぞ!」
『異世界を行き来できそうなあの変な石は……ファントムと一緒に潰してしまったからな』
「……やべぇ、詰んでる」
その場にへたり込む晴人に、何も言えない俺達。
すると、
「ん?」
ゼノヴィアが何かに気付いた。
「どした?」
「いや、あそこに変な鳥が」
鳥?怪訝に思い振り返ると――――そこには確かに、白い小さな鳥が飛んでいた。
「……って、あの鳥晴人の使い魔に似てるような…。おい晴人!」
「んあ?……………あーーーーーーっ!!!!」
意気消沈しながら顔をそっちに向けた晴人だったが、その鳥を見つけた途端、急に叫びだした!
「おまっ!!白い魔法使いの………待てコラァ!!」
『ピィー!』
慌てて捕まえようとした晴人だったが、白い鳥はそんなの知るかとばかりに何かを晴人の鼻先に投げた!
「いっ!?ってぇ~……………」
「晴人!?っておいコラ!」
晴人が痛みに蹲っている間にも、鳥は逃げていく!
「だ、大丈夫か?」
「う~…………あ、これは………」
立ち上がった晴人の手には、さっき白い鳥が投げたと思しき物体が。
「……指輪だ」
『えっ!?』
驚いて俺達も確認すると、確かにそこには晴人が使っている指輪が。
だが中の石はオレンジではなく、紫色をしているのが特徴的だった。
『相棒、これは……』
「あぁ……また、助けてもらったって訳だな」
「?」
「……あぁ、悪いな。話し込んじゃって。………多分、帰れる目途が立った」
そう言うと晴人は、その指輪を手に付けて、腰に翳した。
《ディメンジョン・プリーズ》
音声が響くと、目の前には不思議な穴が開いていた。
「おぉ、何かそれっぽいな」
「あぁ。……………んじゃ、お別れだな」
―――――っ。
そう、晴人は別世界の住人。
これを潜るって事は、晴人とはもう会えないって事になる。
「……………」
「なぁに辛気臭い顔してんだよ?もう会えないって決まった訳じゃないんだし」
晴人は俺の肩を叩いて、そう言ってくる。
「……違うんだ」
「ん?」
確かに、その寂しさもあると思う。
でも、それだけじゃなかった。
「……俺、晴人みたいに誰かの希望になるとか、そんな立派な事はまだ出来ない。だから、お前が俺達の世界に来た時から、ずっと考えてたんだ。スケベで変態で、おっぱいの事を常時考えてるような俺と違って、晴人は本当に、眩しいからっ………俺、もっと晴人を見ていたいんだ。晴人みたいな、ヒーローに…………」
「イッセー……」
ずっと、自分の中で比べてたんだ。
ヴァーリの時みたいに。
俺と違って、魔力も、戦闘のセンスだって桁違いなまでに上な晴人。
何時もは飄々としてて、掴み処がないけど、誰かの希望を守る為なら命だって晴れる晴人。
俺も、晴人みたいな、ヒーローになれたら………って、思わせるんだ。
「……………」
俺がずっと思っていた劣等感を吐き出すと、晴人は小さく息を吐いた。
「それは違うよ、イッセー」
そして、俺の言葉を否定した。
「…え?」
「その発言は、ここまでのお前自身を否定する事になる。俺、お前の事を聞いたって言ってたよな?ここにいる部長、朱乃さん、アーシア、小猫ちゃん、木場、ギャスパー……みんなお前が蟠りを説いた。つまり――――絶望を払ってるじゃないか。それだけで……お前は皆の希望になれてる」
「……っ」
「それに……お前は俺みたいにはなれないよ。俺として生きれるのは、俺だけだからな…………それに、お前として生きられるのも、お前だけだ。だから…………自分の事だけは、何があっても否定するな。そうやって、人は強くなっていくんだから」
「……晴人」
そこで言葉を切ると、晴人はニッと笑った。
「お前はお前なりのやり方で、これから誰かの希望になっていきゃ良い。おっぱい大好き?そんなの上等じゃねーか。おっぱいが嫌いな奴なんていない。俺だって大好きだからな。……………それがお前の強さなんだからよ。それだけは、忘れるな」
……………そうだった。
俺、何を迷ってたんだ。
俺は晴人じゃない、そんなの当り前だ…………だったら、俺は俺なりのやり方で、ヒーローになっていけばいい。
俺は、きっとそう言ってもらいたかったんだと思う。
「……………ありがとよ、晴人」
俺がそう言うと、晴人は安心したように微笑んだ。
「……何かさ、やっぱり晴人って、年上みたいな感じだよな」
「ん?」
「……俺にも、兄さんがいたら、こんな感じだったのかな」
「………かもな」
晴人はそう呟くと、俺の胸に拳を当てた。
「イッセー、約束してくれ。この先何があっても、希望を捨てないでくれ。お前は………四つの希望を託されてここにいる。何があっても、託された物を蔑ろにするのはしないでくれよ…………それが、俺の願いだ」
「…………あぁ、分かった」
俺の言葉を聞いて、晴人は俺から離れて、ホールの前に立った。
「それじゃ……………せーのっ」
『?』
最後に、何か呼吸を合わせるかのように息を吸った晴人は、両手の人差し指を虚空に向け――――
「『ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん!!!』」
『………ず、ずむずむいや~ん…………』
―――――ってこの空気でおっぱいドラゴンのセリフかよ!?
「―――じゃな!また会おうぜ、おっぱいドラゴン!!」
『あばよ、異世界の俺!』
『………まぁ、達者でな』
呆気に取られる俺達を尻目に、「してやったり」な顔で笑うと、晴人はホールの中へと飛び込んだ!
そしてホールは、完全に消失した。
「…………また会おうな。希望の赤龍帝」
「ご苦労だったな。ガルーダ」
『ピィ!』
「……そうとも。お前は私にとっての希望でもあるのだからな。兵藤一誠」
《ディメンジョン・ナウ》
ーーーーー
「うぁあああああああああ!!!!!!」
ドボシャーン!!!
ホールに飛び込んだ俺だったが、気付けば何かの水たまりの中に落ちた!
って熱い!!これお湯じゃんか!!
何処だここは………って、なんかこの風呂場、見覚えがあるな………
「……誰かいらっしゃるので、すか………………」
呆然としている俺の眼前で、浴室の扉が開いた。
………って、今の声は。
「………………イッセー?!」
俺の視界に入ってきたのは、俺の大切な恋人である、グレイフィア。
しかも呼び捨て………って事は。
「―――――ただいま、グレイフィア」
俺がそう言うと、グレイフィアは目じりに涙を浮かべて抱き着いてきた!
「良かった…………良かった、無事でっ………!!」
「ごめん、心配かけちゃって…。俺は、ちゃんとここにいるから」
あぁ、しかし………やはりグレイフィアのおっぱいの感触は、良いなぁ!!
元の世界にかえって来て早々に、天元突破しそうなその時、どたどたと足音が聞こえてきた!
「やっぱりイッセー!帰ってきたのね……って、グレイフィア!?」
「はうっ!先にグレイフィアさんに独占されてますぅ!」
「ここは……私も本気を出さざるを得ないようですわね」
「今日はイッセーが帰ってきた記念の開戦だな!今日こそ子作りだ!」
「イッセー先輩の膝上は……渡しませんから…」
「って、えぇぇぇえ!?すっごい場面に遭遇しちゃった!私墜ちちゃう!」
「イッセー君。不純性交友はいけませんよ?」
「さてイッセー。離れていた分、たっぷりとイッセー成分を補給させてもらおうか」
『『ワンワン!』』
「ここは私も本気を出す時が来たようね☆覚悟して頂戴な、イッセー君!」
―――――あぁ、やっぱりおっぱいって良いな。
改めてそう確信したのであった。
そんなこんなで、俺の長いようで短い異世界漂流記は、終わりを迎えた。
次回はちょこっと番外編!
晴人が異世界で何をしていたかをちょいちょい書いていきます
ドライグ『俺達の出番はあるのか!?』
あんまり考えてないよ!もしかしたら気分でチョイ役かもね!
ドライグ『出してくれぇ!出してくれよぉ!!』