ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
イッセー「なん、だと……!?」
ドライグ『歴代にもあんなのいなかったぞ!!』
作者「ここにも取り込もうかな~?」
イセドラ「『オイ!!』」
最終回どうなるだろうなー
さて…………リアス部長からのキツイ愛の鞭を受け、そして裸エプロンを見て癒されたその日の夜。
俺は今部長とアーシア3人と就寝していた。
ま、このまま何事もなく時が過ぎてくれれば良いんだけどな………………
『…相棒、光の波動だ』
……ですよねー、奴さんが簡単に寝させてくれる訳ないわな。
すると部長も光の波動を感じ取ったのか、直ぐ様起き上がった。
…意外にもアーシアも起きた。何か感じ取ったんだろうけど…………すげぇな、やっぱ。
「イッセー、これは……」
「ま、見てみりゃ分かりますよっと」
ガラッと窓を開けると、やはりと言うか何と言うか、そこにはこちらを見下ろしている白髪のクソ神父ーーーーもとい、フリードがいた。
多分光の波動はこいつの持つエクスカリバーだろうな。
フリードは此方を見てニヤッと挑発するかの様な笑みを浮かべると、何故か後ろへと下がった。
…………何だ?こねぇのか?
『………………………………っ!相棒』
どうした?
『とんでもねぇのが来るぜ…』
何言って……っ!!この感じ、まさか!
フリードの後ろから現れた"ソイツ"を見た途端、部長も驚きを隠せずにいた。
そして直ぐ様、部長はアーシアの前に立った。
「おぉ~!漸く気付いたのねん!そう、この方が!俺っちの今の上司!!堕天使、コカビエル様で~す!!」
黒い翼が10枚、そして見るからに極悪そうな面構え。
コイツが……!
「堕天使、コカビエル……っ!!」
部長だけでなく、後から魔方陣で来た朱乃さんと小猫ちゃん、そしてソーナ会長と副会長の椿さん、匙も驚いていた。
「…フン、サーゼクスの妹君か。相変わらずの紅の髪……兄上を連想させるほど吐き気がするな。それに、セラフォルーの妹君もか」
っ、この野郎…!部長の紅の髪を貶しやがって!
「貴様を犯しつくした上で殺し、その首を冥界に見せれば、怒れるサーゼクスを見れそうだが…………………………っ」
コカビエルは吐き気がするほどの台詞を吐くと、今度は俺の方を振り向いた。
「ほぅ、貴様が今代の赤龍帝…………いや、魔法使いと呼んだ方が良いのか?」
「…………お前、何で知ってんだ」
「解せない、と言った面持ちだな。良いだろう、貴様らに見せてやろう…………俺の新たな姿を!!うぉぉぉぉぉっ!!!」
コカビエルが低く唸った途端、ヤツはその姿を……"変えた"。
「っ!この、姿はっ」
『ふ、フフフ、ハハハハハァ!!どうだ!この麗しい姿!これこそ俺に与えられた新たな力!』
それは正しく"闇"だった。
背中に生やす常闇の様な漆黒の翼と同じ黒の体躯、鴉のように鋭い眼光。そして胸に剥き出しになって埋め込まれた紫の魔法石。
厨二心を擽るフォルム。だがその姿、その魔力はーーーー
「やっぱり、ファントムになってたのか…………!」
そう、正しくファントムその物だ。
『貴様、俺がこの姿になれるのを知ってたのか』
「……確証はなかったけどな。以前、俺はこの町で堕天使と同じ波動を持つファントムと会った。そして、今回の聖剣強奪事件…………その首謀者がお前だと知った」
『それだけで俺の正体を見抜ける訳がないだろう』
「慌てんなよ…………。そしてこの間、この町に来た聖剣使いの影に潜んでたファントム。ソイツからは微弱だけど、光の波動を感じた。そこから行き着いた推理だよ…………コカビエルはファントムなんじゃ無いかって」
『ほぅ、大した奴だ』
まぁ、外れて欲しかったけどな……!
「イッセー……貴方」
「黙ってたのは謝ります。でも、不確定要素だったんで…………」
そう言うと、部長は何も言い返さなかった。
……ありがとうございます。
『赤龍帝、何故貴様はそんな女の元にいる?』
「……何が言いたい」
『ソイツと貴様ではあまりにも釣り合わん。身体でたらしこまれたのか?だとすればあまりにも惨めな赤龍帝だな』
「コカビエル……っ!」
「…………俺は自分の意志でこの人の眷属になった。てめぇには関係ないだろ」
俺は自分で出せる全力の殺気をぶつける。少なくとも、コイツをブッ飛ばす理由が増えたな。
『…………中々上質な殺気だな。まぁ、俺の計画の支障とはならんがな』
へっ、やっぱり先の大戦を経験してる奴にはそよ風程度か。
「今度は此方から質問だ。そこの白髪野郎の後を追っ掛けた奴らを……どうした?」
『フン。青髪の女と金髪の小僧は逃げ仰せたが…………コイツの事か』
そう言ってコカビエルが此方に何かを投げ飛ばした………………イリナ!!
「あぶねっ!」
俺は咄嗟にイリナを何とか抱き止める。が、イリナは身体中傷だらけだった。
「へっへーん!どうよ!?その糞ビッチが持ってた聖剣も、もう俺っちの物だよーん!!」
バッ、とフリードが良くいる露出狂みたいな感じでコートを左右に広げると、そこには聖剣ーーーーエクスカリバーが2本!
イリナから奪ったのか……だけど今は!
「アーシア、回復だ!」
「は、はい!」
俺はアーシアにイリナを預け、再びコカビエルを睨む。
『…………フリード、さっさと例の場所に向かえ』
「あいあいさっ!それじゃイッセー君、ばいちゃ!」
…………って、また閃光弾かよ!
光が晴れると、そこにフリードはもういなかった。
「……コカビエル、貴方の目的は何なのかしら? 悪魔と天使に喧嘩を売って、貴方は一体何をしたいのかしら?」
部長が強くコカビエルを見据え聞くと、コカビエルは、
『簡単だ。今の平和ボケした世界はつまらないからさ』
そうつまらなさそうに吐き捨てた。
その顔は心底うんざり、と言った感じだ。
『戦争が終わり、俺のとこの幹部は戦争に消極的になりやがった。しかもアザゼルに至っては神器の研究に没頭して戦争をしないと断言する始末………………どいもこいつもふざけてやがる!!』
アザゼル?それって確か……………
『堕天使の総督だ』
そうそう、それそれ!……ってことは、アザゼルは、アイツの上司か。
『そう言う事だな』
「そうか……。ならお前は…………戦争を望むのか?」
今度は俺がそう聞くと、コカビエルはその眼光を光らせた。
『分かっているな、赤龍帝!そうだ!俺は戦争がしたい!殺して殺して、殺しが正当化されるものを望む!エクスカリバーを奪えば天使側は戦争は攻めてくる思ったんだが、送ってきたのは雑魚神父と、そこの聖剣使いのみ………… ならば次はお前達、悪魔に喧嘩を売ろうと思ったわけだ』
「…………狂ってんな、オイ」
正しく戦闘狂だな、アイツは…………。
だけどもう1つ、解せない事がある。
「最後にもう1つ聞く。お前は何でファントムになった?」
『…………俺がこの計画を始動させる前、俺はある男に会った。ソイツは俺にこう言った………………お前に力を授ける、とな』
…………コカビエルにそんな事を?
『俺は初めは高を括っていた…………が、ソイツの力は圧倒的だった。この俺が手も足も出ん程にな』
「貴方でも、手が出ない相手って……………!」
部長の驚きは最もだ。あのコカビエルにそんな事を言わせる程の実力者がいるって事だからな。
『俺はソイツに屈服し、そして力を求めた。その時に、コイツを埋め込んだのだ』
そう言ってコカビエルは胸の魔法石を指差した。
「…………魔法石で、ファントムになったのか!?」
『そうだ。だが過程などどうでもいい!その結果、俺は全盛期を遥かに上回る力を手にしたのだ!!今ならばアザゼルも、天界のミカエルも、冥界の魔王共も!!俺の敵ではない!!!』
一頻り叫ぶと、コカビエルは此方を振り向く。
『さあ、リアス・グレモリーにソーナ・シトリー。そしてその眷属達よ!俺はこの町の、駒王学園を中心に破壊活動を行う!!止めたければ、コイツを殺してでも来るのだな!!!』
コカビエルは魔方陣を展開させると、駒王学園に向かって飛んでいった!
そしてその魔方陣から現れたのは………………!!
『グギャギャギャァァァァァァ!!!!』
「ケルベロス………!?」
そう、良くファンタジーにも出てくる三つ首の獣、ケルベロスだ!
『何か外側の頭の外に向いた目が白目だぞ。アレはガルベロスだ』
関係ねぇ!!
っつーか結局ケルベロスじゃん!元ネタそうだし!
「……部長!ここいらに結界を」
「もう張ってるわ!大丈夫よ!」
「…なら、コイツは俺に任せて下さい!部長達はコカビエルを!!」
「…………分かったわ!でも、必ず生きて来なさい!」
了解っす!
「…………っし!行くぞ、ドライグ!!」
『おうっ!』
《Boost!》
部長達が転移したのを確認した俺はケルベロス目掛けて駆け出したーーーー!!
『私のイッセーに牙を向くとは良い度胸だな犬ッコロがぁ!!』
『ギャウンッ!!』
けどその前に、ティアがケルベロスをブレスで焼き尽くしたーーっ!!
「て、ティア…………?」
「全く…………無事か?イッセー」
「お、おう…………」
お、俺が残った意味は…………
「行くのだろう?ならば行け。この家は、私が守る」
「…………頼んだぜ、ティア!!」
「あぁ」
《コネクト・プリーズ》
俺はティアにその場を任せると、バイクに跨がり駒王学園まで駆け出した!
皆、無事でいてくれよっ!!!
次回、コカビエルとの決戦ですが…………サプライズもあるよ!
イッセー「ポロリか!?」
ドライグ『なん、だと……!イヤッフゥゥゥゥゥ!!!!』
ドラゴン『ある訳ないだろ』