とある幻想郷の幻想殺し   作:愛鈴@けねもこ推し

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どうも、ようやく待ち焦がれた夏休みの到来に興奮を隠す気すらないけねもこ推しでございます。
何?社会人の方は休みが無い?分かります、私の両親も苦労しております。でもこの小説に出てくる男共には休みなんてございません、はい。特に上条さんなんて休む権利はありません。
何?学生の方には休みがあるが宿題がある?分かります、私も今すぐ燃やしたい位の量がありますからね。でも上条さんには宿題をする時間も権利もありません。それで小萌先生に怒って貰えるんだからご褒美じゃないですか。あっ、私は叱られるならけーね先生でお願いします、はい。

さて、夏休みに入ってテンションも上がった所で更新スピードもあげていきたいですね。多分夏バテですぐに死ぬとは思いますが


パーフェクト弾幕ごっこ教室 上条当麻ver

藤原妹紅SIDE

 

 

 

 

 

 

 

 「ん~……よく寝た。さて、今日から当麻に弾幕ごっこの稽古をつけてやるか」

 

妹紅はあくびを噛み殺し、永遠亭へと向かうため迷いの竹林の中を歩いていた

 

昨日は竹林の真ん中でウニ頭の不思議な少年と出会い、それから何だかんだあったが…というか一度死んだが今日も私はぐっすりと眠れた。今更死んだ殺したくらいで情緒不安定になるほど乙女じゃないし、死ぬのは輝夜と出会って以来慣れっこだ。そんなことを言うと慧音に呆れられるんだけど、こればっかりは仕方無い

 

(そんな衝撃的な一日の翌日には外来人に弾幕ごっこの指導をするはめになるなんてな…。正直私は慧音みたいに人に何かを指導できるタイプじゃないけど…まぁ良いや、上手くいかないなら輝夜か永琳に丸投げしよう。特に永琳は輝夜の教育係だったんだから教えるのは上手いだろうし)

 

そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか永遠亭の門が見えてきた。何か地面に穴が開いたような重低音が聞こえた気がするけど気のせいだよね、うんやっぱりそうだ。そうに違いない

 

「お~い、誰かいないのか~?弾幕ごっこの先生が来てやったぞ~」

 

「あら、来てくれたの?調度良いわ、今姫が上条君を半殺しにしかけているから止めてくれない?」

 

「まだ輝夜と殺し合いをしていた時に、挨拶もなく殴り込んで来た私が偉そうに言えた義理じゃないんだけどさ。挨拶はともかくいきなり面倒事を押し付けないでほしいんだけど」

 

「でも彼は妹紅の教え子でしょ?早く行かないと大変なことになるわよ」

 

私が永遠亭に来た早々、永琳は挨拶も無しに厄介事を押し付けてきた。まぁそれ自体は構わないんだけど、当麻は大丈夫か?ていうかあの2人はホント仲が悪いのな

 

「はいはい、分かったから事情を説明してくれよ。また輝夜が着替えている時に当麻が侵入したのか?まったく…見せるほど胸は無いくせによく嫌がるもんだね」

 

「まぁそれは事実なだけに反論はしないけど……妹紅なら上条君に裸を見られても平気なのかしら?」

 

「まずはそのふざけたラッキースケベを焼き殺す!!」

 

「聞くだけ愚門だったわ、まぁ理由は大したことは無いのよ。ただ単に姫様が暇だったから上条君に喧嘩…じゃなくて弾幕ごっこを吹っかけたのよ」

 

う~ん…当麻はとうとう自分に非が無くても争いに巻き込まれるようになったか…。まぁ私達蓬莱人は永遠を生きるだけに結構退屈なんだ、そんな中であんな右手が現れれば…さすがに喧嘩はふっかけないけど私も戦ってみたいとは思う

 

「それじゃあ私は当麻を救出してくるよ、永琳はどうするんだ?来ないのか?」

 

「えぇ、私は研究があるから先に中に戻らせて貰うわ。それじゃあ後の事はよろしくね?」

 

「はいはい、精一杯指導者を務めさせて貰うとするさ」

 

そう私に告げてから永琳は永遠亭の中へと戻っていく。今更だけどこれで弾幕ごっこの指導は私がやらなくちゃいけないわけか、こんなことなら慧音に教育ってものをもっと教えて貰えば良かったな。

 

「当麻、生きてるかー?まだ死ぬには早い…っと……」

 

ヒュン!そんな風切り音を立てて、見飽きる程見てきた綺麗な色の弾幕が私の頬を掠めた。どうやら関係のない方角にまで弾幕が飛んでくるってことは当麻のやつ、ちゃんと逃げ切っているみたいだな。それに耳を澄ませば弾幕の風切り音に当麻の声や輝夜の声、それと……言葉にするとパリィン!!って感じかな?とにかくそんな感じの音も聞こえてくる

 

(これは多分当麻の幻想殺しが発動した時の音か、この調子だとまだまだ終わりそうにないな。当麻には悪いがここは様子見様子見)

 

2人の勝負に水を差すのは無粋だなんだと自分に言い聞かせて建物の陰に隠れながら音がする場所を私はのぞいた。すると…

 

「くっ…!!ふざけるなよ、蓬莱山!?いつになったらお前の不条理なワガママ(弾幕ごっこ)は終わるんだよ!?さすがの上条さんも体力の限界なんですのことよ!!」

 

「ウニ条、10分くらい前も似たような事を言ってなかった?それなら少なくともあと10分は大丈夫ってことよね!ほら、逃げないと身体の風通しがよくなるわよ!」

 

「どこをどう解釈すればそうなるんですか!?ねぇ、輝夜さん!?不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

輝夜が当麻に向かって腕を振り下ろすと数十個の弾幕が現れ、一斉に襲い掛かる。対する当麻は不幸だ何だと叫びながらちゃんと右手で、輝夜が放った弾幕を打ち消す。一応ではあるけど弾幕ごっこらしきバトルが行われているのは確かだね。

それでも輝夜が手加減をしているようで良かった、普段の様子から考えるとまず手加減なんてしないからねあのお姫様は。でもさすがにど素人にスぺカは使わない…

 

「ふぅ……何だかただ弾幕を放ってそれを打ち消されるのには飽きてきたわね。そろそろ本気で行くわよ?」

 

「今までので手加減してたのかよ…上条さんは蓬莱山の思慮深さに泣けてきたぞ…。でも…ここまで来て白旗なんて上条さんのプライドが許しません!!」

 

あの馬鹿2人…!!輝夜は輝夜でど素人相手にスぺカを使う気か!?やっぱり手加減って言葉を知らないんだなあいつは!それに当麻も当麻だ!ちょっとは引き際ってものを悟れないのか!?

はぁ……こんなことなら昨日の内にスぺカについてもっと詳しく説明しておけば良かった…

 

(とにかく今はこの2人の戦いを止めなきゃいけない、輝夜が何のスぺカを使うかは知らないけどまた永遠亭が壊れて、指導担当の私に責任が回ってくる…なんて展開は御免だ。そんなのはたまったもんじゃない)

とにかく輝夜がスぺカを使おうとした瞬間に私の弾幕でぶっ飛ばそう、それくらいなら死なないだろうしそもそも輝夜は何をしても死なないし。そんなわけで私は脳裏に思い浮かんだ永遠亭の二度目の倒壊(バットエンド)を阻止するため手に炎を灯らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上条当麻SIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今現在、私こと上条当麻の目の前には昔話に登場するお姫様がいる。それはズバリ輝夜姫だ、確かに言い伝え通りの美しさだし道ですれ違えばほとんどの人は振り返るだろうな。

最もその本性を何も知らなければ…だが

 

「それで輝夜姫様はどんな必殺技を見せてくれるんだ?と、言うか散々上条さんは蓬莱山の不条理(弾幕ごっこ)に耐えたんだからそれにも耐えられたら今日の所は勝ちにさせてもらうぞ」

 

「あら、良いわよ。もともと妹紅が提示したウニ条の勝利条件は相手のスタミナが切れるまで耐え続けるかスぺカを攻略することなんだから。ただし…私のスぺカを簡単に攻略できるとは思わない事ね!」

 

……全くもって不幸だ…。何故こうなったのかを一度振り返ってみよう

今朝の上条さんのスタートは実に良かった、7時に目を覚ますと何故か鈴仙と垣根が永琳さんに説教をされていて何故か笑ってしまった。その後永遠亭に住む皆で朝食を取る事になり、鈴仙が皆のご飯を茶碗に盛った訳だが心なしか…いや明らかに上条さんのご飯の量が少なかったんですよ。確かに上条さんは居候の身ですが…説教のワンシーンを見ていただけで食料を減らされるほど居候とは身分が低いのか?我が家の居候シスターなんて既に上条さんより身分が高いんですのことよ!?

 

上条当麻、決して一般常識に欠けていたり人格破綻者であるということではないのだが……生まれ持った類い稀なる不幸が脳内から特定の一般常識を消し去っている事に彼が気付くのはまだまだ先のお話

 

そして、朝食を済ませて上条さんは慣れた手つきで皆の食器を台所へ運んでそのまま皿洗いを手早く済ませた。何故かこの時に皿洗いをしたのは俺と鈴仙だけだったけど…何も言うまい考えるまい。

そもそも永琳さんに皿洗いを頼める立場じゃない事位は分かる。

ちなみにてゐは速攻で逃げたんだよな、何となく鈴仙が拳銃らしきものを握っていた気もするけど上条さんは空気の読める男だから完全スル―だ。

垣根は「あぁ~…古傷が痛むぜ…」なんてダサい台詞を吐いて寝転んだ直後に鈴仙から鳩尾にかかと落としを食らい今は口から魂のようなものを吐き出しながら軽く死んでいる。鈴仙曰く「すぐにまた生き返るから大丈夫よ」だそうな。たくましいな、垣根

 

結局は俺と鈴仙で片付けるしかない事に気付き、最後の一枚の皿を棚にしまった時だった。上条さんの不幸タイムが始まってしまったのは…

 

「ウニ条、暇だから食後の運動代わりに私と弾幕ごっこに付き合いなさいよ」

 

「やだ、上条さんは今から妹紅が来るまで体力を温存する事に決めたんですのことよ」

 

「そっ、じゃあ早く中庭に行きましょう?」

 

「もしかして俺の言った事が聞こえなかったのか?それとも何を言おうと結果は変わらないというんでせうか?」

 

「良いじゃない、垣根とイナバも朝から戦ったんだし私も身体を動かしたいのよ!」

 

ここから蓬莱山の一方的な弾幕ごっこ指導…もといストレス発散に付き合わされる羽目になり今に至るというわけだ。

 

(正直蓬莱山は滅茶苦茶強い…!加減されている今でも回避に徹するのが精一杯だ…!こんなので本当に勝てるのかよ…!?)

 

だが、そんな上条当麻の心配も虚しく永遠を生きる輝夜姫はスぺカ…即ちスペルカードの使用を宣言する

 

「本当は弾幕ごっこを始める前にどのスぺカを使うとかは宣言しないといけないんだけど今回は例外ってことで良いでしょ。それじゃあスペル…!

 

難題『龍の頸の玉ー五色の弾」

 

「おっとー!!手が滑ったー!!これは輝夜の顔面に命中しそうだ!!」

 

「げふっ!!!???」

 

………今の状況を出来るだけ正確に説明するとして…誰が俺の話を信じてくれるんだ?無駄かもしれないが一応の説明はしておくか…。

蓬莱山が何かの技の名前を告げた瞬間に妹紅が飛び出してきて、いきなり火球を顔面に叩きこんだ。以上!

 

「いった~…!!妹紅!あんた昨日も私の顔に『その幻想をぶち殺す!』とか言って殴って来たでしょ!?何よ!?恨みでもあるの!?」

 

「無いと言えば嘘になるけど、主な理由は昨日も今日もお前の言動にいらっと来たからだな。教え子が傷付けられそうになったら顔面にパンチくらいはして良いってけーねが言ってた」

 

「あのハクタク、妹紅に何てこと教えてるのよ!?それに私はちゃんとした勝負でスぺカを使っただけじゃない!」

 

「どこの世界に弾幕ごっこ初心者にスペルを使う奴がいるんだよ、まぁここにいるけどさ。とにかく戦うなら基本的なルールと回避のコツを教えてからにするんだな。それが嫌ならもう数回位顔面に…」

 

「あんたは何回私を殴る気なのよ!!」

 

…今度は蓬莱山の手のひらに現れた五色の玉数個が妹紅の顔面に叩きつけられた。ちなみに蓬莱山の顔には火傷1つ残っていない。さすがは不死身だな、そして言うまでも無いけど上条さんは既に宇宙で不死身の魔術師と戦ったことがあるので今更驚きません

 

「と、とりあえず蓬莱山も妹紅もお互いに殴り合ってすっきりしただろ?早く弾幕ごっこについて教えてくれ…」

 

「「全然スッキリしてない!!!」」

 

見事なハモリ!?しかも妹紅の傷は既に治ってる!?さすがの上条さんもこれには驚いたぞ…

 

「ったく…まぁ今日の所は当麻に免じて許してやる。そんなことより早く訓練を始めるぞ」

 

「何でウニ条に免じて、なのよ。まぁ良いわ、これ以上ヒートアップしてまた永琳を怒らせたらどうなるか分かったものじゃないし…。それにウニ条の身のこなしも見れたから今日はもう観る側に回るわ」

 

 

どうやら蓬莱山はもう退いてくれるらしい。良かった…妹紅と蓬莱山の2人を一気に相手なんて勝ち目が無いにも程がある。そもそも上条さんは弾幕ごっこ初心者なんだから

 

「よしそれじゃあ、と行きたい所だけど当麻。垣根と鈴仙はどうしたんだ?今更だけど見かけないから気になったんだ」

 

あぁ、そりゃそうだ。だってあの2人は今……

 

「妹紅、垣根とイナバなら今…かなりキツイ訓練をしてるわよ。さっき能力を使って覗き見してたけどあの2人、近接格闘×銃撃戦×弾幕ごっこの総合訓練をやってるんだもの」

「……は?」

 

妹紅の反応も当然だ、俺も泡を吹いてる垣根に鈴仙が『拳銃とナイフ』を渡すのを見た時は思わずツッコミを入れたからな

 

 

 




今回は前回のような1万字オーバーではなく5000文字も無いあっさりとした感じでした。恐らく前回よりは格段に読むのが楽だったとは思います。

来週はかき揚げうどん(垣根×うどんげ)のお話です、何だか気付いたらメルヘン野郎がニート化してきたので来週はきっちりと常識の通じない第二位を書くぜ!!



…多分

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