ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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この回で第一章は終わりです


後は、番外編で使い魔の話を投稿ですね


MAGIC8『俺、ブチ切れます』

木場side

 

僕は今、同じオカ研部の小猫ちゃんと一緒に教会にて悪魔祓い、神父と交戦している。

イッセー君があのシスターさんを助け出せたから、後はコイツ等を退けるだけ!

 

 

すると突然、

 

 

 

ドォォォォォォォッン!!!!!

 

 

 

「!?」

 

凄まじいまでの地響きが聞こえ、その余波で神父と悪魔祓い達が吹き飛ばされた。

あの方向は………!

 

「先輩が、いる場所……」

 

小猫ちゃんがぼそりと呟くと、僕は正気に返った。

 

「行こう!」

「はい…!」

 

僕と小猫ちゃんは、その場所まで駆け出した!

 

 

イッセー君、無事でいてくれよ……!

 

 

 

木場side out

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

「ぐっ……うぅ………!」

 

俺は今、目の前に情けなく倒れてる堕天使レイナーレを見下ろしてる。

 

「おい、どうした?まだ………戦いは終わってないぜ?」

「う、あぁぁぁぁぁ!!!」

 

自分でも吃驚するほどの低い声で呟くと、レイナーレは狂ったかのように俺に光の槍を投げてきた。

………温いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かぁっ!!!!!!!」

 

俺は槍に向かって、一声吼えた。

すると、槍は霧散し消え去った。

 

「な………!」

 

驚いてるのは良いが、体が硬直してるのは落第点だな。

そんなんじゃ……

 

赤龍帝の鉄鎚弾(ウェルシュ・ハンマーバレット)ぉ!!!」

 

良い的だ!!

 

「が、はぁ!!」

 

体内のドラゴンの魔力で硬化させた拳の一撃を受けたレイナーレは、体をくの字に折り曲げ吹っ飛ばされた。

 

「か、回復が、追いついてない………!?貴様は、一体…」

 

レイナーレは体を起こそうとしてるが、なかなか起き上がれずにいた。

やっと立ち上がっても、傷の治りが遅い事に気付いたみたいだな。

 

「たとえ、どんな傷も直ぐに回復させる事が出来るアーシアの神器でも、その回復が追いつかない勢いで叩けば良いだけだ……そして、今!!!」

「ひっ……!」

 

俺が一歩一歩近づく度に、レイナーレは口から怯えの悲鳴を漏らす。

 

「俺にはその為の力がある!!」

「く、くるなぁ!!!」

 

完全に俺の出す気迫に怯え、レイナーレは翼を広げ飛び去って行こうとした!

逃がすかよ!!

 

 

俺は悪魔の翼を広げ、レイナーレの背中に乗りかかる!

 

「な、何を……」

「何を?………こうするんだよっ!!!」

 

 

 

 

 

 

俺は力を込めて、レイナーレの背中から生えてる翼を―――――引き千切った。

 

 

「ぐ、あぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!!!」

 

相当の激痛だったのか、レイナーレは狂った様に悲鳴を上げて、空中でもがき苦しむ。

だが、まだだ!

 

 

「おいおい。穢れきった天使に翼なんていらねぇだろ?それにな………アーシアは、お前以上の苦しみを受けたんだ!!その苦しみを与えたてめぇが、こんなモンで根を上げてんじゃねぇ!!!!」

 

俺はレイナーレの背中を蹴り、拳を振り上げる!

 

 

「喰らいやがれぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

「ぐぅあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

持てる力を全て込め、奴の背中めがけて叩き込む!!!!

レイナーレはそのまま大地に叩き付けられ、教会が一気に吹き飛んだ。

 

 

 

『Over Burst』

 

地面に降り立ったと同時に、解放が限界を迎えたのか、解除された。

 

 

 

イッセーside out

 

 

 

 

 

木場side

 

僕と小猫ちゃんは、爆発音がした場所に向かった。

すると、そこには、レイナーレが白目で気絶していた。

 

よく見ると、翼がない……。

 

「…………」

 

辺りを見渡していると、無言でシスターさんの傍に佇んでいた。

 

「イッセー君……!」

 

僕等は労りの声をかけようとした時、言葉を失った。

何故なら、イッセー君は見たこともない位に、泣いていた……。

 

「もしかして……先輩」

「……わりぃ、木場、小猫ちゃん」

 

その言葉の意味を理解した時、僕らは沈黙した。

 

 

 

「………助けられなかった…ッ!」

 

そう悲しみを堪える様に絞り出した声に、居た堪れない気持ちになった。

 

「俺が、俺の甘さが、アーシアを…!ちくしょう、ちくしょ、お…ッ!!」

 

……違う!イッセー君のせいじゃない。

悪いのは、ここにいる堕天使達だ!

 

 

そう言いたかったけど、僕らは言えなかった。

 

 

 

 

すると、

 

「ぐっ、おのれぇ……!」

「「「!」」」

 

巨大なクレーターの中心にいたレイナーレが起き上がってきた!

その眼は、完全にイッセー君に対する怨念に染まっていた。

 

「たかが下級悪魔の分際で…この私の翼を!」

 

……まさか、イッセー君が引き千切ったのか?

それは幾らなんでも、無茶苦茶というか…………っ!

 

 

「まだ、生きてたか……!」

 

イッセー君から途方もない殺気が溢れ、今にもレイナーレに飛び掛かる体勢をしていた!

 

「そこまでよ、イッセー」

 

すると、その場に似つかわしくない凛とした声が響いた。

 

 

――――――我らが部長のお出ましだね。

 

「部長……?」

 

すると、イッセー君は動きをピタリと止めた。

 

木場side out

 

 

 

 

イッセーside

 

「部長……?」

 

俺は拳を下し、部長に振り向いた。

 

「貴方には積もる話もあるけど、それはまた後でね」

 

ニッコリしながら言ってますけど……部長、怒ってます?

やっぱバインドで縛ったの不味かったかな…?

 

『そりゃそうだろ』

 

ドライグに突っ込まれ、何も言えなくなる。

そうですよね、ご主人様を縛る下僕なんて普通いませんよね!

 

 

 

そうドライグとやりあってると、部長は堕天使の元に歩いて行った。

 

 

 

「こんにちわ、堕天使さん」

「あ、あなたは……」

「ええ、あなたが随分と可愛がってくれた眷属の主……リアス・グレモリーよ」

 

部長はにっこりと笑い、レイナーレにそう言い放つ。

 

……だけどその笑みは、俺の時とは違う怒りに満ち溢れているように見えた。

 

 

 

「ぐ、グレモリー家の娘!?」

「どうぞお見知りおきを……と言っても、貴方はもうすぐ、死ぬのだけれども」

 

 

……部長の言葉で、堕天使の表情は青ざめた。

 

 

 

「まあ死ぬ前にいくつか教えておいてあげるけど―――まずはイッセーのことよ。貴方は…いえ、現に私も彼を少し甘く見ていたけれど、彼の中に眠る力はそれは恐ろしいものよ」

 

部長は、話を続ける。

 

「昔、三大勢力によって神器の中に封じ込められた最強のドラゴンの片割れ……赤龍帝の力が封じ込められた神をも屠る13種の神滅具の一つ―――赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

「ぶ、ブーステッド・ギア………10秒ごとに力を倍増させる、神を殺せる力を宿した最強の神器……」

「そうよ……そして、貴方の敗因は、この子を甘く見た傲慢さ………何か申し開きはあるかしら?」

 

 

 

部長は静かに目を瞑り、ほんの少し手のひらに魔力を集める。

 

それで俺は察した。

 

 

………部長は、レイナーレを殺すつもりだ。

 

 

 

この堕天使は人を傷つけ過ぎた。

アーシアを傷つけ、恐らくこれまでたくさんの人を傷つけてきたんだろう。

償いは当然であり、当たり前。

 

 

………まぁ、ナノ単位で同情するぜ。

俺も部長のお仕置きが待ってるしな。

 

 

 

「ま、待って!イッセー君!私、任務の為にこんなことをしてしまったけど、本当は貴方の事が好きなの!!」

「…ッ」

「あの時言いそびれちゃったけど、貴方の事を愛してる!!だからお願い!助けて!!」

「……」

「魔法使いは、困ってる人を助けてくれるんじゃないの!?」

 

 

 

 

…………やっぱまだ甘いな、俺。

助かりたい一心でこんな心にもない言葉を吐くコイツに同情しちまうなんてさ。

 

 

『相棒』

 

わーってるよ。

こんな奴の為に、部長の手を汚させる訳にいかないからな。

 

 

 

 

「私の可愛い下僕に言い寄るなっ……イッセー!?」

 

俺は部長が振り下ろそうといた手を掴み、止めさせる。

 

「俺に任せてください」

 

そう呟いて、部長の手を優しく下す。

 

「レイナーレ、いや……夕麻ちゃん」

「イッセー君……!」

 

レイナーレは偽りの愛情で染まった瞳で見つてくる。

 

 

 

 

 

 

 

「死んでくれないかな?」

 

だから、俺も笑顔であの時みたく………告げた。

 

「……え?」

 

レイナーレはポカンとした表情で俺を凝視した。

 

「何驚いてんだよ?君が俺に以前言ったことじゃないか」

 

俺が事もなげにそう言うと、本気と悟ったのか顔を青ざめさせ、喚き散らした。

 

「嫌よ!こんなところで死ぬのは!私はアザゼル様とシェムハザ様の寵愛の為に生きなくちゃならないの!!」

「愛の為………か」

「だからこんなところで死ねないのよ!貴方の様な甘ちゃんに崇高なる堕天使の私を殺すなんて―――――」

 

その言葉は、俺が左手に魔力を宿した途端に、途切れた。

部長に朱乃さん、木場、小猫ちゃんも驚いてる。

 

それ程までに、異質な魔力を貯めてんだもんな。

 

「崇高な…………何だって?」

「あ、あぁ…」

「愛の為、他人の希望の為に生きるのは良いことだ。………でもな、お前は汚れきってる。誰かの希望を踏み躙ってまでの愛で誰かを幸せになんて出来やしねぇ!!てめぇがやってることは、ただの独り善がりの偽善だ!!!!」

「た、助け…………」

消滅の龍波動(デリート・ドラゴンショット)ォ!!!!」

 

レイナーレの命乞いを無視し、必殺の一撃を叩き込んだ!!

 

「――――――」

 

 

 

レイナーレは悲鳴を上げることもままならず、その場から消え去った。

途端、俺の体がグラついた。

 

 

 

思った以上に、限界、か………。

 

「イッセーッ!?」

 

慌てて俺を支える部長。

だがそれを遮って、アーシアのもとに向かった。

 

「アーシア………ゴメン、ゴメンなぁ…ッ!」

 

その場に崩れ落ちながら、アーシアに謝る。

 

「先輩………これ」

 

小猫ちゃんは俺に何かを持ってきた。

これは………

 

『この娘の神器、だな』

 

聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)……。

消滅せずに、残ってたのか?

 

「神器………!」

 

すると、部長は何かを思いついたのか、懐からある物を取り出した。

 

「それ……悪魔の駒?」

 

それは、悪魔の駒だった。

確か、僧侶の駒?

 

「神器と肉体があれば、転生させて甦らせる事が出来るわ。それに、こんなに良い子を死なせるわけにはいかないわ」

「!そ、それって……」

「ちょっと規格外だけど、このシスターを転生させるわ」

 

そう言うと、部長はアーシアの周りに魔方陣を描いた。

 

「我、リアス・グレモリーの名に於いて命ず!アーシア・アルジェントよ、悪魔となりて我の元に舞い戻れ!!」

 

部長が転生の際の呪文を唱えると、聖母の微笑みと僧侶の駒がアーシアの中に吸い込まれていった!

 

光が収まると、

 

 

 

 

 

「う~ん……あれ、私…!イッセーさん!?」

 

前に会った時と変わらない穏やかな声を出し、アーシアは目覚めた。

 

「どうしたんですかっ!?その涙は……それに、私は」

 

何か言おうとする前に、俺は頭を撫でながら、

 

「大丈夫、目にゴミが入っただけだから……」

 

何でも無い風にそう告げた。

 

 

 

 

 

 

 

エピローグ

 

「転校生のアーシア・アルジェントさんだ。皆、仲良くするんだぞ~。じゃあアーシアさん、一言どうぞ」

「えっと………私はアーシア・アルジェントと申します!日本に来て日が浅いですが、皆さんと仲良くしたいです!」

「えぇぇぇぇぇ!!?」

 

翌日の学校、悪魔となったアーシアは俺んちにホームステイすることになり、部長がアーシアを学校に通わせてくれる様にしたんだ。

まぁ、俺は朝聞かされたから驚いてないけどね。

 

「おぉ、元浜!金髪のカワイ子ちゃんだ!!」

「むっふっふ!これは覗きがいがありますねぇ!!」

 

―――――取り敢えず、コイツ等にはお灸を据えてやるか。

 

 

 

「では、改めまして………ようこそ、アーシア・アルジェントさん。オカルト研究部に」

「はい!一生懸命部長さんのお役に立ちます!」

「ふふ、その意気でなくちゃね」

 

その日の放課後、俺んちでパーティを行った。

でも何で俺んちなんだ…?

 

 

 

 

 

 

―――――まぁ、いっか。

 

 

「おい木場!ドーナツ取ってくれ!」

「了解!」

 

こんなに楽しいのは久々だしな!!

 

 

 

 

新しく元シスターのアーシアを仲間に加えた俺達の向かう先は、何処なんだろうな?

 

 

 

 

 

 

 

 

旧校舎のディアボロス・完

 

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード

 

アーシア「良かったです~!」

 

リアス「私を………抱いて」

 

イッセー「………へ?」

 

第二章 戦闘校舎のフェニックス

 

MAGIC1 『俺、童貞捨てます!?』

 

ドライグ『代金取立手形の略語か?』

イッセー「んな訳ねーだろ!お前テレビの見すぎ!」

 

 

 

 




因みにドライグが最後に言った台詞は、随分前にトリビアの泉でやってたのです

ご存知の方も多いと思いますが……

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