ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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もう一話投稿です

ニコニコでD×D一期のライザー戦のドライグ見て、その後自分の小説のドライグ見てたら…………ヒデェキャラ改変したなぁと思いました(笑)


ごめんな、ドライグ………ww


MAGIC86『別れ』

 

「本当にありがとうございました!!」

 

アンダーワールドでの激戦を終えた俺達は、その後現実世界へと戻り、アーシア達が手当てしていた信彦君のお母さんから礼を言われていた。

 

どうやら二人とも無事みたいで……本当によかった。

 

「良いですよ、お礼なんて」

「……ありがとう。一誠兄ちゃん、晴人兄ちゃん」

「気にすんなって。それより、もうお母さんに心配かけちゃ駄目だぜ?」

「…うん!」

 

それを最後に、信彦君達親子は仲睦まじく帰っていった。

 

「……もう、大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。信彦の中の魔力は消えたので……もう狙われる心配はないです」

「…そう」

「それにいざとなったら、ここにいるおっぱいドラゴンが守ってくれるでしょ!」

「そ、それだけは言うなよ!」

 

ドライグが泣いちまうだろ!?

 

『う、うおぉぉぉぉぉん!!』

『はぁい、坊や~良い子だねんねしや~』

『赤ん坊か』

「はは、とっても仲がいいんだね」

『『『仲良くない!!!』』』

 

息ピッタリじゃんか。

 

「ま、喧嘩するほど何とやらだよな」

「そうだな………って、晴人はこれからどうするんだ?」

 

俺がそう聞くと、辺りはしんと静まり返る。

 

「…………」

「晴人?」

 

だんまりになった晴人に俺が聞いてみると、晴人は、

 

 

 

 

 

「いや~…………どう帰ろう」

 

引き攣った笑みを浮かべていた。

 

「って、マジでどう帰るんだよ!?このままじゃ俺路上で死ぬぞ!」

『異世界を行き来できそうなあの変な石は……ファントムと一緒に潰してしまったからな』

「……やべぇ、詰んでる」

 

その場にへたり込む晴人に、何も言えない俺達。

 

 

 

 

すると、

 

 

「ん?」

 

ゼノヴィアが何かに気付いた。

 

「どした?」

「いや、あそこに変な鳥が」

 

鳥?怪訝に思い振り返ると――――そこには確かに、白い小さな鳥が飛んでいた。

 

「……って、あの鳥晴人の使い魔に似てるような…。おい晴人!」

「んあ?……………あーーーーーーっ!!!!」

 

意気消沈しながら顔をそっちに向けた晴人だったが、その鳥を見つけた途端、急に叫びだした!

 

「おまっ!!白い魔法使いの………待てコラァ!!」

『ピィー!』

 

慌てて捕まえようとした晴人だったが、白い鳥はそんなの知るかとばかりに何かを晴人の鼻先に投げた!

 

「いっ!?ってぇ~……………」

「晴人!?っておいコラ!」

 

晴人が痛みに蹲っている間にも、鳥は逃げていく!

 

「だ、大丈夫か?」

「う~…………あ、これは………」

 

立ち上がった晴人の手には、さっき白い鳥が投げたと思しき物体が。

 

「……指輪だ」

『えっ!?』

 

驚いて俺達も確認すると、確かにそこには晴人が使っている指輪が。

だが中の石はオレンジではなく、紫色をしているのが特徴的だった。

 

『相棒、これは……』

「あぁ……また、助けてもらったって訳だな」

「?」

「……あぁ、悪いな。話し込んじゃって。………多分、帰れる目途が立った」

 

そう言うと晴人は、その指輪を手に付けて、腰に翳した。

 

《ディメンジョン・プリーズ》

 

音声が響くと、目の前には不思議な穴が開いていた。

 

「おぉ、何かそれっぽいな」

「あぁ。……………んじゃ、お別れだな」

 

 

―――――っ。

 

 

 

そう、晴人は別世界の住人。

 

 

 

これを潜るって事は、晴人とはもう会えないって事になる。

 

 

 

「……………」

「なぁに辛気臭い顔してんだよ?もう会えないって決まった訳じゃないんだし」

 

晴人は俺の肩を叩いて、そう言ってくる。

 

「……違うんだ」

「ん?」

 

確かに、その寂しさもあると思う。

でも、それだけじゃなかった。

 

「……俺、晴人みたいに誰かの希望になるとか、そんな立派な事はまだ出来ない。だから、お前が俺達の世界に来た時から、ずっと考えてたんだ。スケベで変態で、おっぱいの事を常時考えてるような俺と違って、晴人は本当に、眩しいからっ………俺、もっと晴人を見ていたいんだ。晴人みたいな、ヒーローに…………」

「イッセー……」

 

ずっと、自分の中で比べてたんだ。

ヴァーリの時みたいに。

 

俺と違って、魔力も、戦闘のセンスだって桁違いなまでに上な晴人。

 

 

何時もは飄々としてて、掴み処がないけど、誰かの希望を守る為なら命だって晴れる晴人。

 

 

 

俺も、晴人みたいな、ヒーローになれたら………って、思わせるんだ。

 

 

 

「……………」

 

俺がずっと思っていた劣等感を吐き出すと、晴人は小さく息を吐いた。

 

「それは違うよ、イッセー」

 

そして、俺の言葉を否定した。

 

 

「…え?」

「その発言は、ここまでのお前自身を否定する事になる。俺、お前の事を聞いたって言ってたよな?ここにいる部長、朱乃さん、アーシア、小猫ちゃん、木場、ギャスパー……みんなお前が蟠りを説いた。つまり――――絶望を払ってるじゃないか。それだけで……お前は皆の希望になれてる」

「……っ」

「それに……お前は俺みたいにはなれないよ。俺として生きれるのは、俺だけだからな…………それに、お前として生きられるのも、お前だけだ。だから…………自分の事だけは、何があっても否定するな。そうやって、人は強くなっていくんだから」

「……晴人」

 

そこで言葉を切ると、晴人はニッと笑った。

 

「お前はお前なりのやり方で、これから誰かの希望になっていきゃ良い。おっぱい大好き?そんなの上等じゃねーか。おっぱいが嫌いな奴なんていない。俺だって大好きだからな。……………それがお前の強さなんだからよ。それだけは、忘れるな」

 

 

……………そうだった。

 

 

俺、何を迷ってたんだ。

 

 

 

 

俺は晴人じゃない、そんなの当り前だ…………だったら、俺は俺なりのやり方で、ヒーローになっていけばいい。

 

 

俺は、きっとそう言ってもらいたかったんだと思う。

 

 

 

 

 

 

「……………ありがとよ、晴人」

 

俺がそう言うと、晴人は安心したように微笑んだ。

 

「……何かさ、やっぱり晴人って、年上みたいな感じだよな」

「ん?」

「……俺にも、兄さんがいたら、こんな感じだったのかな」

「………かもな」

 

晴人はそう呟くと、俺の胸に拳を当てた。

 

「イッセー、約束してくれ。この先何があっても、希望を捨てないでくれ。お前は………四つの希望を託されてここにいる。何があっても、託された物を蔑ろにするのはしないでくれよ…………それが、俺の願いだ」

「…………あぁ、分かった」

 

俺の言葉を聞いて、晴人は俺から離れて、ホールの前に立った。

 

「それじゃ……………せーのっ」

『?』

 

最後に、何か呼吸を合わせるかのように息を吸った晴人は、両手の人差し指を虚空に向け――――

 

 

 

 

 

「『ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん!!!』」

『………ず、ずむずむいや~ん…………』

 

 

 

―――――ってこの空気でおっぱいドラゴンのセリフかよ!?

 

 

 

 

「―――じゃな!また会おうぜ、おっぱいドラゴン!!」

『あばよ、異世界の俺!』

『………まぁ、達者でな』

 

呆気に取られる俺達を尻目に、「してやったり」な顔で笑うと、晴人はホールの中へと飛び込んだ!

 

 

 

 

 

そしてホールは、完全に消失した。

 

 

 

 

 

 

「…………また会おうな。希望の赤龍帝」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労だったな。ガルーダ」

『ピィ!』

「……そうとも。お前は私にとっての希望でもあるのだからな。兵藤一誠」

《ディメンジョン・ナウ》

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「うぁあああああああああ!!!!!!」

 

 

ドボシャーン!!!

 

 

ホールに飛び込んだ俺だったが、気付けば何かの水たまりの中に落ちた!

って熱い!!これお湯じゃんか!!

 

何処だここは………って、なんかこの風呂場、見覚えがあるな………

 

「……誰かいらっしゃるので、すか………………」

 

呆然としている俺の眼前で、浴室の扉が開いた。

 

 

………って、今の声は。

 

 

「………………イッセー?!」

 

 

 

俺の視界に入ってきたのは、俺の大切な恋人である、グレイフィア。

しかも呼び捨て………って事は。

 

 

 

「―――――ただいま、グレイフィア」

 

 

 

俺がそう言うと、グレイフィアは目じりに涙を浮かべて抱き着いてきた!

 

 

「良かった…………良かった、無事でっ………!!」

「ごめん、心配かけちゃって…。俺は、ちゃんとここにいるから」

 

あぁ、しかし………やはりグレイフィアのおっぱいの感触は、良いなぁ!!

 

 

 

元の世界にかえって来て早々に、天元突破しそうなその時、どたどたと足音が聞こえてきた!

 

「やっぱりイッセー!帰ってきたのね……って、グレイフィア!?」

「はうっ!先にグレイフィアさんに独占されてますぅ!」

「ここは……私も本気を出さざるを得ないようですわね」

「今日はイッセーが帰ってきた記念の開戦だな!今日こそ子作りだ!」

「イッセー先輩の膝上は……渡しませんから…」

「って、えぇぇぇえ!?すっごい場面に遭遇しちゃった!私墜ちちゃう!」

「イッセー君。不純性交友はいけませんよ?」

「さてイッセー。離れていた分、たっぷりとイッセー成分を補給させてもらおうか」

『『ワンワン!』』

「ここは私も本気を出す時が来たようね☆覚悟して頂戴な、イッセー君!」

 

 

 

―――――あぁ、やっぱりおっぱいって良いな。

改めてそう確信したのであった。

 

 

 

そんなこんなで、俺の長いようで短い異世界漂流記は、終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 




次回はちょこっと番外編!

晴人が異世界で何をしていたかをちょいちょい書いていきます

ドライグ『俺達の出番はあるのか!?』

あんまり考えてないよ!もしかしたら気分でチョイ役かもね!

ドライグ『出してくれぇ!出してくれよぉ!!』

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