とある幻想郷の幻想殺し   作:愛鈴@けねもこ推し

30 / 50
今回は
1、投稿がかなり久しぶりな為にいつも以上の駄文
2、ただただ面白みがない鬱ストーリー
3、けねもこのシーン無し
4、はっきり言って読んでも読まなくても大差ない.というか読まない方が良いのかも?

となっております


プロローグ【1】〜それは物語が始まる前の物語〜

藤原妹紅SIDE

 

 

 

 

 

「…ふぅ…久しぶりにキレてやり過ぎたかなこれ,加減なんてする気は無かったから当たり前と言えば当たり前だけど」

 

私は改めて自身が粉砕した玄関フロア付近の床を見つめる.高そうな絨毯に高そうなガラス,高そうな壁に高そうな油絵……何だか高そうな,を連呼し過ぎて頭が痛くなってきたのはアレだ.決して弁償を恐れている訳じゃない,そう!アレだよ!ゲシュタルト崩壊!けーねが前に言ってた!…意味はあまり知らないけどね

 

「…ちょっとは手加減してやれよ,いくら敵とは言え流石にあのメイドには同情するわ.あと弾幕ごっこで戦うとか言ってなかったか?俺の目にはトドメは妹紅の右ストレートに映ったんだが」

 

「ちゃんとスペカ宣言はしたし弾幕ごっこに近接攻撃禁止なんてルールはないから大丈夫,何より今はここにいない当麻は何で戦うんだっけ?」

 

「もう突っ込まねぇよ,元はと言えばあのメイドが妹紅の知り合いを煽ったんだろ?自業自得じゃねぇか」

 

垣根は最近切り替えが早くなったと思う,良いことだよ.あれだけ私が派手に暴れたのにちゃんと鈴仙と薬箱を死守した辺りもグッジョブ

ちなみにだけど私がメイド長をぶん殴った事やその他諸々についてレミリアは言及する気はないみたいだね,その証拠に早くもメイド妖精を呼んでメイド長を運ばせているし.ついでにこの部屋を出た…白黒魔法使いはどっちでも良いけど当麻を探して貰えると助かるんだけど

 

「ちなみに…次はお前が出るのかい,レミリア・スカーレット?こっちはまだ2人残ってるよ」

 

「はぁ……本当に想定外だな,美鈴はともかく咲夜が瞬殺とは.だが私は最後に戦うと決めている,次はパチェにでも任せるとしよう.小悪魔は戦闘向きではないしフランではお前達を皆殺しにしてしまう」

 

「あ?幸先良く二連敗かました三下が余裕ぶってるとは驚きだな,既に粗方お前達紅魔組が積みかけてるって事に気付かねぇのかよ」

 

ほら出た,垣根の悪い癖.お前は短気過ぎるんだよ,ストッパー役の鈴仙は今は機能してないし…でも安心した.あの悪魔の妹が参戦しないならまだ勝ち目はある

私はレミリアの「皆殺し」の一言に勢い良く噛み付いた垣根を軽く睨んで制止を呼びかけながら脳内で今後の展開を予想する

残る2戦で私達の土下座か薬の大繁盛のどちらが確定する,ただしこっちは既に2戦先取しているから仮に残る2戦両方で負けたとしてもお互い余力のある2人で一騎打ちに持ち込める.余り言いたくはないけど夜の吸血鬼には垣根も当麻も絶対に勝てない,勝てる訳がない.大体吸血鬼は人間じゃないんだから当たり前だ,ただし相手が私みたいな人の形をした何かならまた話は別

 

(さてさて…悪いけど肝試しの借りを返す為にも今回は私に華を持たせて貰おうか)

 

「好きに言っていろ,決着などすぐにつく.そうなればどちらの言い分が戯言なのか分かるだろう,何よりお前達を思いやってのフランの不参戦を決めてやったんだ…それともそこの兎や不死鳥から話を聞いていないのか?」

 

「あのさ,垣根もレミリアも戦いの合間くらいは大人しく出来ないわけ?私としては今この瞬間にも2人が殺し合いを始めそうで怖いんだけど」

 

本当にこの戦闘狂達は何なの?私が慣れない考え事をしてる時に煽りの弾幕と殺気をぶつけあってさぁ…

 

「ここに慧音がいたらなぁ…多分話も上手くまとまるのに」

 

思わずポツリと呟く,でもこんな危険地帯に慧音を巻き込みたくはない.慧音に似合っているのはあの賑やかな寺子屋であってこんな場所じゃないんだよ

 

「チッ,そこまで言うなら仕方ねぇか.だが次は当麻に出てもらうぜ,当麻がそのパチェとやらをぶっ飛ばしてトドメに俺がお前を倒す.完全試合でお前はあえなく散財ってな」

 

「お前はもう喋るな」

 

とりあえず垣根の顔面に鉄拳制裁,どこから突っ込んでいいのやら分からなくなってきた.ドゴン!と鈍い音が響いて垣根は背中から倒れこ……まないんだよなコイツ

 

妹紅の右ストレートは綺麗に垣根の鼻頭へと吸い込まれその衝撃で垣根は沈むはずなのだが…やはり常識の通用しない男は常識的な攻撃では倒れないのだ.余談だがその耐久力はいつしか妹紅や鈴仙に攻撃される際『手加減』という安全装置を外すハメになるのだがそれに気付くのはもう少し後になるだろう

 

「ふぅ,やっぱ効くよな妹紅の鉄拳制裁…それより当麻はどうするんだ?俺達も探しに行けば良いのか?」

 

「いや,既に妖精メイドを遣いに出した.大方魔理沙に引き摺られて大図書館にいるだろうからすぐに連れてくるだろう」

 

「大図書館…まぁそれは後回しだ.それならそれまで妹紅の話でも聞かせてくれよ,慧音だったか?煽られただけでキレる程の相手…まさか恋人か?」

 

は?私の話?いやいや…何を言ってるんだお前は.私の話なんて聞いてどうする?大体慧音は恋人じゃない

 

「確かに…お前がそこまで固執する上白沢慧音,その出会いを聞くのも面白そうだ」

 

クソッ!今度はレミリアもかよ!?…でも断ったらまた2人で煽り合いを始めそうだもんなぁ……仕方ない,当麻が来るまで適当に話を引き伸ばして有耶無耶にして終わらせよう.うん,それが良い

 

「分かった分かった……話してやるからお前達も大人しくしてろよ?もう私は仲裁役なんて御免だからな」

 

それじゃあ…話そうか.あれは…私が当麻や垣根に出会うよりも,永夜異変が起こるよりも前の話

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は迷いの竹林,季節は初夏を終え本格的な暑さを迎える少し前と言った所だろうか?今は生い茂った竹薮のせいで見えづらいがきっと夜空には綺麗な月と星座が広がっていることだろう

だが,1つ竹薮の上にそんな景色が広がっているのと同じように1つ竹薮を進めば…そこには目を逸らす事も許されないような地獄が広がっているかもしれない

 

「ギャハハハッ!ちゃンと避けねェと着物から肌まで全てその醜い黒髪みたく真っ黒になっちまうかもなァ!つっても醜いお前が更に醜くなるだけってか?」

 

「本当に元気ね,毎日毎日殺されてアンタの罵声を浴びせられる私の身にもなって欲しいわ」

 

今,この場では2人の少女が文字通り殺しあっている最中だ

1人は薄暗い辺りの景色とは反比例する白髪を揺らしながらギラギラと赤い瞳を輝かせ目の前の少女を焼き殺さんと自爆も厭わずに襲いかかる『藤原妹紅』

もう1人はそんな襲いくる炎から結界で身を守っている.その表情はどこか憂鬱だ,もしかすると今我が身に襲いかかる藤原妹紅の攻撃に頭を悩ませているのだろうか?それは藤原妹紅が人から化物へと生まれ変わるキッカケとなった絶世の美女,『蓬莱山輝夜』のみが知る事である

 

こんな2人の少女が殺し合い憎み合いを繰り返してどれだけの年月が経過したかは分からない,ただ…2人の中で互いを殺し合うという狂気が微塵も色褪せていないのは間違いない.その証拠に今の殺し合いは始まって一刻以上経過したが未だに妹紅は輝夜の皮膚を焼く事を止めない,輝夜は弾幕で妹紅の全身に風穴を開ける事を止めようとはしない

 

「相変わらず目障りな再生能力だよなァ,そのおかげ私はお前を何度も殺せる訳だがやっぱり邪魔なンだ.視界に入るだけで殺意が無限に湧いてくるンだっつの!」

 

「自分の事は棚に上げてよく言ったものね,大体それは自己嫌悪かしら?妹紅も私もこれからずっと死ねない蓬莱人よ,無限の再生能力に一々イライラしていたらキリがないじゃない」

 

「…その余裕ある言動が目障りだって言ってンだろォが」

 

ブチ,殺す――そう心の中で呟いた私は背中に妖力を集中させて長年追い求めた仇を屠る為の…燃え盛る翼を顕現する

いやァこれは習得するのに苦労した.ただでさえ炎を操る際には大火傷が大前提だってのにそれを見えない背中に翼として形作るンだ,何度失敗して火達磨になったか数え始めたらキリがねェ

 

「さて…今日の所はこれでお終いだ,最期は最期らしく華々しく散らせてやるから感謝しろォ!」

 

地面を蹴り翼をはためかせ私は輝夜に迫る,さてどンな風に殺してやろォか?眼球内の水分を蒸発?それとも首から下を爆発で切り離す?……ダメだよなァ,そンなンじゃ全然ダメだ.そンな甘い殺し方はコイツには似合わねェよ

だとすれば――やる事は決まっている.思い付く限りの全ての殺害法を用いて奴を殺せば良い!

輝夜は何時間にも渡る魔力の浪費で既に体力が底を尽きたのか二重の結界を貼るだけで反撃の様子は伺えない

 

(二重結界か……ンな物で私の狂気が防ぎきれると思ってンのかお前はァ!!)

 

まずは結界を破らなければ話にならない,その為に妹紅が取った作戦は……意外にも正攻法で発火を応用した爆発による破壊方法である.手に炎を灯し溜め込んだ火力を一気に結界にぶつけるように解き放つ

 

「ハハッ…アハハッ!!良いね良いねェ最ッ高だねェ!!自分の手が弾け飛んでも尚お前を追い詰め殺しを繰り返せる…!!こんな快感があるならあの日から味わった地獄は無駄じゃなかったって訳だよなァ!?」

 

「っ……妹紅の過去なんて私には興味無いのよ…!それによくもまぁ私への殺意だけでここまで狂う事が出来たわね…!」

 

何度でもこの腕を吹き飛ばしても構わない,何度でも両手の血が蒸発したって構わない.何度顔の皮膚が焼けただれ崩れ落ちようとそれは瑣末な事だ,全ては輝夜がどれだけ苦しんで死ぬのか?それに尽きるのだから

そして23回目の爆発で妹紅の右腕が骨ごと溶け去った時にようやく輝夜の結界が2枚とも破壊された.何度も何度も辺り一帯を焦土に変えるような爆発から結界で耐え続けた輝夜にはもはや余力など消え去っている

 

「…ふぅ…ようやく,か…手間取らせてくれたなァ?輝夜ァ……」

 

「…何?私に労いの言葉でもかけて欲しい訳?だったら諦めなさい,自分を何度も何度も殺してくる相手を労うほど聖人君子様じゃないのよ」

 

「ア?愉快な勘違いをしてンじゃねェよ,お前はなるべく苦しんで死ねば良いンだからなァ…!」

 

もはや余力も無くなり地面に座り込んだ輝夜の右腕を掴んだ私はその右腕に左手の爪を深々と食い込ませる.これはあくまで私の個人的意見だが血管を焼かれて血が蒸発するって言うのは手間要らずで尚且かなりの激痛を伴う,私自身が今まで何度も経験したし輝夜を使った実験でもその効果は確認済みだ

 

「さァて聖人君子様じゃない輝夜に問題だァ…今から私はお前をどォやって殺すンだろォなァ?」

 

「……さぁ?こんな感じの殺され方なんて何千回と受けてきたから分からないわ.ただ…血管に関わる殺し方であることは間違いないでしょうね」

 

「正解……とは言えねェな.それじゃあ正解発表だ」

 

輝夜の血管を焼き切るってのは正解だ,勿論それも実行する.ただ…それだけでは終わらせねェってことだ

まず妹紅は食い込ませた左手に炎を灯す,燃え始めた左手は2人の脂を可燃剤に全てを焼いていく.妹紅の左手も,血液も,それは輝夜とて同じこと……だが

 

「今日は一種類の殺し方じゃ気が済まねェんだ…言っただろ?『華々しく散らせてやるから感謝しろォ!』ってなァ!!」

 

「っ!?妹紅…何を…!?」

 

妹紅の左手が燃え始めた頃には既に輝夜の右腕はそれ以上に燃焼し溶けている箇所すら見受けられる

 

「あァ,それか?さっき散々両手を溶かして吹っ飛ばしたからな.その時に滲み出た私の脂を爪からお前の血管中に捩じ込んだンだ…血管内部までキチンと油が行き渡ったお陰でよく燃えるだろ?」

 

「…本当に手間のかかる殺し方ね…少しは満足した?」

 

…オイ,何でテメェはそんな事を聞きやがンだ?いくら殺そうと私の恨みが晴れるわけねェだろ

 

…そう,ならまた来なさい?妹紅の恨みが晴れるまで何回でも殺してあげるし殺されてあげる.楽しみに待っているわね

 

…どォやらコイツはやはり根本的な所が私以上に狂っているらしい.別に拒絶されようが殺すけどなァ

もう少し苦しむ表情を見せるンなら左腕も溶かそうと思ったが右腕を溶かされてにこやかに微笑むコイツには何をしたって多分無駄だろ

 

「あァそうかい,別にお前を殺すのに一々了解を取る気はねェよ.とりあえず萎えちまったから殺すぞ,これが何回目かは知らね」

 

「10000飛んで29回目よ.私が妹紅を殺した回数は除いて…ね」

 

「くっだらねェ…一々自分が死んだ回数も覚えてンのかお前は?…とにかく記念すべき10029回目の殺害成功だ!10030回目も苦しめるようにしてやるからよォ!!」

 

再生した右腕を松明替わりに炎を灯し輝夜の顔を目掛けて振り下ろす

 

「無様に死に様でも晒してやがれェ!!」

 

そして振り下ろされた右腕は先程結界を破った時のように大爆発,再生したばかりの妹紅の右腕はまたもや肩から先が消えてなくなる.右腕以外にも様々な箇所が爆発で消えてなくなったが何より酷いのは輝夜の死体だ,最早それは死体というよりは『個体』の方がお似合いかもしれない

 

(………終わった,か……10029回…全然足りねェ.まだだ…まだまだ殺す必要があるンだよ…アイツは)

 

ひとしきり輝夜を殺して満足した妹紅は焼けて失った右腕を庇うように竹にもたれ,改めて殺意を胸に掻き立てる

結局思い描いていた何種類もの殺害法を試せなかったことは残念だったが別に良いだろう

 

私は不老不死の蓬莱人形…時間なンていくらでもある




まず言うべきことはたくさんありますが…投稿期間が大きく開いてしまい申し訳ありませんでした.今回からまた二週間に1話の投稿頻度に戻そうと思います
続いて今回の馬鹿みたく面白味のない話について…本当に書いて後悔してます.分かっちゃいましたが殺し合いの描写を延々と書くのは本当に疲れます,主に精神面で…次はけーねが登場するのでまったり百合百合させたいと思っています

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。