ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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エグゼイドの展開が辛い…………心に響くなぁ






MAGIC91『合流』

 

 

「へっくしゅん!!」

 

妖怪、そしてファントムまで現れたこの混迷の状態で――――僕達の希望、イッセー君が現れた。

 

見た感じ熱はなさそうだけど、それでもまだくしゃみが止まっていない所を見るに、まだ風邪は治ってなさそうだ。

 

 

どうやってこの場に――――と思っていると、更に驚きの人物が現れた!

 

 

 

 

 

 

「……イッセー様。あまり単独行動はお控え下さい」

 

 

――――グレイフィアさん!?

 

魔王サーゼクス様の『女王』にして、イッセー君の恋人、グレイフィアさんが嗜める様にイッセー君の側に行きながらそう言ってきた。

 

彼女が何故……。

 

 

 

『……ウィザードか』

 

 

ファントムはイッセー君を見てそう呟いた…………って、ウィザード?

 

 

他のファントムはイッセー君の事を指輪の魔法使いって言うのに…………。

 

イッセー君もそこが引っ掛かったのか、ファントムに問い掛ける。

 

「……変だな。俺はお前らには基本指輪の魔法使いって呼ばれてんだけど」

『…………』

「…………はぁ、無視かよ。まぁいいか」

《ドライバーオン・プリーズ》

 

溜め息を吐いた後、イッセー君は女の子を下ろしてドライバーを顕現させた。

 

「直接聞くかな」

『……今のお前と戦うつもりはない。あのお方の命令だ』

「?」

『フンッ!』

 

ファントムは背中に黒い翼を生やすと、周囲に向かって風を起こす!

攻撃かと思い身構えるが――――風が止むとそこにいた筈のファントムが消えていた!

 

 

……って、よく見れば妖怪達も消えている。

 

 

「……何だったんだ?」

 

イッセー君はポツリと呟いた。

 

 

 

「…………ぶぁっくしょん!!!」

 

 

 

――――やはり、盛大なくしゃみと共に。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

よぉ皆、イッセーだ……ゴホッ。

 

今俺達は先生に呼ばれて旅行先の近くにある料亭に集まっていた。

そこには匙達シトリー眷属もいたんだけど……。

 

「やっほー、イッセー君☆」

 

何故だか知らんけどセラフォルー様もいた。

 

「……何故にセラフォルー様?」

「いや、それよりも……俺はお前がここにいるのが驚きだよ」

「まぁ、ちょっとな……で、何でセラフォルー様がここに?」

 

俺は気になって聞いてみた。

 

「京都の妖怪さん達と協力態勢を得るために来たの☆」

「セラフォルーは魔王の中で外交担当だからな」

「……!?」

 

こ、こんな超軽い魔王様が、外交担当……!?

今更だけど、冥界は大丈夫なのか……?

 

「だけど……どうにも大変な事になってるの」

「大変な、事?」

「うん。京都の妖怪を束ねていた九尾の御大将さんが先日から行方不明なの」

 

行方不明……?

 

「……そういや、あの子供こんな事言ってたな。母上を返せって」

 

吼介が思い出したかの様にそう言った。

 

「まさか……」

「えぇ。イッセー君達の考えてる通りよ」

「―――ここのドンである妖怪が拐われたって事だ。関与したのは」

「――――禍の団」

 

俺が呟くと、先生達は静かに頷いた。

 

 

……なぁるほど。どうやら俺達って事ある毎に厄介事を引き連れてくるタイプだな。

 

「じゃああの女の子は……」

「俺達を拐った相手と勘違いしてたんだろうな」

 

まぁ、それは分かったから良しとしよう……問題は、もう一つある。

 

「ファントムが、何でこの地にいるんだ?」

『まぁ奴等の事だ。ロクでもない事に荷担してるのは間違いないだろうな』

 

俺の疑問に、ドライグがそう答えてきた。

 

「……ファントムもそうだし、まだこの事は公には出来ないわ。何とか私達だけで事を収束しなければならないの。私はこのまま協力していただける妖怪の方々と連携して事に当たるつもりよ」

「おう。なら、俺も独自に動くか」

 

―――だったら。

 

「俺も動いてみます。アーシア達には、旅行を満喫して欲しいですから」

「……イッセー。お前はあまり無茶をするな。今だって、熱を無理矢理押さえ込んでるんだからな」

「大丈夫っすよ。この為にグレイフィア……さんがいるわけだし」

「……あのー、一つ良いですか?」

 

俺と先生の間に割り込んでくるのは――――イリナだった。

 

「イッセー君、本来は風邪で休んでる筈ですよね?だったら、どうしてこの場に来れたんです?」

「……来れた、と言うよりは、来れるようにしただけだがな」

『?』

 

事情を知らない皆に、改めて先生が説明した。

 

「本当ならグレイフィアだけを遣わす予定だったんだか、イッセーが自分も行くって頑なに主張してな。だがイッセーはまだ熱が治ってない状態だった。そこで――――」

 

先生は懐から錠剤の入った透明のビンを取り出した。

 

「このグリゴリで最近作った熱を押さえる薬を使った訳だ。まぁ熱を押さえるだけだから、風邪の症状は残ってるがな」

「そゆこと。で、俺に何かあったら不味いから、グレイフィアさんが俺の護衛に着いて、数時間前に京都に来たんだ」

 

その説明に、皆は取り敢えず納得してくれた。

 

「まぁ、あんまり不用意に出歩くとまた発熱しかねないから、観光とかは出来ないけどな……へっくしゅん!」

 

苦笑いしながら付け加える。

あ、またくしゃみ出た。

 

「イッセーは一応サーゼクスホテルにいる事になってる。……良いかイッセー。くれぐれも、無茶はするなよ」

「了解っす」

「グレイフィア。その間は、イッセーの様子を逐一報告してくれ」

「はい」

 

と、色々話し合って、この場はお開きとなった。

 

「あー、そうだ。お前ら、あんまりイッセーの部屋に出入りするなよ。他の生徒に見られたら大変だし、何より風邪がうつる可能性があるからな」

 

 

その忠告に、アーシア達教会トリオが残念そうにしていた。

まぁこれに関しちゃ仕方ないし……耐えてくれよな。

 

 

「ぶえっくしゅ!!!」

 

 

 




取り敢えず、イッセー君は戦闘パートだけ参加する形になりそうです

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