ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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木場「10月某日、何も知らず自室に引きこもっていたライザー・フェニックスの元を訪れた兵藤一誠。その姿に怯える彼に対し、一誠は有無を言わさず野外へと連行。ろくに行き先も告げられないまま、荒んだ心境の彼に告げられたのは、何と山籠り。彼の意思はスルーし、いよいよ、辛く苦しいだけの特訓が、スタートするのであった……ってやっぱり僕には北海道の髭のディレクターの物真似はハードル高いって」
イッセー「そんな事ないって。駒王学園のモノマネ王子と呼ばれてるだけはあるよな」
木場「僕そんな愉快な二つ名を付けられた覚えはないよ…って、僕達だけかい?」
イッセー「先生はいよいよ発売のヴァンガードでギーゼ迎え入れる準備してるよ」
木場「……アルトマイルとフィデス貰えないかな?」
イッセー「行けると思うぞ。クラレットソードのサポートあるか微妙だし」

ヴァーリ「クロノジェットは俺の物だぁぁあ!!」
黒歌「安心するにゃ。あたしはシラヌイだけだから」
ゼノヴィア「一応新規のDiabloも期待しておく」
アーサー「ブラスター軸のロイヤルパラディンは来るでしょうか」
ギャスパー「ぼ、僕も頑張ってシャルハロートを手にしますぅぅ!!」
朱乃「ミネルヴァ、当たるでしょうか?」

アザゼル「お前ら俺をガン見しなくてもやるから。その目力は止めろ」




MAGIC番外編『羽ばたけ、フェニックス』

 

「ほらほら、遅いですぞ!」

「うぎゃぁぁぁぁあ!!凍る、俺の炎が凍るぅぅぅぅうう!!」

 

タンニーンのおっちゃんの領地へと来て直ぐ様、ライザーはおっちゃんの配下である高位ドラゴン――――何でも氷雪龍(ブリザード・ドラゴン)だそうな――――に追いかけ回されていた。

 

『流石高位のドラゴンだな。普通なら凍らん筈のフェニックスの炎がカチンコチンだ』

 

いやー、傍目から見ると惨劇だな!

こっから見たら探検家がドラゴンに襲われてる様にしか見えないもん!

 

「お兄様!このぐらいで根を上げてどうしますの!」

 

……と、上空から水色ドラゴンの背に乗るレイヴェルは檄を飛ばす。

見れば分かるけど、トレーニングはこの走り込みからスタートしてます。

 

おっちゃんに「ついでだからお前もやっていけ」と言われ、俺も走り込みをしているけど……中々これは鍛えられそうだぜ。

雪に足を取られないように力を入れないと、忽ち転けちまう。

 

そしておっちゃんの配下はもう一体いる。

……上空で超デカイタブレットを操作している蒼い鱗のドラゴン。

 

「どっスか、赤龍帝殿。フェニックスの坊っちゃんは」

「えっ……まぁ、ボチボチってとこッスね」

「パねぇスねぇー。マジ軟弱っス。上級悪魔のお坊ちゃんってもう少しエレガントなもんだと思ってたんスけど、案外打たれ弱いんっスねぇ。超パねぇっス」

「そっスね。万年温室育ちの坊っちゃんでしからねぇ」

『『超パねぇっスわ』』

 

……何を隠そうこのドラゴン、ドライグ並みに性格とか口調が軽い。

軽いと言うか、チャラい。

 

種族上はアーシアの使い魔であるラッセーと同じ蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)の高位ドラゴンだそうな。

……アイツもでかくなったらこんなチャラ男になるのかねぇ。

 

『どーもアーシアちゃんシクヨロでぃーす!』

 

 

 

……ラッセー、お前は真っ直ぐに育て。

 

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁ!!」

 

あ、ライザーが飛んだ(物理的な意味で)

 

 

 

ーーーー

 

山籠り二日目。

今日も今日とてライザーはドラゴンに追われて雪山を走っていた。

 

『因みに読者の皆!君達のイメージ力が高ければ、この雪山ではブレイドがウソダドンドコドーン!!していたりクウガがダグバと殴りあっているのが分かる筈だ!さぁ皆も、レッツイメージ!!』

 

前者は兎も角後者はここにいる皆死ぬだろ!

 

……因みに俺はレイヴェルと共に休憩を取っていた。

お、3分経ったな。

 

俺は石を退かして、最近冥界で発売されたカップ麺を啜る。

んー、良い辛さだ。

 

「……兄は如何でしょうか?」

「んー、わかんねぇな。まぁぶつくさ文句言う割にはやってるし、後は慣れかね。多分今まで凹んだままだったのは精神的な甘えもあったからだろうな。そういうタイプって一度挫折したら中々立ち上がろうとしないし」

「……そうですか」

「ま、なるようになると思うぜ。安心しろよ」

 

汁を飲み干して笑うと、レイヴェルの表情もつられて柔らかくなった。

 

「あー、旨かった。今度ヴァーリに教えてやろうかな」

「あ、あの、イッセー様」

「ん?」

 

レイヴェルは恐る恐る、と言った感じで、此方にバスケットを差し出してきた。

中を見てみると、パンケーキが。

 

「食べて良いのか?」

「か、構いませんわ」

「どりゃ…………うん、美味い」

 

思わず率直な感想を述べる。

 

「ほ、本当ですか……?材料等はここのドラゴンさん達に頂いたのですが、足りないものもありまして…………その、私としては満足に焼けなかったと言いますか……」

 

割りと芸術家タイプなのね。

俺はまたパンケーキを口に放り込む。

 

「嘘は言わねーよ、マジで美味い。レイヴェルはホントにケーキ作り得意なんだな」

「っ、当然ですわ!私のパンケーキが食べられるなんて、イッセー様は幸せ者ですわよ!感謝しながら味わってもらいたいですわ!」

「はいはい」

「な、何ですのその反応は!?……折角朝早くに起きて作ったのに……」

「早起きなんだな」

「い、いえ!こんなものでしたら幾らでも作れます!今日はたまたま目覚めが早かっただけですわ!」

 

コテコテのツンデレお嬢ちゃんだねぇ。

ま、バリバリ高圧的な態度に比べたら可愛いもんだ。

 

 

……俺にも、妹がいたらこんな感じなのかなぁ。

 

「そういやレイヴェルって、人間の学生で言うとどの辺りなんだ?」

「では特別に教えて差し上げます。日本のハイスクールで言うところの一年生ですわ」

「あー、やっぱ後輩か」

 

初めて見た時から小猫ちゃんと同い年っぽい感じだったし。

 

『だが一部分は圧倒的な差があるな』

『恐ろしい格差社会だ』

 

お前ら小猫ちゃんの前でそれ言うなよ。

殴られんの俺なんだから。

 

「そう言えば、今夜リアス様達がこの山へ来るそうですわ」

「リアス達が?」

「はい。何でもこの近くに良い温泉があるそうで」

 

へー、温泉か…………浸かってみたいねぇ。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

お、ライザーの悲鳴だ。

アイツ良い絶叫芸人になれるぞ。

 

 

ーーーー

 

 

「――――ハッ、ハッ!」

 

ライザー・フェニックスは激怒した。

かの、邪知暴虐なドラゴン達から逃げねばと決意した。

 

ライザーには特訓の意味が分からぬ。

ライザーは、上級悪魔であった。

 

「グフッ、グフフフフ!!リアスの裸体、何としてもこの眼に焼き付ける!」

 

今彼を動かしているのは、風呂を覗く。

ただそれだけであった。

 

『良い会話を聞かせてもらったぜ!』

 

そう、極限状態であった彼は、昼間のイッセーとレイヴェルの会話を聞いていたのだ。

スケベ根性が成せる地獄耳、それによりライザーは確固たる決意をした。

 

 

 

――――風呂を覗くと。

 

 

 

 

…………とまぁ、そうそう上手く事は運ばないのが小説なんだよなぁ。

 

 

「ッ!!」

 

前方からの魔力の砲撃をかわすライザー!

ライザーが激しく前方を睨み付けていた。

 

「よぉ、やっぱり覗きに行く気だったな」

「赤龍帝……!」

 

 

――――何を隠そう、俺だ。

 

もし多分昼間の話を聞いていたら、コイツは覗きに行くだろうと思って寝たフリをしてたら、案の定だった。

 

んで先回りして砲撃したんだけど、見事な動きでかわされた。

ライザーは悪びれる様子もなく、俺にこう告げた。

 

「ふん、温泉に入る女がいるなら、覗かずしてどうする!それが男ってもんだ!」

「言い分は分かる。けどな…………それが貴族のする事かぁぁぁぁぁぁあ!!!」

『Welsh Critical Fire!!!!!』

 

両手の砲撃ユニット、全身の訪問を目の前のスケベ貴族に狙いを定める!

フルバースト、食らえ!!

 

「っ、ちぃ!!」

 

ライザーは特訓の時以上の敏捷でかわすが、生憎とこれは追尾式だ!

 

「な、追尾だとぉ!?」

「驚いてばっかか?流星暴雨の龍波動(メテオレイン・ドラゴンショット)!!」

「ぐぅぉぉぉぉお!!!」

 

挟み撃ちとばかりに放たれた隕石状のドラゴンショットと共にマトモに食らったライザーだが、やはりと言うか耐えていた!

 

「てめぇにリアス達の裸を見せる訳にはいかねーんだよ。覗ける者(しょうしゃ)はただ一人だっ!!」

「俺は元婚約者だ!あのデカイ乳を一度も見ないで諦められるか!!俺の立場で考えてみろ!」

「気持ちは分かるが、同意は出来ねーな!リアスは俺の物だからだ!!爆裂の龍波動(エクスプロージョン・ドラゴンショット)ッ!!」

 

ライザーが放った炎と相殺し、積もる雪を蒸発させた!

 

……ったく、根性なしとは思っていたが、しっかり根性持ってるじゃねーか!

 

 

 

――――スケベ根性ってのがよぉ!!!

 

 

 

 

……まぁだからこそ、コイツの倒し方も簡単に思い付く。

 

「あ、リアス達が全裸で此方に来てる!!」

「何だとぉぉお!?」

 

……いや、ここまであっさり釣られるとは。

 

「隙を見せたな種馬鳥!ここで果てやがれッ!!」

『Full Blast Burst!!!!!』

「ぐあああああっ!!!」

 

透かさずライザーの懐に潜り込んで、ゼロ距離フルバースト!!

……ってしまった!あっちは温泉の方だ!!

 

「…………」

 

俺がぶっ飛ばした方へと向かうと、そこには温泉の近くの雪に犬神家状態のライザーがいた。

 

『モズアマゾンの早贄みたいだな』

 

上半身何処に行ったんだよ?

って、それは兎も角……気絶してるだけだな。

 

 

「……イッセー様?」

「っ!?」

 

聞き覚えのある声にそちらを向けば…………そこには、全裸のグレイフィアがっ!!

 

「ぐ、ぐぐぐ、グレイフィアっ?!」

「どうしてここに……?」

 

や、ヤバい、この間のめくるめく夜の光景が鮮明に甦るっ!!

あの時は部屋が暗かったからあれだけど、こうして見ると……改めて凄い!!

 

 

「どう、グレイフィア……イッセーじゃない。来てたのね」

「ん?おぉ!」

 

リアスのご登場!

相変わらず良い乳してますなぁ!

 

「あらあら、イッセー君?」

「イッセーさんもいらっしゃったのですか?」

「流石イッセーだ。覗きに来たと言うのだな?」

 

うおお、凄く絶景ですぞ!

やっぱりライザーの魔の目線から守れて良かったぜ!!

 

「……イッセー様?お兄様?」

 

この声は、レイヴェル?!

声のした方へと視線を向けると、そこには全裸のレイヴェルがいた。

 

……こうして見ると、やっぱりおっぱい大きいな。

 

一周回って冷静になりながら見つめていると、レイヴェルは顔を真っ赤にして――――

 

 

「イッセー様のエッチィィィィッ!!!」

「あっちぃぃぃぃぃい!!!」

 

定番の反応、頂きました!

……まぁ、これが普通と言うか、何と言うか。

 

 

 

因みに後日。

 

「リアスの事は諦める。だから、今度一度だけ、リアスの生乳を見せてくれ!」

「死ね!焼き鳥!!」

 

下山した俺達は、その場でもう一度激しくバトるのであった。

 

 

 

 

 

 




次から第十章の予定です!
皆、仮面ライダーアマゾンズの映画も宜しくな!!

イッセー「ここでする宣伝じゃねぇぇぇえ!!」

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