ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

4 / 200
第3話だす


MAGIC3『俺、勧誘されます』

やぁ、僕の名前は木場祐斗。

この駒王学園の二年の生徒さ。

 

今日はある生徒に用があるんだ。

 

 

その名は兵藤一誠。

 

 

昨夜に公園で発生した事件の関係者だと部長が睨んでいるから、彼に話を聞こうと思ってね。

ん?部長って?

 

言うのが遅れちゃったね。僕は悪魔なんだ。

そして僕が所属しているクラブは我らが「二大お姉さま」の内一人、リアス・グレモリー部長が率いるオカルト研究部なんだ。

 

因みにもう一人の「二大お姉さま」の姫島朱乃さん、一年のマスコットキャラ的存在の塔城小猫ちゃんも所属してるんだ。

 

っと説明してる間に兵藤君のクラスに着いたようだ。

 

「ちょっと良いかな?」

 

僕は教室内にいた女の子に声を掛けた。

すると、その女の子は興奮した様子で大声を上げた。

 

「き、木場きゅんだーーっ!!!」

「ど、どうしたんですかっ!?」

「ちょっと!何声掛けてるのよっ!?」

「も、もしかして告白っ?!」

 

う~ん、質問しにくいなぁ。

 

「いや、兵藤一誠君っているかい?」

「え、兵藤君ですか?」

「今日は来てないですよ」

 

え?

 

「ほ、ホントに?」

「はい。と言うより最近は休んだり来たりの繰り返しで……」

「昨日も二日ぶりに来たんですよ」

 

まさか、僕らが接触してくることを警戒しての休みなのか?

取り敢えず、部長に報告しないと。

 

「そっか。ごめんね」

「い、いえ!」

「き、木場きゅんの笑顔が間近に……がくっ」

「しっかり!意識を保つのよ!!」

「そうよ!折角夏コミの材料が増えたのに!」

「兵藤君×木場きゅん………イイ!」

 

た、倒れちゃったけど大丈夫かな?

後、最後の言葉に背筋がゾクッと来たのは気のせいかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう………」

 

僕は兵藤君が来てないことを部長に告げた。

 

「ご苦労様、祐斗」

「はい」

 

部長は溜め息を吐いて、紅茶を飲んだ。

 

「でも、定期的に来てないって事は、サボりの可能性も………」

 

小猫ちゃんがプリンを食べながら部長に静かに進言した。

あ、あのプリンは……購買で10個しか売ってないマンゴープリン!流石小猫ちゃんだな………。

 

「あらあら、昨日は来ていましたのに……。どうしますか?部長」

 

朱乃さんが部長に聞いた。

すると部長は、

 

「彼の所在は把握してるわ。取り敢えず、放課後彼の自宅に行きましょう。これも返さないといけないしね」

 

部長は彼の生徒手帳を懐から取り出した。

 

「放課後、ここにまた集合するようにね」

「「「はい」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後…………

 

「さ、出発しましょ!」

 

部長の号令のもと、僕達は兵藤君の家に向かった。

生徒手帳に書かれてた通り、兵藤君の家はそう遠くなかった。

 

「………」

 

部長が呼び鈴を鳴らすが、

 

 

 

 

 

 

 

反応がなかった。

 

「あれ?おかしいわね……」

 

顔を曇らせながら、部長は2,3度呼び鈴を鳴らすがまったく反応がなかった。

 

「まさか、逃げた………?」

 

部長は今度は扉を強く叩いた。

 

「………部長、人の気配です」

 

小猫ちゃんが静かに拳を構えながら、静かに呟いた。

その言葉に、僕達も自然と構えていた。

 

すると、

 

 

 

「だから新聞いらねぇっていつも言ってんだろーが!!」

 

 

バン!っと力強くドアを開けた僕と同い年ーーーおそらく兵藤君が、怒声を上げて出てきた。

 

それもパンツとシャツだけの姿で。

 

「「「「………………………へ?」」」」

 

 

 

 

 

暫くの沈黙が続いていたが、それは兵藤君が破った。

部長達の存在を確認して、自分の今の格好を凝視して直ぐに、

 

「す、すいませんでしたぁぁぁぁ!!!!」

 

大声で謝って、ドアを一瞬で閉めた。

 

僕達は暫く沈黙したままだった。

 

 

 

 

祐斗side out

 

 

 

 

イッセーside

 

「す、すみませんでしたぁぁぁぁ!!!!」

 

よう、皆お早う。イッセーだ……って挨拶してる暇じゃねぇ!!

 

何で俺んちにリアス先輩達が来てんだよ!?

しかもパンツで出ちまったよぉぉぉ!!

 

兵藤一誠人生最大の大恥だぁぁぁ!!!

 

『まー新聞の勧誘だと勘違いしたお前の自業自得だな』

 

うるせぇ!!

多分昨日の事なんだろうなぁ……はぁ、どうやって誤魔化そうかなぁ?

 

『取り敢えず早く着替えて上げないと失礼だぜ』

 

ドライグの言う通りだ!

パンツ姿まで見せられて待たされたんじゃ怒りのボルテージがトップギアだよ!

ってかもう夕方かよ!どんだけ寝てんだ俺!!

 

『深夜にカレー作ってたからだろ。さっさと寝りゃ良かったのによ……』

 

そうですね!全部俺のせいだな!はっはっは!!

一応下にジャージを履いて、慌てて玄関に向かう!

ドアを開けると、リアス先輩達がまだいてくれた。

 

「だ、大丈夫…?」

「は、はい………」

 

ゼーハーゼーハー言ってる俺に優しく声をかけてくれた!

良かった……怒ってない。

 

「え、えーっと、取り敢えず、上がりますか?」

「え、えぇ。お邪魔させてもらうわ」

 

先輩達を上げて、居間に案内した。

さぁ、どう切り抜ける?

 

「今、お茶入れますね」

 

俺は久方ぶりのお客さんに茶を出すために湯を沸かした。

 

「ゆっくりしていてください」

「御免なさいね。急に押し掛けちゃって……」

 

先輩は申し訳なさそうにそう言った。

おぉ、高飛車かと思ったけど違うんだな。

 

「…………そう言えば、貴方のご両親は?」

 

先輩は家が静かなのが気になったのか、俺にそう聞いてきた。

 

「………そこです」

 

俺は静かに仏壇を指した。

すると先輩は、

 

「御免なさい。無神経なことを聞いて………」

 

再び申し訳なさそうに謝ってきた。

 

「大丈夫っす。気にしてないので!」

 

俺は普通に先輩にそう返した。

そりゃ気になるのも仕方ないことだしなー。

 

「粗茶ですが……どうぞ」

「ありがとう」

「あらあら、これはご丁寧に」

「ありがとう、ございます……」

「すまないね」

 

其々がお茶を飲んで一息つくと、リアス先輩の目が真剣さを帯びた。

 

「兵藤一誠君。今日は貴方に聞きたい事があってきたの」

 

来たな。

 

「実は昨日、駒王学園の近くの公園で謎の事件が起きたの。木々が倒され、遊具が壊れていた……」

「……何でそれを一般人の俺に?」

 

俺が知らなさげに言うと、先輩は溜め息を吐いて、

 

「しらを切るの?だったら、何故一般人の貴方の私物が落ちてるのかしら?」

 

懐から生徒手帳を取り出した。

あ、あれは………

 

 

俺の生徒手帳じゃねーかぁぁ!!!

 

『あーあ。ヘマやらかしたなぁ』

 

ドライグが呆れ果てた様に言った。

ホントだよ!これじゃあごまかせねぇ!!

何ポカやらかしてんだ俺!!

 

「………そうっすよ。昨日、公園で駄天使とドンパチ騒ぎ起こしました」

 

こうなったら言い逃れは出来ないと判断した俺は包み隠さず話す事にした。

 

「堕天使……やはり知っているのね。でもどうして?」

「俺に宿ってる神器が厄介とかどうとか言ってましたけど」

「神器!?持っているの!?」

 

先輩は興奮した面持ちで俺に詰め寄ってきた!

おおぅ。すげぇおっぱいだ!こりゃ松田達が騒ぐのも無理ないな!

 

「……鼻の下伸ばしてます」

 

そんな俺に、確か一年の塔城小猫ちゃんが辛辣に突っ込んだ。

すみません、鼻の下伸ばして!

 

 

「貴方の神器、今この場で出せる?」

『どうする、ドライグ?』

『良いぞ相棒。もう隠し事は聞かんだろうしな』

 

ドライグの許可をもらって、俺は神器を発動することにした。

 

「来い!『赤龍帝の籠手』(ブーステッド・ギア)ァ!!」

 

力強く叫んで左手の赤龍帝の籠手を発動した!

 

「赤龍帝の籠手………まさか!?」

『お察しの通りだ、リアス・グレモリーよ』

 

まさかと思った先輩の言葉をドライグが肯定するように話しかけた。

 

『俺の名は赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)、通称ドライグだ』

「まさか、生きているうちに二天龍の声を聴けるなんてね……」

 

先輩は信じられないといった感じに呟いていた。

他の人達もそんな面持ちだった。

 

『俺を宿している即ち、この兵藤一誠こそ今代の赤龍帝だ』

 

ドライグがそう言うと、皆の視線が一気に俺に集まった。

イヤー、何か恥ずかしいな………。

 

「昨日襲ってきた堕天使は君が赤龍帝だと気付かなかったのかい?」

「あぁ。同系統の龍の手だって勘違いしてた。それにこんな高校生が赤龍帝って普通は思わないだろ?」

「確かに……」

 

俺の言葉に全員が納得したように頷いた。

 

「これは、ある意味幸運なのかしらね?」

「?」

「ねぇ、兵藤一誠君」

「は、はい」

 

先輩は一人微笑むと、俺にある提案を持ちかけた。

 

 

 

「悪魔に、私の眷属になる気はない?」

 

 

 

それはとんでもない提案だった。

 

 

 

 

 

 

「………え、悪魔に?なれるんすか?」

 

先ず俺が抱いた疑問がそれだった。

人間から悪魔ってなれるもんなのか?

 

「ええ。この『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を使えばね」

 

先輩はそう言うと、懐から何かを取り出した。

 

「チェスの……駒?」

「そう。これは魔王様の一人が考案したシステムで、他種族を悪魔に転生させることが可能なの」

 

すげぇハイテクじゃん!

 

「でも、何でそんなものを開発したんすか?」

「そうね。今、先の戦争の影響で純粋悪魔の数に限りがあるの。そして純粋悪魔同士での子作りでも中々出生率が低いの」

 

はぁ、中々深刻だな……。

悪魔ってもうちょい多いもんかと思ってた。

 

「そしてこれで悪魔は転生させて眷属を増やして尚且つ仲間を減らすことなく実戦経験を詰めれるための今の政権で流行っているゲーム、『レーティングゲーム』も行われているの。まぁ、私達は成人してないからまだ出来ないのだけれど」

 

ふ~ん、ゲームねぇ。

仲間を増やしつつ、悪魔陣営の強化を図ってるわけか。

 

「私の目標は、レーティングゲームで上位のランクに上り詰める事。だから、今から眷属を集めているの。これぐらいかしらね?」

「あぁ、大体分かりました。でも、何で俺なんですか?」

「貴方は昨日、恐らく生身で堕天使とやりあった。違う?」

「はい」

 

アレを使うほどでもなかったからな。

 

「貴方ほどの人材を手放すにが実に惜しいし、何より眷属全体の強化に繋がるかもしれないと思ってるの」

「強化?」

「ええ。生身で堕天使と戦える詰まり、ここにいる私たち全員より強い………そう思うの」

『確かに相棒はここにいる全員より場数は踏んでる。実力が上なのは確実に言えることだ』

 

ドライグが先輩の意見を肯定した。

別にそこまで強い自覚ないけどなぁ。

 

「勿論、貴方の意見は尊重するわ」

 

先輩は微笑んで悪魔の駒をテーブルに並べた。

 

『なぁ、ドライグ』

『ん?』

『悪魔になれば俺の世界も広くなるかな?もっと強くなれるか?』

『あぁ。それに、どちらを選んでも俺は相棒と共にあるさ』

 

そっか。でもやっぱ俺も赤龍帝なんだな。

強くなれるってだけでこんなにもうずうずしちまうなんてよ。

 

 

「俺で良ければ喜んで、貴方の眷属になります」

 

俺がそう言うと、先輩は笑顔で頷いた。

 

 

「分かったわ。ならばその命、燃え尽きるまで私の為に生きてくれる?」

「モチ!男に二言はないです!」

 

俺がそう言うと、先輩は俺に向かって悪魔の駒を差し出し、

 

「我リアス・グレモリーの名に於いて命ずる!兵藤一誠よ、悪魔となりて我と共に生きよ!!」

 

そう叫ぶと、俺の体に変化がーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれ……?」

 

訪れなかった。

え、何?どういう事?

 

「まさか、『兵士』(ポーン)では転生出来ないの……?」

 

先輩はそう呟くと、次に別の駒を出して叫ぶも、全く変化は起きない?

 

『こりゃ相棒が規格外過ぎるな。通常の駒では価値が足りない、という事かもな』

「そんな事って………」

 

先輩がガックリしたその時、

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

「これは…?!」

 

突如、机に置かれていた悪魔の駒ーー恐らく兵士の駒が輝きだした。

すると、その内の四つに不思議な現象が起きた。

 

「い、『悪魔の駒(イーヴィルピース)』が……」

「色が、変わってる………?!」

 

四つの色がそれぞれ、赤、青、緑、黄色に変化したかと思えば、残りの四つ纏めて俺の体に吸い込まれるように入ってきた!

 

「まさか……変異の駒(ミューテーション・ピース)?!」

 

み、変異の駒(ミューテーション・ピース)

なんだそりゃ?

 

「本来なら複数の駒を使うであろう素質を持った転生体をその駒一つで済ませる物なんだ」

 

つ、つまり……?

 

『お前は変異の駒四つ含めてでなければ転生できなかった。俺を宿してるだけなら八つの普通の駒で行けたかもしれんが……奴の影響だろうな、恐らく』

『だよな…。あの色、俺が使う指輪と同じだった………』

 

すると、俺の背中から悪魔の翼が生えてきた!

ドラゴンの翼とあんまし変わらないんだな……。

 

 

 

 

「……では気を改めて、自己紹介ね」

 

何とか動揺から回復した先輩達も背中から翼を生やした!

 

「私はリアス・グレモリー。駒は『(キング)』よ。宜しくね、イッセー♪」 

「姫島朱乃ですわ。『女王(クイーン)』を務めさせていただいてますわ。宜しく、イッセー君」

「僕は木場祐斗。『騎士』(ナイト)をやらせてもらってるよ。」

「塔城小猫です…。『戦車』(ルーク)です……。宜しくお願いします、イッセー先輩」

 

 

 

「兵藤一誠。さっき言った通り赤龍帝をやらせてもらってます。まだ勝手がよく分からないので、迷惑をかけるかと思いますが、宜しくお願いします!!」

 

取り敢えず、魔法使いの事は伏せとくか。

 

 

拝啓、天国の父さん、母さん。

 

 

俺、悪魔になりました。

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード

 

イッセー「新聞配達みてーだな」

 

リアス「見せてくれる?貴方の実力」

 

???「何だ貴様らは?」

 

第四話 「俺、戦います」

 

イッセー「次回もショータイムだ!」

ドライグ『仕事盗られた!!』

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。