ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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春なのに夏休みの話って一体…………


MAGIC44『薄幸の白猫』

 

 

夏ーーーーそれは、誰もが浮かれる熱い季節。

 

 

皆は海に行ったり、BBQやったり、祭りに行ったり、気になるあの子とイチャイチャしたりーーーーまぁ、色々あると思う。

 

 

 

 

そんな中、俺はと言うとだ。

 

 

 

 

「うおおおおおおっ!?」

《ディフェンド・プリーズ》

 

山ん中で、ドラゴン2体と鬼ごっこを繰り広げていた。

っていうかモノローグの時に攻撃は止めてくれよ!

 

「ほぅ、今の一撃を受け止めたか」

 

俺の修行の先生ーーーータンニーンのおっちゃんは感心した様に呟いた。

ディフェンド越しでも腕痺れてんだけど!

 

「だが少年、お前の相手は俺だけではないぞ?」

『相棒、地中から熱源反応だ』

 

下から来るぞ!気を付けろーーーーって!

 

「フンッ!!」

「うおおおおおお!!」

 

俺は地中からブレスと共に突貫してきたティアを何とかジャンプでやり過ごす!

まぁそれだけでは味気ないから、カウンター撃たせてもらうぜ!

 

爆裂の龍波動(エクスプロージョン・ドラゴンショット)!!」

「同じ手は食わん!」

 

が、ティアは口許に魔法陣を展開、そこから光球を作り出すと俺のドラゴンショットと相殺させる!

 

2つの魔力弾は空中でぶつかり合うと連続で爆発を繰返し消滅した。

マジかよ…………。同じ性質の魔力弾を瞬時に創り上げたのかよ!?

 

「流石だなイッセー。不意討ちにも対応するとは」

「そ、そうか…………?」

「ならば、少し火力を上げるか」

「ええっ!?」

 

や、ヤバい……おっちゃんの口に炎が収束し、ティアは自身の周りに魔法陣を展開、そこから幾重もの輝きの魔力弾が現れてーーーー

 

 

「「ハァァァァァァァァァッ!!!」」

 

 

 

 

 

「こ、こんなん勝てるかぁぁぁぁぁぁ!!!」

《スモール・プリーズ》

 

 

とまぁ、こんな嵐の様な攻撃の中で山を走り回ってますが、私は元気です。

 

 

 

小さくなってその場をやり過ごし、気配を絶って山の物影に隠れる。

 

「はぁ、はぁ…………くっそ、あの独身総督、次会ったらぶん殴ってやる!」

『逃げてないだけまだ根性あるぜ?相棒』

 

そりゃ、態々付き合ってもらってんのに逃げるなんて失礼だろ?

けど、つっかれたぁ…………。

 

 

 

「龍王二人を相手に根を上げないとは流石だな」

「ッ!?」

 

だ、誰だ!?

 

声の聞こえた方に振り向くと、そこには野生的なイケメンが仁王立ちしていた。

 

「アンタは……?」

「フッ、ただの見物人だ。お前の根性、中々な物だ…………だがっ!」

「ッ!?」

 

その人が足に力を込めると、地面に軽く亀裂が走った!

俺は即座に赤龍帝の籠手を展開する!

 

 

この人、ただ者じゃない…………ッ!

 

 

「根性だけで這い上がれる程、上は楽ではないぞ」

「………………」

「まぁ、頑張ってくれ。そして、何れ会おう、兵藤一誠」

 

それだけ告げると、その人は去っていった。

何者だ、あの人………………

 

 

 

ドゴォォォンッ!!

 

「うおっ!?」

「こんな所に隠れてたか」

「フフ、また気配を絶つのが上手くなったな。イッセー」

 

バレたか…………多分、さっき気を張ったからだろうな。

 

「上手くなんなきゃ死ぬからな!」

「それもそうだ、なっ!!」

 

タンニーンのおっちゃんは俺に拳を向けて振り下ろす!!

 

「だったら!」

《ビッグ・プリーズ》

 

俺もおっちゃんの拳と同じ大きさに左手を巨大化させてぶつかり合うーーーーが、体の大きさは変わらないので俺はおっちゃんの体重を支えきれず、吹っ飛ばされる!!

 

「むん!」

「ぐぁぁぁぁぁっ!!」

 

吹っ飛ばされた俺に接近したティアは尻尾の一撃で更に追い討ちを掛けてきやがったので、俺は地面にめり込んでしまう!!

 

いってぇ…………魔力で体のコーティング間に合ってなかったら、ミンチにされてたよ。

何とか這い出て、俺は改めて対峙する。

 

 

「おー、頑張ってんなー」

 

 

 

が、どうやら一時休憩らしい。

あの憎き我らが独身総督、アザゼル先生の登場だ。

 

 

何かの包みを複数持ちながら。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「ウマッ!これ美味すぎっ!!」

 

昼飯休憩という事で、俺はアーシアとグレイフィアさんが作ったお弁当をガツガツ食べる!

目茶苦茶美味しいよ!久しぶりに食べるから尚更……ッ!

 

「ほらよ、こっちはリアスと朱乃からだ。二人とも火花散らして作ってたからな」

「マジすか!?」

 

やった!もう幾らでも胃袋に入るぜ!!

今度は部長達の弁当をかっ食らう!

 

「んで、どうよ二人とも。コイツの力は?」

 

アザゼル先生に聞かれた二人は、考える素振りを見せずに答えた。

 

「うむ。禁 手(バランス・ブレイカー)を禁止されているとは言え、中々の力量だ。それに、あの魔法も中々面白い」

「基礎特訓を怠らずに修行しているからな。そりゃあ強いさ。以前よりも力は上がってると見て良い」

 

おぉ、中々好評価だ。

 

「へぇ、良かったなイッセー。龍王2体に太鼓判押されてるぜ?」

「俺は元龍王だがな」

 

照れ臭そうにおっちゃんはそっぽを向いた。

が、次にはこっちを振り向き、神妙そうな声音で先生に語りかけた。

 

「アザゼルよ。本当に神 器(セイクリッド・ギア)の究極である禁 手(バランス・ブレイカー)の更に上を行く極致はあるのか?」

「…………確実ではないな。俺は以前イッセーが激情で引き出したあの鎧姿、あれはどう見ても俺の知ってる赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)とは違うようなんだ」

「だが、それは本当に禁 手(バランス・ブレイカー)の力の一旦なのか?」

「…………神 器(セイクリッド・ギア)はまだ不明瞭な点が多い。それこそ、創造主たる神ですらな。だから、俺はあえて禁 手(バランス・ブレイカー)の更なる極致……って呼んでるだけさ」

 

うーん、何やら小難しい話だな…………。

ドライグ、お前はどう思ってる?

 

『アザゼルの言う通り、あの力は歴代の赤龍帝では見られなかった力だ。アザゼルの言う通り、神 器(セイクリッド・ギア)の未知なる極致かもしれんが…………俺はお前だからその力を引き出せたのだと思う』

 

…俺だから?

 

『あぁ、自らの為でなく他者のために怒り、泣く。そんなお前だからこそ、引き出されたのかもしれない。歴代の赤龍帝の大半は力に溺れた奴等ばかりだったからな』

 

…………言い換えれば、俺だけの可能性って事か?

 

『ま、そうなるな』

「そうだイッセー」

 

と、アザゼル先生に呼ばれたので意識を浮上させる。

 

「はい?」

「お前、朱乃の事はどう思ってる?」

 

唐突だな、オイ。

 

「どうって…………それは先輩として、ですか?」

「違う違う。女として、だ」

「えっと…………奧さんだったら嬉しいかなぁとは思いますけど。まぁ、魅力的ですよね。高嶺の花って言うか」

 

そう言うと、先生は安堵したかの様に頷いた。

 

「そうか。いや、お前ならそう言うと思ってた。……朱乃の事だがな、お前になら任せられるかもと思ってんだ」

「任せる?」

 

……もしかして先生、朱乃さんに負い目を感じてるのかな?

だから少し気にしてる素振りを……?

 

それはまぁ兎も角だ。

 

「任せるって、もしかして…………」

 

俺がまさかと思い探りを入れると、アザゼル先生は驚いたかの様に眼を丸くした。

 

「……イッセー、お前まさか」

「も、勿論守りますよ!部長も、アーシアも皆!俺が守りますから!」

 

その先を言わせまいと、俺は捲し立てる様に言葉を紡いだ。

 

 

「…………まぁ、その何だ。朱乃はお前にも任せる。それよりもだーーーー問題は小猫だ」

「小猫ちゃん?」

 

最近調子悪かったみたいだけど、どうかしたのかな?

 

「どうにも焦ってやがる。と言うよりも、自分の力に疑問を感じてるみてぇでな」

 

溜め息を溢しつつ、先生は続けた。

 

「俺が与えたトレーニングを過剰に取り組んでてな。今朝、倒れた」

 

倒れたって…………!

 

「もしかして、オーバーワークですか?」

「あぁ。怪我の方はアーシアに治療してもらったが、体力だけは回復しないからな。特にオーバーワークとなると確実に筋力等を痛めて逆効果だからな」

 

俺も一度経験あったっけ…………小さい頃、最弱のレッテル崩すために鍛えすぎて倒れたな。

 

あの時はドライグにも父さん達にも怒られたっけ。

 

「っと、イッセー。一旦お前を別館に連れ戻せと言われてるからな。悪いな二人とも。明日の朝には戻すから、少しの間だけ返してもらう」

「構わんぞ」

「どれ、タンニーン。お前の領土はどんな風になってるんだ?」

「ならば来いティアマット。客人として招待しよう」

 

ん?俺山から下りるのか?

 

「先生、誰からの連れ戻し命令ですか?」

「リアスの母上殿だ」

 

………………な、何で?

疑問は尽きない物の、俺は一度山を下りる事になった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「はい、そこでターン。ダメね、キレが悪いわ。ほら一誠君、ボケッとしてる暇はありませんわ」

 

……俺、何で踊ってんの?

 

今俺がいるのはグレモリー本邸から少し離れた別館。

そこの一室で、俺は何故か部長のお母様とダンスの練習に励んでいた。

 

……もう一度言おう。俺、何で踊ってんの?

 

しかも俺はこう言うのは夏祭りの盆踊り程度しかかじってないからてんでダメダメだった。

イヤー、部長のお母様、大分スパルタです!

 

「少し休憩しましょう」

 

やっと、解放された…………!

まぁドラゴン2体との鬼ごっこよりは幾分楽かもだけどさ。

 

「あの……」

「何かしら?」

「何故に私だけなのですか?他の二人は?」

 

あの勉強会と言い、このダンス練習と言い何故俺だけこんなの叩き込まれなきゃならんのだ?

 

「木場祐斗さんは既にこの手の技術を身に付けていますわ。ギャスパーさんは吸血鬼の名家の出。頼りない振る舞いですがそれ相応の作法は知っていますわ。問題は貴方です。人間界の平民出とは言え、一定以上の作法を身に付けていただかないと困ります。貴方はリアスと共に何れ社交界に顔を出さねばならないのですから。冥界滞在中に少しでも習わしを覚えねばなりません」

「…………すみませんね、平民出で」

 

俺は聞こえない程の声量で呟く。

 

 

 

 

しかし社交界か…………

 

「それは俺とリアス様が結婚する前提ですか?」

「っ!……口が滑りましたわ。兎に角、そう言うこともあるかもしれないという話です」

 

案外口が滑りやすいのかもしれない、グレモリー家は。

部長のお父様然り。

 

まぁ、この話題は置いとくとしようか。

 

「あの……小猫ちゃんは大丈夫なのですか?」

「えぇ、ただのオーバーワークですので。一日か二日、ゆっくり休めば回復するでしょう」

「そうですか……」

「…彼女は今、懸命に自分の存在と力に向き合っているのでしょう。難しい問題です。けれど、自分で答えを出さねば先には進めません」

 

ん?

 

「……存在と、力?」

 

今思うと、俺って小猫ちゃんの事全く知らないよな…………。

 

「……そう言えば、貴方はリアスの眷属になってまだ間もなかったわね。それでしたら、知らないのも無理はありませんわ。…少し、お話をしましょう」

 

 

ーーーーそれは、二匹の姉妹猫の話だった。

 

 

ある姉妹の猫は、いつも一緒だった。

 

 

寝るときも食べるときも遊ぶときも。

 

親と死別し、帰る家もなく、頼る者もなく、二匹の猫はお互いを頼りに懸命に生きていた。

 

「二匹はある日、とある悪魔に拾われました。姉の方が眷属になることで、妹も一緒に住めるようになりました。やっとマトモな生活を手に入れた二匹は幸せな時を過ごせると信じていたのです」

 

でも、その幸せは長くは続かなかった。

 

 

姉猫は、力を得てから急速なまでに成長を遂げたそうだ。

隠れていた才能が転生悪魔となった事で一気に溢れ出たと、部長のお母様は言った。

 

「その猫は元々妖術の類いに秀でた種族でした。その上、魔力の才能にも開花し、あげく仙人のみが使えるという仙術まで発動したのです」

 

短期間てわ主をも越えた姉猫は力に呑まれ、邪悪な存在へと変貌したそうだ。

 

「力の増大が止まらない姉猫は遂に主を殺害し、『はぐれ』と成り果てました。しかも『はぐれ』の中でも最大級に危険な存在と化したのです。追撃部隊を悉く壊滅させるほどの…」

 

上層部の悪魔達は、その姉猫の追撃を一旦取り止めたと言う。

 

「残った妹猫。悪魔達はそこに責任を追求しました」

 

『この猫も何れは暴走する。ならば今の内に始末した方が良い』と。

 

「処分される予定だったその猫を助けたのがサーゼクスでした。サーゼクスは妹猫にまで罪はないと上級悪魔の面々を説得したのです。サーゼクスが監視すると言う事で、事態は収拾しました」

 

でも、信頼していた姉に裏切られ、他の悪魔達に責め立てられた小さな妹猫の精神は崩壊寸前だったそうだ…………。

 

「サーゼクスは、笑顔と生きる意志を失った妹猫をリアスに預けたのです。妹猫はリアスと出会い、少しずつですが感情を取り戻していきました。そして、リアスはその猫に名を与えたのです。ーーーー小猫、と」

 

 

…………じゃあ、今の話しは、小猫ちゃんの!?

と言うことは、小猫ちゃんの正体は………………

 

 

「彼女は元妖怪。猫又と言う猫の妖怪。その中でも最も強い種族、猫ショウの生き残りです。妖術のみならず、仙術をも使いこなす上級妖怪の一種なのです」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

話を聞き終えた俺は本邸に戻り部長のお母様に教えられた道を行き、小猫ちゃんの部屋の前に着いた。

 

事前に入っても構わないとの事なので一応ノックして入室すると、朱乃さんがベッドの脇で待機しており、そのベッドには小猫ちゃんが横になっていた。

 

 

………………本当に、妖怪なんだな。

 

俺は小猫ちゃんの頭に生えている猫耳を見て内心驚いていた。

どう見てもカチューシャではないし。

 

にしても……可愛いなぁ。っとと!そんな事言いに来た訳じゃないだろ!

 

「イッセー君、これはーーーー」

「いえ、一応は聞いてるので、大丈夫です」

 

…特に目立った怪我はないか。

まぁ怪我ならアーシアが回復させたって聞くし、まぁ体力の問題か。

 

「やっ、体大丈夫かい?」

 

俺は笑顔で聞くも、彼女は半眼で呟いた。

 

「………何しに来たんですか?」

 

おおう、大分ご立腹だね。

多分俺が来たからだろうな。

 

「心配だから来たって理由じゃ怒るかい?」

「………………」

 

小猫ちゃんは無言だ。

 

「小猫ちゃん。色々聞いたけどさ、オーバーワークは駄目だよ。体は大事にしなきゃ「……なりたい」…?」

 

すると、小猫ちゃんは俺の言葉に被せて何かを呟いた。

 

「うん?どうしたの?」

 

俺が聞き返すと、小猫ちゃんは此方を見詰めてハッキリとした口調で言った。

 

その眼に、涙を溜めながらーーーー。

 

「強く、なりたいんです。祐斗先輩やゼノヴィア先輩、朱乃さん…………そして、イッセー先輩の様に、心と体を強くしていきたいんです。ギャー君も強くなって来てます。アーシア先輩の様に回復の力もありません。…………このままでは、私は役立たずになってしまいます……。グレモリー眷属の『戦車(ルーク)』なのに、私が一番…弱いから…………。お役に立てないのは、イヤです……。だけど、内に眠る力を…猫又の力は使いたくない……。使えば私は……姉様の様に……。もうイヤなんです…………もう、あんなのはイヤ…」

 

 

 

………………………………成る程。

 

 

 

「小猫ちゃん、君の気持ちは分かるよ。でも……言わせてもらう」

「…………」

「自分の体の状態を考慮出来ない奴が何したって、強くはなれないよ」

「ッ!!」

 

小猫ちゃんは更に悲しそうに顔を歪める。

でも、今の彼女に必要なのは中途半端な同情じゃない。

 

だから俺は続ける。

 

「今もお姉さんの様になるって言ってたけどさ、君は君だろ?お姉さんが暴走したとして、君までもが暴走するとは限らないじゃないか」

「……先輩に、何が分かるんですかっ!?私はイッセー先輩の様に、強くなんてないからっ!!」

「他人と自分を比べて弱いと理由付けて!何時までも力から逃げても、強くなんてなれる訳ないだろっ!?」

 

俺は一度呼吸を落ち着けて、静かに言葉を紡いだ。

 

「小猫ちゃん。君は嫌でも何時か猫又の力と向き合わなきゃならない。ここで地団駄踏んでても、ただ遠退けてるだけなんだぞ?」

「…………」

「それに、君は皆が強いって言うけど、強くなんてない。皆、心では弱さを抱えてる物さ。君の様に」

「…弱さを」

「弱さを抱えるのは、悪いことじゃない。けど、その弱さを乗り越えなきゃ、ずっと弱いままだ。体も、心も」

 

俺だってそうだ。

でも、それを理由に眼を背けても、何も始まる訳がない!

 

「君が味わってきた苦しみは、君にしか分からない。でも、何時までもそれに阻まれてるんじゃ、本当の意味で君は部長の足枷になる。それでも良いのかい?」

「…………ッ」

 

足枷と言う言葉に、悔しそうに目尻に涙を浮かべる小猫ちゃん。

 

「それに、皆思い思いに、自分にしか出来ないことをやってる…………。弱さに挫けて、泣きたくなっても、進まなきゃ何も始まらない。………………これだけは、伝えたかったんだ。小猫ちゃんも朱乃さんも、それだけは覚えていてほしい」

 

 

俺はそこで言葉を切り、部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『相棒、何もお前まで嫌われ者にならなくても良いんじゃないか?いや、ともすれば、お前はアザゼル以上に嫌われるかもだぜ?』

 

 

 

それだったらそれでも構わないさ。

 

 

 

それに、何だか今の小猫ちゃんは昔の俺を見てる気がしてさ…………。

 

 

 

『そういやお前も弱いのを理由にして特訓に駄々捏ねてたな』

 

逃げたって、何も変わらない事を、小猫ちゃんには知ってほしいんだ。

 

 

 

『お前も何だかんだでお人好しだな』

 

 

良く言われるよ………………さて、もう人頑張りしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード

 

アーシア「若手挨拶、ですか?」

 

木場「シトリー眷属との対戦か…………」

 

黒歌「久し振りにゃん、白音♪」

 

 

MAGIC45『若手集結と再会』

 

 

 

イッセー「これが、俺だけの可能性……!!」

 

 

 

 

 




猫ショウのショウが漢字出ないんですよね



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