ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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もう第五章も完結ですね!



さぁ、毎度お馴染み番外編どうしようかな?(実は番外編書いてる方が楽しかったり)




MAGIC49『さらば夏休み』

木場side

 

 

あれから、色々大変だった。

 

 

先ずファントムの侵入を許した異空間のレプリカは予想以上にボロボロだったらしく、僕達が転移した瞬間に崩壊した。

まぁこれに関しては使い捨てであるから気にしないでくれと、サーゼクス様に言われた。

 

他にもファントムの攻勢で傷ついた悪魔達の治療など、主にアーシアさんが大変だったね。

 

 

それに一番の問題は……………

 

 

「まだ、イッセーは目覚めないか……」

 

グレモリー家の一室にて椅子に腰掛けたイッセー君の使い魔、ティアマットがそう静かに零した。

 

そう、イッセー君が未だに目覚めないのだ。

 

白龍皇の力を使った事が予想以上のダメージだったのか、イッセー君はファントム乱入事件の後再び倒れたんだ。

と言うよりも医療ルームに運ばれて生命維持装置を付けたばかりなのにそれを無理やり引き千切ってここに来た事も一因だとお医者様に言われた。

 

因みにソーナ会長との試合から五日ほど経っている。

もうイッセー君にボコボコにされた匙君の怪我も完治している。

 

「ティアマット。イッセーの奴、白龍皇の禁 手(バランス・ブレイカー)に目覚めていたのか?」

 

アザゼル先生はいまいち釈然としない顔で訪ねていた。

 

「………目覚めた、と言うより偶発的に発現した、と言うべきか」

 

曰く、タンニーン殿との修行中に偶然その力が発動したらしい。

だが、発動後五秒と経たずに解除され、此間の様に血反吐を吐いて昏倒したらしい。

その後、暫く眠りっぱなしで修業にも支障が出たそうだ。

 

「あの時は三日三晩で済んだが、今回の様に長いのは恐らく生命力が弱ってるにも関わらず魔力を無理に行使したからだろう」

「……そんなに深刻なのね。相反する力を使うというのは」

 

部長が言うと、ティアマットは静かに頷いた。

 

「あぁ。それに、本来なら相反する白の力を取り込んだのが異常すぎる。一応修行で簡単な半減なら使えるようになったが……」

「全く恐ろしいな、アイツは…」

 

アザゼル先生の言う通りだ。

自らだけでなく、仲間の力も増幅できて尚且つ敵対する者の力を半減できるなんて、バランス・ブレイカーも良い所だ。

僕なら絶対に当たりたくないし、ゲームならまっ先に潰すだろう。

 

「もしかすると、イッセーの半減の力は下手したら制限がかけられるだろうな」

「だが、それで良いと思う。簡易的な半減にしろ、使い過ぎれば生命力を消費してしまうからな」

 

と、そんな時だった。

 

 

 

「み、皆さんっ!!!」

 

アーシアさんが大慌てで駆け込んできた。

 

「ど、どうしたの?アーシア」

「ぶ、部長さん!イッセーさんが、イッセーさんが………!!」

 

イッセー君が………何かあったのか!?

 

 

 

「イッセーさんが、目を覚ましたんです…………っ!!」

 

 

 

 

 

木場side out

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

イッセーside

 

 

……………………………………………………………ん?

 

 

「あれ?俺、一体…………」

『お早うさん、相棒』

 

俺の視界に入ってきたのは、見知らぬ白い天井だった。

何処だ、ここ…………そうだ!!

 

「ドライグ、ファントムは!?」

『落ち着け相棒』

 

落ち着いてられるか!!皆は無事なのか!?

 

『だから落ち着けって!ファントムならサーゼクス・ルシファーが倒した』

 

サーゼクス様が………!?

 

『ま、奴の言葉を信じるならまた蘇るだろう』

 

そう、だな……。

まぁ、その時はまた相手取るけどな!

 

『んで、お前は白龍皇の力の後遺症で五日間ほど眠ってたって訳だ』

 

五日間も!?

…………皆心配してるだろうなぁ。

 

『あぁ。それにほら』

「?」

 

ドライグがそっち向けと言ってるので向いてみると、

 

 

「………イッセー様!?」

 

グレイフィアさんが水桶を持って入口に突っ立っていた。

 

「ど、ども。お早うござ――――」

 

言うよりも早く、グレイフィアさんが抱き着いてきた。

あ、ちゃんと水桶は脇のテーブルに置いてな………って今は関係ないか。

 

「御免なさい。心配かけちゃって」

「本当、ですよ…………ッ!バカッ!!」

 

……こりゃ、部長達のアフターケアも大変だな。

 

『久し振りの修羅場か?』

『もはや死に時だぞ!兵藤!!』

 

死に時とか言うな!マジで死の淵彷徨ったわ!!

山羊座の金ぴかの人みたいな事言ってんじゃねぇよ!

 

 

そんでまぁ、この後部長達女性陣(+ティアとセラフォルー様)に心配かけた罰として一人一人ハグする事になった。

 

 

まぁ、心配かけすぎたし、この位はね?

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「兵藤!」

「よぉ、匙」

 

俺は暫く病室暮らしとなってしまったので、ベットに寝転がっていると、匙が訪れた。

 

「元気そうで何よりだぜ!」

「まぁな。それより聞いたぜ?お前、MVPの証貰ったらしいな」

 

これは後で木場から聞いた事だけどな。

 

「あ、あぁ………でも、本当に受け取って良いのかなって」

「ばーか。お前は赤龍帝の俺をダウンさせた男だぜ?受け取らなきゃやられた俺が癪だからな」

「兵藤……」

「それにな」

 

一息置いて、

 

「お前は弱くなんてないよ」

「!」

 

何でビックリしてるんだ?

 

「お前の魂の叫び、ちゃんと届いたぜ。俺のハートにな」

「魂の叫び……」

「あぁ。……だからよ、良い先生になれよ」

「っ!…………おうっ!!」

 

俺と匙は拳を合わせる。

 

「ほっほっほ。男同士の友情……良いもんじゃのう」

「「っ!?」」

 

だ、誰だ!?

見るとそこには、しわくちゃの爺さんがいた。

 

「爺さん、誰だ?」

「儂?儂ぁオーディンっちゅうくたばり損ないのじじいじゃ」

「「お、オーディン!?」」

 

俺と匙は目を見開いた!

そりゃそうだ!オーディンって、北欧の主神だろ!?

 

「もうオーディン様!今から魔王様達との会合でしょう!?」

 

その後に、スーツを着た銀髪のお姉さんが現れた。

 

「わかっとるわい。全く口煩くてなぁ……」

「何ですって!?」

「何でもありましぇん」

 

うわ、白々しい!

 

「まぁまた会えるじゃろうて。じゃあの赤龍帝、ヴリトラの主よ」

 

そう言ってオーディンとスーツの姉ちゃんは去って行った。

 

「……お前、やっぱ凄いよな。北欧の神様引き連れて来るもん」

「あのな……人を事件を引き寄せる某バーローみたいに言うの辞めてくれるか?」

『真実は、何時も一つ!!』

『なお、一つではないとは言ってない』

 

匙は苦笑いすると、デッキケースを取り出した。

 

「どうせ暇なんだろ兵藤?一発ファイトでもしようぜ」

「おっ!分かってるじゃないの」

 

俺は机の引き出しからデッキケースを取り出す。

 

「何か賭けるか?」

「じゃ、下の階のジュースな」

「OK!」

 

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

そんで、何やかんやあった冥界での合宿も終わりとなった。

いやー、色々あったけど楽しかったな。

 

「じゃあねミリキャス。体には気を付けてね」

「はい!お姉さまもお体にお気をつけ下さい!」

 

あぁ、ミリキャス様ええ子やなぁ。

よ、グレモリー家の奥から金髪の清楚そうな人が出てきた!

 

「リアスさん」

「…お義姉様!!」

 

え、お義姉様って事はもしかして…………

 

その人はミリキャス様を持ち上げると、俺を見て微笑んだ。

 

「初めまして、兵藤一誠君。ミリキャスの母のエリス・キメリイェスです」

「ど、どうも…………」

 

め、滅茶苦茶美人だ………!!

でも、悪魔にしては珍しい褐色肌なのね。

 

確かキメリイェスって元72柱の悪魔じゃなかったっけ?

もう断絶してるとか何とか………。

 

「リアスの事、宜しくお願いしますね」

「は、はい!リアス様は俺が守って見せます!!」

「頼もしいですね」

 

エリスさんはくすくすと上品に笑った。

 

「ではまた会おう。兵藤一誠君」

「はい、お世話になりました!」

 

いやー、本当に良い人達ばかりだよ。

 

 

 

 

とまぁ、様々な言葉を交わした後、俺達は人間世界に戻ってきた。

また来たいな、冥界!

 

「あ”!!夏休みの、宿題……忘れてた!」

 

と帰りの電車でゼノヴィアが慌てふためいていたのだった。

まぁ………かく言う俺も後半分残ってるけどね!!!

 

「ん?」

 

と、急に小猫ちゃんが俺の膝に座った…………座った!?

 

「こ、小猫ちゃん?!」

「にゃん♪」

 

あ、ダメだ。凄く愛でたい。

 

俺は半眼の部長、涙目のアーシア、威圧感溢れるニコニコフェイスの朱乃さん、羨ましそうに睨み付けるゼノヴィアの構わず、小猫ちゃんの頭を撫でるのだった……。

 

家に着いた時が怖いな……ハハ。

 

『ホーム着いたら刺されればいいのにな』

『全くだ』

 

止めんかい!!

 

 

 

 

何て事を言いつつも、俺達を乗せた電車はホームに着いた。

ホームに降りた俺達の前に、突如人影が!

 

咄嗟に身構えるも、そいつは何故だかアーシアに近づいていた。

 

「やぁ。アーシア」

「貴方は……?」

 

コイツ………若手悪魔の会合でいたな。

 

「この傷を見てくれれば分かると思う。僕はあの時、君に救われた悪魔だ」

 

そいつは胸元を見せると、そこには大きな傷跡があった!

 

「もしかして……ディオドラ?」

「あぁ。あの時は済まなかったね。会合の際に挨拶できれば良かったのだけれど………僕は、ずっと君にお礼を言いたかった。そして――――」

 

ディオドラは何とアーシアの手の甲にキスをした!!

な、何してくれてんだこの野郎!?

 

「君と出会えたのはきっと運命だ。どうか、僕の妻になってくれ」

 

 

 

 

 

『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

 

 

突然現れたディオドラの告白に、悲鳴を上げるしかなかった俺達であった。

 

 

 

 

こりゃあまた、一波乱ありそうだな………

 

 

 

『やっぱこの男は騒動を引き寄せるんだな』

『質問。バーローは何時高校生に戻りますか?』

『調整中』

 

 

コンマイか!!ってか関係ねぇ!!

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

異空間……………

 

 

『あぁ、いたいた』

『ちっ、くそがぁ!!』

 

イッセー達のレーティングゲームの舞台であるショッピングモールのレプリカがあった場所で苛立ちを隠さず吠えるフェニックスの前に、新しいファントムが現れる。

 

『探しましたよ、フェニックス』

『あん!?……ベルゼバブか』

 

茶の体色が特徴のファントム、ベルゼバブに、フェニックスは喧嘩腰で訪ねる。

 

『ワイズマンからの命令です。貴方を連れ戻しに来ました』

『なっ………』

『流石に独断行動が過ぎましたねぇ。あの方のお仕置きは恐ろしいですから……本当の死ぬ恐怖を味わえるやもしれませんよ?』

『………ちぃっ!!!』

 

悪態をつくフェニックスにベルゼバブは可笑しくて堪らないように笑い声を上げた。

 

 

 

 

 

第五章:冥界合宿のヘルキャット編・完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




よし、GW中のノルマは達成したぞ!やったー!!

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