ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
スッゴく面白かったです。後の展開の事を考えると感慨深い物があるよね……ブレンさんとか、主役のチェイスとか
後エンジェルとメディックがエロかったです(小学生並み感)
特にエンジェル…………上遠野さんが羨ましかった
決戦当日ーーーー
「…………ここ、駒王学園の近所のショッピングモールだよな」
俺達グレモリー眷属が転移された場所は、見知った駒王学園の近所にあるショッピングモール。
成る程、今回の戦いの場所はどちらも見知ってるから、動き方はスムーズに行くだろうな。
それと、先程グレイフィアさんから指示されたルールは
・『
俺達の本陣はここ、2階の東側で、対するソーナ会長達は1階の西側。
参考までに言うと、俺達の陣地の周りにはペットショップ、ゲーセン、フードコート、本屋、ドラッグストアがある。(勿論、品物も存在する)
会長達は食料品売り場と、電気屋、ジャンクフード店舗、雑貨売り場。
こんなもんかな、後は…………フェニックスの涙がお互いに支給されてる。
そして今回は所謂「屋内戦」…………そして一番重要なのは、
「『バトルフィールドとなるデパートを破壊し尽くさない事』ーーーーつまり、ド派手に戦うなって事ね」
そう、あまり派手な技が禁じられるのだ。
言ってることは普通かもしれないが、これは俺達…………取分け、ゼノヴィアや朱乃さん、それと俺は不利な戦場だ。
まぁ修行で細かく立ち回れる様な特訓は受けてるかもだけど……元々ゼノヴィアは一撃必殺のパワータイプだ。デュランダルの。
朱乃さんも雷を展開する上で、それは範囲が広い。
故に周囲の店を破壊しかねない。
俺は一応テクニック型だけど(ドライグ曰く)本質はパワー寄りだ。
いざとなったら力でゴリ押ししちまうからな…………。
「それに、ギャスパーの『
ふむ、まぁそれは予想通りだ。
ギャスパーは今力を抑えるメガネを掛けてる。
「攻め手にしてもこの吹き抜けですからね。何処からでも進行するのが見られて対策されます。まぁ、向こうも同じと思いますけど」
「そうね…………立体駐車場も、向こうは警戒するでしょうし」
「後は屋上からの行動もですわ。ですが……」
「ええ、分かってるわ朱乃。どちらにしても、中央突破。屋上か、立体駐車場か、この二つのルートで進まないと行けないわ。このデパートの外からは攻めれないから」
部長と朱乃さんの話し合いは続く…………うーむ、頭を使うのは苦手だからなぁ。
木場は屋上と立体駐車場を視察してる。
車とかも確認するためだそうだ。
「うん……ギャスパーは蝙蝠に変化して、デパートの各所を飛んでちょうだい。序盤は逐一、知らせてもらうわよ」
「は、はい!」
おー、気合い入ってんな。
そういやギャスパーは初めてだったな、レーティングゲーム。
まぁ何やかんやで10分後に再び集まることになり、全員それまでリラックスモードに入った。
「そうだわ……ねぇ、イッセー」
「はい?」
俺は部長に呼び止められ、部長の元に近づく。
部長は俺が近づいたのを確認すると、何やら耳打ちをする。
「…………分かりました」
『しかしリアス・グレモリーよ。よく考え付いたな』
「一応こんなこともあろうかと、『
…………部長、多分この中じゃ一番に変わったな。
『あぁ。流れるオーラにも、甘さが消えてる。中々良い塩梅だ』
うん……さーて、どーっすかなぁ。
『相棒。本屋行ってみようや』
何でさ?
『エロ本とかも完全再現されてるかも』
おぉ、その発想はなかったぜ!
普段は部長達がいるから読めないんだよねぇ。
そう思った俺は直ぐ様本屋にたどり着き、エロ本が何処に置かれてるか物色する。
「……お、マスターガイド。これ限定のカード付いてるんだよなぁ。持ち帰れないのかな?」
『クリッターが復活か……長いこと生きてると何があるか分からんな』
な、混沌帝龍も帰ってきたしな。
…………最近アーシアのデッキで猛威を震ってるけど。
『アーシア嬢は専らエクシーズだろう』
とは言うけどよ、やっぱアイツ脱獄したんじゃねーか?
効果使わなきゃバンバン呼べるしよ。
ダメだ、凄く良い笑顔でタキオン呼び出すアーシアが……怖くてッ!!
……お、新しいエロゲ雑誌だ!
『今年はどんな作物だ?』
うーむ、色々ありますなぁ。
ーーーーむにゅん。
「うぇっ!?…………あ、朱乃さんっ!?」
「あらあら、どんな本をお読みですか……うふふ、とってもエッチな本ですわね」
ま、不味い!言い訳しなきゃ!!
「や、これは…………つい、出来心でありまして!その」
「うふふ。私は別に怒りはしませんわ。イッセー君らしくて良いと思いますわ」
けど朱乃さんはニコニコ笑顔でそう言うと、今度は真剣そうに俺が開いてるページを見ている…………ど、どうしたんだろうか?
「……イッセー君。今度、この衣装を着てあげましょうか?」
へ?俺は朱乃さんの見ている方を向くと、そこには女の子が露出度高めの衣装を来ている場面だ。
……これ、下着すら付けれないぞ!ホントに良いのかよ!?
「ま、マジっすか!?」
「マジっすよ。うふふ、イッセー君だからですわ」
やった!これで俺、一週間は戦える!!
等と脳内で浮かれてると、朱乃さんは俺を抱き締める力を強くした。
「……どうか、しましたか?」
「イッセー君から、勇気を貰ってるんです」
朱乃さんの切なげな声。
「……戦う勇気はありますわ。でも、私の中に流れるもう一つの力を使う……それが怖いの」
…………望んでない力を受け入れるのは、並大抵な覚悟では出来ない。
朱乃さんの気持ちが分かる俺は、朱乃さんを抱き締める。
「こんな俺で良かったら、幾らでも勇気、持っていって下さい」
「…イッセー君、見ていてくれますか?私が光の力を使う所を」
「……はい!俺が見てるだけで良いなら、安いもんですよ!」
「嬉しい…………私、イッセーと一緒なら、きっと…」
不意に朱乃さんが離れると、徐々に俺の顔に近づいてきて……え、これは、まさか……!?
俺と朱乃さんの距離がゼロにーーーー
「……イッセー先輩、そろそろ集合です」
なる前に小猫ちゃんが現れたぁぁぁぁ!!!
「こ、小猫ちゃん!これはね、その……!」
ダメだ、言い訳が思い付かん!
そんな俺を小猫ちゃんは半眼でため息を吐く。
「あらあら、小猫ちゃんに見られちゃいましたわ。有難う、イッセー君。元気、貰いましたわ」
朱乃さんは何時ものニコニコフェイスに戻り、その場から去ろうとした、が。
「…………次は、必ず貴方と」
何かを呟いて去っていった。
その顔は、何処か名残惜しげだった…………。
「……先輩」
「ん?何だい小猫ちゃん?」
小猫ちゃんは背伸びして俺に抱き付いてきた。
俺は驚きこそしたけど、この間に抱き付かれたばかりなので、アタフタすることなく落ち着いていた。
「…………私にも、勇気を下さい」
「…しょうがないなぁ」
俺は小猫ちゃんを抱き締める。
小猫ちゃんは嬉しそうに体を震わすと、
「……勝ちましょう。イッセー先輩」
そう、力強く宣言してきた。
そして、試合開始の時刻となったーーーー
~~~~~~~~~~~~
試合の制限時間は三時間ーーーー短期決戦と言う訳だだ。
俺は小猫ちゃんのペアは店内から進行している。
木場はゼノヴィアと立体駐車場を経由しての進行で、ギャスパーは蝙蝠に変化しての店内の監視と報告。
部長達は進行具合で俺のルートを通るそうだ。
で、現在ーーーー俺と小猫ちゃんは自販機の影に隠れている。
「…………向こうから2名、向かってきてます」
「……ホントだ。やっぱ早いね小猫ちゃん。で、このペースだと」
「10分以内に、エンカウントです……」
さぁーて、どうした物か………………ッ!
《ライト・プリーズ》
「「ーーーーッ!?」」
何かを察知した俺は素早くリングを腰に翳し、魔法を発動!
小猫ちゃんも気付いていたらしく、ライトで照らした敵に向かってハイキック!
が、向こうは天井からぶら下がるロープを使い、巧みにかわすと、地面に降り立つ!
「よー、兵藤。やっぱ気付かれてたか」
「まぁな……匙」
俺は襲撃者ーーーー匙と、背中にくっついてる女の子を見据える。
匙と女の子は眼を暫くパチパチしていたが、直ぐにそれも直り、此方に向き合う。
「ちっ、ラインは付けられなかったか」
「部長は会長がお前を使って闇討ちするだろうとは読んでたからな」
「なら………………構えろよ」
…………へっ、何となく、察したよ。
匙、お前は俺と戦いたかったんだろ?
俺達は何処か似てるからな。一途だったり、バカだったり、スケベだったり…………険悪だったのは、最初だけだった。
「まぁ、俺達は似た者同士だからな。良いぜ……とことん殺ってやるよ」
《Welsh Dragon Balance Breaker!!!!》
俺は静かに鎧を展開する。
それを見た匙は顔を強張らせる。
「…………前より、オーラが強いなッ!」
「どうした匙?今からビビってる様じゃ…………」
ーーーーガンッ!!!
「ーーーーッ!!?」
「俺には勝てないぜ?…………匙」
俺は暗闇に乗じて腕だけを龍化させて、伸ばしたのだ。
そして、僅かに動揺した隙を狙って…………と言う訳だ。
「匙先輩っ!?」
「ーーーー隙有りですっ!」
相手の女の子の動揺した隙を小猫ちゃんが逃す筈もなく、白色のオーラを纏わせた拳打を打ち込んだ!
すると、匙の後輩は膝を落とした!
「気を纏った拳を打ち込み、更に貴女の体内に流れる気脈にもダメージを与えたので、もう魔力は練れません。もう一つ、内部ダメージも大きいので…………動けません」
……小猫ちゃんの怪力は相当な物だ。
更に内臓にもダメージを通す仙術を纏った拳ーーーー外も中も大騒ぎって訳だ!
何れだけ外の体を鍛えても、内臓は鍛えようがないからな!
「仁村ーーーーゴハッ!?」
「…………余所見厳禁、だろ」
動揺して叫ぶ匙の腹に、ストレートパンチ!
匙が膝を付くのと同時に、
『ソーナ・シトリー様の『
匙の後輩のリタイアが告げられた。
がーーーー
『リアス・グレモリー様の『
次に響いたアナウンスは、俺達側の駒が減った知らせだった。
「ッ!!イッセー先輩、これは……っ!」
「…………ギャスパー、だな?」
俺は僅かにふらつく匙に確認すべく訊ねた。
すると匙は、小さく頷いた。
「してやられたぜ。恐らく、食料品売り場のニンニクを利用したな?」
「…………あぁ。態と不振な動きをさせて、ギャスパー君をおびき寄せる。そして人間に戻った所を、ニンニクで取る…って訳だ」
部長もそれに気付いてるな……全くギャスパー!今度から朝飯はガーリックトーストにするからな!
だが、恐らくはただではやられない筈だ。
「一応、部長はそれを見越して鼻栓渡したけど……あの野郎忘れてたな絶対!」
『……大丈夫よイッセー。一応、ソーナ達の配置は知らされてあるから』
俺は部長からの知らせにホッとする。
「何を息ついてんだよ?お前の相手は……俺だっ!!」
匙は今度は此方の番だと言わんばかりに高出力の魔力の塊を放つ!
この濃度は、鎧でも壊されるーーーーそう判断した俺は、
「
俺はティアとタンニーンのおっちゃんとの修行で作り出した新しい技を放つ。
それは普通の大きさだけど、匙の一撃とぶつかり合うとーーーー霧の様に霧散する!
「……っ!?」
「相手の一撃と、俺の一撃を同じ力にして、打ち消す…………。鏡写しってのは、そう言う意味さ」
でも同じ力にするのは、俺の魔力量に比例する。
相手の一撃が俺の魔力量を大きく上回る物或いは、俺の魔力が枯渇してるとこの技は効果がない。
牽制用だけど、相手によっては瞬時に相殺できる訳だ。
「……へっ。俺の命懸けの一撃も、無意味って訳かよ」
……命懸け?
俺は不意に匙の胸部を見るとーーーーッ!?
「お前…………まさか自分の命を!?」
「そうだ!俺はお前と違い、魔力は低い……高威力で撃ち出すには、こうするしかないのさ」
「その行為、分かってるのか?お前ーーーー死ぬ気かっ!?」
「そうだ!!!」
匙の眼はーーーー真剣だった。
「俺達は、命懸けでお前達を倒す。ーーーーお前に、夢を馬鹿にされた俺達の悔しさが分かるか?夢を信じる必死さが分かるか?…………この戦いは、冥界全土に放送されてる。俺達をバカにした奴等の目の前で、シトリー眷属の本気を見せなきゃ行けないんだッ!!」
俺はふらつきながらも向かってくる匙の一撃をかわし、膝蹴りを叩き込む!
血を吐く匙に構わず、俺は胸ぐらを掴み頭突きをお見舞いする!!
匙は勢いよく倒れるが…………まだ、立ち上がる。
「やっぱり、お前は俺に似てるよ…………匙」
「兵藤ォォォォォッ!!」
死に物狂いで魔力弾を俺に向けて放つ。
俺は一撃一撃を手刀で消しながら、直接ーーーー
「
「ガハァッ…………!!!」
オーラを纏った手刀をお見舞いする!!
同時に、匙の心臓に直結していたラインも消え去る!
が、匙は倒れる体を無理矢理止め、後ろに飛び、俺の足にラインを飛ばす!
…………身動きさせない気か!!
何とかもがく俺の隙を見計らって、匙は再び心臓にラインを繋いだらしく、ソフトボール程の大きさの魔力弾を手元に浮かしていた。
「これで……ハァ、ハァ…………周囲に影響は出さずっ!お前だけを……ハァ、破壊できるッ!!」
「先輩!加勢しまーーーー」
「来るな小猫ちゃん!!」
俺は鋭い声で制止する。
「これは匙とのーーーー男と男の戦いだ」
「……今はチーム戦です。協力してこそ」
「分かってるよ。でも、これは理屈じゃない。その気になればコイツは、小猫ちゃんの力も吸えたんだ。なのにそれをしなかった。どうしてだと思う?」
小猫ちゃんは答えられなかったが、匙がにんまり血塗れになった顔で笑う。
「……ゴメンな、塔城小猫ちゃん。俺は、兵藤に、赤龍帝に勝ちたいんだ。『
「……てな訳さ、小猫ちゃん。俺はコイツの、匙元士郎の挑戦を受けたい。そして、コイツを真正面から、本気で倒さなきゃ、いけないんだっ!!」
不器用なバカーーーーそう呼ばれても良い。
俺達は、何処までも似てるんだから。
小猫ちゃんはそれを聞くと、拳を下ろし、距離を取った。
「サンキュ、小猫ちゃん。…………来いよ、匙。お前の全力、見せてみやがれッ!!」
「…………へへっ、やっぱ、お前は大きいよ。兵藤」
唐突に、匙は語り出した。
「俺さ、お前が羨ましかった…………人を照らす希望の魔法使い、そして、力を持つ赤龍帝。俺は……同時期にお前と同じ悪魔になったのに、何もなかった……何も無かったんだよ!!だから、手に入れる。何もない俺でも、赤龍帝であるお前を倒せるんだって、自信をッ!!」
お前、そんな風に俺を見ていたんだな……匙。
でもーーーー俺は、俺達は、お前達の夢を乗り越えるッ!
部長には部長の夢がある!俺は…………それを守るッ!!
「これで終わりだ、兵藤ォォォォォォォォォォッ!!!!!」
匙は渾身の力を込めて魔力弾を撃つーーーー寸前に、俺は右手を翳す!
刹那ーーーー
《Divide!》
赤色に覆われていた俺の右手の籠手が白色に変化し、匙の一撃を受け止めた!
魔力弾は直撃したが…………俺は無傷だった。
「俺の魔力弾を、半減させた……ッ!?」
驚愕する匙。
「あぁ。簡易的な半減程度なら五回まで使えるようになった。それ以上使うと生命力を削るけどな。それと、モノホンの白龍皇と違って、半減させた力は俺には加算されない。…………その様子を見るに、会長も俺がこれを使うのを予想してなかったらしいな」
匙には説明してないけど、半減させた力は俺ではなく、右手の籠手に加算される。
当然、籠手にもキャパシティは存在する。
だから、普通の赤龍帝の力で何かに譲渡する或いは解放する…………ま、今は使わないけどな。
「さぁ、匙…………ショータイムだッ!!」
俺は今この瞬間だけ“右腕の違和感”を無視して、匙に接近する!
そしてゼロ距離から、
「
「グギャァッ!?」
魔力を電気の性質に変化させ、匙にぶつける!
匙はその一撃の余波で痺れていたが、構わず俺は蹴っ飛ばし、
《Explosion!》
「
「ぐああああああッ!!!?」
光速拳で匙を打ち据える!
だが、匙はまだ力なく立ち上がる。
その足元も覚束ない、目線も虚ろだ。だがーーーー匙は叫んだ。
「兵藤ォ…………俺は、先生になる!先生になっちゃ、いけないってのかッ!?何で……俺達は笑われなきゃならないッ!?なぁ、兵藤ォ!!」
俺に向かってーーーーいや、この試合を見ている多くの者達に向かって、匙は吠えた。
「俺達の夢は、笑われるために掲げてる訳じゃ、ないんだ…………ッ!!!」
「笑うかよ…………命懸けてまで夢に向かって走るお前らを、笑う訳ねぇだろッ!!!」
俺は匙を殴り飛ばしながら、そう叫ぶ。
だが匙は踏ん張る。今にも倒れそうな体を鞭打って。
顔は腫れ上がり、左目は完全に塞がれてる。
体には幾つもの痣が、切り傷が出来ても、指も違う方向に折れ曲がっていてもーーーーそれでも、匙の眼光は鋭かった。
お前はーーーー本当に強いよ。
俺は、今凄まじいプレッシャーを感じてるんだぜ?
可笑しいよな、俺が勝ってる筈なのに、鎧も、殆んど傷が付いてないのに……俺はこれまで感じたことのない畏怖を感じてんだぜ?
匙、お前によ…………。
だからこそ、
「匙、俺はお前を倒す」
匙が放った、折れ曲がった手で、殴り掛かる。
俺はそれをかわし、カウンターを見舞う。
ーーーーガンッ!!!
「……………………兵、藤ォッ」
手応えは、あった。
だけど、俺はまだ立ち上がる。そう思っていた。
が、匙は意識を失っていた。
俺の拳を両手で掴みながら。
ーーーーそして、
『ソーナ・シトリー様の『
匙は消えていった。
けど、俺の拳を掴んでいた手の力は、抜けることはなかった。
俺はーーーー愚直に夢を語り、挑んできた男を、最後まで見届けた。
目を反らせば、また復活するーーーーそう思えた。
「…………先輩」
匙との一騎討ちが終わった俺は、何故だか拳が震えていた。
そんな情けない俺を、小猫ちゃんは手を握ってくれた。
「……何でだろな?分かってるのに、さ」
「カッコ良かったです。自慢の先輩です」
「有難う」
…………さて、
「小猫ちゃん、感じるかい?」
「………………はい」
匙…………今回は、悪いが勝たせてもらう。
お前にも、会長にも。
けど、タイマンなら何時でも受けて立つぜ。
次回、D×Dウィザード
木場「反転の力か……厄介だね」
ソーナ「此方の手は読まれていた訳ですか……」
???『よぉ、悪魔共。魔法使いは何処だ?』
MAGIC48『VSシトリー眷属!後編』
ドライグ『オイオイ、次回予告で波乱なフラグ立ったな』
作者「受け取ってくれよ、俺のファンサービスを!」
という訳で、次回は本編とは違う流れになります