ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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そろそろ正月休みも終わりなので、出来る所まで投稿していきます。


MAGIC101『魔龍進化』

《Wizard Promotion!!Water Dragon!!!!!》

 

籠手より発せられた音声と共に、俺の全身を蒼い光が包んだ。

やがて光が晴れると、そこにいた俺はさっきまでと全く異なる姿となっていた。

 

「何だ、それは………」

 

曹操は目を見開いて此方を見つめる。

そりゃそうだろうな。

 

 

 

魔龍進化(ウィザード・プロモーション)――――厄災の水龍魔導士(カラミティ・ウォーター・ビショップ)ッ!!」

 

さっきまで赤い鎧だったのが全身真っ青に染まってんだからな。

 

けど、変わったのは鎧の色だけじゃない。

両肩サイドの砲門、両腰と肩の上に載ったキャノン砲、両腕に備わったドラゴンの頭を分割した砲撃ユニット――――戦艦もかくやって程の砲門が備わっているのが、大きな特徴だ。

 

「さぁ………ショータイムだっ!!」

《Full Blast Burst!!!》

『!?』

 

俺の雄叫びと共に発せられる音声!

そして各砲門から、英雄派の奴等目掛けて魔力の砲撃が放たれる!

 

「っ、ぐぁああ!!」

「きゃあああ!?」

「ぐあああああ!!!」

「っ、ぐぅう………!!」

「…っ!!」

 

ジークフリート、ジャンヌ、ヘラクレスにそれぞれクリーンヒットするが、曹操とゲオルグには防がれた!

ちっ、やっぱりこの程度じゃダメージは与えられないか……!

 

俺は背中のスラスターを吹かして曹操に急接近!

だがその前に、ガルムが立ちはだかる!

 

『新しい力……やはり隠し持っていたか』

「邪魔だっ!!」

『ぬっ……!』

 

立ち塞がってきたガルムを両腰のキャノンで吹き飛ばす!

 

これで阻むもんはねぇ!!

 

「っ、曹操気をつけろ!尋常でない威力だぞ!!」

「分かっているさ…!」

 

聖槍を構える曹操だが、俺は構わずに片手の砲撃ユニットと共にパンチの体制を取る!

訝しげになる曹操だったが、俺の狙いに気付いたのか、素早く後方に下がる!

 

空を切ってしまったが、俺のパンチと共に手の砲撃ユニットから魔力の砲弾が打ち上がった!

 

「…冷や汗ものだな。今の一撃、防御していれば俺は消し炭だった訳だ」

「勘が良いな」

「……ならば」

 

曹操はお返しとばかりに、

 

「――――伸びろっ!」

 

聖槍の切っ先を伸ばしてきやがった!

速いが――――弾けない訳じゃないっ!

 

 

俺は両手の砲撃ユニットを合わせ、槍そのものに標準を合わせる!

 

「撃ち抜けっ!!」

《Welsh Critical Fire!!!》

 

龍の口腔から発せられた一撃は、見事に伸びて来ていた聖槍を弾く!

空かさず縮ませる曹操は、今度は地面に聖槍を突き刺す!

 

何だと思い様子を窺っていると、俺の足元から揺れだした!

 

「っ!」

 

俺は攻撃と回避の意味で前方に向けて砲撃を放つ!

攻撃は躱されたが、俺はその場から引き下がる――――すると、先程俺のいた場所から、聖なるオーラが迸った!

 

そして俺の背後には曹操!

即座に振り返り、奴の一撃を受け止める!

 

「…随分奇妙なパワーアップだね。何処の鎮守府出身かな?」

「ジョークとは随分余裕だな……!」

「いいや、これでも余裕はないんだよ。何せその力は全くの初見だからね」

 

 

……そりゃそうだ。

 

この力は俺が平行世界に行った折に開発した力だ。

平行世界のイッセー、アイツが使っていたトリアイナ……っていう力を参考にし、それを俺なりにアレンジしたのがこの『魔龍進化(ウィザード・プロモーション)』だ。

 

イッセーが使っていたのは悪魔の駒とドライグの力が融合した事で発言したらしい。

だからあそこまで悪魔の駒の性質が変化していたんだ。

 

 

そして俺のは、俺が転生する際に変化した変異の駒とアンダーワールドのドラゴンの力、それらをドライグの鎧に定着するように調整して生み出した。

 

つまりそれぞれの駒とドラゴンスタイルの長所を組み合わせたって訳だ。

これは僧侶とウォータードラゴンの力の融合体………その特徴は、お互い魔力に優れた形態!

 

 

まぁ鎧の形態に関しては魔力に優れるならそれを活用できる砲撃形態で良いか……という結構いい加減なものだけども。

しかも今回が実戦での初使用!

 

俺以外は全く知らねぇのさ!

 

「そしてこの形態の特徴はこれだけじゃねぇ……喰らえ!!」

「……っ!!」

 

俺が地面を叩くと、曹操の足元から水流が噴出する!

水流はドラゴンの姿となり、曹操へ襲い掛かる!

 

「…地下の水脈すら利用できるのか!」

「はっ!!」

「曹操!」

「加勢は不要だ。お前達はそれぞれの戦いを!」

 

あくまで一対一か。

曹操は聖槍で水の龍をかき消すと、俺に急接近する!

 

「直接君を叩けば良いっ!」

「……魔龍進化(ウィザード・プロモーション)ッ!!」

《Wizard Promotion!!Hurricane Dragon!!!!!》

 

曹操の一撃が届くよりも早く、俺の全身を今度は翡翠の風が包み込む!

一瞬足が竦んだ曹操の横を――――俺は風の様に駆け抜けた。

 

 

瞬間――――曹操の全身に切り傷が生まれた!

 

「…………っ!」

「へぇ、直撃は防いだか。下手すりゃバラバラだったのにな」

 

曹操は驚愕の眼差しで俺を睨み付けてくる。

今の俺の姿は、先程までの戦艦染みたものではなく、最低限の鎧姿となっている。

 

まぁ、それを補う形で全身凶器ってぐらい鋭いものだ。

鎧の色は、また変わって今度は緑色。

 

 

魔龍進化(ウィザード・プロモーション)――――襲撃の旋風龍騎士(レイダー・ハリケーン・ナイト)

 

今度はハリケーンドラゴンと騎士の駒…………速さに優れた形態の融合体!

俺は肥大化したスラスターから魔力を爆発させ、風を纏いながら突貫する!

 

「おおおおおおおっ!!」

「ぐっ、ぬぅうううう………!!」

 

四方八方に飛び回りながら曹操に着実にダメージを与える!

 

「…っ!はっ!!」

「っ、うぉ!」

 

曹操は聖槍を構えると、四方にバリアのような障壁を張った!

防御に転ぜられては、決定打に欠けるか………この形態の弱点は防御と攻撃力の低さだ。

 

まぁ攻撃に関しては高速で動いて一撃を確実に与えて蓄積させていく事で補えるけどな。

曹操も障壁を解くが、その息は先程よりも上がっている。

 

「どうした?息が上がってるぜ?」

「……君は本当に読めないな。一体幾つ手を隠しているんだい?」

「さぁな。でも、何もないと思ってる相手を出し抜くのも、魔法使いの特技なんでな」

 

俺がそう言うと、曹操は「堪らないな」と肩を竦めた。

 

「で、結局の所お前達は何がしたいんだ?」

「またその質問か。昼間にも言った通り、俺達は『人間』としてどこまでやれるのか、それが知りたいのさ。……それに」

 

曹操は埃を払いながら、こう言った。

 

「悪魔や堕天使、ドラゴン、妖怪は人間の敵だ。その人間の敵が協力したら怖いだろう?人間が魔王やドラゴンを倒すのはごく自然なことだ。そして、それを成すのは英雄の力を持つ俺達だ」

「……つまり何だ?強力な力を持ち、異形を倒すのが英雄…ってか?」

「あぁ。ファントムと闘ってきた君なら、俺達の行動は理解出来るんじゃないかな?」

「――――出来るかよ」

 

俺は即座に否定する。

此奴の言ってる事は理解できる。

 

 

 

けど――――それだけが英雄なんかじゃ、ない。

 

「お前の語るそれは英雄じゃない、ただの戦闘凶だ。ましてや、一人の幼い子の希望を奪おうとしているお前達は、英雄でも何でもない………ただの、悪党だ」

「……言ってくれるね」

「図星か?……まぁ、今更何をしても関係ない。お前は――――ここで俺が叩きのめす」

 

 

魔龍進化(ウィザード・プロモーション)――――

 

 

 

 

ーーーー

 

 

木場side

 

 

「くっ、赤龍帝が、あんな力を隠し持っていたとはね……」

 

ジークフリートは血まみれの姿で立ち上がった。

その姿だけで、イッセー君のあの一撃が尋常でない威力だと言うのを嫌でも悟ってしまう。

 

あんな力、僕達も見たことがない。

恐らくは修学旅行の前に生み出したんだろうけど……。

 

「まだ続ける気か?」

「勿論だよ。折角心が躍ってきたんだ」

 

ゼノヴィアはアスカロンを下す事無くジークフリートを一瞥する。

ジークフリートは静かに立ち上がると、懐から小瓶を取り出した。

 

………まさか、それは!

 

ゼノヴィアも気付いたのか、その表情を険しくさせる。

ジークフリートは意に返す事無く、その中身を振りかける。

 

すると、ジークフリートが負っていた傷が忽ち治ってしまった……!

 

「フェニックスの、涙……!!」

 

何故、何故彼らテロリストがあれを……!

本来なら持ってるはずがないのに!!

 

「ちょっとした裏のルートでね。後は金さえあれば、幾らでも手に入るものだよ。まぁ、フェニックス家の者は知らないだろうけどね」

「……その口を閉じろっ!」

 

ゼノヴィアの怒りは尤もだ!

こんな奴等が本来なら使うべきではないと言うのに……っ!!

 

「ふふっ、君達の殺気が一段と強くなったね。それほどまでに許せないかな?」

「あぁ。その通りだ」

「覚悟しろ、お前は神の名のもとに、断罪する………ッ!!」

「良いねぇ。ますます心が滾るよ…!」

 

ジークフリートは笑みを深めながら、今度はピストルのような物を取り出した。

でも一般的なピストルと違い、先端が注射器のようになっている。

 

「本来なら使いたくはないんだけど、君達に負けてジャンヌ達の笑いの種になっては面白くないからね」

 

ジークフリートは自分の首筋のそれを刺そうとした、瞬間だった。

 

 

 

――――ドオォォォォォォォオンッ!!

 

 

「っ、うぁっ!!?」

 

後方から何かが吹き飛んで来た為、ジークフリートはそれに巻き込まれる形で瓦礫に叩き付けられる!

砂塵が晴れ、そこにいたのは――――

 

 

 

「…ガッ」

「…曹操!?」

 

頭から血を流す曹操だった。

 

「おい、まだやれるだろ?」

 

 

ザンッ

 

 

瓦礫の上に立ち、曹操を見下ろすのは――――

 

 

 

 

「まだまだ、フィナーレには早いぜ?…………まぁ、あんまり長丁場にはならないけどな」

 

 

 

 

両腕と体の鎧が異様なまでに肥大化した、黄色い鎧姿のイッセー君だった。

 

 

 

 

 

 




魔龍進化(ウィザード・プロモーション)

異世界に行った折に、イッセーが開発した新しい力。
悪魔に転生した際に四色の色の駒に変化した変異の駒とウィザードラゴンの力を赤龍帝の力に定着させたもの。
言わば赤龍帝版スタイルチェンジ。

尚、各形態共に極手状態である。
故に、消耗も激しい為、持続時間に難あり。


厄災の水龍魔導士(カラミティ・ウォーター・ビショップ)

プロモーション・僧侶(ビショップ)と、ウィザード・ウォータードラゴンの力が融合した、魔力特化形態。
遠距離戦に特化した砲撃形態であり、二つの特性が合わさった事により普段以上の魔力量を誇り、それを全身の砲門から撃ち放つ。
ウォータードラゴンの力により、重武装ながら水中・水上でもポテンシャルを発揮出来、水や氷をも思いのままに操れる。

遠距離特化ではあるが、中・近距離戦もそつなく熟せる。(その際、両手の砲撃ユニットは任意で消せる)
但し、重武装故に機動力が低下している。
元ネタは闇医者・第伍拾戦術とカラミティガンダム


襲撃の旋風龍騎士(レイダー・ハリケーン・ナイト)

プロモーション・騎士(ナイト)と、ウィザード・ハリケーンドラゴンの力が融合した、高速機動形態。
通常時以上に鎧が薄くなっており、全形態の中で最も身軽。
速さに特化した形態であり、目にも止まらぬ高速移動と共に、より鋭角化した鎧で敵を切り刻む他、ハリケーンドラゴンの恩恵により操れるようになった風・雷を扱う。

鎧が薄くなった事で攻撃力・防御力が低くなっている。
攻撃に関しては連打によるダメージの蓄積でトータルダメージを稼げるが、防御に関しては倍加以外に手立てなし。
所謂『防ぐより避けろ』な形態でもある。

元ネタはレイダーガンダム。


ランドは次回紹介の予定



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