ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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今回はオリジナル設定です



MAGIC10『焼き鳥、参上!』

「ふぁ~あ………」

 

 

………よう、皆。イッセーだ。

ん?何で眠たそうなのかって?

 

 

そりゃ昨日の事がフラッシュバックして寝れなかったんだよ……!

 

そんな訳で、深夜に冥界でティアと修行してたんだ。

………忘れて、とは言われたけど………あんなんインパクトありすぎて忘れられるか!

 

『童貞のお前にとっちゃ良い刺激だろ』

 

うるせぇドライグ!

お前に俺の気持ちが分かってたまるか!

 

『あぁ分かんないね。俺非童貞だからなぁ!悔しいでしょうねぇ!』

 

死ね!!

 

『まぁまぁ、ティアマットとの修行でブレスの仕方覚えれてラッキーじゃん』

 

………まぁ、そうだけどさ。

つい数時間前に、ティアに炎のブレスを習ったお陰で攻撃のバリエーション増えたけどさ。

 

「大丈夫ですか?イッセーさん……」

 

と、そんな眠たげな俺を心配して、アーシアが声を掛けてくれた。

あぁ………その声だけで癒される。

 

「勿論さぁ!さ、行こーぜアーシア!」

「はぅ!ま、待ってくださぁい!」

 

ま、気にしてても仕方ないもんな。

後で木場にでも聞くとするかな。

 

 

 

「おっすイッセー!」

「おっす」

 

席につくと、元浜と松田が駆け寄ってきた。

………その目がキラキラしてるのには、嫌な予感しかしないなぁ……。

 

「ムッフッフッ!イッセー、実は新しいブツが手に入ってな………」

「あー分かったよ。昼休みな」

 

コレでも一応、木場と同じ扱い受けてんだから辞めてくれよな……マジで。

まぁ、コイツらも悪気がある訳でもないしな。

 

「兵藤眠そうね~」

 

何て眠い頭でぼんやりと考えてると、メガネを掛けた女子がこっちにやって来た。

 

 

 

 

「んだよ、桐生………その物言いたげな感じは」

 

コイツは桐生藍華。

眼鏡をかけているからなんかインテリっぽく見える女子………そんなものはまやかしだ。

 

コイツは松田と元浜よりも厄介な人物なんだ……!

  

桐生は掛けている眼鏡で「男性の尊厳」に関わる物を数値化する能力を持つ………らしい。

 

そんな訳で「匠」の別名を持つ。

ある意味じゃスカウターより便利だな……。

 

『相棒のナニは………普通だな』

 

大きなお世話だ!

いざってときに研ぎ澄まされたら良いんだよ!!

 

桐生は俺の質問にニヤニヤしながら、

 

「イヤー眠たそうだからね~、昨日はアーシアと激しかったのかな~って」

 

そんな爆弾をかまして来やがった。

 

「んな訳ねーだろ。朝っぱらから何いってんだよ?」

「またまた~隠さなくても良いって」

「だー!違うつってんだろーがー!!」

 

あぁ、俺の朝はなんでこう騒がしいのかねぇ………?

 

因みにアーシアがその質問が気になって桐生に聞くと、顔を赤くして倒れた。

……取り敢えず桐生にはちゃんとお灸を据えた。

 

 

 

 

「あぁ、ここは落ち着くな~」

 

昼休み、俺は屋上で昼寝をしていた。

そしてその手には

 

 

『夏の思い出 ~プールサイドの情愛~』

 

と言う名前のエロアニメのDVDが握られていた。

内容は………まぁ純愛物ね。

 

俺、レイプ系統は嫌いだから。

 

『アイツ等、中々良いモノ貸してくれたなぁ……早速帰ったら見ようぜ、相棒』

 

ドライグは少し興奮した声で俺に言ってきた。

因みにドライグも変態だ。俺に負けず劣らずの。

 

「そーだな~……しっかしスク水は良いなぁ」

 

多分俺の顔は今どうしようもなくにやけてるんだろうな。

 

『俺はチャプター2の更衣室でのにゃんにゃんが気になるぜ……!』

 

にゃんにゃんって………。

ふ、古いぞドライグ……!

 

『じゃ、交尾って言えばOKか?』

 

ストレート過ぎるわ!

もうちょいオブラートに包もう!

 

 

 

 

 

 

って、そういやドライグ。

まだ禁手は使えないのか?

 

『あぁ、すまん。だがお前には最高の状態で使って欲しいんだ。だからもう少し時間をくれないか?』

 

………何いってんだよ。

そんなの言われたら、断る訳ないだろ!

 

『感謝する。………だが先ずはそっちを見たいんだが……』

 

………やっぱお前も男だな。

しゃーねぇな。アーシアが風呂入ってる時に見るか。

 

『おっしゃあっ!!』

 

テンション上がり過ぎぃ!!

 

 

 

 

 

そして時は流れて放課後………俺は木場とアーシアと共に、オカルト研究部の部室に向かっている。

 

「なぁ木場」

「なんだい、イッセー君?」

「昨日、部長の様子変だったろ?何か知ってるか?」

「部長さん、何か悩みでもあるのでしょうか……?」

 

すると木場は思案顔になり、

 

「う~ん、確かにそうだったね。でも、僕も良く知らないんだ。朱乃さんなら何か知ってるかも」

 

そう俺達に答えてくれた。

 

「朱乃さんが?」

「うん。彼女は部長の懐刀だからね」

「そっか、朱乃さん女王だもんな」

 

何て話し合ってると、

 

 

 

『………相棒、部室にお客さんがいるみたいだぞ』

 

………ホントだ。

ってかこの気配……昨日の?

 

「どうしたんだい、イッセー君?」

 

部室の扉に着いたとき、黙りになった俺に木場が聞いてきた。

 

「いや、誰か来てるみたいだからさ」

「……っ、何処から気づいてたんだい?」

「ついさっきだよ」

 

ドアノブに手を掛けながら、木場は感心した様に呟いた。

 

「?」

 

アーシアは事態を飲み込めてないみたいだな。

まぁ、直ぐに分かるから大丈夫か。

 

 

「……」

「多分敵じゃないと思うぜ」

「え?」

 

俺は木場の疑問を無視して、木場の代わりに部室の扉を開けた。

 

 

 

……まぁ予想通りだわな。

 

そこには昨日に会ったグレイフィアさんの姿があり、そしてその傍に不機嫌な形相の部長、そしてニコニコ顔だけど、どこか表情が冷たい朱乃さんに、小猫ちゃんに至っては、まるでその場にいたくないって感じで隅っこに座っていた。

 

………穏やかじゃないな、空気が。

 

『相棒、コレは……』

 

うん、エロアニメはまたの機会にお預けだな。

 

『ウソダドンドコドーン!!』

 

我慢しろ!俺も見たいけどさ!

つーかお前良くこんな状況でボケれるな!

 

 

「全員そろったわね・・・でも部活を始める前に少し、話があるの」

 

と、部長が重苦しげに口を開いた。

 

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

「いいえ、私が説明するわ」

 

部長はグレイフィアさんの申し出を断ると、席を立って何かを言おうとした。

 

 

「実はねーーーー」

 

 

部長が何かを言おうとした時だった。

部室の床の一面に、魔法陣が出現した。

 

 

それと共に広がる熱い炎。

 

「きゃっ!?」

 

アーシアは驚いたように俺の背中に隠れた。

………取り敢えず、火傷から守らないとな。

 

 

だがそれは見慣れたグレモリ―家の紋章ではなかった。

 

 

 

 

「………フェニックス」

 

俺の傍で木場がそう呟く。

 

 

それにしてもフェニックス、か………。

録な思い出ないなぁ。

 

 

そんなことを考えてると、その紋章から炎の熱気が部室の中を包み、そしてその炎の中心に男の姿があった。

 

ソイツは炎を振り払う様に腕を振るった。

すると炎は消え去りそこにいたのは、

 

 

 

 

「ふぅ……久々の人間界だ」

 

 

金髪のスーツを着た男だった。

スーツだけどシャツを着崩して着ていて、ボタンを胸が見えるくらいまではだけている状態。

 

 

容姿は整ってるけど、ちょい悪ホスト風イケメン……って奴だな、コイツ。

 

 

 

「やぁ、愛しのリアス」

 

何とそいつは、部長を見ながらそんなことを軽い口調で言う。

………後ナルシスト属性も追加だな。

 

 

つーかマジで誰だ、アイツ?

 

 

 

「兵藤一誠様」

 

するとグレイフィアさんは誰か分からない俺の様子を察知してくれたのか俺の前に来て、話し始める。

 

「この方は古い家柄であるフェニックス家の三男坊にして将来が有望視さえている上級悪魔の一人……ライザ―・フェニックス様」

 

グレイフィアさんは「そして」と付け加える。

 

 

 

「この方はグレモリ―家の次期当主……すなわちリアスお嬢様の婚約者であらせられています」

 

 

 

 

 

………………………ゑ?

 

「こ、婚約者って事は……部長の旦那さん?」

「はい」

 

 

数秒の沈黙、そして

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!?」

 

 

部室内には俺の驚きの叫び声が木霊した。

後ろではアーシア達も驚いている。

 

つーか木場と小猫ちゃんも知らされてなかったのかよ!

 

 

「……っ!おいおい、リアス。下僕の教育がなってないんじゃないか?俺を知らないとは……」

「教える必要がないもの」

 

部長がきっぱりとそう断言した。

………何か何時もより辛口だな、部長。

 

 

 

 

 

まぁ、何はともあれ、一応客人なので朱乃さんはソイツに茶を差し出した。

 

「いやぁ……リアスの『女王』が淹れてくれたお茶は美味いな~」

「痛み入りますわ……」

 

朱乃さんは何時も通りニコニコしてるけど、何故だか何時もの笑顔とは違った。

 

 

て言うか、ほぼ演技の微笑みだ。

 

いつもの朱乃さんの自然体の笑顔ではなく、形式ばった微笑みで朱乃さんの心情が大体理解できた。

 

そしてライザーの隣に座る部長は、不機嫌な表情で腕を組んでいる。

 

時折、ライザーが部長の綺麗な紅髪を触ったたり、太ももを撫でてやがるのが目につく。

 

 

……あぁ、殴りたくなってきた。

アイツ本当に貴族なのか、ドライグ?

 

『多分本当なんだろうが………あれじゃ品性の欠片もないな。リアス・グレモリーの気持ちも分かるな。あんな焼き鳥坊主より、相棒の方がずっとましだ。リアス・グレモリーとは提灯に吊り鐘だぞ』

 

………それは兎も角、前に戦ったあのフェニックスより強い感じがしない。

でも、曲がりなりにも上級悪魔なんだよな……アイツ。

 

『確かに強さで言えばファントムのフェニックスの方が強いだろうな』

 

ドライグも肯定するように呟いたとき、

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にして頂戴、ライザー!私は前にも言ったはずよ。私はあなたとは結婚しない!私は私の旦那様を自分の意思で決めるって!」

 

部長はライザ―の手を振り払って、そしてソファーから立ってそう言い放つ。

 

「しかしリアス……先の戦争で純粋な悪魔の72柱の大半は消えた。この縁談はそんな純粋な悪魔を減らさぬよう、俺の父やリアスの父、そしてサーゼクス様の考えの総意なんだよ。それに君のお家事情はそんなことを言えるほど、切羽詰まっていないものでもないだろう?」

「家は潰さないし、婿養子は迎え入れるわ……。でもそれは私が本気で好きになった人とよ。だからもう一度言うわ。ライザー、私は貴方とは絶対に結婚しない!!」

 

部長が真剣な瞳でそう言うと、ライザ―は部長の目の前に立って睨みつけ舌打ちをする。

 

すると周りに殺気が放たれた。

………それなりに強いな。

 

 

「リアス……俺もフェニックスの看板を背負っているんだよ。名前に泥を塗られるわけにはいかないんだ。俺はお前の眷属全員を燃え殺してでもお前を冥界に連れて帰るぞ」

 

ライザーの意志に呼応するように、周りに炎が燃え盛った。

 

 

アーシアに燃え移ったらどうすんだ、この野郎が……!

 

 

「何ほざいてんだおっさん。俺の仲間を焼き尽くす………って聞こえたんだけどよ」

 

俺はライザーの殺気を消すように、殺気を放った。

勿論、アーシア達には届かないように。

 

「……っ。気に入らんな、転生悪魔の分際で、この俺に意見するとは」

「だから?」

 

俺は嘲笑を込めてライザーに返した。

するとライザーは、案の定表情をイラつかせた。

 

やっぱこう言う相手には挑発が有効だな。

 

「お前みてぇな焼き鳥がぎゃあぎゃあ鳴いた所で怖くもねーんだよ。まだ鶏の方がましだぜ?」

「貴様ァ……っ!フェニックスを愚弄するか!?」

「おぉ、怖い怖いww」

 

ちょっと闇マリクに似てたか、ドライグ?

 

『おう、似てる似てるwww』

「このクソガキィ!」

「そういやフェニックスって死なないんだよな……?俺の仲間を殺すってんなら、俺がお前に教えてやるよ………………死ぬ恐怖をな」

 

まさに一触即発の空気になった時、

 

 

 

 

 

 

 

「おやめください、兵藤様、ライザー様」

 

すると俺とライザ―の真横にいつの間にかグレイフィアさんの姿があった。

 

そしてグレイフィアさんの体から漏れる魔力……それは恐ろしいほどに強力なものだった。

 

「私はサーゼクス様の命によりここにいます故、この場に置いて一切の遠慮はしません」

「………最強の女王候補と称されたあなたに言われたら俺も止めざるおえないな」

 

取り敢えずは俺も大人しくする。

するとグレイフィアさんはため息を吐いた。

 

「……グレモリー家もフェニックス家も当人の意見が食い違うことは初めから気づしていました……ですので、もしこの場で話が終わらなければということで最終手段を用意しました」

「最終手段?」

 

部長はグレイフィアさんにそう質問すると、グレイフィアさんは話し続ける。

 

「お嬢様が自らの意思を押しとおすのであれば、ならばこの縁談を『レーティングゲーム』でお決めになるのはどうでしょう」

 

 

『レーティングゲーム』………確か部長の説明だと、爵位もちの上級悪魔が自分の下僕を戦わせるゲームのことだ。

 

 

でも確かそれは成人を迎えた悪魔でしか出来ないはずだけど……だけど非公式なら、OKだとも言ってたな。

 

 

すると途端にライザーは得意げな顔をして嘲笑した。

 

「リアス、俺は既に成人していて、レーティングゲームを幾度も経験している……それに勝ち星も多い……どう考えても、君が勝てるとは思えないけどな」

『確かに、これは圧倒的不利だな』

 

ドライグはライザーの発言を聞いて、そう呟く。

俺もそれに対し頷く。

 

 

すでに何度もゲームを経験しているライザ―と、まだ一度もゲームをしていない部長とでは、圧倒的な戦力差がある。

 

何か出来レースの臭いがするな……これ。

 

 

 

「おい、リアス……もしかしてと思うが、君の眷属はここにいるだけで全部か?」

 

と、ライザーは俺達を見渡してそう部長に問い掛けた。

 

「ええ、そうよ」

 

すると、何が可笑しいのかライザーは大きく笑いだした。

ボーボボみたいな笑い方だな。

 

「あはは!おいおい、それでこの俺と戦おうと言っているのか?君の下僕では『雷の巫女』と謳われる君の『女王』くらいしか、俺の眷族とまともに対抗できないと思うが……それに」

 

ライザーは朱乃さんの二つ名を呟いた後、某大佐宜しく指を鳴らす。

 

すると部室の床にまたもやフェニックスの紋章が現れた。

そして部室は再び、炎に包まれて、そしてその炎の中にはーーーー15にもなる人影があった。

 

「俺の眷属は全部で15名。フルでそろっているわけなんだが……だから君が俺に勝てるとは到底思えないね」

 

俺はその人影を見る……何とそこには、男の姿はなく、全てが全て、美少女や美女と呼べるような女の子だらけだったのだ!

 

 

コイツ、もしかしなくても………

 

『典型的なハーレム野郎だな、この焼き鳥』

 

ハーレム完成させてるぅー!?

………駄目だ!羨ましいと思うなァ!

つーかただの松田と元浜の成功例だよこの焼き鳥は!

 

「どうだい下僕悪魔君?童貞の君にとっては羨ましーーーー」

「うん、羨ま死ね」

 

ニッコリと笑ってそう吐き捨ててやったぜ!

 

「なっ!?貴様、俺を愚弄するつもりか!?」

「うるせぇよ、コサンジ!!ハーレム見せてどや顔か!?童貞笑って楽しいか!?そんなに自慢したいのか!?てめえが童貞の時にされたらどんな気持ちかも忘れてんのかこの腐れ焼き鳥野郎がぁぁぁ!!!」

「腐れ焼き鳥野郎だと!?貴様ァァァ!!それとコサブロウだ!!間違えるな!!」

「妙なノリの良さ見せてんじゃねーよライザー!」

「コサブロウだっつってんだろうが!!」

 

え?そこで自分の本名否定かよ!?

 

 

 

「ライザー様、落ち着いてください……」

 

 

 

するとあいつの眷属の一人らしき大きな杖を持った女が、ライザーに近づく。

 

「ユーベルーナ……。ああ、そうだな。少し落ち着こうか」

 

すると、ライザーはその女性を抱き寄せるとキスをしやがった!

 

 

しかもこんな公衆の面前でディープキス………。

ふざけてんのか、コイツは……!

 

 

「お前、部長と結婚するつもりでこの場にいるんじゃないのか?」

 

俺は怒りを押し殺してそうライザーに問い掛けた。

 

するとライザ―は眷属の口元から唇を離し、そして俺の問いに答えた。

 

「ああ、愛するぞ?俺のハーレムの一人としてな」

 

っ………この野郎は!

コイツは部長を、女を自分の道具の様にしか考えてないってか……?

 

 

「人間界のことわざで、英雄、色を好むってのがあるだろ?それだよ、それ」

「てめえの何処に英雄要素があるんだ?ただの盛りのついた猿じゃねーか」

 

俺は遠慮もなしにそう断言し、部長の前に庇う様に立つ。

 

「お前には部長は不釣合いだ………!この変態焼き鳥野郎が!」

「ふん………ミラ、やれ」

 

ライザーは小さく近くにいた棍棒を持った小柄の女の子に命令する。

 

その子はこっちに向かってくるが、無視だ無視。

 

 

ドライグ、フェニックスをブチのめす方法はないのか?

 

『有るにはある。1つは魔王級の攻撃を浴びせる事だ。そうすりゃアイツらの再生能力を上回れる』

 

迫り来る棍棒攻撃をかわして、ドライグの話にのみ耳を傾ける。

 

「くっ、ちょこまかと……!」

 

あーうるせぇな……。

だけど禁手ぐらいしかなくね?そんなの。

 

『確かにそうだ。だがもう1つはお前でも簡単だ』

 

何だそれ?

 

『あの焼き鳥野郎の精神がへし折れるまでタコ殴り。精神までは不死身ではないからな。ね、簡単でしょう?』

 

成る程な。

そりゃ、龍化でも出来るわ。

 

『だろ?………そろそろ相手してやれ、可哀想になってきた』

 

あー、そういやいたっけな。

めんどくさいなぁ………。

 

『お前の魔力流せば終わるだろ』

 

それもそうだな。

俺は疲れている女の子の額に人差し指を当て、

 

 

 

 

「………弱いね、君」

 

そう呟き、魔力を少し流し込んだ。

すると暫くして、

 

 

「アァァァァァッ!!!」

 

その子は頭を押さえて苦しみ出した。

う~ん、女の子にはあまり使うべきじゃないな、コレ。

 

「ミラっ!?貴様、俺の眷属に何をした!?」

 

何をした………って言われてもなぁ?

 

「ただ俺の魔力を流し込んだだけだよ。その子が苦しんでるのは、俺の魔力を追い出そうと体が過剰反応してるだけさ」

「どういう意味だ……!?」

「アナフィラキシーショック………過敏性、ですね?」

 

グレイフィアさんはそう確認するように粒いた。

 

「正解です。擬似的な物、ですけどね………。人の体って良く出来たもんでな、一度毒やウイルスに感染すると、体はその抗体を自動で作り出すんだ。ま、その辺は悪魔も同じだからな。……少し例え話をするかな、一度スズメバチとかの毒バチに刺されても、大体は毒が強くない限り助かる。そしてさっき言った様に、その人の体にはその毒への抗体が出来るんだ」

「………」

「でも2度目刺されちゃうと、その抗体が仇になるんだよ」

「ど、どうしてですか?」

 

アーシアは疑問に思ったのか、俺に質問してきた。

 

「耐性が出来るのは良いけど、2度目に同じ毒に感染すると、1度目に精製された抗体はその毒を全力で追い出そうと過剰反応をお越しちまうんだ。そんでまぁ、何やかんやあって結局ショック死ーーーーそれがアナフィラキシーショックだ。人間界じゃ、主にオオスズメバチが有名だな。俺の魔力は、三大勢力の何れにも属さない異質な物でな、俺の師匠は普通の魔力を+の魔力、俺の魔力を-の魔力って呼んでる。そして普段はその子の体には+の魔力が巡回してる。でもその中に違う流れのーーーー-の魔力を流し込んだとする……つまり」

「つまり………?」

「対象の体に違う魔力を流してその流れを乱す。その結果、+の魔力は-の魔力を追い出して正常な流れに戻そうとして、過剰に反応しちまう。そして対象の体は過剰反応に耐えきれずダメージを受けちまうのさ。ま、暫くすれば回復するよ。あくまで一時的な物だしな」

「貴様、よくもミラを!」

「俺はただ振り掛かる火の粉を払っただけだぜ?ライザーさんよぉ」

 

怒るライザーと不適に笑う俺、すると、

 

 

「いい加減にしてください、お二人とも」

 

グレイフィアさんが本気の殺気を放ってきた。

あまりの殺気に寒気がするほど……っ!

 

「これ以上、事に及ぶようなら、サーゼクス様の意志の元、貴殿方を粛清します……!」

「………分かりました。ならばゲームで決着をつけよう、リアス!」

「ええ。望む所よライザー!そして消し飛ばしてあげる!」

 

すると部長は俺の前に立って、ライザーと睨みあう。

 

 

「……ではゲームはこれから10日後の深夜。それにて全てを決着とします」

 

グレイフィアさんの言葉で、ライザーは魔法陣を展開させて眷属と共にその中に入る。

 

 

「そこの下級悪魔。10日後だ……その時、貴様をフェニックスの炎で焼き殺してやろう。せいぜい怯えて暮らすが良い」

「へぇ、それはこわいなー」

「絶対に殺す………!」

 

 

ライザーはそう捨て台詞を言うと、そのまま魔法陣から消える。

 

 

 

 

 

10日間ーーーーそれは俺達に与えられた猶予だ。

まだ未熟な俺達の、準備期間。

 

だったら!

 

 

「部長……俺、結構猪突猛進なんで止まらないけど……それでも、必ず貴女に勝利を与えると約束します!」

 

 

絶対にーーーー勝つ!!!

 

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード

 

イッセー「大人数の修行は初めてだなぁって」

 

木場「行くよ、イッセー君!」

 

リアス「せめて、リアス・グレモリーではなく、ただのリアスとして、添い遂げたいの………」

 

MAGIC11『修行、始めます!』

 

イッセー「俺が、部長の希望になります……!」

 

 

 

 

 

 




アナフィラキシーの説明は一応wikiを参考にしました

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