ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
イッセー「小猫ちゃん落ち着いて。スマイルスマイル」
小猫「わ、私だって、何時でも覚悟は…………」
イッセー「……ではスタートです!!!」
ドライグ『ヘタレ』
『相棒が土下座してから翌日の出来事だ』
してねーよ!!
読者の皆様勘違いしちまうだろ!?
……グレイフィアとの一件は根掘り葉掘り聞かれたけどな。
以下、回想
『まさかイッセーがもうそこまで進んでいたなんて……』
『恋人同士としては当然……でも、やっぱり羨ましいですわ』
女性陣に囲まれ正座する俺。
情けない?言うな。
寧ろこの光のない目線の、所謂針の筵状態で堂々といれる奴なんているかよ!
『だがこれでハッキリさせなければならない事が増えたな』
『は、はい!』
『……これは極めて重要』
え、何かあるの?
一体何が――――
『『『『『――――次にイッセー(君/さん/先輩)に抱かれるのは誰か』』』』』
………………それかよぉぉぉぉお!?
『で、どんなプレイでしたんだ?』
『ど、どんな?!それ聞く意味あるのか!?』
『当然ですわ!次にイッセー君とエッチする時の為の予習です……どうせなら今ここで』
『朱乃さん!?』
服を脱ぎながら怪しい足取りで俺へと向かうのは朱乃さん!
だがそれはリアスと小猫ちゃんに阻まれた!
『させると思う?』
『抜け駆け禁止です……』
『ただ子作りするだけでは味気がないだろう?だから次はどのようなプレイで望むのかどうか、私も勉強しなければならないからな』
『子作りはしてない!ちゃんと避妊具は付けてます!!』
『でもエッチをしたのでしょう!?』
避妊具付けてても確定で避妊出来てる訳ではないけどもな!
エッチはしましたけど!
『だとしてもだ!アーシア、私達も負けてはいられないぞ!』
『はい!……イッセーさん、私も、何時だってイッセーさんに抱いていただける覚悟です!』
『その意気だアーシア!』
また間違った方向で覚悟決めてる教会コンビ!
桐生の奴だな絶対!アイツ今度シめる!!
『そんな心意気いらないって!せめて学生時代ぐらいは清い青春を――――』
『『『『『だからこそイッセー(君/さん/先輩)に抱かれたい(んです)!!!』』』』』
それはおかしいって皆さんんんんんんん!!!!
回想、終わり
とまぁ大変だった訳で。
今は落ち着いてるけど、気を抜いたら押し倒されてそうで怖いんだよなぁ……いや、そんな事はないか、多分。
で、そんなこんなで俺は今何処にいるかと言うと、一年の教室の前にいた。
ここは小猫ちゃんとギャスパーのクラスだ。
実はこのクラスに今日レイヴェルが転校してきたんだ。
しかし彼女はリアス以上のコテコテのお嬢様、一般Peopleが通う学校は初めてなんだとか。
そんなレイヴェルがこの学舎で馴染めているかどうか、気になって来た次第だ。
「あら、イッセーも様子見?」
「ん?」
ここで後ろから声を掛けられたので、振り返ってみると、リアスが立っていた。
「リアス……部長もですか?」
「えぇ、ちょっと気になってね」
そう言うリアスと共に教室を見てみると――――いた。
「フェニックスさん、教科書はあるの?」
「フェニックスって、珍しい名字だね。かっこいいわ!」
「ギャー君に続いて外国の転入生が入ってくるなんてこのクラスで良かったわ!」
すげぇ女の子に囲まれてる。
まぁ外国からの美少女転入とあれば、アイドル扱いも免れないか。
『おーほっほっほっ!何でも質問なさい!この私が答えて差し上げますわ!』
……なんて、タカビーな彼女の事だからそう高圧的な物言いでもしてるのかと思っていたら、かなり四苦八苦してるご様子で。
「あ、あの」とか「えっと……」だとかしどろもどろになっていた。
視線もあっちゃこっちゃに行ってて、すげぇ困ってるな。
その視線が俺とリアスを捉えると、レイヴェルはクラスメイト達に一言言ってから、俺達の方へと近付いてきた。
レイヴェルは俺とリアスの手を取ると、そのまま教室を出てしまう。
曲がり角を曲がった所で手を離してくれたが……
「どした?」
何が何だか分からないので一応聞いてみる。
するとレイヴェルは恥ずかしそうに頬を染めた。
「……て、転校が初めてですので……どう皆さんと接したら良いのか分からなくて…………。わ、私、悪魔ですし、人間の方々との話題も見つからなくて……」
……確かにそれはそうだな。
悪魔で、しかも上級一族のお嬢様が人間界の平民が通ってる学校にいきなり転校、そりゃ話題探しも四苦八苦して当然か。
「会話をしたくないわけではないのでしょう?」
「も、もちろんですわ!わ、私だって成長しているんです!貴族として、平民の方から何かを学ぶことも大切だと思っているんです!」
おぉ、殊勝な心掛けだ。
あんだけヘタレてたライザーとは違うなぁ。
……まぁ、アイツも話によれば今度レーティングゲームに復帰するらしい。
っと、今はレイヴェルだな。
「……それなら」
少し間を置いて考えると、ある一計が浮かんだ。
きょとんとするレイヴェルに一言入れてから教室に戻ろうとした時だった。
「……先輩?」
おぉ、良いタイミングで来た。
様子を見るに多分俺達を追ってきた……って所かな?
「丁度良かった。小猫ちゃんに頼みがあって」
「……何ですか?」
「レイヴェルの話し相手……って言うか、学校生活「めわの」フォローをして上げてほしいんだ。同じ学年で、同い年な訳だし。そうすりゃレイヴェルも会話の調子とかも理解できるだろうから……頼まれてくれるかい?」
小猫ちゃんは学園アイドルの一人だし、クラスメイトとも上手くやっていると聞くから、そんな小猫ちゃんを介して会話を繋げたら、何とか打ち解けれるんじゃないかなと思うんだよ。
最高でしょ?天才でしょ!?
……が、当の小猫ちゃんはどうにも不機嫌なご様子だった。
眉を寄せ、口が三角になってらっしゃる……可愛いけど、何かマズったか?
「…………。………………先輩がそう言うなら、別に良いですけど」
……微妙に間が大きかったけど、流石小猫ちゃん!
「うし、レイヴェル!暫く小猫ちゃんが君をフォローして…………」
「……ヘタレ焼き鳥娘」
と、小猫ちゃんは俺の言葉を遮ってぼそりと呟いた。
…………ん、んんん?
何だこの、お、重たい空気は…………。
「い、今、何と仰いましたか……?」
「……ヘタレ」
レイヴェルは青筋を立てながら聞くと、間髪入れずに小猫ちゃんは返した。
ちょ、な、何が起こってるの!?
それに小猫ちゃんも何で怒ってるの!?
内心パニックになる俺を余所に、二人は更に言葉の応酬を交わす!
「あ、貴女ね!フェニックス家の息女たるこの私にその様な物言いを……!」
「……そんな物言いだから、いざという時にヘタレるんじゃないの?もっと決心を持って人間界に来たと思ってたけど…………イッセー先輩の手を煩わせるなんて……世間知らずの焼き鳥娘」
ブチン
……何かが切れた。
レイヴェルは変なオーラを靡かせ、ロール髪がその影響でうようよ蠢いている!
対する小猫ちゃんも負けじと可愛いジト目で睨み返す!
「わ、私はイッセー様の手を煩わせる事なんて…………この猫又は…………!」
「…………焼き鳥」
ちょ、何この二人?
水と油!?グドンとツインテール!?音也と過去キン!?
何にしても何でこんなにいがみ合う事に!?
「あぅぅぅぅっ……イッセー先輩、こ、怖いですぅ!」
「おい、俺を壁にナズェミテルンディスするな!俺だって隠れたいんだぞ!!」
俺を盾に隠れるギャスパーにそう突っ込む!
ええい、ここは言い出しっぺの俺がどうにかするしかないか!
「二人とも落ち着いて!同じクラス同士なんだから仲良く!……何か困ったら、何時でも相談してくれて良いからさ」
「「どっちの味方ですか!?」」
ハモったよ!
君達実は仲良くなれるタイプじゃね!?
取り敢えず、リアスが話を纏めてくれたので、何とか場は収まった。
聞けば小猫ちゃんもちゃんとサポートしてくれてるみたいだし、何とか安心。
レイヴェルの学園生活も、悪くないスタートを切れたんじゃないかな?
ーーーー
「それでは、作業を始めましょう」
『おーっ!』
時は流れて放課後。
俺達はレイヴェルの入部挨拶をの後、学園祭に向けての準備作業に取りかかった。
出し物は皆の案を纏めた結果、この旧校舎全体を使った催し物を行うことになった。
旧校舎も中々広いから、教室全部を使えば、お化け屋敷や喫茶店、占いの館にオカルト研究の報告まとめなどを一手に行えるという事で、この案が採用された。
……でも、
「ちぇー、ヴァンガード大会の催し物でも良いと思ったんだけどな」
「いや、多分ソーナ会長はイエスとは言わないんじゃないかな」
「まぁ家で散々やってるからな……お前の速攻は中々怖いんだよな」
「それ凌がれたら僕も次のターンが厳しいんだけどね。あ、イッセー君、そっち持って」
俺達男子は外で大工作業を行ってる。
ギャスパー?アイツは中で女性陣と衣装作りや模様替え作業に精を出してるよ。
「あー、
「現状黒歌さんの使う支配がかなり天敵なんだよね」
「いや、あれは俺から見ても可笑しいからな。ハンデスとコントロール奪取にパワー・クリティカル増加も加わってるから、どのクランから見てもブッ飛んでるって」
俺だって何度か凌げずに負けたからな。
何て言う(ほぼヴァンガード関連の)会話を繰り広げつつ、俺達は大工作業で汗を流す。
「……そう言えばイッセー君、ディハウザー・ベリアルって知ってるかい?」
「あー、棍棒振り回してる闇落ちした光の巨人か?」
「それ違う。それレイオニクス」
「冗談だよ。名前だけなら聞いたことあるぜ。レーティングゲームの王者だっけか?」
何度かリアスと朱乃さんがビデオを見て研究してたのを見たことがあるだけだけど。
木場は頷いた。
「うん。正式なレーティングゲームのランク一位。ベリアル家の当主であり、ベリアル家始まって以来の怪物――――長きに渡って王座を守っている事から、
『魔王ではないと言うのに、随分と仰々しい敬称だな』
言いたい事は分かるけど、この人の場合その敬称を授かって然るべき人だと言うのは聞くんだよな。
「トップテンに入れば英雄とさえ称されているけど、ランキング五位から上は不動とも言われているんだ」
「確か……三位のビィディゼ・アバドン、二位のロイガン・ベルフェゴール、んで一位のディハウザー・べリアルは魔王に匹敵する実力を持つ最上級悪魔…………だっけ?」
「うん。そのお三方は大規模な戦争でも起きない限りは動かないと言われているよ」
「……中々遠いな。リアスの夢の実現には」
リアスの夢はレーティングゲームの覇者だ。
つまりこのままレーティングゲームを続けると言うことは、何れこのお三方とぶつかるって事だ。
「もし仮になんだけど、イッセー君はこのお三方と戦うことになった時、勝算はあるかい?」
「勝算……?どうだろうな。勝負なんて実際に戦ってみると、予想の一つや二つ、覆されて当然だからなぁ」
まぁこの人達の戦い方を詳しくは知らないってだけだけども。
「それにその時の自分や相手の精神状態次第って所もあるからな。例え格上が相手でも、万全の状態で小さな隙を突っついていけば、そのまま倒せることだってあるし」
「精神状態、か……。それは確かにそうだね」
「ま、全部ドライグの受け売りだけどな」
トンカチをクルクル回しながら、俺は苦笑いする。
ディハウザー・ベリアル、か…………何時かは戦うべき時が来るんだろうな。
「ま、先の事を考えても仕方がないだろ。今は――――サイラオーグさんだ」
「そうだね」
木場もこれには大きく頷く。
「……イッセー君。悪いんだけど、今日も特訓に付き合ってくれるかい?」
「ん?別に良いけど……けどお前も大概だよな」
俺は修学旅行が終わって暫くしてから、木場との特訓に勤しんでいる。
それだけなら大したことではないんだけど…………
「まさか
そう、木場は俺の新しい力を使って来てくれと言ってきたのだ。
結果は翻弄されまくりであり、昨日なんて
「……この間はハティのお陰で何とか切り抜けたけど、恐らくジークフリートは何かを隠してる。あのまま隠し種を使われていたら、僕では勝てなかった」
木場はそう言った。
向こうも恐らくは警戒してるだろうから、同じ攻撃は食らわないだろうしな。
「それに、今の僕の技量ではハティのあの力は大きすぎる。あの力を振るうに相応しい実力――――上のステージに進まなければいけないんだ」
「……ま、死なない程度に頑張ろうぜ」
因みに
……駒の特性にドラゴンの力を合わせるってのは思ってた以上に合致していたらしい。
ま、その分弱点も明白なんだけどね。
と、
「祐斗、イッセー、作業は順調かしら?」
ここでリアスのご登場か。
「もうちょっと掛かりそうかな。ゴメン、ちょっと無駄話しちゃってて」
「そうじゃないのよ」
え、違うのか?
「サイラオーグの執事が、貴方に個人的にお願いがあるんですって」
「……え」
曹操「俺のビジュアルがいよいよ公開されたぞ!!しかもロリっ娘狐の隣とか…………燃えてきたぁぁぁぁあああ!!!」
リアス「……もう警察呼んだ方が良いんじゃないかしら」