ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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イッセー「ウォータードラゴンが出たな!」
ドライグ『あのタイミングで歴史が変わったんだな。季節はちょいと早いけど』
イッセー「確かクリスマスだったっけ?」

5年ぶりのビースト、色褪せずカッコいいですね


MAGIC135『再戦』

 

「あー、やっと終わった……」

 

試験を終えて俺はレイヴェルと共に先生たちが待機しているホテルへと向かっていった。

 

「お疲れ様ですわ、イッセー様」

「ありがと、レイヴェル」

 

俺はレイヴェルが差し出したお茶を飲む。

何とか終わらせたけど……俺がぶっ飛ばしちゃった人、大丈夫かなぁ。

 

「何か、ある意味不合格にならないよな?強すぎて駄目だとか」

「そ、そんな事は今までなかったので大丈夫ですよ?……あ、もうすぐで到着ですわ」

 

お、もうちょっとか。…木場と朱乃さんは大丈夫だったのかな?

 

「ま、着いたら聞いてみるか」

 

俺は窓から見える風景に目を向けつつ、到着を待つのだった。

 

 

ーーーー

 

 

「ただいま戻りましたー」

「おっす、イッセー」

 

ホテルに戻った俺とレイヴェルを出迎えたのは、何故か頭にたん瘤を作ったアザゼル先生とリアス達……何で?

 

「何したんすか先生」

「いや、ただ酒飲もうとしただけなんだけどよ。リアスに怒られちまった」

「引率者なんだから昼間からの飲酒は慎みなさい独身総督」

「お前まで言うのかよ!?」

 

言われてやんの。

 

「で、イッセー君。どうだった?」

「いや、別に。強いて言うなら試験会場の壁壊しちまったぐらいか」

『!?』

 

やっぱ驚かれるよね、そりゃそうだよな。

 

「しかし改めて実感するよ。イッセー、木場。お前達二人はグレモリー眷属の中でも破格だな」

「破格、ですか」

 

木場の問いに、先生は頷いた。

 

「とんでもない可能性を持った若手悪魔って事だ。先ず木場。お前は後付けに得たものがあったとはいえ、ずば抜けた才覚を持っている。禁手を2つも目覚めさせるなんて、信じられない才能だ。そしてイッセーは天龍を宿す身とは言え、豊富な戦闘経験からくる地力に、歴代赤龍帝とは全く違ったアプローチで力を模索し続け、『覇龍』を全く新しい力に進化させた。しかも禁手の更に上位形態まで使いこなしつつあると来た。……全く、とんでもない若造共だよ」

「…イッセー君は兎も角、僕はまだまだです。それに、環境に恵まれていますから」

「環境もあるが、一番恐ろしいのは、お前らはまだ発展途上って事だ。まだ磨き甲斐のある原石って事だな」

 

原石ねぇ……そんな実感は全くなかったな。

 

「ま、俺の場合はあれだな。無限『女王』形態の維持向上っすね」

「現状だとどれぐらいなんだ?持続時間は」

「長くて一時間っすね。それ以上は何つーか……俺達の魂が合一化出来ないって言うか、その辺も曖昧なんすよね」

『前例のないイレギュラーな力ってのはそういうもんさ。この辺は手探りで探る他あるまい』

 

そうだな……と、ここで俺は近くに座るアーシアの様子が気になった。

 

「どしたアーシア?何か気になる事があるのか?」

「あ、いえ!……先生、2つほどお尋ねしてもよろしいですか?」

「何だ?」

 

アーシアは何時になく真剣な様子で先生に告げた。

 

「私の神器は禁手に至れるのか、私自身が禁手に目覚めるのか、です」

 

アーシアの質問に、先生はコーヒーを一口煽って語り始めた。

 

「ああ。おまえが禁手に至る可能性は十分ある。色々なイレギュラーな現象を起こしているイッセーの傍にいるわけだしな。修行しだいでは至れるだろうし、亜種の禁手に至れることもセンス次第では可能だ。……だけどな、アーシア。お前の能力は既に完成の領域に至っていると言っても良い」

「完成、ですか?」

「あぁ。お前の回復能力は既に極めて高い。しかも、体外の傷のみならず、体内の傷まで精度の高い回復能力を見せている。恐らく禁手に目覚めても、それらのスケールアップになるか、それ以上のものになる可能性もある」

 

だが、と先生は一息置いて、また別の事を告げた。

 

「先も言った通り、お前の回復能力は平均値を超えた大きいものだ。だから、今のお前に必要なのは、自分の身を守る術を身に着ける事だ」

 

自衛手段……一応軽い防御魔法は教わってはいるけど、それだと心許ないからな。

 

「お前が回復に専念し、他の攻撃などはイッセーたちに任せれば良い。だが、そうなるとお前の守備が薄くなる。お前の守備の為に前衛のアタッカーか、後衛の奴が防御に回らないといけなくなる。そうなると本末転倒だ。つまり、お前の今後の課題は自分を守る手段を増やす事だ。今ある防御魔法の上位種を身につけたり、そうだな……壁となる魔物と契約して守護してもらうとかな」

『……そうだ』

 

と、ここでドライグ何かに気付いたのか声を上げた。

 

『アーシア嬢は案外、テイマーとしての才能があるかもしれんな』

「テイマー…使い魔か?」

『あぁ。あの蒼雷龍を使い魔にしてるだろ?ありゃ使い魔にするのは中々難しいんだが、懐いた上で使い魔にしてるってことは、そう言う魔物が心を許しても良いって思われている証拠だ。もしかしたら、より上位の魔物とかとも契約できんじゃね?』

 

あー、あのちびドラゴンか。

そういやティアがそんな事言ってたっけな。

 

「…そりゃ盲点だったな。今度試してみるか?壁役の使い魔となるとそうだな――――」

 

あー、また一人の世界に入ったよ。

けどここで全員の強化プランが立ったのは良い事だな。

 

「………ん?」

「どうした、イッセー……っ!」

 

何か違和感を感じた俺だったけど、それは形になって表れた。

空気が一瞬で変わり、まるで違う場所に転移させられた――――そんな感覚。

 

「ありゃりゃ、ヴァーリはまかれたようにゃ。――――こっちに本命が来ちゃうなんてね」

 

そう皮肉気に笑いながら近づいてきたのは、黒歌だった。

 

それと同時に、俺達の視界を切りが支配していった――――

 

 

ーーーー

 

 

視界が晴れたと同時に、俺達は全員ホテルのレストランを飛び出した。

 

「はぁーあ、なんてデジャブだよ…」

 

見覚えのある光景と感覚に、俺は溜息を吐く。

そうしつつロビーへと赴くと、そこのソファーに座る二人の人影。

 

それを確認した途端、球状の火炎がアーシアとイリナ目掛けて飛んできた――――が、その火炎を払ったのは、オーフィスだった。

 

「あ、有難う御座います」

「…気にする事はない」

「……ったく、いきなり不意打ちなんて味な真似してくれるな。曹操」

 

見知った気配を感じつつ俺はソファへと視線を向けると、学生服の上にローブを纏った眼鏡と、同じく学生服の上から漢服を着た童貞みたいな野郎がいた。

 

「久しいな、総督殿にグレモリー眷属、そして赤龍帝。後俺は自分の意思で童貞を維持してるだけだからな!」

「地の文拾ってまで突っ込むなよ。で、何しに来た」

 

俺達は全員臨戦態勢になる。

 

「そこにいるゴスロリ系首領にね。…やぁオーフィス、まさかこちらにいるとは、少々虚を突かれたよ」

「やっぱロリコンじゃねーか」

「ロリコンで何が悪い!?」

「開き直るなってかロリコンなんじゃねーか!!」

 

言質取ったぞ今!

 

『録音もしたぞ相棒』

「よし、これを決定的な証拠にしよう……はいボケ合戦はここまで!」

「ホント緊張感がないにゃー。で曹操、てっきりヴァーリの方に向かったんだと思ったんだけどもねー」

「野郎はノーサンキューさ。……向こうには別動隊を送ってるよ。今頃パーティタイムと洒落込んでるんじゃないかな?」

 

……全く話が飲み込めん。

 

「ルフェイちゃん、説明宜しく。後で臨む事何でもしちゃうから」

「ほ、ホントですか!?ツーショット撮影とかもOKですか!?じゃあ説明しちゃいますね!」

「アーサーにカリバーンされれば良いのに」

「聞こえてるぞ!!」

 

ロリコンチェリー野郎に吠えて、俺はルフェイの説明を待つ。

 

「えっとですね。事の発端は二つありました。一つはオーフィス様がウィザードラゴンさんに大変ご興味をお持ちだったこと。二つ目はオーフィス様を影で付け狙う存在にヴァーリ様が気付いたことです」

 

ルフェイさんは指を二本立てて説明を続ける。

 

「そこで、ヴァーリ様は確証を得るため、いぶり出すことにしたのです。今回、オーフィス様をウィザードラゴンさんのお家にお連れしたのはこの二つを叶えることが出来ると考えたからなんです。運が良ければオーフィス様を囮にして私達のチームの障害となる方々とも直接対決が出来る、と。つまりですね……」

『……読めたぞ。この龍神を狙っている連中と言うのが、こいつ等と言う訳か』

「正解です!」

 

ドラゴンが気付いた真相に、ルフェイは肯定した。

 

「…ちょっと待て。オーフィスはお前らの首領だろ。なのに何でその首領を狙うんだよ」

『案外ケツの穴狙いなんじゃね』

『だろうな』

「俺を人外萌えみたいにするな冤罪だぞ!!……まぁ、興味はあるが」

 

あるんじゃねーか!とんでもない事カミングアウトするなよ!!

 

「……ま、ヴァーリのことだから何かしら策は講じてくるだろうとは踏んでいたさ。それにオーフィスが今世の二天龍に興味を抱いていることも知っていたからね。もしやと思って赤龍帝の方を探ってみれば案の定だった。こういう形でご対面を果たすことになったのは、そういうことだ」

 

曹操は槍を肩でトントンとしながら笑みを浮かべる。

 

「曹操、我を狙う?」

「ああ。俺達にオーフィスは必要だが、今のあなたは必要ではない」

「わからない。けど、我、曹操に負けない」

「真正面で勝てる訳ないだろ重々承知してるよ!!」

「情緒不安定?」

「いや、この空気でビタミン剤の瓶渡されても」

 

オーフィス、それ何処から出した。

……だけど、なんか違和感があるな。

 

『あぁ。勝てないと言いつつ、何か策のありそうな顔だぜありゃ』

 

何は兎も角、油断はしない方が良いな……と思っていると、黒歌が足元に魔方陣が展開していた。

 

「にゃはは、ボケ合戦のお陰で余裕で繋げたにゃん。いくよ、ルフェイ。こうなったら、あいつをこっちに呼んでやらにゃダメっしょ♪」

「黙れ遊女!!お前に童貞の苦しみは分かるまい!!!」

「私はまだ処女にゃん!!」

 

魔法陣の中心にフェンリルが位置すると、魔法陣の輝きが一層強くなっていく!

その輝きが弾け、周囲を光が覆った!

 

光りが止んだ時、そこにはフェンリルの姿は無く、代わりにある奴がそこにいた。

 

 

「ご苦労だった、黒歌、ルフェイ。――――俺、参上。と言ってみる俺であった」

 

 

その正体は我がライバル――――白龍皇、ヴァーリだった。

 

 




アナザーWのデザインってよく見ると無理矢理繋げられたようなデザインしてるんですよね。
これは中々皮肉効いてるでぇ。

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