ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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お久しぶりです。ユガ・クシェートラ、良かったですねぇ…ガチャは爆死しましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

前置きはここまでにして、今回から新章です。因みに本来の章は進路指導のウィザードでしたが、作品のタイトルにも使われているので、変更しております。
まぁだからと言って今回の章に大きな変化がある訳ではありませんが、一応明記しておきます。

ではどうぞ。







第十三章:進路指導のワーロック
MAGIC156『明け方の訪問者』


 

「う、うぁぁぁぁぁぁあ……!!!」

 

駒王町のとある辺地、そこでは一人の人間が一体の怪人の前で苦しみながら蹲っていた。

徐々に紫色の亀裂が走っていき、中から突き破るように魔力の塊が生まれる――――ファントムの誕生で会った。

 

『ぬぅぅ……』

『…新しい同胞の誕生だ』

 

妖艶な声でそう呟くファントム――――メデューサは、新たなファントムの誕生を祝福する。

 

『お前の使命はただ一つ、我らが主の為、そしてファントムの為の世界を創造する足掛かりだ。良いな?』

『へっ、良いぜぇ。丁度体も動かしたいって思ってた所だからなぁ…!!』

 

双角の魔獣――――バイコーンはメデューサにそう言うと、その場から飛び出していった。

 

『……』

 

満足げにそれを見つめるメデューサの背後には――――気配を殺したガルムがいた。

 

『…まだ十分な量ではないな』

 

そう呟いたガルムの掌には、妖しく輝く魔宝石が胎動していた。

 

 

ガルムは翼を広げ、その場から飛び去って行く――――それから後に、日が昇り始めていくのであった。

 

 

 

ーーーー

 

 

 

おはようございます、皆さん。お久しぶり過ぎて忘れているかと思いますが、主人公のイッセーです!

……え、さっき似たような挨拶聞いた?ちょっと何言ってるか分かんないですねぇ。

 

あの冥界での魔獣騒動から幾日か経ったあくる日の朝なんだけど……

 

「ここ、俺の部屋だよな?」

『『そうだな』』

 

相棒'sもそう肯定してくれてるんだけど、明らかに俺のベッドではない感じなんだよなぁ……。

 

先ず――――

 

「…すぅ、すぅ」

「んんっ、イッセーさん……」

 

リアスにアーシア……まぁこの二人に関しては何時も一緒に寝てるから何も言うまい。

 

問題はこの後だ。

 

「…イッセー、くん、もっと強く………」

「ぐぅ………すぅ……」

 

色っぽい寝言を漏らす朱乃さんに腹出して寝てるゼノヴィアに、

 

「むにゃ、天界のお饅頭、おいひい……」

「…にゃん」

 

涎垂らして何やらいやしんぼな夢を見てるイリナに、猫のように丸くなって寝ている小猫ちゃん、

 

「……」

『あの寝相ずっと保ってたのか……?』

『龍神七不思議だな』

 

そう二人が言うのも無理はない体勢……死人みたいに手を組んで寝ているオーフィスと――――女の子がてんこ盛りになっていた。

 

…確かに俺のベッドは大きい、あぁ大きいよ。

けどな、流石にこの人数は全員寝れないだろ!皆いつの間に忍び込んできたのさ!?

 

っつーか、何で部屋の主の俺は床で寝てんだ!?

 

『青髪の小娘が寝惚けてお前を蹴飛ばしていたぞ』

 

青髪…ゼノヴィアか。確かに足が突き出た不自然な状態で寝てやがる。

 

はぁ、例の騒動が片付いて以来、眷属女子全員こんな感じだ。

何つーか、俺の命の危険があったからか、皆一様に俺と触れたがる…まるで俺がいなくならないように。

 

まぁ迷惑かけたのは申し訳ないと思うし、気持ちだって分かるよ?

けどさ、余りにも大袈裟過ぎじゃね!?俺何処にもいかねーよ!!

 

『そっち方面では信用ゼロだな』

『全くだ』

 

うるせぇ!……くそっ、ちょっと否定できない自分に腹立つわ!!

 

「…ここがモテる男の甲斐性の見せ場だぞ?イッセー」

「…ティア?」

 

何時の間に……俺の勉強机の椅子に腰かけていたのは、龍王ティアマット、通称ティアだ。

ティアは静かに笑うと、俺の横に座り込む。

 

「小娘たちにとってはそれほどの事だったんだ。それに、この前お前は自分の魔力を無くして無力感に苛まれていた。だから心配していた分、お前とのスキンシップで繋がりを、温もりを得たいんだろう」

「……うん。それはさ、分かってるんだけど」

「お前は、十分愛される程の魅力を持った男なんだ。もう少し自信を持て」

 

ティアは俺を抱き寄せ、そう語りかけてくれる…………愛されている、か。

 

「…うん、そうだな。ありがと、ティア」

「…」

「あの、ティアさん…?」

 

やんわりと離れようとしたが、何故だかティアは抱擁を更に強くしてくる……ホントに心配、掛けちまったな。

暫くこうしていようと目を瞑ると、扉がノックされ開かれた。

 

「イッセー様、リアス様、アーシア様、起きてらっしゃいますか?」

「…おはようさん。レイヴェル」

 

俺の頼れる敏腕マネージャー系後輩ことレイヴェルちゃんの登場だ。

 

「す、凄い事になってしまってますわね……私も、参加したかったですわ……」

 

このノリで君もか!?止めてくれ、俺の寝る場所がなくなる!

どうせならベッドを大きくしてから参加してくれ!

 

「…ふぁ………」

 

と、どうやら我らが部長のお目覚めらしい。

リアスは寝惚け眼で抱きしめられてる俺とレイヴェル、そしてベッドへと目配せする。

 

「凄い事になってるわね、ベッド……」

 

いや、ホントにな。部屋主の俺が落ちてるもん。

ティアは漸く俺を開放すると、思い出したかのように言った。

 

「時にリアス。そろそろ魔法使いとの契約や、吸血鬼がやって来るのではなかったか?」

 

…そう言えばそんな事話してたな。

魔法使いの件は兎も角――――吸血鬼は多分、ヴラディ家だな。

 

「そうだったわね。レイヴェル、魔法使いに関してイッセーのフォローをお願いね。マネージャー、頼りにしてるわ」

「頼むぜ、レイヴェル」

「はいっ!赤龍帝のマネージャーであるこの私、レイヴェル・フェニックスにお任せください!粉骨砕身、イッセー様にふさわしい魔法使いを選抜してみせますわ!!」

 

おぉ、頼りになる出来た後輩だ……っ!先輩感動だよ!

 

「さて、それじゃまずは朝食にしましょう」

「グレイフィア様と茂様が準備を成さっております、さぁさ皆さん!起きてくださいませ!」

 

慌ただしくもいつも通りの一日が始まろうとしたその時、来客が扉から入って来た。

 

「ちゃお~、お邪魔してるにゃん」

『エボルトォォォォォ!!!!』

 

朝っぱらからうるせぇぞドライグ!!――――来客は着物を着たブラッド族……ゲフン、猫又お姉さんこと、黒歌だ。

 

「く、黒歌!何であなたがここに!?」

「にゃにゃ?赤龍帝ちんに呼ばれたから来たんだけど…リアスちん聞いてにゃいの?」

「イッセー、私初耳なのだけど」

「ゴメン、言うの忘れてた」

「そう言う報告はきちんとなさい!」

 

リアスは俺のほっぺをつまみながら注意する……ふいましぇん。

 

「あ、あのー、私もお邪魔しております」

 

黒歌の後ろから現れたのは尖がり帽子の魔法使い、ルフェイちゃん。

……待て、今気づいたけどよ。

 

「黒歌、ヴァーリ達何してんだ」

「赤龍帝ちんのおじちゃんのご飯いただいてるところにゃん」

 

やっぱりか!この間アイツら、エロゲ返しに来たついでに俺んちで飯食ってたけど、気に入ったのか!?

おっちゃん滅茶苦茶喜んでたからな、絶対嬉々として作ったんだろう…。

 

「あ、それと空いてる部屋使わせてもらってるから、よろしく~」

「あ!?それは聞いてねぇぞ!」

「だって赤龍帝ちんには言ってにゃいもん。おじちゃんには許可貰ったしね」

「おっちゃぁぁん!!」

 

何で快く部屋貸したんだよ!?いや、部屋は有り余ってるけどさ!

 

「あ、後ですね。魔法使いの方々と交渉すると聞きましたので、僭越ながら私もアドバイザーとして滞在させていただこうかなーっと思いまして……ご迷惑でなければですがっ」

「あぁ、良いよ良いよ。部屋余ってるし」

「私の時と対応が180度違い過ぎるにゃん!!贔屓は最悪よ!!」

「お前と違って遠慮があるからまだ快く貸せるわ!!」

 

それにルフェイちゃんは勝手気ままにしないだろうしな!

 

「…あのね、ご迷惑も何も、白龍皇側の貴方達にとってここは敵地に等しいのよ?」

『ちょくちょく相棒のエロゲ借りに来てるのに、何を今更』

『それな』

「だよなー。ぶっちゃけ敵って言うには親しみすぎるし」

 

メアド交換してるぐらいだし、しかもあいつ等特に悪い事してないし……あぁ、会談の邪魔してるわ。結構悪いな。

 

「イッセーももう少し危機感を持って!本来ヴァーリとは敵対関係なのよ?」

「兵藤一誠、サウナを借りるぞ」

「おう」

「ちょっと待ちなさい寛ぎ過ぎでしょ!それとほっぺにご飯粒付いたままよ!!」

 

リアス、ツッコミの方角がおかしくなってる。

 

「む、すまない。しかし兵藤茂殿には特製の菓子折りを持参したのでな。それで一つ手を打ってくれ」

「打てるわけないでしょ!?」

「まぁまぁリアスちん。そんなに朝から怒ると血圧が悪くなるわよ?」

「誰のせいよ誰の!!」

 

………いやぁ

 

 

「このグダグダなノリ、久しぶりだなぁ」

 

 

俺の呟きは、朝の喧騒に吸い込まれて消えていくのだった。

 

 

 

 




やっぱ私の作品はこうでなくちゃね!

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