ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
イッセー「もう崩壊してるよ」
『起きろ相棒、朝だぞ』
「んー……」
目覚まし時計が鳴り、更に中に宿ってる相棒の声で俺は目を覚ました。
「ふぁ~……もう朝かよ」
『取り敢えずランニングでも行くか?』
「そうっすかな……目覚ましに丁度良いし」
そう言って俺は、椅子に掛けてあったジャージを羽織って外に出る。
「うし、行くか」
数分後………
「よし、飯作るか」
ランニングから戻った俺は小さいフライパンを取り出し、朝食を作る。
因みに内容は目玉焼きと白米だ。
『久々に行くのか?学校』
「そーだな~」
相棒に言われ、少し考える。
え?さっきから誰と話してんだって?
こいつはドライグ。
伝説のドラゴンって言われてるけど、今は魂だけの存在。
んで、俺はそのドライグを宿した「赤龍帝」ってやつなんだ。
まぁ、幼稚園の時にはよく分からなくて、「すげードラゴン」って印象だったけどな。
今じゃ頼れる、兄貴兼親父兼戦いの師匠だ。
『いい加減行かんと、茂殿に申し訳ないだろ』
「うっ……べ、別におっちゃんも事情分かってくれてるしさ」
おっちゃん、と言うのは俺の父さんの兄。だからおっちゃん。
え?両親どうしたんだって?
今は天国だよ。
『相棒、丁度いい感じだぞ。目玉焼き』
「おっ、ホントだ!でかした!」
ドライグに言われフライパンを見ると、目玉焼きはいい感じに仕上がってた。
よっしゃー!
「じゃ……頂きます」
俺は中学からお馴染みの一人飯に没頭する。
寂しいって言えばそうだけど、おっちゃんに世話になりっぱなしって訳にもいかねーからなぁ。
「ご馳走様っと」
『はい、お粗末さま』
「お前は母ちゃんか」
『一度ドラマでやってたのを見てやりたくなった。後悔はしてない』
「さいですか」
俺は二日ぶりに制服に腕を通した。
「よし、窓OK。ガスの元栓OKっと」
『別に盗られるもんそんなねーじゃん』
「一応だよ」
戸締り等を確認した後、鞄を持って玄関の戸を意気揚々と開ける。
「さぁ、出発だ!」
そう言って俺は自分の愛車に跨る。
『……相棒、別にバイクで行くほど距離離れてねーだろ』
「そ、そうだったな」
いっけね、何時もの癖だ。
………さぁ、気を取り直して。
「さぁ、出発だ!」
『TAKE2』
やかましい!
あぁ、そういやまだ自己紹介してなかったな。
俺は兵藤一誠。
赤龍帝と
「さぁて、二日ぶりの学校だな」
ここが、俺が何時も通ってる学校、「駒王学園」だ。
でも驚くなかれ、この学校、いや俺の住んでるこの町「駒王町」は、とある悪魔の領土なんだと。
俺もドライグに教えられた時はびっくりしたな~。
え?悪魔って何だよって?
実は俺達の世界には、悪魔、天使、堕天使の通称「三大勢力」が存在してるんだ。
驚きだろ?
んで、ドライグはその三大勢力にもう一方のドラゴンと一緒に
……話が逸れちまったな。
そんなもんだから、この学校の生徒の一部や上層部は悪魔なんだ。
「あ、兵藤君だー!」
「おはよ~!」
「おう、二日ぶり~」
後、女の子の比率が多いってのも特徴だな。
「おぉ!イッセー!」
「久しぶりだな!」
そう言って俺の後ろから声を掛けてきたやつがいる。
振り向いてそいつ等を見たとき、俺は溜め息を吐いた。
「どうしたよ。松田、元浜……そのたんこぶ」
朝から頭にたんこぶを作っていたからだ。
「また女子更衣室を覗いたんだな、お前ら」
俺がそう言うと、目の前の悪友ーーー丸刈り頭の松田、眼鏡を掛けた元浜は、うぐっと言いながら、たじろぐ。
「何で分かった!?」
「何年お前らの悪友やってると思ってんだ?つーかこの間も覗いてたろ」
「見つけたわよっ!」
「ひぃ!」
おおっと、女子陸上部の皆さんのお出ましだ。
こいつ等も年貢の納め時か?
「全くアンタ達はー!此間も覗いてたでしょ!?」
「今日という今日は許さないんだから!」
すげぇ気迫だな~。
でもちょっと気の毒だから、助け舟を出しますか。
「まぁまぁ、もうそのぐらいで勘弁してくんねーか?」
「兵藤君…!?」
俺が前に出ると、陸上部の皆顔を赤くしちゃった。
よく分からんが、取り敢えず庇ってやるか。
「もう授業始まるしさ。それにこいつ等にもちゃんと言っとくから、な?」
「ひょ、兵藤君が言うなら………」
部員の一人がもじもじして言ったかと思うと、今度は松田たちを指差した。
「今回は兵藤君に免じて許してあげる!でも次覗いたら……」
「煮えた鉛飲まさすからね!!」
こえぇ!
煮えた鉛って、考えること過激だな……。
『もう女子の言うことじゃねーよ。槍持って野を駆け回る人の言うことだぞ』
ドライグ、お前の意見に全面同意だ。
「ありがとな。………ほれ行くぞ、お前ら」
俺は松田と元浜を立たせ、教室に向かう。
「ずりーぞイッセーばっか!」
「お前も俺たちと劣らないレベルの変態なのに!」
「自分の性癖を大っぴらに語るほど馬鹿じゃねーよ」
事実そうだ。
俺は親しい友達、こいつ等以外に猥談はしない。
「さっさと行くぞ!あ、それと元浜」
「ん?」
「後で休んでた分のノート、みしてくんね?」
「分かったよ。助けてもらった恩返しだ」
「ふぃ~、やっと昼休みだな」
授業を終えて、待ちに待った昼休み。
俺は自販機でジュースを買った後、中庭に向かった。
「さ、お楽しみの……」
俺は笑顔で手に持った袋からからそれを取り出した。
『……何時も思うが、昼飯ドーナツで足りるのか?』
「それは気持ちの問題だよ。それに弁当作るほど、オカズなかったし」
それはドーナツだ。
砂糖のかかったプレーンシュガー、俺のお気に入りなんだ~!
「………ん?」
プレーンシュガーを食べてると、なにやら向こう側が騒がしい。
まぁ大方、あの人たちだろうな。
「相変わらず綺麗だな~……」
其の正体は、学年一のお姉様。
リアス・グレモリー先輩と、姫島朱乃先輩だ。
『悪魔だけどな』
「だからこそじゃね?」
遠目から見ながら、ドーナツを平らげる。
正直、高嶺の花過ぎて、近づくのも躊躇っちまう。
「チャイム鳴ったら起こしてくれ、ドライグ……」
『分かった』
ぽかぽかな日和に見守られながら、俺は昼寝に入った。
だけど放課後、また一騒動あるとは、この時は知らなかった。
次回、D×Dウィザード。
BGM:Life is SHOW TIME
天野夕麻「えっと、兵藤一誠君、ですか?」
イッセー「いい加減正体見せたら?堕天使さん」
リアス「ふぅん…兵藤 一誠か」
第二話「俺、殺されかけます」
ドライグ『これで決りだ!』
イッセー「それウィザードちゃう、Wや」
次回予告の時は脳内でウィザードの物と同じBGMを流してみて下さい