ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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いよいよファイズですよファイズ!!


MAGIC132『試験勉強+α』

 

よぉ皆、イッセーだ。

今日も今日とて試験勉強に勤しんでおります。

 

でも普段の光景に、何とゴスロリ少女が追加されたのです!!

 

 

「……」

 

何を隠そうこのゴスロリ少女、俺達と敵対するテロリスト集団の親玉にして、最強のドラゴン・オーフィスなのだ。

何でも俺の事を見ていたいんですって奥さん!…………って、誰に言ってんだろ。

 

皆は集中しつつもオーフィスにチラチラ目線を送っているけど……そんなに気になるのかねぇ。

 

『そりゃ精神衛生上は落ち着かんだろう。お前は幼少期に交流があるからまだマシだろうが』

 

そうは言うけどさドライグ、皆だって敵意や戦意は感じてない筈だぜ?

そこまで気にする事ないと思うけどな。

 

『……お前のその図太さはある意味尊敬できるよ』

 

誉めてねぇだろお前。

 

『……駄弁ってる暇があるなら、少しは暗記に勤しんだらどうだ』

 

これでも結構覚えてきた方だぜ?

……まぁ、応用問題とかその辺はまだ完璧じゃないけど。

 

 

あ、そうだ。

今日は調子が良いのか、小猫ちゃんもここに顔を出して勉強をしているんだ。

 

「小猫ちゃん、大丈夫?」

「……うん、大丈夫」

 

ギャスパーの気遣いにも微笑んで返していたけど……やっぱりまだ頬は赤いな。

 

あれから小猫ちゃんが俺の元に来ることは無くなった。

出来る限り顔を合わせない様にお互い気を付けてはいるが……ちょっと寂しいよな。

 

向こうも寂しそうな顔を見せるし、何とかしてあげたいけど、俺が触れようものならまた発情しちまうから、何もしないのが俺に出来ることだ。

 

『それにお前の言動にも問題はあるからな』

 

問題って……年下のロリっ娘にハァハァする方が問題だろ。

 

『まぁそれはそうだがな。向こうはお前を好いている。女として見られたいと言うのは至極当然の想いだ。なのにお前と来たら……』

 

……何が言いたいんだよ。

 

『何時までも子供扱いしてないか?という事だろう』

 

 

――――それは。

 

『確かに向こうはお前より年下だ。だけど、それ以上に女でもある。お前だって、何時までもそんな扱いは出来ない事ぐらい、分かってる筈だろ』

 

…………そう、だな。

 

小猫ちゃんが落ち着いたら、ちゃんと向き合わなきゃ、な。

 

「イッセー様、ペンが止まってますわよ!」

「はい、すんません」

 

……兎に角、今は勉強に集中しないと駄目だ!

 

『今年も理数系で赤点かねぇ』

 

うるせぇ!!

 

 

 

ーーーー

 

 

そんなこんなで、昇格試験が目前に迫った深夜。

 

勉強をキリの良い所で終わらせて、早目に寝ようとしたんだけど、階段の上から何やら何時もと違う空気を感じた。

 

一応確認しておくか、と思い階段を登り、ある部屋の近くまで足を進める。

 

 

ここは……小猫ちゃんの部屋か。

 

 

「――――」

「――――!」

 

僅かに開かれた扉からは話し声が聞こえる…………この気配は、アイツだな。

 

気配を殺して様子を伺う事に。

 

「ふふん♪一目で白音が発情期に入ったって分かったにゃん。あの男の遺伝子が欲しくて堪らないのかにゃ?」

「……姉様には関係のない事です。ここから出てって下さい」

「そんなつれない事言わないでよー。何だったら、彼を落とす方法でも伝授してあげても良いにゃん♪」

 

……あの野郎は。

溜め息を吐くと、俺は部屋に入る。

 

「処女だって言ってた割りには随分口達者だな」

「っ、先輩…………」

「あらあら、赤龍帝ちん。覗きに来たのかにゃ?」

 

そう目の前の着物猫娘――――黒歌と語らう間、俺は横目で小猫ちゃんの様子を伺う。

 

俺を見た途端、その尻尾は縦横無尽に振り回され、極度の興奮状態だというのが分かる。

けどその顔は赤く、体調が優れないのも見てとれた。

 

「黒歌。小猫ちゃんの事を少しでも慮ってるなら余計な事を吹き込むな」

「心外にゃ。私は白音を見て発情期に入ったって分かったから、様子を見に来ただけよ?」

「その前に面白そうだから、を入れるべきだろ。お前の場合」

「是非もにゃいわね」

 

舌を出して笑う黒歌だったが、不意に小猫ちゃんの腕を取ると――――

 

「今の白音はとっても敏感な状態にゃん。例えば……」

 

そのまま俺へと小猫ちゃんを突きだした!

咄嗟に俺は小猫ちゃんを抱き止めたけど、直ぐに不味いと悟った。

 

「っ…………!」

 

その勘は正解だったらしく、小猫ちゃんは顔を歪めて、目を潤ませる。

 

「……にゃぁぁぁ、先輩っ…………!」

 

そう甘く、官能的な声をあげる。

尻尾も振り回されていたのが、俺の右腕に巻かれていった。

 

「どんなに理性で押さえ込んでも、本能が好きな男の肌に触れちゃえば途端に子作りしたくなっちゃうのよ。――――赤龍帝ちん、白音はあんたの子供が欲しくて堪らない状態になっているのにゃ」

「……だからって、こんな状態の小猫ちゃんを抱けるかよ!」

 

そう言ってる間に、小猫ちゃんは俺の服を脱がそうとしてくる!

何とか止めようと指輪を嵌めようとするが、小猫ちゃんは鋭い動きで指輪を部屋の隅に弾き落とした!

 

「っ!」

「はぁっ……先輩、私の体じゃ、ダメですか……?エッチ、出来ませんか……?私だって、十分に先輩を受け入れられます……。リアス部長や、グレイフィアさんと違って、ちっこい体つきですけど……ちゃんとした女の子の体です。だから……先輩の赤ちゃんが欲しいです…………」

「小猫ちゃん、落ち着いて……っうぉ!?」

 

落ち着かせようとしていたら、小猫ちゃんは俺を床に押し飛ばした!

立ち上がろうとした俺に、小猫ちゃんは覆い被さる様に抱き付いてきた。

 

「……鳥娘には負けたくない。先輩を取られたくないです……。マネージャーは出来ませんが、先輩の欲求を満たす事は出来ます…………」

 

……小猫ちゃん、そんな事を。

 

けど、体で俺の役に立ちたいってのは違うぞ!

君には君の良さがあるんだからさ!

 

ここで黒歌に目を向けると、心底楽しそうに笑って観戦していた。

 

「っ、おい黒歌!何とかしろ!お前だって猫又なんだから、出来るだろ!?」

「そのまま白音を抱いちゃわないの?赤龍帝ちんって案外ヘタレにゃん」

『全くその通り』

「ドライグ黙ってろ!据え腹食わぬとかそんな問題じゃないだろ!小猫ちゃんが体壊して、俺との子供を死なせちまうかもしれない絶望を味わわせても良いってのか!?」

「――――」

 

そう、俺が小猫ちゃんを止めたいのはこれが理由だ。

 

まだ成熟仕切ってない体で子供を宿したら、最悪母子共に死ぬ可能性が高い。

もし小猫ちゃんは無事でも、初めて宿した命が絶たれたらと知った時の絶望は、計り知れないだろう。

 

だからこそ止めたい。そう言うのは、もっと成長してからだ!

それにこれ以上絶望を、小猫ちゃんに味わわせたくないんだ!

 

俺のこの言葉に押し黙る黒歌。

だが不意に歩み寄ると、俺に迫っていた小猫ちゃんの首筋を指で突っついた。

 

すると、小猫ちゃんの体が一瞬跳ねると、そのまま力が抜けた様にへたりこんだ。

 

「こ、小猫ちゃん?」

「……白音、これ以上は止めておきなさい。他の女に感化されたんでしょうけど、その体で子を宿せば母子共に死ぬわ。……どうしてもこの男がほしいなら、私みたいに発情期をコントロール出来るようになるまで待ちなさい」

 

発情期ってコントロール出来るのか……。

 

「まぁ、上位の存在ならね。白音だって、何時かはコントロール出来るだろうけど」

「……それは良いんだけどよ、お前その愉快犯みたいな悪癖、止めた方が良いぞ」

「おあいにく様、性分なんだにゃ♪」

 

この悪猫は……と思っていると、新しい来客が。

 

「――――ちょっと、そこの黒猫さん?」

「ん?ありゃりゃ、フェニックスのお嬢さんじゃないかにゃ」

 

レイヴェルが来ていた。

 

「貴女、小猫さんのお姉さんだそうですね?小猫さんは今とても体調が優れませんわ。その子に何か良からぬ事をするのでしたら、クラスメイトの私が許しませんわ!それに、イッセー様からも離れてください!」

 

おお、レイヴェルが鼻息荒く黒歌に食って掛かってる!

その理由が小猫ちゃんの為とは……俺感動で泣きそう!

 

レイヴェルの物申しに、黒歌は暫くきょとんとしていたが……。

 

「白音のお友達、か……。私の知らない間に、この子を心配する子が次々増えてるのね」

 

黒歌はそう何処か――――安堵した様に微笑むと、レイヴェルのドリルロールを弾ませる様に触れて、部屋を出ようと歩きだした。

 

だけどその去り際に――――

 

 

「今の白音はとっても不安定なの。だから……無理はさせないであげてね」

「っ」

 

とても優しげな声で、囁いた。

 

「…………あぁ、勿論だ」

 

俺もそう返すと、黒歌は安心した様に笑い、今度こそ去っていった。

 

 

「小猫さん、大丈夫ですか?」

「って、何でレイヴェルはここに?」

 

俺の疑問に、レイヴェルは恥ずかしそうに答える。

 

「……一応は、クラスメイトですから。毎晩小猫さんの様子を見に来ていただけですわ!まだ日本に慣れない私の面倒を見るのが、彼女の役目ですし!……早く復調していただかないと、私の調子もおかしくなるので!それだけですわ!」

 

……要は心配だったから毎日お見舞いして、偶然黒歌と鉢合わせたと。

ツンデレのテンプレだな。

 

『語るに落ちてるな』

 

全くだ…………そうだ、小猫ちゃんは!?

 

「……ん」

「小猫ちゃん、大丈夫か?」

「……先輩、すみませんでした…………私のせいで」

 

大丈夫そうだな……って、待て。

 

小猫ちゃんの顔色、元に戻ってないか?

 

「ちょっとゴメンよ」

 

一言断りを入れてから、小猫ちゃんの頬に触れるが…………興奮する様子がない。

 

「……小猫ちゃん。体の調子はどうだい?」

 

俺の問いに小猫ちゃんは額に手を当てたり、お腹に手を当てたりして、驚いた顔で告げた。

 

「……普通に戻ってます」

 

……やっぱり。

 

「……一体、何が起こりましたの?」

 

レイヴェルは怪訝な様子だったけど、俺には分かる。

 

 

 

「…………ったく、素直じゃねーよな」

 

 

ここにはいない気紛れで、それでいて妹想いな黒猫に、そう呟いた。

 

 

 

 




携帯はちょっと時間掛かるなぁ

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