ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

152 / 200
まさか仁藤が登場するとは…………他のオリジナルも楽しみですね

イッセー「俺は?」
ドライグ『アニメやったんだし良いだろ』


MAGIC133『試験開始』

 

試験日当日。俺達は兵藤家の地下にある転移魔方陣に集結していた。

 

服装に関しては何時もと同じ、駒王学園の制服だ。

何しろこれがユニフォームみたいなもんだからな、俺達グレモリー眷属の。

 

『高校試験の時の様だな』

 

それは俺も思った。

 

因みに試験会場である昇格試験センターに行くのは今回試験を受ける俺達3人と、マネージャーのレイヴェルだ。

他の皆は近くのホテルで待機する予定だそうで。

 

「ん、あれ…………そういやギャスパーは?」

 

周りを一瞥すると、ギャスパーだけいない事に気付いた。

 

「あぁ、アイツなら一足早くここで転移して、冥界にあるグリゴリの神器研究機関に行ったよ」

「一人でですか?」

 

先生は「あぁ」と頷いた。

 

「バアル戦が終わって直ぐにな、アイツ、泣きながら俺の所に来たんだよ。先輩達の様に強くなりたい――――ってな」

 

ギャスパー……。

 

「引きこもりの上に臆病だったアイツが、それだけの決心をして一人でグリゴリの門を叩いたんだ。生半可な決断じゃない。今頃、研究員指導の元で、自分の神器と向き合ってる筈だ。それと、あの試合で見せた、お前のエレメントも御せる様にってな」

『基礎だけでなく、自分の能力と向き合うほど切羽詰まってるって事か』

 

……ギャスパー。お前がそう決めたんなら、俺は何も言わない。

 

だから、必ず何かを掴んでこい。

 

「オーフィス達は?」

「俺達と一緒だ。流石に会場まで行ったら俺の首が飛ぶ」

 

だけどホテルはOKなのか……それも微妙なラインだな。

 

「それと、お前らの試験が終わり次第、一度サーゼクスの元に出向く。良い機会だからな。オーフィスもお前が行くのなら付いていくと言っている。だから、お前達も試験が終わったらサーゼクスの所に行くぞ」

「マジっすか」

 

そこまで考えてたのか。

 

『ここで魔王と出会わせる事には大きな意味があると言うことか』

「ああ。少しでも良い方向に向かわせたいからな。無理だと思われていた話し合いが可能かもしれない。これだけでも大きな一歩だ。オーフィスは何を考えているのかは分からんが、だからこそ、話し合いで戦いを避けられる可能性があると俺は見ている。うまくいけば『禍の団』を瓦解させ、分散できるだろう。そうすれば各個撃破も可能になる。それにオーフィスの『蛇』を失えば、奴らの打倒も早まるだろうさ。この案件を申し出てきたヴァーリには感謝したいところだ」

 

ヴァーリ様々だな。

 

「今度お礼言っとかなきゃな」

「礼って……お前、相当オーフィスに入れ込んでんだな」

「そりゃそうでしょ。オーフィスは俺の友達ですし」

 

そう当たり前の様に言い切った俺を、先生はポカンとした顔で見詰めた。

だけど、次の瞬間には糸が切れた様に笑った。

 

「……ハハッ!まさかテロリストの親玉相手にそう言うとはな」

「だって、前に一度助けてくれたし」

 

俺が覇龍を使い暴走した時も、アイツは俺を助けてくれた。

だから信じられる、それだけだ。

 

『もしかすれば、オーフィスを驚異から守ろうとしたのやもしれん』

『……驚異?曹操の事か?』

『ソイツもだろうが……他にも何者かがオーフィスを狙っている可能性も懸念するべきだ。何せ無限の体現者だ、その力を欲する奴は多いし、そういう奴等は綠でもない連中ばかりだからな』

 

そうか…………。

 

『ま、今そんな事を考えたって仕方ない。試験に集中しろい』

 

お前が言い出したんだろうが!

 

「じゃ、行ってくるよ」

「イッセー様」

「ん?」

 

魔方陣の上に乗ろうとした時、グレイフィアに呼び止められた。

何だと思い振り替えると――――ちゅっ、と湿り気を帯びた音が響いた。

 

「は……」

「――――御武運を。イッセー」

「……おう!」

 

グレイフィアからの激励ももらい、俺達は試験会場へと転移していった。

 

 

 

ーーーー

 

 

……光が止むと、そこは知らない光景だった。

 

ここが試験会場か?

 

「ようこそお出でくださいました。リアス・グレモリー様の御眷属の方々ですね?話は伺っております。一応の確認を出来るものをご呈示ください」

 

スタッフの人達に言われ、俺達はグレモリーの紋様が入った印と推薦状を見せた。

確認が取れたことで、中へ案内された。

 

「ここはグラシャラボラス領にある昇格試験センターなんだよ」

「へぇ」

 

そう言えば試験会場の事全く聞いてなかったな。

……と、そんなこんなで連れてこられたのは、受付みたいな場所だった。

 

…………思ってたより少ないんだな。

 

「正面の受付が中級悪魔試験の窓口で、向こうの端にあります窓口が上級悪魔試験の受付になります」

 

俺は向こうか、そう思いつつ振り向くと…………全然受験者がいなかった。

 

「え、上級って俺だけなのか?」

「そりゃあ、今の冥界じゃ昇格試験は少ない方だよ。イッセー君が受ける上級悪魔試験となると5、6人いたら多い方じゃないかな」

 

マジかよ…………って、そうなったら益々俺達は特例なんだなと実感させられるぜ。

 

でも冷静に考えたら今の冥界は戦とかないからな。

稼業の契約でデカいのを取るか、レーティングゲームで活躍しない限りはそうそうないか。

 

にしたって少なすぎるけどな!

 

「そうだ、イッセー君」

「んあ?」

 

木場は真剣な面持ちで、俺の横に立っていた。

 

「君に出会えて良かった。君に出会わなければ、僕は今ここには立っていなかっただろうから」

「……大袈裟すぎるだろ。お前ぐらいなら、俺と出会わなくても余裕でここに立てたって」

「大袈裟じゃないさ」

 

木場はきっぱりと言い放った。

 

「僕はここまで君の生き様、戦いを見てきたからこそ、今ここに立っていると断言できる。僕にないものを、君は沢山見せてくれた。それを知らなかったら、僕はここにはいないよ」

 

……ったく、キモいこと言いやがって。

 

「…………そんだけ言うんだ。試験落ちたら殴るからな」

「ハハ、肝に命じておくよ」

 

木場はそう笑うと、俺に手を差し出してきた。

俺は頬を掻きながら、それに応じる。

 

「健闘を祈ってるよ」

「お前もな」

 

そう語る俺達の握手に、朱乃さんの手が重ねられた。

 

「うふふ、熱い友情ですわね。――――皆で必ず、合格しましょう」

「「はい!」」

 

ここまで来たんだ、目標は全員合格だ!

 

「皆さん、書類を取ってきましたわ!あちらのスペースで記入しましょう!」

 

レイヴェル先導の元、俺達は受付用の書類に諸々記入する事に。

 

 

父さん、母さん。

 

 

上級悪魔試験、始まりました!

 

 

 

 

 




早く来週になれ!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。