ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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もう一方の作品共々宜しくお願いします


MAGIC2『俺、殺されかけます』

イッセーside

 

 

「よし、帰るか」

 

いつも通りの平凡な授業を終えて、俺は家に帰ろうとする。

まぁ、この平凡な日常が俺は好きなんだけどね。

つーか日直のせいで帰りが何時もより遅れちまったよ……。

 

『相棒、今日の晩飯は?』

「う~ん、カレーにしようかな?」

 

確か今日は近所のスーパーで特売セールがあったはず。

序でに冷凍食品も買っとくか。

 

「あ、あの!」

「ん?」

 

だけど校門を出ようとした時、俺は誰かに呼び止められた。

誰だ?

 

「兵藤、一誠君ですよね?」

 

そこにいたのは、長い黒髪が特徴の可愛らしい女の子だった。

見た感じ、駒王学園の子じゃないな。

 

「そうだけど……君は?」

「あ、ごめんなさい!自己紹介がまだでしたね……。私、天野夕麻って言います」

 

そう目の前の女の子、夕麻ちゃんがお辞儀をしてきた。

 

「………ここだと少しあれですから、向こうの公園まで来てもらってもいいですか?」

「あぁ、良いぜ」

 

特に断る理由もないしな。

それに、俺も確かめたいことがあるからな。

 

『相棒、此奴は…………』

『わーってるよ。堕天使、だろ?』

 

俺はドライグからの呼びかけにそう答える。

 

『気づいていたか』

『まぁね。第一、普通の人間と雰囲気違うしな。だからこそ、彼女が何かしでかす前に、止めないとさ』

『考えたな、相棒』

 

ドライグとの会話を打ち切り、俺は夕麻ちゃんの後についていく。

 

 

 

 

 

 

「ごめんね。いきなり呼び出して」

「良いよ」

 

俺と夕麻ちゃんは学校からそう離れてない公園についた。

 

「で、話って?」

 

俺が切り出すと、夕麻ちゃんは恥ずかしげに口を開いた。

 

「そんなに難しいことじゃないの。その……」

 

もじもじしているその姿は、第三者から見たら間違いなく告白シーンだろうな。

でもまぁ、

 

『おいおい、魔力が粗ぶってるぜ。これじゃ正体バラしてるもんだなぁ』

 

俺の相棒からすればバレバレだけどな。

どうせ、付き合ってくれって言ってきて、翌日のデートかなんかで俺を殺すつもりなんだろうなぁ。

だから、俺が言うことは一つだ。

 

「悪いけど、君が言おうとしてることに俺は答えられない。それにさ、こんな回りくどいことやめねーか?………堕天使さん?」

「っ!?」

 

俺が言ったその一言に、夕麻ちゃんの顔が凍りついた。

 

「………な、何のことかな?」

「とぼけんなって。俺、そういうのには敏感なの」

 

しらを切ろうとする夕麻ちゃんの言葉を一蹴する。

すると、夕麻ちゃんは突然肩を震わすと、

 

「そっか。じゃあ……………………死んで?」

 

そう静かに呟くなり、俺に光の槍を放った。

 

「よっと!!」

「何っ!?」

 

サイドステップで躱した俺に夕麻ちゃんが驚いている隙に、俺も自分の神器を展開する。

 

そう、これこそドライグの魂を封じ込めた神器、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』だ。

 

 

「おりゃあ!!」

「!ぐぅっ!」

 

即座に踏み込んで、俺は夕麻ちゃんに殴り掛かるが、夕麻ちゃんも負けじと魔法陣を展開して俺の攻撃を防ぐ。

 

「なぁ~んだ?神器を宿してるからマークしてたのに、ただの『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』じゃない。焦って損したわ!」

 

まぁ、赤龍帝の籠手は伝説の神器だからな。

こんな高校生に宿ってるなんて考えるはずないもんな。

 

『………相棒、あの女、八つ裂きにしろ』

 

おぉ、珍しくドライグがキレてらっしゃる。

まぁ、間違われちゃあ怒りたくなりますわな。

 

『良いのかよ?そんなことして』

『丁度お誂え向きに結界まで張ってくれてんだ。それに俺の意見は絶対だ』

『何処の暴君?』

『暴君なんてもんじゃない。ただの天龍さ』

「ちげぇねーな!!」

 

ドライグにそう答え、俺は巨大な光弾を放つ!

 

「そぉら!!」

「っ!!」

 

光弾は命中せずに、地面に巨大なクレーターを作っただけだった。

だけど、

 

「隙だらけぇ!」

「がはぁ!!」

 

俺のドラゴンショットを躱して、一息ついて隙だらけの夕麻ちゃんの腹に爪を突き立てる。

そしてそのままぁ!!

 

拡散する龍波動(マシンガン・ドラゴンショット)ぉ!!!」

「ぐうううっ!!??」

 

ゼロ距離からの連撃に、夕麻ちゃんは大きく仰け反り、地面に倒れ伏す。

おおう、腹から大出血してるぜ。

 

「おいおいどうした?普通の高校生にやられてんじゃねーかぁ!?」

「ぐぅっ!生意気な餓鬼がぁ………!!」

 

夕麻ちゃんは立ち上がり、更に莫大な光の矢を作り出した!

 

「へっ!そうこなくっちゃな!………ん?」

 

構えた途端、公園の一角から謎の魔法陣が現れた。

 

「あれは、グレモリーの紋章…!チッ!」

 

夕麻ちゃんは舌打ちすると、光の矢を消して自らの足元に魔方陣を展開した。

 

「覚えていなさい、兵藤一誠!貴様はこのレイナーレが殺すっ!!」

 

俺を睨み付けながら呪詛の言葉を吐き、レイナーレは姿を消した。

 

『…相棒、早くこの場から消えた方が良いぞ』

「……みたいだな」

《コネクト・プリーズ》

 

俺は魔法で現れた魔方陣からバイクを取り出し、その場から走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

忘れ物に気づかず……。

 

 

 

 

 

 

イッセーside out

 

 

 

 

リアスside

 

「これは……!?」

 

私はリアス・グレモリー。

この辺り一帯の領土を所有する悪魔よ。

 

今私は、巨大な魔力が探知された学園の近くにある公園にいる。

だけどそこはまるで、嵐が直撃したかのような有様だった。

 

遊具は殆ど吹き飛び、木々の一部はへし折れている。

 

「この波導……光」

 

その場に微かに残った波導が、肌にピリッと来たことから、恐らくは天使か堕天使。

だけど、このもう一方の、三大勢力の何れとも違うこの異質な波導は何?

 

すると、

 

「これって………?」

 

近くにある物が落ちていたため、それを拾ってみると、駒王学園の生徒手帳だった。

中を見てみると、そこには一人の男子生徒の名前が記されていた。

 

「兵藤 一誠……」

 

私は静かにその名を読み上げた。

 

 

「私と同じ学園の生徒……。確かめてみる必要があるわね」

 

 

 

この時私は知らなかった。

 

 

 

 

この出会いが私たち、そして三大勢力にとって重要な事を引き起こす事になろうとは。

 

 

 

リアスside out

 

 

 

 

 

イッセーside

 

「ぶぇっくしょんっ!!」

 

俺はヘルメット越しで盛大なくしゃみをした。

 

『誰か噂でもしてるんじゃねーか?』

「イヤー、モテる男は辛いねぇ」

『もしかすると、誰かが五寸釘で相棒を呪ってるのかも』

「いや、古いよ。それに感じるなら普通寒気じゃね?」

 

スーパーの袋を持って、取り敢えず家にたどり着いた。

気づけば、辺りは既に真っ暗だ。

 

「……もう寝るかな?」

『カレーは?』

「あれの後だと、作る気にもなんねー」

『あの程度で疲れてちゃまだまだだぜ』

「うるへぇ」

 

リビングに荷物を置いたと同時に、

 

 

 

『相棒、奴らが現れたようだぜ』

 

ドライグから言われ、俺は再びヘルメットを持った。

 

 

「……ホント空気よまねーな。アイツ等」

『Fightpower!Fightpower!FiFiFiFiF-F-F-F-Fight!』

「レモンエナジーの変身音は良いから!」

 

 

さ、もうひとっ走り行きますか。

こりゃ、明日の学校は休み確定だな。(疲れ的な意味で)

 

 

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード

 

イッセー「し、失礼しましたぁぁぁ!!!」

 

リアス「悪魔に、私の眷属になってくれる?」

 

ドライグ『俺は相棒の意思に従うさ』

 

第三話「俺、勧誘されます」

 

ドライグ『定めの鎖を、解き放て!』

イッセー「漢字それであってるのか?」


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